2011年本屋大賞 特集

「本屋大賞」はNPO法人本屋大賞実行委員会による書店員の投票だけで選ばれる賞です。 過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。 (本屋大賞公式サイトより)
| タイトル: | 『謎解きはディナーのあとで』 |
|---|---|
| 著者名: | 東川篤哉 |
| 出版社: | 小学館 |
| 発売日: | 2010/9/2 |
| 価格: | 1575円 |
| 「本が好き!」会員による書評 |
2011年本屋大賞ノミネート作はこちら
『悪の教典』 -本が好き!会員の書評
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↓非常にスリリングで、サクサク読める作品です。
貴志さんの作品ですが、久々でした。とにかく面白い!ページ数のわりに、さくさくっと読めました。影のある教師の周りで起こる、奇怪な現象の数々と、おかしいことに気付いた人間とのかけあいがスリリングでよいです。これは早く下巻に突入、といきたいところです。
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↓ソローキン「ロマン」?、らも「こどもの一生」?「津山三十人殺し」?いやいや殺人鬼ハスミンなのですよ。
だいぶ古い本で恐縮です。だって、もう十年近く前に刊行されてる本だもんね。でも、これは、あらためて紹介したくなる本なんですよ。
どこまで話してもいいのかな?とりあえず、本書には稀代の殺人鬼が登場する。その名は蓮実聖司、高校の英語教師であり、その甘いルックスと高い知性でもって学校でも人気の先生なのだが、彼は生まれつき人間としての感情が欠如しているという重大な欠陥をもっている。
だから彼は自分の進む道にあらわれる障害は、なんのためらいもなく排除する。それこそ紙くずをゴミ箱にすてるように簡単に、呆気なく。
本書ではそんな人間の皮をかぶった怪物が、その犯罪人生において頂点を極め…
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↓【ネタバレ注意!】
貴志祐介のストーリーテリングの力量は、やっぱり凄い! でも、内容は・・・。貴志祐介を初めて読む方だけにお勧めの本かな?!私立晨光学院町田高校で、英語教師として務める、蓮実 聖司。
彼は、容姿端麗、頭脳明晰、明るい会話術、魅力的な授業で、親衛隊ができるほど絶大な人気を誇る教師である。
いじめ問題等でも生徒に相談されれば、即座に対応し、教頭からカンニング対策を任されれば、これも即座に対応。
生徒だけでなく、PTA、上司にも信頼が厚い。
しかし、その内面は・・・・
彼は、生まれながらに共感性が欠如した人格だった。
持ち前の頭脳で、共感性の欠如を、他人への対応への記憶、推測で賄っていただけだったのだ。
他人の痛み、苦しみを共感できず、人を傷つける事に躊躇しない蓮実は、彼の真実に気付いた人間(教師、実の…
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↓一見爽やかそうな教師が一皮むけば別の顔を見せる、なんていうのは現実によくある話。だがこいつは格が違う。
学校という、社会からある意味隔絶された空間は蓮実のようなサイコパスにとっては理想郷とも言えるような場所だろう。まして、爽やかな外見と巧みな弁舌を有するとなれば尚更だ。
上巻では、ほぼ蓮実の思惑通りに進む展開で、ピカレスクとしての面白さはある。少しうまくいきすぎている感はあるが、そのあたりが下巻でどうなるか楽しみだ。
現実にこんな問題教師ばかりの学校があったら生徒もたまったものではないが。書評を読む | レビュアー / rifujindaiou
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【ネタバレ注意!】
恐ろしい小説です。主人公がサイコパス映画も観ました。
小説を先に読みましたが、映画も小説も楽しめました。
どちらかがどちらかを殺すこともなく、うまく共存しあっている作品だったと思います。
書評としては、上巻は下巻に押し寄せる恐怖を描くための、まぁいわば「嵐の前の静けさ」みたいな感じ。
それでも、ひしひしと伝わる恐怖とか、何かが壊れていくような恐怖を味わうことは出来る。
主人公がサイコパスってなかなか思い切ったことをするなという印象が強かった。
誰かららも好かれる主人公の化けの皮が剥がれていく様ってゆうのはなかなかリアルに感じて面白かった。
ただ、サイコパスって現実に存在してるんですよね…
さすがにこんな奴…
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↓サイコ・ホラー?
