ボダ子

「境界性人格障害」でボーダーだから、あだ名は「ボダ子」。 彼女を題名にしながら、父親である自分の「業」を全て吐き出そうとしている、特異な小説だ。
396 赤松利市 「ボダ子」 「境界性人格障害」でボーダーだから、あだ名は「ボダ子」。 彼女…

本が好き! 1級
書評数:668 件
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語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

「境界性人格障害」でボーダーだから、あだ名は「ボダ子」。 彼女を題名にしながら、父親である自分の「業」を全て吐き出そうとしている、特異な小説だ。
396 赤松利市 「ボダ子」 「境界性人格障害」でボーダーだから、あだ名は「ボダ子」。 彼女…

私は井上靖の「優しい視点、視線」というものに、共鳴していたのだ。
397 井上靖 「井上靖 未発表初期短篇集」 井上靖が若い頃から何となく好きだった、「これ」と…

人の外と書いて「にんがい」と読ませる。 不思議な小説だった。
398 松浦寿輝 「人外」 人の外と書いて「にんがい」と読ませる。 不思議な小説だった。 …

サミュエルと母のフェイの人生を、じっくりとユーモアに富ませて描いている。 「アメリカのあの年」も、かつて読んだことがない程の迫力をもって、背景としてドーンと展開させている。 とても良い小説に出会えた。
399 ネイサン・ヒル 「ニックス」 原題はTHE NIX。 サミュエルと母のフェイの人生を…

カワネズミ一家の、引越しに纏わる冒険を童話の形にしているが、寓話でもある。 子どもへ向けて書かれているが、大人も安心して(?)楽しめる。
400 松浦寿輝 「川の光」 カワネズミ一家の、引越しに纏わる冒険を童話の形にしているが、寓話…

昭和から平成の「あの事件」を、警視庁公安警察官の眼から丁寧に映している。
401 月村了衛 「東京輪舞」 昭和から平成の「あの事件」を、警視庁公安警察官の眼から丁寧に映…

「SFの新しい波」というキャッチコピーにも頷ける名作品だ。 多くの読者が「〇〇以来の衝撃だった」と記しているが、 私にとってはアイザック・アシモフ「ファウンデーション」以来の衝撃だった。
402 劉慈欣 「三体」 「SFの新しい波」というキャッチコピーにも頷ける名作品だ。 多…

演劇の人らしく、印象に残るシーンを作り出しているし、独特のことば回しも楽しめた。
403 松尾スズキ 「もう「はい」としか言えない」 松尾スズキの中編が2つ収められている。 …

水墨画を描くことによって、酷く傷ついた心が癒されていく。 一心不乱に取り組んだり、打ち込んだあとに気付いてみたら、 あの事はすっかり忘れていた、いや乗り越えられた、ということがある。
404 砥上裕將 「線は、僕を描く」 水墨画を描くことによって、酷く傷ついた心が癒されていく。…

異色だ。 「食糞」を道具に使ったファンタジー。 覚悟して手に取る必要があるが、読後感は爽快とまではいかなくとも「まともな西部劇の後のよう」だった。
405 赤松利市 「純子」 異色だ。 「食糞」を道具に使ったファンタジー。 覚悟して手に取…

「おらおらでひとりいぐも」の、若竹千佐子の6年振り第2作。 「おらおら」とは違って、「自分の外の世界」へのテーマで、私としては空転気味だった。 それでも彼女は、「外の世界へ討って出る」ことにしたようだ。
587 若竹千佐子 「かっかどるどるどぅ」 「おらおらでひとりいぐも」の、若竹千佐子の6年振り…

宮部みゆきが初めて自ら「SF」と題した短編集。 随所に彼女らしい独特の視点が見つけられて楽しかった。
406 宮部みゆき 「さよならの儀式」 宮部みゆきが初めて自ら「SF」と題した短編集。 随所…

完全に私小説だった。 「あぁ~、太宰治も自分のこんなことを書いていたかなぁ」と、思い出した。
407 田中慎弥 「ひよこ太陽」 完全に私小説だった。 久し振りに、「あぁ~、太宰治も自分の…

家を持たずに全国いや世界をも回る、立川流真打ち立川こしらの現在とその成り立ちを書いている。
408 立川こしら 「その落語家、住所不定 =タンスはアマゾン、家のない生き方=」 家を持たず…

東日本大震災を被った市をモデルにしていると思われる、ディストピア小説・寓話。 これを読んで私は何を感じたのか、思ったのか、想像できたのか、 読み終わってから10日も経つのにまだ整理ができない。
409 吉村萬壱 「ボラード病」 東日本大震災を被った市をモデルにしていると思われる、ディスト…

五十路のラブ・ストーリー その「ひとつの形」
410 朝倉かすみ 「平場の月」 「五十路のラブ・ストーリー」 そう書評で見て「うーん」と唸…

「仮想通貨」「ダメだった飛行機」などを道具に使ったお話。 「一言でいうとどんなお話?」と尋ねられたなら、「むなしいお話」と応えるかなぁ。
411 上田岳弘 「ニムロッド」 「仮想通貨」「ダメだった飛行機」などを道具に使ったお話。 …

「変わった形態の家族」を使った中編小説。 ほっこりしたお話を読みたければ、うってつけになるかもしれないし、 ハードな小説を望むなら「毒にも薬にもならない」となるかも。
412 瀬尾まいこ 「傑作はまだ」 「変わった形態の家族」を使った中編小説。 ほっこりしたお…

昭和38年の「吉展(よしのぶ)ちゃん誘拐事件」を題材にしている。 人とその背景や時代を丁寧に書いているから、 お話は強い緊張感をもってぐんぐんと私たちの前へ押し出されてきた。
413 奥田英朗 「罪の轍」 昭和38年の「吉展(よしのぶ)ちゃん誘拐事件」を題材にしている。…

鯖の一本釣りを道具につかっている、一級のノワール小説。
414 赤松利市 「鯖」 鯖の一本釣りを道具につかっている、一級のノワール小説。 赤松利…