無限の言語―初期評論集





アルゼンチンが産業発展している時代、愛国者である、英語教育を受けた詩人ボルヘスの若書き。
ボルヘス20代、全集収録を拒んだ1920年代の初期作品三冊からのセレクト。 選択基準を編訳者が記載…
本が好き! 1級
書評数:758 件
得票数:7806 票
感想はできるだけ一息に書きたいです。





アルゼンチンが産業発展している時代、愛国者である、英語教育を受けた詩人ボルヘスの若書き。
ボルヘス20代、全集収録を拒んだ1920年代の初期作品三冊からのセレクト。 選択基準を編訳者が記載…





地域ごとに、怪異を集める意欲的な企画の中部と甲信越篇。 我に水木しげるの画力を。
新潟から、愛知までの地域ごとの章立ての他に、広域と、物語っぽいものでも、一章ずつ割いてあり、索引も複…





怪異の考察を進める、学術的な集まりによる、ナショナリズム論集。 大日本帝国が形をなす、明治の中頃から、コロナ禍における、(何度目かの)戦後の終わりまでを射程とする。
国家の成立とともに、死者たちという、顔のない集団が姿を変えていく。 石に刻み込まれる、近代的な墓地…





マニエリスムということばがほとんど日本に知られていない頃、ヨーロッパで評価の変換が起きたさまを紹介してきた作者による、マニエリスム入門書。
高度の技法と寓意の組み合わせは、装飾的であり、カトリックの神学体制に生じたひび割れのようなものである…





個と世界を同時と見なす、シンクロニシティ空間。 参入の必要を訴え、自問自答に重きを置く作者。 本書は隅々まで作者の「我」が漲っており、ちょっと文章が暑苦しい。
個別に発表された文章を、書き下ろしでつなぐ形式ですが、どうせなら、本にするところで、全面的に書き改め…





神話の時代が終わろうとしていたはずだった。
かなり長めの解説がついており、カッシーラーの生涯が綴られている。 密度が高く本文よりも読みづらい。…





国家の欲望、国家を正統とするもの。 それは宗教的なものと結びつき、自らを飾り立て、神話をかたってきた。
神話は全体主義を夢見る。 全体主義は国家の十全なる姿だ。 宗教に似た欲望だろう。 ギリ…

かつて、関東のみならず、日本中にあったはずの、山岳信仰の世界。 その痕跡、あるいは今生きる姿を辿っていく。
同名の映画をもとにしたルポルタージュ、旅の記録。 かつて、関東のみならず、日本中にあったはずの…

正直知識不足により、感想など書けるはずもないのだが、この本は刺激的。
1998年12月に初刷、2018年3月に二刷。 そのように読み継がれる機会を得たことがまず良いこと…





気に入った詩篇は、『疾中』のそれを別としては、どす黒いいくつかの文字。 『一〇三三 悪意』 『一〇六七 鬼語四』これは他にも鬼の言葉があったのか? まるで、ラブクラフトの視た世界のような『一〇七四』。
農民であろうとした頃と病に倒れた頃の詩篇。あるいは紙片。 本書はのちに編まれたものであり、賢治自身…

特殊翻訳、言葉遊びのプロによる第一エッセイ集。 仕掛けが本体と言わんばかりの、原稿料に見合わない凝った文章が並ぶ。
時々出てくるミソジニーが辛いけども、筒井康隆、町田康などの戯れ文好きにはたまらないであろう。 加藤…





この本は春画を「芸術」ではなく、エロ本として扱う。 芸術は商売の口実に過ぎず、戦地や、お店などに持ち込む縁起物も同じようなものだろう。 春画は片手で抑え、もう片方は別のところにあてがわれる。
エロ「商品」を通してみた、日本文化史は、ほぼ江戸の話題である。 江戸は一時期、三分の二を男が占める…





暗い家族計画と商売の都合と欺瞞。
アメリカでは中絶をめぐって、国家を二分する争いが繰り広げられており、ブッシュ・ジュニアと、トランプ、…





ただ見ること。漫画の絵の力でかたること。
完結編。 どうしようかってくらいスピ全開。 ただ見ること。漫画の絵の力でかたること。 とは…





怪しげなコミューン、怪しげな儀式、怪しげな人。
アメリカのオルタナティヴ・コミック『black hole』のようになってきた。 怪しげなコミューン…





黙示/ロード・ムーヴィー
東北の地を舞台に、神を求める異能の男。 年代的には作者の自伝的風景論だ。 震災前夜に始ま…





本格ゾンビ漫画でBL。 BL要素は、普通の少女漫画レベルで、ハードコアなポルノではないから、「エロ」が苦手な人も大丈夫だと思う。
印刷(紙質)があまり良くないようですが、細部まで考えた作画にはこだわりを感じます。 この世界の…





80年代90年代、ゲーム的な競争に、少年漫画はナイーヴなものを殺したように思う。 精神分析的世界は、少女漫画に相性がいいようで、少年漫画はそれを否認したいのだと思う。
1986年に出された本であり、翻訳された元の文章はもっと古いことになるが、元になる叢書から、当時のア…





役人の書き留めた、江戸雑記。
おおよその感想は『1』で書いた気もする。 解説によると、根岸はなかなかのやり手で少々軽薄な人であっ…

工学系の学者による新しい理論が全てを説明。 こう書くと、トンデモ本のようですが、紀伊国屋書店ですし多分大丈夫。
どう言った理論なのかは、序章でほぼ全て説明してあり、それを個別の事例に当てはめ、汎用性の高さを示す。…