鉄の門
ミルドレッドの死後、後妻ルシールが失踪。彼女は直前に謎の包みを渡されていた。ルシールの失踪と関連して起きた四つの殺人事件を追うサンズ警部は、ミルドレッドの死の真相に迫っていく。
本が好き! 1級
書評数:233 件
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エラリー・クイーンなどの推理小説に興味を持ち始めました。そしてロス・マクドナルドの影響でフロイトに出会い、精神分析を読み進めていくうちにラカン、アルチュセールなどのフランス現代思想に興味を抱いています。
ミルドレッドの死後、後妻ルシールが失踪。彼女は直前に謎の包みを渡されていた。ルシールの失踪と関連して起きた四つの殺人事件を追うサンズ警部は、ミルドレッドの死の真相に迫っていく。
T・S・エリオットといえば『荒地』が引用されるので、一回は読んでみようと思って、図書館で借りてきました。どうやら20世紀のモダニズム詩の代表らしいです。
10年前にボブを殺したことを手記に記したセリニャン弁護士。時効直前、証拠写真を持つ男が現れ、ボブの母と競売に。絶望的な状況下、男は弁護士に写真を譲ると言い出した。
女性が次々と殺され、〈詩人〉と名乗る犯人は最愛の女性を殺害していた。優秀な刑事ロイド・ホプキンズは彼を天才犯罪者と確信する。上層部から捜査中止を命じられるも、彼は単独で事件を追う。
外套のあらすじ。給料は安いけど文字さえ書いてれば幸せというアカーキエウィッチの外套はもうすでにボロボロだった。もう継ぎが当てられないことを知って、新調を決意するが……というもの。
外科医トマーシュと恋に落ちたテレザ。トマーシュはドンファンだが、ある日新聞投稿が共産党批判とされ警察の取り調べを受ける。編集者を庇い偽証するも、それが別の編集者を巻き込む事態に。
自由奔放なホリデイは「ティファニーで朝食を食べるようになっても、あたし自身というものは失いたくないの」と語る。名刺の住所は「旅行中」、猫には名前もつけない。そんな彼女との記憶を「私」が回想する。
田島は愛人との関係を清算するため、美しいキヌ子に妻のふりをしてほしいと頼む。しかしキヌ子はそれを逆手に取り、大食いするばかり。困り果てた田島は、ついにキヌ子に迫ろうとするが……。
ポオの「黒猫」を思わせるゴシックホラーでした。法律にまつわる話、犯罪・謎にまつわる話です。
太宰のユーモア溢れる短編集です。暗いというイメージを払拭させてくれること請け合い。カチカチ山には爆笑しました。ぜひともサルカニ合戦でも書いて欲しかったです。
ナチス・ドイツの戦争犯罪を巡って、七人の男女が凄絶な証言する。例えば、ある者は片目を失いながら逃げ延び、ある者は怪我人を見殺しに、またある者は収容所近くの森で墓を掘っている中、家族の死体に出会い……。
売れない小説家、伊瀬はある日、雑誌「草枕」へ連鎖原稿の依頼を受けた。取材先で遺体が埋められている、という騒ぎがあったという騒ぎがあったが、後日、「海龍丸」と書かれた看板が見つかっただけだった。
ルーマニアの現代作家、ミルチャ・カルタレスクのエッセイ集。サリンジャーなどの文学を、実存を、人生の意味を、短い断章とともに綴っている。
永井美浜たちはディズニーランド建設で持ち切りだった。そんな中、中学校時代の同級生で不動産会社勤務の恵一が美浜の職場に偶然訪れる。十三年前に自殺した英二に話が及び、そこから美浜の周辺が崩壊していく。
詩人、ガブリエル・ゲイルは怪事件を解決する特殊な才能を持っている。それはひとえに「狂人の気持ちになれる」という能力のおかげだった。常識では考えられない不合理なことなどを解決するのに適しているのである。
フォーゲルは街等の情景描写のみで、『アカシヤは花咲く』を描いた。したがって登場人物らしい登場人物はいない。強いていえば、マネキン人形や群衆である。しかしそれらは緩やかなイメージのつながりを持っている。
作家、時任謙作はお栄に恋心を抱くが、彼女が祖父の妾であることを知る。さらに祖父と彼女との間にできたという事実を知り、苦しむ。
ある男が掘り出した木の像には富を宿らせる不思議な力があった。男は福の神だと信じ、それを崇めるが……。(「笑い顔の神」) 何とかして幸せにしてあげようと、色々世話を焼くが……(「マスコット」)
SFのショートショートの神様、星新一。ある日、宇宙から金属の物体が落ちてきた。そしてその調査を進めていくうちにやがて人工物であることが明らかに……。贈り物か、それとも……。
武蔵野は今でこそ都会であるが、明治時代は林が広がっていた。国木田独歩はこのような田舎の風景を描いて、自分の内面を見詰めたのである。