地雷グリコ

高校生が戦う、新手のゲームを題材にしたミステリー。 長らくミステリーを読んでおらず、謎と謎を囲む情勢が良く練られているのに感心した。
654 青崎有吾 「地雷グリコ」 高校生が戦う、新手のゲームを題材にしたミステリー。 長らく…

本が好き! 1級
書評数:668 件
得票数:11766 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

高校生が戦う、新手のゲームを題材にしたミステリー。 長らくミステリーを読んでおらず、謎と謎を囲む情勢が良く練られているのに感心した。
654 青崎有吾 「地雷グリコ」 高校生が戦う、新手のゲームを題材にしたミステリー。 長らく…

時代は「ええじゃないか」と、大きな音をたてながら転がっている。 弥一ら登場人物たちも、時代に食らいついて、その先に目をこらしている。
653 宮本輝 「潮音 第三巻」 時代は「ええじゃないか」と、大きな音をたてながら転がっている…

伊坂幸太郎デビュー25周年記念の、企画もの。 いつもの「ちょっと理屈っぽくて、言いたい事を言い過ぎ」なところは大目にみて、 井出静佳の大らかな挿画とともに、物語を楽しめた。
652 伊坂幸太郎 「楽園の楽園」 伊坂幸太郎デビュー25周年記念の、企画もの。 いつもの「…

弥一ら薬売りたちは、幕末の大きなうねりに巻き込まれ始める。 そして禁門の変では「薬隊」の幟(のぼり)を掲げ、砲弾の中、負傷した者たちを探し回っている。
651 宮本輝 「潮音 第二巻」 弥一ら薬売りたちは、幕末の大きなうねりに巻き込まれ始める。 …

「書かないこと」で、それを読者に想像させ、 「書けないこと」を、言葉にしようとしている。
650 ヨン・フォッセ 「朝と夕」 「書かないこと」で、それを読者に想像させ、 「書けないこ…

鮮烈なるデビュー作「GO」の路線を試みているが、ハードボイルド(もどき)になってしまっている。 善玉も悪役も「動機」が弱いんだ。
649 金城一紀 「友が、消えた」 鮮烈なるデビュー作「GO」の路線を試みているが、ハードボイ…

小野寺史宜はたいへんさりげないのだが、 豆腐店が作った豆腐のように、しっかりした「味」を残している。
648 小野寺史宜 「日比野豆腐店」 堀切菖蒲園で三代続いている「日比野豆腐店」を舞台にしたド…

薬売りたちと、幕末・明治の長い旅をお楽しみ下さい。
647 宮本輝 「潮音 第一巻」 「薬売りたちと、幕末・明治の長い旅をお楽しみ下さい」と、作者…

名作「図書館の魔女」の第三弾。 いわば「エピソード0」なのだが、十分にあの世界観を楽しめた。
646 高田大介 「図書館の魔女 高い塔の童心」 名作「図書館の魔女」の第三弾。 いわば「エ…

「デビュー作にはその作家の全てが詰まっている」などと言われるが、 その通りの切れ味だった。 いや、刀ではなく棍棒でガツンだった。
今村夏子のデビュー作「こちらあみ子」と、2つの短編。 「デビュー作にはその作家の全てが詰まっている…

羊飼いのサンチャゴの冒険譚の姿を借りて、数々の気づきをちりばめている。 「明日がある(見える)」という、私が小説に求めるど真ん中も、輝いていた。
644 パウロ・コエーリョ 「アルケミスト - 夢を旅した少年」 羊飼いのサンチャゴの冒険譚の…

越後の縮み問屋の跡取りが、三十年かけて一冊の本『北越雪譜』を江戸で板行(出版)するまでのお話。 木内昇らしい、控えめな主人公とその周り、その時代と、その空気を浮き彫りにしてくるエピソードに溢れていた。
643 木内昇 「雪夢往来」 越後の縮み問屋の跡取りが、三十年かけて一冊の本『北越雪譜』を江戸…

「意識」と、その「共有」に関わるお話。
642 朝比奈秋 「サンショウウオの四十九日」 「意識」と、その「共有」に関わるお話。 …

金沢郊外の自然を舞台にして、少年たちが「野遊び」を見つけ作り出して、 そりゃあ楽しそうに駆けまわっている。 実際の出来事からのエッセイの形をとっているが、群像劇の短編小説集と読んでも味わい深い。
641 阿部正人 「里山太平記」 金沢郊外の自然を舞台にして、少年たちが「野遊び」を見つけ作り…

原題は「MONK AND ROBOT」。 喫茶僧とロボットが、旅をするSF中編が2つ。 エピソードを使って「考え方」や「捉え方・感じ方」の例示をソフトに行い、 その答え(も「答え無し」も)は、読者に委ねている。
640 ベッキー・チャンバース 「ロボットとわたしの不思議な旅」 原題は「MONK AND R…

死神が身近に現れるようになった、青年のお話。 「私」と死神という視点も、もちろん面白いのだが、 劇的に変わってしまう父親、母親も含めた群像劇としても楽しめた。
死神が身近に現れるようになった、青年のお話。 「私」と死神という視点も、もちろん面白いのだが、 …

「破果」で活躍した老境の女殺し屋「爪角(チョガク)」の、若き訓練の日のエピソード。 後に全幅の信頼を寄せ合う、師であるリュウと爪角が、「信」の字を不器用に作り始めている姿が見えた。
638 ク・ビョンモ 「破砕」 「破果」で活躍した老境の女殺し屋「爪角(チョガク)」の、若き訓…

ポップな題名とはうらはらな、重厚な冒険小説。 ど真ん中で硬派極まりなく、読後の爽快感もひとしおだった。 軽めの題名は、登場人物の温かさや、繰り出してくる台湾料理に現れていた。
637 張國立 「炒飯狙撃手」 2024/12/22 11:45 ポップな題名とはうらはらな、重…

第一次世界大戦の独仏戦に駆り出された、 セネガル人兵士の独白の形をとっている。 これは「長い悪夢」だ。 いや、「長い長い呪文」かもしれない。
636 ダヴィド・ディオップ 「夜、すべての血は黒い」 第一次世界大戦の独仏戦に駆り出された、…

母は本当にあったことを書いた。 わが家の逸話や思い出話は改変され、脚色され、編集され、 しまいにはどれが本当のできごとだったかわからなくなった。 それでいい、とルシアは言った。 物語こそがすべてなのだから。
ルシア・ベルリンの作品集第三弾。 原題は「Evening in Paradise」。 三冊続…