村上春樹はノーベル賞をとれるのか?
前書きに、毎年10月になると村上春樹のノーベル文学賞騒ぎが起こるが、本書が売り切れるまでは受賞して欲しくないとあって、思わず笑ってしまいました。しかしノーベル文学賞について私は大いに蒙を啓かれました。
以前、よく似た感じのタイトルの本を読みました。あの時の本は、芥川賞だったと思います。(芥川賞の時は…
本が好き! 1級
書評数:245 件
得票数:4011 票
純文学読み始めはや数十年。病膏肓に入る状態。でも純文学以外が嫌いなわけではありません。
5年ぶりに書評をアップしました。純文学への偏愛は変わりませんが、少し柔軟にアップしていきたいと思います。よろしくお願いします。
前書きに、毎年10月になると村上春樹のノーベル文学賞騒ぎが起こるが、本書が売り切れるまでは受賞して欲しくないとあって、思わず笑ってしまいました。しかしノーベル文学賞について私は大いに蒙を啓かれました。
以前、よく似た感じのタイトルの本を読みました。あの時の本は、芥川賞だったと思います。(芥川賞の時は…
この小説が芥川賞を受賞したのは、もう7年も前なんですね。少し調べたのですが、2015年の上半期の芥川賞受賞です。で、文庫本も入れると、300万部くらい売れた、と。すごいものですねえ。
この小説が芥川賞を受賞したのは、もう7年も前なんですね。 少し調べたのですが、2015年の上半…
文学に関する興味深い話が好きなもので、数年前にこの筆者の本を始めて見つけ、少々品位に欠けはしないかと思いながら読んでいましたらやはりとても面白いので、その後けっこうあれこれこの筆者の本を読んでいます。
なんと言っても文学に関する興味深い話が好きなもので、数年前にこの筆者の本を始めて見つけ、少々品位に…
さて芥川ですが、この人は漱石の晩年の弟子ですから、当たり前と言えば当たり前ですが紛うことなき「俳句系」です。句を一つだけ挙げれば、自殺した日に短冊に「自嘲」という詞書と共に書いた有名なヤツですが……
夏目漱石、この人は間違いなく「俳句系」の人ですよね。 小説家として名を成す前に、新進の俳人とし…
……少なくとも佐藤春夫はもう少し親身になって、家族に緊急度の高いアドバイスをするべきじゃなかったかと思います。この作品は、そんな「壊れかけた理性」を描いています。私は読後二つのことを思ったのですが……
以前私は『歯車』を取り上げてこんな感想を書いたことがあります。 「解説文によると、このタ…
先日菊池寛の「無名作家の日記」と「半自叙伝」をセットで読んでいて、結局のところ、菊池寛は芥川に対して感情的なわだかまりを持っていたのかいなかったのか少し考えました。
先日菊池寛の「無名作家の日記」と「半自叙伝」をセットで読んでいて(岩波文庫にこの二作が一緒になって…
なるほどねー。「友」と書いて「ライバル」と、「敵」と書いて「しんゆう」と読ませるわけですね。芥川龍之介が自殺した時の、代表弔辞を読んだ菊池寛の文章は、まさに名品でありますけれども。
この本の解説を評論家の猪瀬直樹が書いていますが、そこにこんな事が書かれてありました。 『…
中心となって描かれる人物は菊池寛です。この小説の、初出誌のタイトルは『菊池寛』であったそうで、つまり、菊池寛の「評伝」の様にもなっています。菊池寛について描かれたところはなかなか魅力的です。
俺はこういう人間だ 愛せたら愛してくれ 私は寡聞にも知らなかったのですけれ…
菊池寛の最大の功績といえば、誰がなんと言っても芥川賞・直木賞の設立でありましょう。それ以外にないと言いきってしまっていいと思います。福沢諭吉の業績が、現在では「慶應義塾」の創設以外にはないのと同様に。
菊池寛の最大の功績といえば、誰がなんと言っても、「芥川賞・直木賞」の設立でありましょう。それ以外に…
