もののふの国 (単行本)



  

平将門の乱から西南戦争までの武士の戦いを海族と山族の対立という視点で描く。平氏は海族、源氏は山族である。南北朝時代になると源氏の足利尊氏は山族、楠木正成は海族である。
天野純希『もののふの国』は平将門の乱から西南戦争までの武士の戦いを海族と山族の対立という視点で描く。…

					本が好き! 1級
					書評数:3170 件
					得票数:15365 票
					
歴史小説、SF、漫画が好き。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』はマンションだまし売り被害を消費者契約法(不利益事実の不告知)で解決したノンフィクション。



  

平将門の乱から西南戦争までの武士の戦いを海族と山族の対立という視点で描く。平氏は海族、源氏は山族である。南北朝時代になると源氏の足利尊氏は山族、楠木正成は海族である。
天野純希『もののふの国』は平将門の乱から西南戦争までの武士の戦いを海族と山族の対立という視点で描く。…



  

シリーズ物のスペースオペラ。主人公は連邦と対立しているが、主人公が戦うことは連邦のためになる。これは矛盾である。連邦を敵として戦う物語の方がスッキリするだろう。
ショーン・ウィリアムズ、シェイン・ディックス著、小野田和子訳『星の破壊者 上 銀河戦記エヴァージェン…



  

どちらも征夷大将軍の妻であり、母である。どちらも御台所としての役割を果たした。どちらも悪女の評があるが、そこには女性が政治に関与すること自体を否定的に考える昭和の価値観があり、そこは割り引く必要がある
田端泰子『女人政治の中世 北条政子と日野富子』(吉川弘文館、2022年)は中世の女性の政治への関与を…



  

『吾妻鏡』は鎌倉幕府の歴史書である。執権北条氏を正当化する目的で編纂されたと考えられており、史料批判が必要である。畠山重忠の乱では北条義時が時政を諫めようとしたと描かれる。
『吾妻鏡』は鎌倉幕府の歴史書である。執権北条氏を正当化する目的で編纂されたと考えられており、史料批判…



  

ペルを占領した軍人は腐敗していた。民間のアパートを占領し、麻薬を使用した。民間人の男女4人を閉じ込め、裸にして暴行を加えた(下巻239頁)。これもウクライナを占領したロシア連邦軍兵士と重なる。
C. J. Cherryh, Downbelow Stationはスペースオペラ小説。邦訳は、深町眞…



  

楽市楽座は統制経済が主流の日本では珍しい自由主義的な政策である。楽市楽座は戦国大名の領国経営として論じられがちであるが、公家や寺社に隷属して座を営んでいた商工業者の自立志向の高まりも背景にある。
楽市楽座は既得権益を破壊する。楽は規制のない自由な状態であることを意味する。楽市楽座は統制経済が主流…



  

人類の歴史の真相を知った主人公が宇宙に旅立つのではなく、地球を水の星に回復させることを目指すことは地に足がついている。環境問題が地球的課題になる前の書籍であるが、むしろ21世紀に刺さる。
Arthur C. Clark, Against the fall of Night, 1953.は…
  



  

組織に圧力をかけたり、相手に強要したりする秘密警察にはウンザリさせられる。公務員的な組織が悪で、民間の人々が対抗する展開は、公務員への信頼が失墜した現代日本を反映している。
日和真之『メタルマトリックス』は現代日本を舞台に地球上に存在しないような金属をめぐる近未来SFサスペ…



  

商業重視の世界では詐欺などの悪徳商法を厳罰にしているとの設定がある。これはビジネスの本質を重視している。ありきたりな作品では他人を騙して儲けることを恥じないような価値観になっていることがある。
ショーン・ウィリアムズ、シェイン・ディックス著、小野田和子訳『太陽の闘士 上下 銀河戦記エヴァージェ…
  



  

