エドゥアール・マネ 西洋絵画史の革命
美術の歴史にマネの革命を位置づける。模倣と創造、以前と以後とのつながりの中で。
「マネは真似」とはあまりにベタな駄洒落で口にするのがためらわれますが、巻頭間もなく筆者は「マネは真…
本が好き! 1級
書評数:280 件
得票数:3479 票
高校の国語教員。現代文専門。教科書や問題集の編集にも関わっている関係で、大学入試に出そうな本、問題化できるような文章を意識して読むこと多し。個人的な好みで、トルコやロシアについての本も多く読みます。
美術の歴史にマネの革命を位置づける。模倣と創造、以前と以後とのつながりの中で。
「マネは真似」とはあまりにベタな駄洒落で口にするのがためらわれますが、巻頭間もなく筆者は「マネは真…
フランスのミクロな眼とマクロな視点は、日本人に見えにくい日本の姿。
原書房の「地図で見る--ハンドブック」シリーズはフランス語からの翻訳で、世界各地への独自の視点が分…
つまずきながら、迷いながら、ゆっくりと哲学を学び、人間を考えている最中です。
性急な結論は出さない。机上の空論では満足しない。 先哲の言葉も自分に置き換えて考えてみる。 …
ニューロンが奇妙な方向につながる村田沙耶香の脳世界が不思議。
『コンビニ人間』で大笑いさせてくれ、最新刊の『地球家族』では絶句するしかない世界を描いた村田沙耶香…
人工知能に教える前に、私たち自身が倫理と正義を考えたい。
(標記書籍を中心に関連する数冊を扱います。) かつて、哲学者の土屋賢二が『猫とロボットとモ…
テレビの中で「生活のことば」を語るという革命
昭和末期のテレビ番組表が掲載されています。報道の基本としてのニュース以外に、当時はドラマが隆盛で歌…
発想も論理も見解も、全てオリジナル。独自の思索が輝く平野エッセイ。
文学・映画・芸術への作品批評がかなりの量を占める。さらに時事評論があり、自作についても多くを語るの…
作家の名人芸と筆者の工夫。文学の練られた文章を深く読むための文章読本。
序章の一節で、筆者はいきなりハードルを上げる。 どんなにすばらしい理論であろうと、それを展開する…
詳細で網羅的なデータの数々に、日本各地の毎朝の光景が浮かぶ。通勤電車は快適な読書空間になるか。
通勤列車のあまりの混雑が原因で暴動が発生したのは1973年です。列車に乗り込めない乗客が怒り、車両…
地図にも歴史にも残る文明の器。土木工学の成功体験と未来。
「この世界を文明的状況に改変していくにあたっての、技術=知恵」と定義される土木工学。文明の本質を「…
進化の結果としてある現代のヒトが、進化の筋道から外れないために。
自然人類学や行動生態学を専門とする長谷川眞理子氏の論文集だ。 氏の文章としては「ラップトップ抱…
今年、1キログラムの重さが変更になるらしいですよ。
といっても、80㎏の肥満体が70㎏にダイエットできるのでも、200gのステーキが250gに増量され…
動くランドスケープと災後の眼
2葉の写真がある。1つ目には緑豊かな内陸の道路端にぽつんと残った漁船が写る。近くには干拓事業完了を…
生き物との触れ合いを喜ぶホモ・サピエンスという動物
大学構内に「ウサギの太腿つきの脚」が落ちていた。キツネの仕業のようだが、大学側はゴミ処理担当者に片…
「政府」「議会」「政党」「教育」「家族」など、社会の中に存在し、私たちの生活を成り立たせているシステムの本質を易しく解説。中高生に読んでほしい、政治家と官僚は熟読するべし。
冒頭しばらくしての憲法観にしびれます。 憲法を制定したのは自分たちの政府をつくろうと決意した人…
ある種の文化ともいえるヘイトなグラフィックの歴史を再検証するのは、出版人の自戒と矜持。
Black、Yellow、Jewへの憎悪の歴史をたどる。ポスター、書籍、映画などを手掛かりにすると…
終わってしまった集落の、終わってしまった人たちとともに、一生を終えるまで暮らしていく。筆者が遭う「さんざんな目」は、困ったことにそこはかとなく可笑しい。
2017年に「私」夫婦が引っ越した家がすごい。「伸び放題の夏草、行く先々に倒木、不気味な形の沼。最…
火星にもない月にもない土。この地球の賜物を楽しく語る土壌学に1票。
土壌学という、まさに泥臭くて地味な研究。その基礎から実践を楽しく語った好著だ。 冒頭に挙げ…
襟を正して読みたい、コトバをめぐる若松英輔のことば。
亜紀書房からの若松英輔のエッセイは、いずれも人間や人生の真実を真正面から語っており、手に取るたびに…
「このワインは、カシューナッツとカカオの芳香。それに分厚い黒い果物、うーんトリュフもあるな」って、そういうことじゃなくて、ただ味覚を言葉にしたいだけなんです。
タイトルに惹かれました。「豊かな人生」でなく「美味しいの言い換え方」の方です。 人間が視覚…