希望の国のエクソダス

この国にはなんでもあるが、希望だけがない。
1998年から2000年にかけて月刊誌「文藝春秋」に連載され、2000年7月に文芸春秋社から書籍刊行…

本が好き! 1級
書評数:573 件
得票数:14362 票
読書は、登山のようなものだと思っています。読み終わるまでが上り、考えて感想や書評を書き終えるまでが下り。頂上からどんな景色が見られるか、ワクワクしながら読書という登山を楽しんでいます。

この国にはなんでもあるが、希望だけがない。
1998年から2000年にかけて月刊誌「文藝春秋」に連載され、2000年7月に文芸春秋社から書籍刊行…

双子の妹への手紙の形式で語られる、谷間の村の神話と歴史。それは宇宙にもつながって……
主人公は歴史学者で、メキシコの大学に招かれ、日本の歴史を講義している。 彼は、四国の谷間の村か…

鷗外がドイツ留学中の恋をモチーフに書いたという小説「舞姫」。著者は、舞姫のモデルとなった女性の実像を、執念の調査で明らかにしていく。
森鴎外は、1884(明治17)年8月から1888(明治21)年9月まで、ドイツに留学していた。小説「…

石読、虫読、空読。異能の三人組に出会い、中学生・理宇の冒険が始まった。
2017年から2018年にかけて「小説トリッパ―」に連載された小説。 東京オリンピック三十年後ぐら…

1930年4月14日の朝。モスクワ都心に近い共同住宅で、銃声が鳴り響いた。その住宅の一室に倒れていたのは、38歳の偉大な詩人。直前には、21歳の女優がその部屋を訪れていた……
二十世紀初頭のロシア(ソ連)を代表する詩人マヤコフスキー。 38歳で、謎の死を遂げたといわれている…

とんとある話。あったか無かったかは知らねども、昔のことなれば無かった事もあったにして聞かねばならぬ。よいか?
作者の大江健三郎は、四国の谷間の村に生まれ育ちました。 少年だったころ、祖母から、村の誕生からいま…

死にたくはないけど死なないのは困る。
ふつうに人が死んでいた日の、ある翌日から、だれも人が死ななくなった。 老衰や病気でほとんど死に…

俺の父は何か 母は何か、其れが知り度くなった。/ ああ、俺は一体何だらう。(村山槐多『酒顛童子』より)
村山槐多は、詩も小説も書いた早逝の画家。 結核を患っていたところにスペイン風邪にかかり、結核性肺炎…

あの「源氏物語」には、欠落した巻があるという。
冒頭に、主人公・杉安佐子が中学三年生のときに書いたという小説。 題名はつけられていない。 ブ…

AIロボットと大人になり切れなかった青年の、成長の物語。
人々の生活にロボットが溶け込んで、家事や仕事をしている社会。 AIロボットには、旧式のごつい箱型ロ…

モデルは藤村の父・島崎正樹。幕末から明治へ。動乱の世を木曽の深い山の中にあって真摯に生き、最期は精神を病んで座敷牢で狂死した人。息子藤村の筆で、青山半蔵としてよみがえる。
積読の本の山から取り出し、読み始めたのが、1月10日。今月中にはきっと読み切るぞ、と固い決意で読み進…

ノーベル賞作家の二重小説。「野生の棕櫚」と「オールドマン」、接点のまったくない二つの小説で一つの作品。共通しているのはたったひとつ、ミシシッピー河。
帯には、「二重小説」と、大きな文字。 フォークナーといえばノーベル文学賞作家。きっと、いっぷう変わ…

ああ、読みたい。「猫舌男爵」を。
「リサイクル資料です。ご自由にお持ちください」 わたしの町の図書館の一角に、こんな紙が貼られた棚が…

この小説が発表されたのは、1973年9月。極端な気候変動。大震災。世界最終戦争……。五十年後のいまのほうが、世界をのみこむ洪水の危機は、はるかに増している……
四十歳の大木勇魚は、五歳の息子とともに、武蔵野の奥にある核シェルターに隠遁することに決めた。 彼は…

ある朝、とつぜん、田鶴は思い出してしまった。自分が、ロボットだってことを……
ロボットにもいろいろある。 働くロボット、戦うロボット、ペット型の見守りロボット…… 某犬型ロボ…

児童向けの物語ではなく、一般向けの科学の本です。
表紙とタイトルを見ると、児童向けの物語のようですが、一般向けの科学の本です。 副題は、「人工知能の…

少年の夢や才能や、愛や未来が、戦争に搾取されるような世界は、まちがっている。
1944年8月7日。 フランスのブルターニュ地方、海岸の町サン・マロは、連合軍に包囲されている。 …

菅原道真は、讃岐に赴任していたことがあります。竹取の翁の名は、「讃岐のみやつこ」で、道真邸には竹林もあったそうで……
著者が京都新聞に連載したコラムを、一冊の本にまとめたもの。 「竹取物語」の成立時期は、875-…

若い小説家の”ぼく”のもとに、無二の友の自死の報せが届いた。アフリカの無名の都市のホテルの浴室で、首を吊ったのだという。
1963年に発表された作品。大江健三郎28歳のとき。 主人公であり語り手でもある”ぼく”は、若…

クララはAF(人工親友)として作られた人造人間です。容姿はフランス人の少女のようで、高い知能の持ち主。物語は、クララの一人称で語られます。
物語の世界では、AFを専門に売る店があり、クララたちは、ある日はウィンドウに、またある日は店央に飾ら…