しづ女の生涯 (1980年)





「切羽詰った気持で、けれどもどうすることもできなくて、次第にふくれてくる腹をだた黙ってみている辛さは、なにに譬えようもなかった。」(「しづ女の生涯」231頁)
表題作の「しづ女」とは、「亀徳しづ」という青森の八戸で活動した実在の助産婦さんの聞き取りをもとにし…

本が好き! 1級
書評数:775 件
得票数:9176 票
学生時代は書評誌に関わってました。今世紀に入り、当初はBK1(現在honto)、その後、TRCブックポータルでレビューを掲載してました。同サイト閉鎖から、こちらに投稿するようになりました。
ニックネームは書評用のものでずっと使ってます。
サイトの高・多機能ぶりに対応できておらず、書き・読み程度ですが、私の文章がきっかけとなって、本そのものを手にとってもらえれば、うれしいという気持ちは変わりません。 特定分野に偏らないよう、できるだけ多様な書を少しずつでも紹介していければと考えています。
プロフィール画像は大昔にバイト先で書いてもらったものです。





「切羽詰った気持で、けれどもどうすることもできなくて、次第にふくれてくる腹をだた黙ってみている辛さは、なにに譬えようもなかった。」(「しづ女の生涯」231頁)
表題作の「しづ女」とは、「亀徳しづ」という青森の八戸で活動した実在の助産婦さんの聞き取りをもとにし…





関係者の努力に敬意を表したい、大規模継続調査とその報告書
「構造」などと、ややいかめしいことばが付く本書は、NHK放送文化研究所が1973年より5年ごとにお…




「深川なら、はっきり言ってワタシの縄張です。まっかしといてください。」(241頁)と宣言はしてた作家ですが、・・・
誰もが認めるベストセラー作家による紀行随筆です。刊行時には、宮部みゆき唯一の小説以外の本などといっ…




「宇宙もの」は、やはり読み応え、見応えあり
この種の本は「安直な作り」などと揶揄されることもあったが、そうそうあなどってはいけない。何の気なし…




「一九六二年にニコライ堂が重要文化財に指定されて半世紀が経とうとしています。」(序章、3頁)
ニコライ堂とは、御茶の水の駅からほど近いところにある、有名な歴史的建造物です。魅力的な建物と感じつ…





手ぬぐいのデザインが炸裂
京都の永楽屋が、大正〜昭和初めに自身が製造販売してきた手ぬぐいのコレクションをまとめたものである。…




変わってしまうのは、書き手だけではなく、読み手も。
「バーボンストリート」(1984)「チェーンスモーキング」(1990)と書き継がれてきた著者の一連…




「1冊の『本』が新刊書店の店頭に並ぶまでには、(中略)目に見えない多くの人が『本』には関わっています。」(永江朗、イントロダクション、4頁)
最盛期の半分、総売上げ1兆円を切ったということが、これまた売上げの落ちている新聞紙上を賑わしている…




アメリカからの家族神話論とその課題
「両親が女性」という家族のアメリカ映画を見たことがある。大きくなった子どもは、精子提供者である生物…




「ほんのひまつぶし」のつもりで手にとったものの、なんだかこれがつい夢中になって見てしまいました。
「城の本」は毎年のように新しい本が出ていますし、趣向も様々に試みられています。本書では全90の城が…




サラリーマンの倫理と資本主義の精神を考える
組織における人間、日本ではそれはサラリーマンと総称されるが、この問題は近代資本主義諸国において共有…





「あの頃のぼく」なら、どう感じたろう?
「ズッコケ3人組」シリーズで有名な著者による1980年発表の児童小説を、30年経ってから文庫化した…




「たぶん、本当の一人旅の人は、少なくとも、俗世間の雑踏にはいないかも知れません。この世に、たった独り、歩き続けるなんて、あまりにも苛酷すぎます。」(宮脇俊三氏との「往復書簡」より、265頁)
漫画家そして江戸風俗研究家として知られてきた著者の、2021年文庫刊行の「最新刊」になります。編集…




やってられない、けれど、行かなきゃならない月曜日
なんてすばらしいタイトルなんでしょう。サラリーマンたるもの、範としなければならない言葉です。『ワー…




私の考える「戦後日本の三大思想家」の一人が源氏鶏太です。
戦後日本の三大思想家をあげるとすれば、第一に丸山真男、次に手塚治虫、そしてこの源氏鶏太を私はあげた…





「夕食のとき、おふくろが不意に両手で顔を覆ってすすり泣きをしたことがあった。」(「愁月記」書き出し)
「母の死」の前後を扱った表題作「愁月記」を収めた短篇集です。 世間的には、長篇では『白夜を旅する人々…




ガラスを割る実験から何がわかったか?
寺田寅彦の随筆で、板ガラスを割る実験を続けているということを読んだ記憶がある。その実験が科学的にど…





江戸と東京の散歩のお供にどうぞ。 都心編、山の手編まとめてのレビューです。
都内散歩のお供にちょうどよいシリーズです。私の手元にあるのは「山の手篇」「都心篇」まですが、もう1…




スイーツが好きな方にも、そうでない方にも、それぞれに楽しめるミステリーです。
書名と出版社名とからは、「スイーツを素材にしたミステリーか」とまでは想像できるものの、「具体的に甘…





「きみたちの目標は、自分の声を見つけることだ。さがすのを先に延ばせば延ばすだけ、自分の声は見つかりにくくなる。ソローがこういっているよ。”大多数の人間は静かな絶望の人生を送っている”とね。」(93頁)
何年も前に観た映画の感想を、今ごろになってやっとまとめられることになろうとは思いもよりませんでした…