掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集

私小説というカテゴリーにはおさまりきらず、半自伝的のように見せかけ、変幻自在に重層的に物語をカーブさせ、スライドさせていく。2019年、海外翻訳小説ベストワンも頷けます。
著者のルシア・ベルリンは、1936年にアラスカで生まれ2004年に68歳で亡くなり、その死後10 …
本が好き! 1級
書評数:277 件
得票数:6066 票
これまで読んできた作家。村上春樹、丸山健二、中上健次、笠井潔、桐山襲、五木寛之、大江健三郎、松本清張、伊坂幸太郎
堀江敏幸、多和田葉子、中原清一郎、等々...です。
音楽は、洋楽、邦楽問わず70年代、80年代を中心に聴いてます。初めて行ったLive Concertが1979年のエリック・クラプトンです。好きなアーティストはボブ・ディランです。
格闘技(UFC)とソフトバンク・ホークス(野球)の大ファンです。

私小説というカテゴリーにはおさまりきらず、半自伝的のように見せかけ、変幻自在に重層的に物語をカーブさせ、スライドさせていく。2019年、海外翻訳小説ベストワンも頷けます。
著者のルシア・ベルリンは、1936年にアラスカで生まれ2004年に68歳で亡くなり、その死後10 …

「信仰」はアメリカの『シャーリイ・ジャクスン賞』の中編小説部門にノミネートされているとのこと。 どの作品も登場人物の型破りな奇抜感が半端ない。
先日の読書講演会(7月15日、福岡の西南学院大学)の時に新作としてロビーで販売されていたので、購入し…





なにがあってもいきのびること。 少女は世界=人間工場と対峙する。 『コンビニ人間』の衝撃を越え、笑擊であるが、腹の底からは、笑えない。超!問題作です。クレイジー沙耶香の本領発揮!
物語は主人公の奈月が小学生のころ 祖父が住む、長野県の秋級(あきしな)の山里を訪れるところからは…





この本は、ロックにすべてを捧げ、2009年12月24日に29歳で早世した鬼才!志村正彦の全日記集です。
7月10日は、志村正彦の誕生日です。 この本は、彼の初の著書である『東京、音楽、ロックンロール…





タイトルは、カポーティの小説 の一文Think of nothing things, think of windから取られているそうです。 ハルキアレルギーのみなさん、この一冊からはじめてみてはいかがでしょうか?
村上春樹のデビュー作品『風の歌を聴け』を再読しました。最初に文章作法からすべてにおいて学んだとされる…





様々なメディアで取り上げられたこの話題作を遅ればせながら読んで感じたのは、「普通であること」を維持し、取り繕うことの困難さと、息苦しさに共感出来ても、主人公の生き方には?がつきまとうのではないか?
主人公=古倉恵子は、三十代半ばなのに、正職に就かず大学時代に始めたコンビニのアルバイトを続けていた。…





ヴェトナム戦争について書かれた小説ですが、今、読むべき一冊だと思います。おすすめします!
この小説は2016年ピュリッツァー賞フィクション部門の受賞作であり、またアメリカ探偵作家クラブの新人…





久々に心温まる家族小説を読ませていただきました。お勧めです。
消えてしまったあなたへ━━失踪の謎をめぐる、喪失と再生の物語━━ これは、出版社によるこの作品のキ…





稲垣諭さんの新著、『絶滅へようこそ』のなかの村上春樹論に魅せられ『1973年のピンボール』を40年振りに再読しました。
死んだ老画家、その老画家の所有していた土地と家に僕の大学時代のガールフレンドで亡くなった直子…





中上健次との類似を見た。『鳳仙花』は、彼の母親の自伝的内容である。この作品の中にヒントが在るのではないか?今度、読んでみようと思う。 桜木紫乃が描く『釧路サーガ』から今後ますます目が離せない。
出版社によるこの作品の要約文を以下に記す。 北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見さ…





ここ数年のあいだに読んだ本のなかではベストワンでした。みなさん!一読を強くお薦めします。この本自体が絶滅危惧本にならないことを願っています。("⌒∇⌒")(笑う)
我々は、「絶滅」というワードに過剰に反応してしまう。1999年から2000年にかけて、ある種祝祭的に…





古川日出男の文章は、声と呼吸にその原点をおいて語られ騙られるのではないか? 問題作であり、大傑作である。私たちは、オウム事件を松本サリン事件を地下鉄サリン事件を忘れてはならない。
このところ、現実に起きた事件を題材とした小説を連続して読んだ。円地文子「食卓のない家」(1972年、…





初読みの作家・早見和真さん、物語の展開が抜群に旨いというのが第一印象。
この小説のキャッチコピーを私なりに以下の文章に纏めてみた。 【1972年をバーニングポイント=発火…




![群像 2022年 05 月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51fq-mvCyGL._SL160_.jpg)
群像5月号の保坂和志、連載45回目は、ウクライナ侵攻です。これは非常に読み応えのある視点と内容です。
このゴールデンウィーク中に、博多に用事があり紀伊国屋書店で講談社の文芸雑誌『群像』5月号を購入した。…





読了したあと、「第一回 突然愛を伝えたくなる本」の 大賞受賞に合点がいった。
この作品は2012年、本屋大賞選考委員の書店員さんたちによる「第一回 突然愛を伝えたくなる本」に選定…





連合赤軍事件から50年。新たに中公文庫から新刊としてこの1月に発売された、明 治生まれの円地文子の最後の長編小説です。
久方ぶりに良質で、骨太な大河家族小説を読み終え、心が喜びで充たされていますが同時にまた、コロナ禍とウ…





オオカミについて書かれた本として、これからも読み継がれる『名著』であると思います。一読を強く、お勧めします!
この本の書評を書くにあたり、コンラート・ローレンツの動物行動学入門の世界的な名著とされる『ソロモンの…




構想20年。自分探しではなく、自分無くしの旅にでて、己が己であることをめぐる冒険ジャンキー小説‼️
原田宗典、復帰後、二冊目の作品である。構想二十年と帯にある。これは期待して読まざるを得ない。 ひと…





裂けた氷の向こう。氷平線が横たわっていた。ラストシーンは静かに涙を誘う。はまりますよ!桜木紫乃は! 当分のあいだ、桜木紫乃のマジック・エロ・テロリズムから脱け出せそうにない‼️
二冊目の、桜木紫乃である。これだけ描写に力の漲りと 静謐を兼ねた表現をする作家はそうさざらにはいな…





作家=原田宗典の喪失と再生のこの物語の復活を素直に喜びたい。
「0をつなぐ」「平成トム・ソーヤ」「スメル男」「しょうがない人」「優しくって少しばか」「できそこない…