原題はSteal like an Artist。パクリ商法が繰り返される日本では危険なタイトルである。あまり原題を変えることは好きではないが、本書が邦題を『クリエイティブの授業』としたことは支持できる。
オースティン・クレオン著、千葉敏生訳『クリエイティブの授業 10TH ANNIVERSARY GIF…
  



  

皇道派は「天皇親政の社会主義国家」、統制派は「ソ連型統制経済」とどちらも官僚主導経済である点は変わらない。自由主義市場経済の民間感覚を持っていない。ここが日本の致命的なところである。
茂木誠『増補版 「戦争と平和」の世界史 日本人が学ぶべきリアリズム』(TAC出版、2022年)は戦争…



  

デクは要救助者に「大丈夫!!大丈夫だ!!」を繰り返し、「一辺倒か!!ヘタクソか!!」と批判された。根拠なく、大丈夫と言っても誤魔化しにしかならない。保身第一の無能公務員は「大丈夫か」と卑怯な質問をする
堀越耕平『僕のヒーローアカデミア 13』No.109「救助演習」でデクは要救助者に「大丈夫!!大丈夫…



  

東国の宿の多くは、豪族・領主の館・城と関りをもっている点に特徴がある。埼玉県さいたま市桜区宿という地名がある。これは畠山重忠の居館があった頃に家が軒を連ねて宿のようであったことに由来する。
中世の日本は領家職や田所職など職の体系と言われる。「「職人」との関係を考慮に入れるならば、「職」は官…



  

源平の合戦では源氏に手段を選ばない卑怯な振る舞いが描かれることが多い。平氏は武士らしさを失ったから敗れたというよりも、平安武士らしさを貫いたから義経のような手段を選ばない存在に敗れたとなる。
源平の合戦では源氏に手段を選ばない卑怯な振る舞いが描かれることが多い。その代表が源義経である。義経の…



  

源平の合戦で敗者となった源氏側の人物をオムニバス形式で描く歴史小説。源義朝、常盤御前、源頼政、源義仲、静御前を取り上げている。
武内涼『源氏の白旗 落人たちの戦』(実業之日本社、2021年)は源平の合戦で敗者となった源氏側の人物…



  

地球の使節が同盟と交渉に訪れた際は同盟側から官僚的対応を受ける。「彼らを逆上させるように仕組まれた故意の非能率」にさらされた(256頁)。ここでは地球の側に感情移入する。
C.J.チェリィ著、深町眞理子、宇佐川晶子訳『ダウンビロウ・ステーション 上』(ハヤカワ文庫、198…
  


  

「「人づき合いが大事」というセリフは、それしか能のない人の負け惜しみ」。世の中のコンサルタントは人脈で仕事を回してもらっているようなところがある。お付き合いを否定する著者には本物の改革者感がある。
小早祥一郎『8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営』(standards、2022)は「捨てる」こと…



  

人の心の中にある穢れを払う「ココロの掃除屋」を描くローファンタジー漫画。堀北玖太郎は「店員と話とか考えただけで吐きそうに怖い」と語る(第1巻101頁)。この気持ちは理解できる。
最富キョウスケ『クイーンズ・クオリティ』は人の心の中にある穢れを払う「ココロの掃除屋」を描くローファ…



  

日本三大怨霊は菅原道真、平将門、崇徳院である。このうちの道真と崇徳院の二人が讃岐国の林田と縁がある。道真は讃岐守になり、林田湊で漢詩を作った。崇徳院は保元の乱後に讃岐国に流されて林田郷で生活した。
日本三大怨霊は菅原道真、平将門、崇徳院である。このうちの道真と崇徳院の二人が讃岐国の林田と縁がある。…
  



  

華道家元は文化人である。専門外の依頼や付き合いも色々とあるだろう。その結果、自分が何者か分からなくなってしまうことがある。そこで「原点に戻るための時間」が必要と指摘する。
池坊専好、鎌田浩毅『池坊専好×鎌田浩毅 いけばなの美を世界へ』(ミネルヴァ書房、2022年)は華道家…