ふしぎな生きものカビ・キノコ―菌学入門

著者の菌類への愛とユーモアあふれる文章にひきつけられて読んだ。恐いと思った。カビもキノコも。菌類、おそるべし。
柳田国男の「遠野物語」にザシキワラシの話がある。 そのうちのひとつが、こんな話だった。 ある…

本が好き! 1級
書評数:562 件
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読書は、登山のようなものだと思っています。読み終わるまでが上り、考えて感想や書評を書き終えるまでが下り。頂上からどんな景色が見られるか、ワクワクしながら読書という登山を楽しんでいます。

著者の菌類への愛とユーモアあふれる文章にひきつけられて読んだ。恐いと思った。カビもキノコも。菌類、おそるべし。
柳田国男の「遠野物語」にザシキワラシの話がある。 そのうちのひとつが、こんな話だった。 ある…

私たちの暮らしは植物なしでは成り立たない。植物は私たちにいつも驚きと喜びを与えてくれる。(本書プロローグより)
わたしは雑草が好きで、草むしりを趣味としている。好きなのにむしっちゃうというのは、矛盾しているけれど…





ゆっくり大きくなれ、太く長く生きろーー森を歩くと、老木たちの慈愛にあふれた声がきこえてくるかもしれません。
書店で平積みにされていた本。 『樹木たちの知られざる生活』。樹木たちの、生活? 生活なんて人間く…





海も、空も、陸も、人間だけのものじゃないんだよ……
吉村昭の 「漂流」 を読んだとき、わたしはアホウドリに深く深く同情したものだ。 かれらは、抵抗もせ…



無菌地帯といわれる極寒の南極大陸で、一万人の男と16人の女が、パンデミックから生き残った。
いま世界中で感染が拡大している新型のウィルスは、じつは、某大国の生物科学兵器が研究所から漏れ出したも…





ステイシーは、マサチューセッツ工科大学で生物学を学びながら、助手として働いていた。ある生物学の教授から、生後四日のメンフクロウのひなをもらい受けたのは、1985年の聖バレンタインデーの朝だった。
メンフクロウのひなは、片翼の神経をやられていた。 大きくなっても、野生では生きられない。 「手元…




南太平洋に浮かぶ諸島、ニューカレドニア。そこのカラスは、道具を使うことで知られています。ただ使うだけではありません。目的に応じて、加工することもできるのです。
まあ、とにかく表紙のカラスの写真を、ようく見てください。 かしこそうな茶色い目は、木の穴の中のカミ…





ジャポネンシスとマンジュリカス。ハシブトガラスの二つの亜種の交雑帯を求めて、著者は、カラフトへと旅立った。人間の飽くなき好奇心と罪深さ。そして科学の発達。おもしろく、考えさせられる本だった。
日本列島には、ハシブトカラスとハシボソカラスの二種が生息しているという。 ハシボソガラスは、田園地…





著者は、「自然界の報道写真家」! 北海道から沖縄まで、日本列島をくまなく歩き、高木に登って撮影した、子育てカラスのマイホームの数々。
さいきんカラスの本ばかり読んでいるせいか、街路樹や電柱をつい見上げてしまう。 木の枝の間や、電柱の…





人の顔を覚え、執念深く、復讐もするが、恩返しもしてくれる。若いカラスは、都会の空で浮かれ騒ぐ。カラスよ、おまえは何者なのだ。
著者のジョン・マーズラフは、ワシントン大学環境森林科学部教授。 野生動物を専門とする研究チームの、…




食べて、飛んで、遊んで、恋して。都会はカラスのパラダイス。
ある朝のこと。 カラスが、ゴミ袋を破り、中からゴミをくわえ出している現場を目撃した。 感心したの…





たとえ脳の記憶装置が壊れても、心は喜びを記憶する。
記憶障害の老数学者と、若い家政婦とその十歳の息子との、交流を描いている。 老数学者は、17年前…

蛇という動物は、好き嫌いを超えて、気になる生き物だ。 蛇を祀る神社も多い。 いったい、蛇は聖か邪か。
私が生まれて育った家の床下には、黒い蛇がすんでいた。 母は、「家の守り神だからしょうがない」と、気…