ミステリー?どっちなんだろう。上巻は主人公の裏の顔とその出自が徐々に明らかになるんだが、既に話のほころびがあるのが気になる。怖いってよりいや~な感じだな。下巻はどうなるんだろう。
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↓友人に借りて。
読み始めは、ああ、いい先生だなあ。こんな先生がいたらなあ……だったのがだんだん、あれ!? この先生、もしかしてちょっと……に変わっていく。続きが楽しみです^^
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↓
【ネタバレ注意!】
気分が悪くなるのに、最後まで読んでしまう。私は絶対映画には行けない。大島優子も泣いたしなぁ。ああ怖っ。この続きはきになるけど、知りたくない。矛盾だらけの一冊。
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↓映画ではわからない蓮実教諭の過去、考え方などを詳細に知ることができる。 映画を観た後に読むのをお勧めします。
映画を観た後に読んだのですが、映画を観ただけではわかりにくかった蓮実の過去の出来事、背景などを知ることができます。
特に気になったのが、蓮実の高校時代の唯一の友達であり心の家庭教師であった女生徒のエピソード。
そこで、蓮実は本当に悪人なのか、自分の異常さに実は気づいていたのではないかという点に思い当たります。
そして、最大の問題点は、何故、自分の異常さに気づいていながら、それを変えることをしなかったのか。
それを知るがために、下巻も是非読んでみたいと思います。
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↓上下、一気に読了。
サイコパスと言う言葉が流行っているのか、大量殺人を犯しても後悔しない、いや、自分がする事はそれが最善だからと思っているので後悔のしようはないだろう。恐ろしい男、蓮実聖司。恐い。
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↓【ネタバレ注意!】
こんな人、絶対に存在してほしくないんですが、とにかく魅力的。新世界に続き、貴志さんの作品を読みました。
爽快感をもって語られる主人公、蓮見聖司の目の前の出来事をズバッと一瞬で判断していく過程、迷いのなさにつられて、この話、どうなっていくんだろうと止められなくなり、どんどん読んでしまいました。舞台が町田というのも私を喜ばせましたが、町田に住んでいなくても、あの町の雰囲気が伝わるんじゃないかなぁ…。
学校ものなので登場人物が多いのですが、一人ひとり、「いるよなぁ、こういう子!」って思える程の人物描写が素晴らしくて、生徒は大体みんな憎めない。そこにプラス、まったく現実感のない、怪物のような主人公。普通じゃないし、絶対に存在してほしくないんですが、とに…
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↓蓮見が怖い。
罪悪感や躊躇が皆無なので、余計に怖い。自分のためなら何でもする。何でも利用する。こんな人が周りにいたら怖くて眠れません。
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↓人気英語教師の蓮実。
教師たちからも信頼されながらも、彼の裏の性格はあまりにも残酷だった。
蓮実は徐々にその本性を露わにしていく…
二重人格を巧妙に使い分ける蓮実。ハラハラ、ドキドキしながら読みました。
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↓
すさまじいの一言につきる作品。
主人公は善人ずら社会に、平然と悪を成し遂げようとする。近い将来日本にこのような事態が招来するのではないかと予感させるような作品に感じます。
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↓これぞまさしく悪の教典!ピッタリのタイトルです。誰もこれを教科書がわりにしないでほしい。正義感の塊気分で一気読みしました。
本の厚み、上下巻であること、衝撃の内容、と驚くことがいっぱい。
でも一番は一気に読ませるストーリーでしょう。上下巻とも立て続けに読了してしまいました。
冒頭の夢のシーンから主人公には嫌悪感を抱いていたのですが、まさかあそこまで悪の塊だったなんて。
善人の皮をまとい、自分の思うように人を動かすたぶらかしの天才。
全然うらやましくありません。そんな才能!
