民衆ジャーナリズムの歴史: 自由民権から占領下沖縄まで





「それらを丹念に読んでいくと、近代日本の歴史過程で時代変革や社会創造の担い手になっていた編集者や発行人の躍動するペンの響きが聞こえてくる。」(「学術文庫版へのあとがき」より、384頁)
どこか私の気持ちをざわつかせるタイトルである一方で、「『今風』ではない研究なのだろうな」とも感じた…

本が好き! 1級
書評数:696 件
得票数:8271 票
学生時代は書評誌に関わってました。今世紀に入り、当初はBK1(現在honto)、その後、TRCブックポータルでレビューを掲載してました。同サイト閉鎖から、こちらに投稿するようになりました。
ニックネームは書評用のものでずっと使ってます。
サイトの高・多機能ぶりに対応できておらず、書き・読み程度ですが、私の文章がきっかけとなって、本そのものを手にとってもらえれば、うれしいという気持ちは変わりません。 特定分野に偏らないよう、できるだけ多様な書を少しずつでも紹介していければと考えています。
プロフィール画像は大昔にバイト先で書いてもらったものです。





「それらを丹念に読んでいくと、近代日本の歴史過程で時代変革や社会創造の担い手になっていた編集者や発行人の躍動するペンの響きが聞こえてくる。」(「学術文庫版へのあとがき」より、384頁)
どこか私の気持ちをざわつかせるタイトルである一方で、「『今風』ではない研究なのだろうな」とも感じた…





「『白夜です。白い夜と書いて・・・。』(中略)民子に限らず、誰しもがるいの前では白いという言葉を満足にいえない。」(104頁)
三浦哲郎のエッセイや作品を読んだことがある人であれば、この小説の内容はほぼ想像がつくことでしょう。…





イルゼに「きみはいつも耳をかたむけてくれたね。そのとおり書くよ」
イルゼに「きみはいつも耳をかたむけてくれたね。そのとおり書くよ」 と、冒頭に付された本書は、芸術…





「われわれは、ごらんのとおりの恐ろしくも無法な、あの闘争が、無に終わり、何物をも開始せず、何物をも解決しなかったことに気づきはじめている。」(「六七 世界の政治的・社会的再建」、444~5頁)
『タイムマシーン』や『宇宙戦争』といった作品で有名なSF作家ウェルズが、世界史の通史を書いていると…





人文社会研究への挑戦状
著者は「ネイチャー」の元編集者であり、パウンドストーンと並び読み応えあるサイエンスライティングの読…





実はオーソドックスな経済史・経済学史です。
とある(よく売れているという)新書でガルブレイスの『不確実性の時代』を揶揄するような注記があった。…





「どこへ行くのか 自分がどこにいるのかすらわからない」(和樹、95頁)
同じ作者による前作『海街ダイアリー』を読んでいて驚いたことに、葬儀や法事の場面が多いこと、さらに死…





正々堂々たる経済学者としての1冊
題名通りの過不足のない本である。奇を衒った書名の本が多い現在にあって、直球勝負のタイトルと内容が爽…




「素人の、素人による、素人のための、経済学入門」というより、「自分による、自分のための経済学再勉強」では。
本書の趣旨は、帯の謳い文句の通り「素人の、素人による、素人のための、経済学入門」ということである。…





彼は「物語」が書きたいのだ。
映画化もされた人気作『鴨川ホルモー』の外伝として編まれたのが本書です。本編を読んでからの方が、より…





なんとも贅沢な「作家生活十周年」計画
自らの作家生活十周年を記念して、自分の作品を様々な漫画家さんに作品化してもらう、というのがこの「計…




観てから読んでも、読んでから観ても大丈夫
やや気恥ずかしくなるタイトルの本書は、恋愛にまつわる小粋なエッセイ集かと戸惑われるかもしれないが、…





「さて始めるよ今夜も 海から陸へ届くグッドミュージックを!」(ニッキ、「電信航路に舵を取れ!」、204頁)
日本語のタイトルに添えて英語表記「RECORD JOURNEY」と付されていますが、タイトル通り「…





「私の話」というより、「私の家族の話」の総まとめ
本書の表紙の写真を見てたまげてしまった(文庫ではなく、単行本版です)。鷺沢萠一家の家族写真なのであ…




「では、みなさんをヒトとヒグマとの出会いの歴史、そして精神文化の交流の世界にご招待することにしよう。」(「はじめに」より、iv頁)
動物地理学・分子系統進化学を専門とする著者が、ヒトとヒグマの関係に迫る1冊。自身の専門分野のみなら…





家族のつくり方もいろいろ
「家族のあり方は多様になってきている、いや、多様であるべきだ」と語る識者は少なくない。しかし、その…





同時代を生きた作家の最後の作品を読む
私が書評らしきものを書きはじめた頃から、著者の作品を紹介してきた。一番最初には、才能ある同時代の作…





『来年の誕生日には、私にお祝いさせてください』(志乃さんから主人公へ、28頁)
芥川賞受賞作「忍ぶ川」(昭和35年下期)を含む、三浦哲郎の初期作品集です。現在、書店店頭で入手でき…





わが国の敗戦を世界史的視点から考える、ということ
本書は、第二次世界大戦を戦い破れた日本と、19世紀のナポレオン戦争後のフランス、そして第一次世界大…




「核戦争がどうして政治の継続でありうるのかを説明した軍事思想家は、これまで一人もいない。」(ビキニでの水爆実験の写真に付されたコメント、260頁)
「戦争とは、別の手段による政治の継続ではない」と、冒頭からクラゼヴィッツ『戦争論』の否定からはじま…