ウェイリー版 源氏物語〈4〉

完結とはいえない終わり方で「源氏物語」は終わった。もしかしたら続きがあって、長い年月の間に失われてしまったのかもしれないが。でも、わたしはこれで十分です。ここまで読ませてもらえれば。
11月半ばから読み始めた「ウェーリー版・源氏物語」。2022年も明日で終わりという日に、やっと読み終…

本が好き! 1級
書評数:563 件
得票数:14096 票
読書は、登山のようなものだと思っています。読み終わるまでが上り、考えて感想や書評を書き終えるまでが下り。頂上からどんな景色が見られるか、ワクワクしながら読書という登山を楽しんでいます。

完結とはいえない終わり方で「源氏物語」は終わった。もしかしたら続きがあって、長い年月の間に失われてしまったのかもしれないが。でも、わたしはこれで十分です。ここまで読ませてもらえれば。
11月半ばから読み始めた「ウェーリー版・源氏物語」。2022年も明日で終わりという日に、やっと読み終…

罪作りな源氏だが、老いてもなぜか宮廷のスーパースター。しかし、スーパースターも人間。いのち尽きるときがくる……
やっと読み終えた。ウェーリー版源氏の「3」。 図書館で「1」を借りたときは、ページのふくらみや汚れ…

源氏は誰にでもやさしい。その美点が、最愛の妻・紫の上を苦しめる。
ウェイリー版源氏「2」を読み終えた。 「1」を読み終えた後に、与謝野晶子訳の「桐壺」を読んでみた。…

源氏と契った女性は、みんな不幸になっていく。魔性のオトコじゃないか、源氏は。
「そうだ、源氏物語を読もう!」と思い立って、図書館へ行った。 県立の大きな図書館で、背の高い書棚ひ…

アフリカ大陸の密林の闇は濃く深い。
作者は、1857年に生まれた。少年のころから地図を見るのが好きだった。 帝国主義の時代。世界はヨー…

悲しみのどん底にあったとき、たまたま参加したきのこの講座。彼女は光を求めてまた歩き出す。きのことともに。
マレーシア人の著者は、18歳のとき、文化人類学を学ぶ交換留学生として、ノルウェーにやってきました。そ…

関東大震災で逮捕され、独房で縊死した金子文子。彼女は、獄中で自らの過酷な生い立ちを書き綴っていた。その手記は、同志であり最愛の人である朴烈への求婚で終わっている……
1923年9月1日、午前11時58分32秒、関東大地震発生。 その後も続く余震。倒壊する家々、燃え…

波乱万丈の筋立てがあるわけではないが、崩壊していく家族の模様が、静かに淡々とつづられていて、恐い小説である。
昭和25年12月から昭和26年三月まで、朝日新聞に連載された小説だという。 波乱万丈の筋立てがある…

テンポよく話が進んで、おもしろくはあったが、こんなろくでもない人間ばかりの小説を読んだのは初めてだ。
牛小麗は、大柄で行動的でたくましい美人、22歳。 14歳の時に父親を肺がんで亡くし、その二か月後、…

かぐや姫の謎が、すっきり解けてしまって、読んでよかったのか、読まないほうがよかったのか……
「竹取物語」は、九世紀後半から十世紀前半に、貴族階級の男性知識人の手で書かれたといわれている。読者は…

かぐや姫には実在したモデルがいるという……
竹取物語」の作者は不明だが、紀貫之を有力とする説があるという。 紀貫之といえば、「土佐日記」「古今…

若い二人は、鴎外先生の近くにいるだけで仕合わせだったのだろう。最後は、ちょっとしんみりさせる、一風変わった友情の記である。
鴎外が小倉に単身で赴任したのは、明治三十二年(1899年)、37歳の時だった。 小倉にいた三年余り…

美しい満月を見るたびに、竹取の翁はかぐや姫を思い出し、涙にくれることだろう。
何年か前に、 川端康成の現代語訳「竹取物語」(河出文庫) を読んだ。 「竹取物語」を初めから終わり…

比嘉真一は、沖縄県立第一中等学校の三年生。ガリ版刷りの召集令状を受け取ったのは、昭和二十年三月二十五日、三年生以上の全員が、鉄血勤皇隊に組織されたのだった。
「陸軍二等兵」が、真一の身分だった。 支給された軍服はだぶだぶで、軍靴はぶかぶかだった。 それで…

祭りには、遠く離れて暮らしている者を、故郷に引き寄せる力がある。
南イタリアの小さな村「ホラ」では、冬には盛大なナターレの祭りが執り行われる。 聖なる赤子の生誕を祝…

1945年7月、ベルリン。17歳の少女アウグステは、アメリカ軍の兵員食堂で、ウエイトレスとして働いていた……
1945年7月。戦争に敗けたドイツ。 首都ベルリンは、米英仏の連合国と、ソ連の軍隊に占領されていた…





僕はお前を恋していた。お前も僕を恋していたと言っていい。
昭和二十三年、作者(川端康成)は五十歳を区切りに全集を出すことになった。 そのために、未発表の手紙…

種痘普及に生涯を捧げた、福井の町医者の物語。
天保八年(1837年)の夏。福井藩では、天然痘が大流行していた。 天然痘は、感染力の強い病であ…





ついに”お船様”が来た。殺し、盗み、盗品を公平に分配し、貧しい村は、よろこびに沸いた。
どこであるか、地名は書かれていない。 江戸時代、日本列島のどこかの半島の先、海沿いの村の物語である…

その煙管、金ですか? 真鍮ですか?
加賀藩の第十一代藩主、前田斉広の話。時代背景は、天保のころである。 加賀といえば百万石、裕福で…