人に顎で使われているけど、不器用なまま生きてる今の自分で十分です。
モンスターペアレントなど、今の時代、教師がストレスの多い職業だというのは分かります。
だけどやっぱり、学校という小さな王国の王様なんですよね、先生って。
…
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↓【ネタバレ注意!】
好きか嫌いか、と言われれば、大っ嫌い!といった話なんだけど、それでも上手いなぁ~~と読ませられてしまったのは貴志さんの力量の素晴らしさ、なんでしょうね。爽やか系に人気のある教師かと思わせて、徐々に明らかになる彼・蓮実のブラックな頭のよさ。
後から思えば、大家さんの犬のモモは見抜いていたんだね・・。
でも、最初のうちは、彼の勤務校の同僚教師たちの無能さ、厭らしさが効果的に提示されて、蓮実に肩入れしたくなった。私ってば、すっかり作者の掌の上だったわけですね。
で、下巻は、と来ると
え゛~~~~っっっ!!!
こんな展開になっちゃうわけ~~~!!
と絶句。
ネタばれです。
文化祭準備で泊まりこむ生徒たちと蓮実。
ふとした綻びから、「皆殺し」を決断する蓮実と生徒たちの心理戦や攻防が恐くてたまらない。
ここ…
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↓
みんなに好かれる、人気教師の裏の顔。
それ以外にも不気味な人物ばかり。怖いけれど読むのが止められない。
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↓「学校」を舞台にしたホラーやミステリは少なくない。多くの子供たちの未成熟な感情と、屈折した教師の感情が「学校」という空間に閉じこめられて起きる事件には身に迫るような恐怖を感じる。
2011年版の「このミステリーがすごい」で1位に輝いた作品ということで、図書館で借りてみたのだけれど、その厚さに驚いた。この厚さが上下巻2冊・・・。果たして読み終えるのにどれだけの時間が必要なのか。
けれど、読みやすい文体のおかげか、サクサク読み進めることができる。ストーリーもスピード感があるというか、シンプルというか、とにかく悩まずにページをめくることができるのだ。読書ペースが落ちている今でさえ、上巻を3日足らずで読み終えられたのだから。
「学校」を舞台とするミステリやホラーは少なくない。未成熟な感情が渦巻く閉鎖的空間。それは題材としやすい雰囲気を持っているのだろう。そこへ、屈折した…
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↓誰にでも愛されるいい教師。
その仮面の裏に隠された狂気による行動は、だんだんと歪みが生まれていき、最悪の悲劇を生み出していく。
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↓高校の教師蓮見は、MBA資格を持ちアメリカで投資会社に勤務した経歴があるいわば天才的頭脳の持主でありながら、相手の感情をまったく理解できなく自分だけの感情だけで行動する心に欠陥を持った人間でもある
2011年「このミステリーがすごい」国内編、第一位の作品
高校の教師蓮見は、MBA資格を持ちアメリカで投資会社に勤務した経歴があるいわば天才的頭脳の持主である。
しかしながら、周囲や相手の感情をまったく理解できなく自分だけの感情だけで行動するという心に欠陥を生まれ持った人間でもある。
自らの欠陥に気付き、学習によって善良な感情豊かな人格を演じることを学習の上体得した蓮見は、生徒に人気の優秀な教師として高校での存在価値を高めていく。
自分だけの感情により目的を達成していく蓮見には、障害となる人物は取り除かれなくてはならない物理的な物体に過ぎなく、相手の恐怖。家族や友人との関わりや…
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↓教訓はない。ただ気味が悪い。おもしろいか否かというよりかは、どうしても好きになれなかったという印象だ。
高校で教師として働く男・蓮実聖司は、その才覚と容貌から同僚や生徒に愛され、絶大な信頼を置かれていた。しかし彼は感情・共感能力に欠損を持つサイコパスであり、白い羊の群れに潜む黒い羊――プレデターでもあった。蓮実は至極利己的な理由、そして高い知性と狡猾な計算とで周囲の人々を貶め、時には殺人すらも厭わない。
非常に狂気じみた物語だ。
しかしこの小説、本の厚みの割には一部描写に不足を感じたり、また随所に無用とも思われるエピソードが挟まれたりと、一口に言えば、内容が薄く深みが感じられない。
登場人物の設定には取ってつけたような軽薄さがあり、サイコパスである主人公もどこか非現実的な存在に思われる…
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↓
