野生の棕櫚 (中公文庫)【Kindle】

ノーベル賞作家の二重小説。「野生の棕櫚」と「オールドマン」、接点のまったくない二つの小説で一つの作品。共通しているのはたったひとつ、ミシシッピー河。
帯には、「二重小説」と、大きな文字。 フォークナーといえばノーベル文学賞作家。きっと、いっぷう変わ…

本が好き! 1級
書評数:562 件
得票数:14095 票
読書は、登山のようなものだと思っています。読み終わるまでが上り、考えて感想や書評を書き終えるまでが下り。頂上からどんな景色が見られるか、ワクワクしながら読書という登山を楽しんでいます。

ノーベル賞作家の二重小説。「野生の棕櫚」と「オールドマン」、接点のまったくない二つの小説で一つの作品。共通しているのはたったひとつ、ミシシッピー河。
帯には、「二重小説」と、大きな文字。 フォークナーといえばノーベル文学賞作家。きっと、いっぷう変わ…

ああ、読みたい。「猫舌男爵」を。
「リサイクル資料です。ご自由にお持ちください」 わたしの町の図書館の一角に、こんな紙が貼られた棚が…

この小説が発表されたのは、1973年9月。極端な気候変動。大震災。世界最終戦争……。五十年後のいまのほうが、世界をのみこむ洪水の危機は、はるかに増している……
四十歳の大木勇魚は、五歳の息子とともに、武蔵野の奥にある核シェルターに隠遁することに決めた。 彼は…

ある朝、とつぜん、田鶴は思い出してしまった。自分が、ロボットだってことを……
ロボットにもいろいろある。 働くロボット、戦うロボット、ペット型の見守りロボット…… 某犬型ロボ…

児童向けの物語ではなく、一般向けの科学の本です。
表紙とタイトルを見ると、児童向けの物語のようですが、一般向けの科学の本です。 副題は、「人工知能の…

少年の夢や才能や、愛や未来が、戦争に搾取されるような世界は、まちがっている。
1944年8月7日。 フランスのブルターニュ地方、海岸の町サン・マロは、連合軍に包囲されている。 …

菅原道真は、讃岐に赴任していたことがあります。竹取の翁の名は、「讃岐のみやつこ」で、道真邸には竹林もあったそうで……
著者が京都新聞に連載したコラムを、一冊の本にまとめたもの。 「竹取物語」の成立時期は、875-…

若い小説家の”ぼく”のもとに、無二の友の自死の報せが届いた。アフリカの無名の都市のホテルの浴室で、首を吊ったのだという。
1963年に発表された作品。大江健三郎28歳のとき。 主人公であり語り手でもある”ぼく”は、若…

クララはAF(人工親友)として作られた人造人間です。容姿はフランス人の少女のようで、高い知能の持ち主。物語は、クララの一人称で語られます。
物語の世界では、AFを専門に売る店があり、クララたちは、ある日はウィンドウに、またある日は店央に飾ら…

いじめは、明るみに出さなければ止まらない。いじめられていたら、逃げなければ救われない。逃げて、逃げて、逃げて、生き延びて。
中学生の”ぼく”は、いじめられている。 ”ぼく”の目は斜視で、それをからかわれているうちに、いじめ…

こんな魔術はかんたんです。ただし、欲を捨てなければなりません。
大正九年(1920)一月、『赤い鳥』に発表された児童向けの作品です。 インド人マティラ・ミスラ…
![天皇の逝く国で[増補版] (始まりの本)](https://m.media-amazon.com/images/I/41G7TsxhR9L._SL160_.jpg)
1988年9月19日、昭和天皇は不治の病に倒れた。没したのは1989年1月7日。その人が死の床にあった数か月の間に、著者が巡らせた思いの中から、この本は生まれた。
著者は、アメリカ人の父と日本人の母をもつ。日本で生まれ育ち、高校を出てからアメリカの大学に進学し、そ…

第二次世界大戦の最中アメリカ・ニューメキシコ州の人里離れた高地に、科学者が集められ、原子爆弾の研究開発が行われた。足かけ三年、極秘の任務で、同行した妻たちにも研究内容を知らされることはなかった。
何かおかしい、きっと何かある、よくない何かが…… うすうす感じながらも、中流夫人の日常に明け暮れた…

ミステリー小説ではありません。犯罪捜査の本でもありません。やさしく書かれた科学の本、きのこ学入門書です。
きのこがニョキニョキ生えている地面を掘って見ると、そこにはバラバラ死体が―― というわけではありませ…

一粒の芥種、育ちて樹となれ
芹川進という少年の日記形式で書かれた小説です。 少年が書いた日記ですから、文章も少年ぽく作られてい…

東京の省線のある駅で、”私”は、来る日も来る日も、誰か(何か)を待っている。
大戦争が始まったころ、東京の省線のある駅で、待合室のベンチに腰かけて、 ”私”は、来る日も来る日も…

ほらほら、猫が見てるよ。
「猫は見ていた」ではなく、「猫が見ていた」。 「は」と「が」のちがいはなんだろう。 「猫『は』見…

蜜と鷹、兄弟の故郷である谷間の村には、万延元年の一揆の物語が神話のように語り継がれていた。
大江健三郎は、昭和十年(1935年)1月31日、愛媛県喜多郡大瀬村に生まれた。 大瀬村は、山林に囲…

ごんは、さびしがりやの野生のきつねだった。
彼岸花が咲くころになると、思い出す。新見南吉の「ごんぎつね」。 この短い童話のどこの場面に彼岸花が…

「普通の人間の女のように妊娠して中絶するのが私の夢です」(釈花)
作者は、重度障害をもつ40代の女性。 主人公も作者と同じ障害をもつ同年代の女性である。 主人…