吾輩は猫である



猫が鋭く指摘する明治知識人の小市民的な生態を心の底から嗤いとばせない。
夏目漱石を読み返したい…と思うと、真面目な私は やっぱり執筆年代を追って順に…と考える。 すると…
本が好き! 1級
書評数:243 件
得票数:3991 票
読むことも書くことも孤独な作業ですが、言葉はいつも語られ受け取られるためにあるものだと思っています。誰かに喜んでもらえる言葉を語ることができれば嬉しいです。できることならば…。
近・現代日本文学を中心に、外国文学、児童文学、医療・健康関係の本、必要に応じて読んだ実用書などについて書いていきたいと思っています。
不定期でアロマテラピーインストラクター、セラピストの仕事をしています。



猫が鋭く指摘する明治知識人の小市民的な生態を心の底から嗤いとばせない。
夏目漱石を読み返したい…と思うと、真面目な私は やっぱり執筆年代を追って順に…と考える。 すると…




「ことばは、みがけば光るもの」──日常の中の大切なこと、美しいものについて、日常の言葉で語ること
石井桃子さんの言葉を読むと、 ねじくれた自分の心も幾分まっすぐになるような 気持ちになるのはなぜ…





失った「世界への信頼」を、どうしたら取り戻すことができるのか。
W・G・ゼーバルトの評論集『空襲と文学』を読んで、その中で、ゼーバルトが 自国ドイツの第二次世界大…



作家の考える良い物語とは──人の心を鼓舞し、 喚起し、揺さぶり、 そして愛がとても重要なものであるということを信じさせる物語。
副題に「村上春樹インタビュー集 1997‐2011」とあるように、 作家・村上春樹に対する19のイ…



よいお天気の日に、ミルクを舐めてしまったばっかりに…揺れ幅のひどい一日を送ることになったきつねのお話です。
燦々と輝く黄金色の陽の光を気持ちよさそうに浴びながら、楽しそうに歩く きつねの姿…そこには文字通り…




解放への希望とそれによって失われる自身に対する怖れ、支配されること への怒りと、支配を断ち切ることで失うある種の繋がり…複雑に揺れ動く 人間の内面の世界を描いた物語
アンナ・カヴァンの作品については、先日短篇集についての 書評を書いてみましたが、 『アサイ…




固有の生と死によって積み重ねられた「時」こそが、歴史という名にふさわしい「時」
トカルチュクの本は、以前ここでも紹介した、ノーベル文学賞受賞の 記念講演を所収した評論集を読んで、…




「正直で公正な証人」として──辛抱強い言葉たちが伝え続ける人の心の奥の世界
発売からすでに2年が経とうとしているので、もう「新刊」とはいえないかも しれませんが、村上春樹の近…




![空襲と文学[新装版]](https://m.media-amazon.com/images/I/41gP-+1OVXL._SL160_.jpg)
戦争について、人間が行う暴力、残虐性について、弱さについて、そして悪について── それに向き合うことが免除される人はいない。
この『空襲と文学』という本は、以前読んで、ここでも紹介させていただいた、 『アウステルリッツ』とい…





心の奥底に眠る無償の欲望に突き動かされる、破滅的な人々への挽歌
カーソン・マッカラーズ(1917ー1967)は、アメリカ南部出身の作家で、 50年の生涯の中で残し…




闇との対決の始まり──一つの死と一つの喪失から始まり、また別の死と別の喪失で終わる物語──
作家にとって、デビューすることよりも、 デビューして二作目、三作目を世に出すことのほうが ずっと…



病をえても、老いても、かけがえのない一人の人間としての本質を大切にしてもらいたい、 尊厳を守ってもらいたい──そんな心の声に耳を澄ませてケアする人々
新型コロナウイルスの流行以降は特に、将来のことはおろか、 明日のことさえ、不確かだという不安を感じ…




崩壊をしっかり見届け、精神の再興にはたして小説が寄与できるか──若き日の作家二人が語り合った「尖りすぎた」文学談義
1981年に発行された、村上龍・村上春樹の対談集です。 1988年の第12刷まで発行されているのは…




忘れていた大切な風景を思い出す。桃の季節がくるたびに。
子どものころに出会った「もの」に込められた意味というものは、 私がちが感じている以上に日々の生活す…




静謐で透明な、品格ある文体──何をどう書いても、美しい世界を生み出せる作家
著者の作品を初めて読んだのはそんなに昔のことではない。 それは1992年に発表された『コルシア…



孤絶されながら、他の人の孤絶とどうつながれるのか、 そのわずかな結び目の存在に人は希望をもちつつ生きるしかない
奇妙な話、不思議な雰囲気の物語に惹かれるのは、個人的な気質によるものだと思うが、 女性作家の作品に…




夏目漱石~明治期の最強文学者の遺言
先日来、あらためて夏目漱石の作品にふれて、 やはり漱石はただ者ではない巨匠なのだ…と今さらながら …




今はまだ存在していなくても、いつか存在するかもしれない「よいこと」のために。
オルガ・トカルチュクはポーランド出身の女性作家で、 2018年度のノーベル文学賞受賞者です。 ノ…



「選べない」と思っていることを「選びなおす」決断について。 ○○ガチャに沈まないで生きていく勇気とは。
みなさんは本を読むときに、少しずついろいろな本を読む方でしょうか。 それとも、一気に読むタイプでし…



肉親でも分からないことと、肉親だからこそ、受け継げること。
このところ、村上春樹の作品を新旧とりまぜて読み返しています。 この本は、小説ではなく、副題に「…