この学校には怪物がいる。その怪物に無駄に近づきすぎると、消されてしまう。その怪物とはカリスマ教師、蓮実聖司。
著者は、黒い家、青の炎を書いている貴志祐介。人間の中の闇を扱ったSF・ホラー作品を作っている。
カリスマ教師、蓮実聖司。彼の正体は自分に都合の悪い者を容赦なく消す、サイコパスだった。
(続きは後で)書評を読む | レビュアー / eternal-glories
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↓【ネタバレ注意!】
普通のはかりで言えば傑作の部類。しかし貴志祐介が描くサイコパスモノとしては物足りないという感想も否めない本作の書評は不満が多くなりそうなので、まず最初にお断りしておきます。
5つ星満点で4つ星をつけていることからもわかっていただけると思いますが、本作は非常によく出来た物語であり、私自身非常に楽しめました。
複線の消化、(高校を舞台にしたことで)異常に多い登場人物をわかりやすく、しかししっかりと使いきれている点、山場のもっていきかたなど、どれをとっても並みの小説よりは評価の高い作品です。
ただし、「これまでの貴志作品と比較した場合どうか?」というのがこれkらの書評の中心テーマであり、またやや酷評気味になる理由でもあります。
さてここからが書評です。
本作は教師のサイコパスものであると…
『キケン』 -本が好き!会員の書評
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↓成南電気工学大学機械制御研究部・通称「キケン」。青春、恋愛、爆発、そして涙。面白過ぎて一気読み。
成南電気工学大学機械制御研究部、通称「キケン」。キケンはその名の通り危険な部である。幽霊部員と化した3回生を押しのけ君臨するのは通称「成南のユナ・ボマー」こと上野と「大魔神」こと大神の二人。そんな二人の新人勧誘に捕まったのが、自宅が喫茶店の元山と地方出身の池谷の二人。
爆発物大好きな上野。小学生のころから火薬で遊んでいた。その通称「ユナ・ボナー」は、宿敵PC研との部室を賭けた闘争でロケット花火装填の改造エアガンを駆使したため、「大魔神」は、空手黒帯の技を駆使したから。
そんな二人が切り回す「キケン」は歴代、いつも本気の部活。5日間ぶっとおしで行われる学祭では「店」の体裁を整えた模擬…
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↓
学園生活、それも男臭い、男だらけの部活を描いた作品
有川弘(ありかわひろ)さん。
恥ずかしながら最初は男性だと思っておりました。
『県庁おもてなし課』を読んだとき、解説のページに
ご本人の写真が掲載されており、
女性なんだとびっくりした記憶があります。
2003年『塩の街 wish on my precious』で電撃ゲーム小説大賞を受賞。
その後も数々の作品を執筆。
多くが映画化・テレビドラマ化もされており、
『図書館戦争』や『三匹のおっさん』その他いろいろ。
そんな有川さんの作品の作品で、学園生活、
それも男臭い、男だらけの部活を描いた作品が『キケン』。
成南電気…
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↓成南電気工科大学機械制御研究部(キケン)の面々が繰り広げるキケンではないこと・・・
こんにちは中ちゃんです。
今日のおすすめは、有川浩「キケン」です。
成南電気工科大学機械制御研究部略称「機研」(キケン)、その活動内容はキケンと言いながらロボット対決だったり、サークルの学園祭でのラーメン戦争だったりだのありふれた内容、部長の恋愛事件に至っては、隣の女子大の文化祭で見初められ、彼女の親のいないときに家に招かれ、許されたと思いお嬢様にキス以上のことを迫るとあっさり拒否されるテイタラク。
そういえばキケンだったのは、公開の科学実験だった。
書き出し
某県某市、成南電気工科大学 ほどほどの都市部に所在し、ほどほどの偏差値で入学でき、理系の宿命として課題が鬼のよ…
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↓文化祭やコンテストなどに闘魂燃やしたなあ。 あの学生時代の無駄にすら思えるひたむきさと熱量、ものすごく懐かしいです。
某県某市、成南電気工科大学--ほどほどの都市部に所在し、ほどほどの偏差値で入学でき、
理系の宿命として課題が鬼のように多い、ごく一般的な工科大学であった。
この成南大に数ある部活の一つに『機械制御研究部』があった。
略称【機研(キケン】。
この「キケン」な部活に勧誘され
入部することになる新入生池谷と元山を軸とした学園物?です。
どれくらいキケンかというと、主導権を握る2年生の先輩二人の異名が
現代兵器の申し子、ユナ・ボマー上野!