先日テレビを見ていたら「ラップ」の草分けの方が話をしてました。流行ものにはついていけない私が興味を持ったのは、少し前に高橋源一郎の小説を読んでいたら、「ラップ」について、興味深いことが書かれてました。
先日テレビを見ていたら、ラップミュージックのわが国での草分けのような方(「ラッパー」と言うんですか…
本書は第140回芥川賞受賞作品です。選考委員の山田詠美が選評に「『蟹工船』よりこっちでしょう。」と書いたとあります。突然の『蟹工船』ブームありましたねー。そーか、本作はちょうどあのころの作品なのかー。
休憩終了のベルが鳴り、ラインが動き始める。休憩前よりは軽く感じる手を上げて、流れてきた一本目の乳…
この度再読してとてもよかったです。前読んだ時私は一体どこを読んでいたのだろうと、我がことながらあきれてしまいました。しかし前回読み損なった理由についてはわかります。それはプッチーニ「蝶々夫人」です。
三年ほど前に一度本書を読みました。その時は、何というか少しぼんやりと暗い感じのお話で、あまりいい印…
明治43年漱石は崖の下の家に女房とひっそりと住む主人公宗助を描いた小説を連載していました。宗助は死ぬか気が狂うか宗教に入るかという精神的危機を抱き、その悩みは妻によっても癒されることのないものでした。
明治43年、夏目漱石は朝日新聞に、崖の下の暗い家に女房の御米とひっそりと住む主人公宗助を描いた小説…
本書を2週間くらい前に読み終えたのですが、その後今日に至るも気になって仕方ないという本です。純文学小説の好きな私にとって、いやあぁな気持ちになって仕方がないという本です。 仕方がないので少し報告します。
わたくし、本書を2週間くらい前に読み終えたのですが、その後今日に至るも、どーも、気になって仕方ない…
対談が中心ですが、その前に20ページほど津村記久子が出生地であり現在も住み続けている大阪について述べている部分があります。ここがやたらと面白い。かつ大阪論として、私にとってはとても説得力がありました。
なんかパンフレットみたいな本です。薄い。95ページです。私は上記に「ミシマ社」と書きましたが、最初…
あるいはもうちょっと頑張ったら、もう少し手がかりが出てくるとは思うんですが、なぜかあまり気が進みません。と同時に、太宰治の『お伽草紙』の中の、「桃太郎」に関して述べたフレーズを思い出しました。
親戚に小学校の教員をしている若い者がいまして、時々、一杯やりながら小学校教育現場の話を聞いたりしま…
実際の所、純文学どころかはやりの小説すら読まない、もっと言えばメール以外久しく文字を読んでいないという若者がどんどん増えているというニュースを少し前に見たのですが、一体どうなっちゃうんでしょう。
「昭和文学」(こんな言い方があるのかどうか、……きっとありますよね)に興味がある人が(まぁ、その人…
ざっくりした感じで書きますと、「果林本」は女優の自伝エッセイであるのに対して、「ねり本」は、文学者安部公房についての文芸評論または文学研究書を意識していると思います。しかしもしそうであるのなら……
『安部公房とわたし』山口果林(講談社) 『安部公房伝』安部ねり(新潮社) 『安…
きっかけは何と言っても「果林本」の写真です。表紙カバーの4枚の写真が実に素晴らしい。この圧倒的にかわいい写真はかつて私が過去に見たことあるものになぞらえると、篠山紀信のアイドル写真ですかねー。
『安部公房とわたし』山口果林(講談社) 『安部公房伝』安部ねり(新潮社) きっ…
読み始めた時、ダラダラした展開と主人公の青年に私としてはもう一つ魅力を感じない設定で、直前に読んだ『マークスの山』のきちっとした書きぶりとは大きく異なっていたこともあり、だるいなーと感じながら……
仕事の関係の人で、元おまわりさんという人と知り合いになりまして、時々話をします。 ある時読書の…