大地のゲーム




綿矢りさは、震災を「ゲーム」だとした。いかにも、自身の中に様々に流れ込んでくる情報や感情を「インストール」と表現した作家らしい。
震災という未曽有の災害を前にすれば、作家は自らの持てる力をフル稼働させるかしない。畢竟、できあがった…
本が好き! 1級
書評数:382 件
得票数:2900 票
村上主義者。




綿矢りさは、震災を「ゲーム」だとした。いかにも、自身の中に様々に流れ込んでくる情報や感情を「インストール」と表現した作家らしい。
震災という未曽有の災害を前にすれば、作家は自らの持てる力をフル稼働させるかしない。畢竟、できあがった…





内戦で両腕を奪われてしまった女の子から、すべての大人へ向けての厳しいメッセージです――「あなたたちは成長しているのか?」と。
アフリカ大陸の西海岸にシエラレオネという小国がある。農村部での平均賃金は一日一ドル、平均寿命はわずか…





村上春樹の「恋するザムザ」が一番へんてこりんなラブストーリーですw
村上春樹編訳『恋しくて』は、海外の現役作家作品から「ラブ・ストーリー」を9篇、そして村上自身の書き下…





詩人と読み手とのきわめて親密な交歓
ふたりは理系のひとであると同時に、詩人でもある。つまりは似た者同士。池澤さんは埼玉大学の物理学科に在…





ジェフリー・ディーヴァーが放つ読者への挑戦状!(プラス解説付きw)
ジェフリー・ディーヴァーといえば四肢麻痺の科学捜査官リンカーン・ライムのシリーズが有名で、それらの作…




「どうして勉強しなきゃいけないの?」――子供を持つ親御さんなら、一度はこんな質問を投げかけられたことがあるのでは? 本書は、そんな迷える親たちへのヒントも与えてくれます。著者のような息子が欲しかった!
今年の初めごろ、高校受験を控えた子供の口からこんな言葉が漏れた。 ――どうして勉強しなきゃいけな…





『極北』のタイトル通り、極寒の北の地が舞台。でもこれは理不尽な暴力にさらされた“精神の最果て”の物語でもあります。村上春樹の訳本。今年のマイベスト、間違いなしの一冊です。
さて、どこから語り始めようか? マーセル・セロー『極北』を読み終えて、僕は今、途方に暮れて…





震災後、僕はまったく書評が書けなくなりました。でももう一度、書いていこうと思います。「いまだ存在してない者」のために。その羅針盤として、池澤さんのこの本を携えていこうと思います。
東日本大震災の発生以降、僕は書評が書けなくなった。いや、仮にも書評ライターを名乗っているので、仕事…



集英社が「創業85周年記念企画」として刊行をスタートさせた「戦争×文学」シリーズの一冊。日本語で書かれた様々な戦争文学を、全20巻にまとめるという壮大な試みです。海外の翻訳作品も収録して欲しかった。
集英社が「創業85周年記念企画」として刊行をスタートさせた「戦争×文学」シリーズ(http://ww…





ドン・ウィンズロウ『サトリ』の元ネタ。日本文化を極めた暗殺者とアメリカ諜報組織との暗闘を描いたサスペンスです。戦中戦後の日本の緻密な描写は圧巻。歴史資料としての読みごたえもあります。
初出は1979年。邦訳は87年の訳出となる。著者のトレヴェニアンは覆面作家だったそうで、正体はロドニ…

「セルフパブリッシング」という新しい出版スタイルに、著者の志の高さを感じました。それゆえに、作品内容に関しては少し厳しめの評価とさせていただきました。今後に期待しております。
高校生の頃、友人が書いた小説を読ませてもらったことがある。彼は毎年、校内の文学賞に自作を応募していて…




イクメンならぬ、テツメンの皆様のプロフィールを、戯画化したイラストとともに紹介してくれます。昨今のブームで、哲学を勉強し始めたという向きには最良のサブテキストかも(たぶんw)
昨年よりの「マイケル・サンデル」ブームに触発されて、哲学の勉強を始めた。「白熱教室」はもちろん録画…



「日本文学」と銘打たれていますが、中国における村上春樹の情報に関しての記述が多いです。村上ファンには楽しめるかもw
著者は、張競という中国出身の学者である。本書は「日本文学」と銘打たれているけれど、中国における村上…




100円ノート整理術の第三弾。僕は「ほぼ日手帳」ユーザーですけど、十分に活用できるネタが満載でした。「ノート整理王に俺はなるっ!!」と思わせてくれる一冊(笑)
毎年、手帳のセレクトには悩む。ここ数年は「ほぼ日手帳」を使っていた。文庫本サイズは持ち運びにもほど…





愛知の「岩瀬文庫」という古書博物館所蔵の奇書の数々を紹介した本です。取りあげられる本の珍奇さもさることながら、著者の古書へ愛も感じさせる一冊。優れた書評集として読みました。
愛知県西尾市に日本初の「古書の博物館」がある。「岩瀬文庫」というのがそれで、明治の篤志家・岩瀬弥助…




1989年から続いた人気シリーズに大幅なリライトを施して復刊したものです。高校生の麻衣と、ナルシストの渋谷一也の掛け合いが面白いです。ホラーなんだけど(笑)
小野不由美といえば『十二国記』ぐらいしか知らなかった。「ゴーストハント」シリーズは、その昔(198…





「雑文集」というタイトルに惑わされてしまいましたが、これまできちんと発表されてこなかった創作上の秘密が開陳されているように思います。なかなかに貴重な資料ではないでしょうか。
「序文」やら「あいさつ文」「書評」など、様々な媒体に掲載されつつも単行本等には収められてこなかった雑…




第144回芥川賞受賞作。多彩なレイヤーを積み重ねて構築された作品で、読み手によって様々な色を見せると思います。受賞に恥じない、見事な作品です。
第144回芥川賞受賞作。一読して、「家」を起点にした「記憶」の物語であると感じた。「家」といっても…




第144回芥川賞受賞作。著者の独特のキャラがそのまま小説になった感じです。古き良き昭和の私小説が、平成の世に復活したという感じでしょうかw
第144回芥川賞受賞作。その日暮らしの港湾労働に従事する19歳の男が主人公である。「昭和42年生まれ…




就活中の学生向けの本なのでしょうが、大学生になってからでは遅い! 義務教育の段階から、こうした本を使った授業を行ってほしいものです。親子で読んでほしい一冊。
本来であれば就活中の学生向けの本なのだろう。書店店頭では一等地に平積みされているのをよく見かける。…