と
近接戦闘の鬼、大魔神・大神!
池谷と元山の運命はいかに?
有川さん語ることの『99%男子校』である工学部(しかも電…
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↓とにかく面白い、最終章は最高&涙!
有川浩さんは、やはり最高です!
恋愛の胸キュンキュンではないけど、
ラストは、キュ~ンキュ~ン!しました。
その瞬間心臓が飛び跳ねた、なんて、とても共鳴でき、
こういう時の心情が、自分と一体になって涙が出てきまいました。
今学生生活を送っている人へ、その時間を大いに楽しめ!その時間を
大切にせよ、そして10年後の気持ち、一緒に共感しましょう~
(私は10年以上とっくに過ぎちゃっていますが・・・)
わが息子へも進めたい1冊です。
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友人A[これどんな話?」→私「爆弾魔の話」友人B「ラーメンを極める話」
電車の中で読んでて吹き出すかと思いましたよ、危うく変な人になる所でした。
成南電気工科大学「機械制御研究部」-「機研」の、あきれるほどにシャレにならない全力のお遊びの記録。
といえば、大体あってる気がします。
「機研」に入部した常識人・元山が、先輩のユナ・ボマー上野と大魔神・大神に振り回される話です。
元山といい同期の池谷といい、はじめは「主人公のくせに地味だなー」と思っていたのですが、
途中からいい味出してきました。
しかし何といっても、統率のとれたバカを全力であおる上野のキャラがたっていて、読んでいて爽快です。
なんかこう、有川氏の書く組織のトップって、こんなかん…
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↓
大学生活でサークル活動に熱心に打ち込んだひとならば、きっとときめきます。
勿論、そうでなくても楽しめるとは思います。
ワクワクドキドキします。
そしてラストが!ラストが!
とてもいい。この終わりだからこそのときめき倍々増し増し増増!って感じ。きゅん。
(書きませんけど。)
「あの頃って楽しかったよなー」っていう、サークルに打ち込んだ日々を、
何とも言えない懐古感で、楽しむ一冊でもあると思いました。
(だってこの話自体が昔を懐かしんで語る男の昔話なんですもの!)
その時にはその時にしかなかった、人生の中の時間を
必死になって捧げて尽くして、燃えて、笑って、楽しんで、泣いて、色々あって なんて経験を
文科系のサークルと体育…
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↓軽いタッチの日常と、章間に大人になった誰かの話。
青春時代を切り取った小説かと思いきや、昔を懐かしむ小説としても読め、さらに最後の章があることで10代が読んでも30代が読んでも満足できる話になっている。
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↓有川さんはベタ甘以外もやっぱり面白い!
ラストのシーンでは思わず涙。男子だけの部活とか、男同士の友情っていいな。ちょっと憧れちゃいます。
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愛すべき男子大学生たち。学生生活のキラキラしたものを思い出しました。その時しか味わえないものって、後からその輝きに気がつくものなのかもしれない。そんな瞬間が詰まった作品です。
成南電気工科大学にある、「キケン」こと「機械制御研究部」なるサークルの物語。
部長の上野、副部長の大神と一年遅れて入部する元山と池谷を中心としたキケンでのやんちゃな学生生活を元山の視点で回想する形で進められている。
この「キケン」という部活は学生なのに、本気で大学祭でラーメン屋をひらいたり、火薬を使った新入生歓迎会での出し物をしたり、法律ぎりぎりのやんちゃな活動を、男子学生特有のノリで繰り広げていく。
ちょっと極端だけど、確かにこういう時期ってあるんだよなぁ、と誰もがうなずける話になっていました。作者が後書きで、この作品にあるような男子学生の部活動のやんちゃな行動は、一人でも女の子が…
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↓
男ばっかりの大学で、思いっきりやんちゃしてる彼らがすごく生き生きとしていて、きっとこんな風に4年間過ごす大学時代は一生の宝物だろうなぁなんて思いながら読みました。
久しぶりに有川浩の作品を読みました。
面白かったです。
タイトルだけ見て「キケン、何が危険なんだろう?」と思っていたら「機械制御研究部」の略で「機研」。
成南電気工科大学の部活、機械制御研究部。
その黄金期。
正しく危険人物に率いられた危険集団。
彼らの数々の伝説の物語を描いています。
新入生だった元山と池谷が、かなりアクの強い部である「機研」に入部することになる。
この時点で私はえー、なんか一癖も二癖もあるようなところやめなよ~と思ってしまうのですが、機研の部室は快適、工具も揃っていて貧乏な電気工科大学の学生にとってはありがたいという意見には納得。
そして私…
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↓いやあ、マニアの心をくすぐりますね。
相変わらずキャラクターの設定がうまいうまい!引き込まれてしまうおもしろさです。
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↓輝かしい日々。戻らないが故に眩しく光る日々。読みだけでそれが味わえる小説。
2011年本屋大賞ノミネート作。
おもしれー。おもしれーよー。
成南電気工科大学機械制御研究部、通称【キケン】。
【キケン】所属の大学生達が巻き起こすドタバタ劇を描いたもの。
大学生活とは、毎日祝祭が続いているような日々である。
多くの大学生にとって、大学生活は時間を自由に、自分の意志で使える期間である。
無為な日々に絶望したり、恋人といちゃいちゃしたり、課題に追い回されたり、仲間と明け方まで呑み続けたり、自由に思索にふける事もできる。
作中、元山が己の大学生活を振り返り、自分の後輩たちに心の中で告げているように、なんやかやと馬鹿やったり無茶した…
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↓ぶっとんでるけどそんな上野さんがかっこいい!
有川さんのベタ甘感は今回は薄めですが、十分楽しめるエンターテイメント作品でした。
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↓機械制御研究部=略して『キケン』理系男子大学生の部活をテーマにした有川浩テイストの青春小説。
この本にはあまり恋愛モードはありません。あしからず。
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↓爆弾魔でクレイジーライダー・上野、大魔神並みの迫力・大神、ツッコミ上手のお店の子・元山、いつだって平常心・池谷。彼らが所属する機械制御研究部、略して「キケン」の面白青春小説!
機械制御研究部。略して「機研」。
火薬いじり大好き、数々の伝説を持つ「成南のユナ・ボマー」にして
ハンパないテクニックでバイクを乗りこなし「クレイジーライダー」(by元山)の声も高い上野。
怒らせたらハンパなくこわい、名字に漢字一文字忘れましたよね?「魔」の字を…
とのすさまじき迫力を持つ大魔神…ではなく、大神。
そんな2年生に加えて。
上野への絶妙かつ軽快かつ鋭いツッコミテクニック、
おうちが喫茶店ゆえに、本気の商魂を持ち、本作では伝説を作り上げるお店の子・元山。
人なつこくも、何があっても動揺なし、穏やか、平常心、ロボット相撲でうっか…
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↓【ネタバレ注意!】
部活モノって、あの馬鹿馬鹿しさと真剣さ、そして学年の違いによる役割やキャラの多様性がたまんないんですよね。そして、もう二度と戻れない、という寂しさもまた、微妙に味付けをしょっぱくしていて。
工科大学の部活で機械工学研究部、略して「キケン」。
あぁ、いいなぁ、懐かしいなぁ、と私も学生時代の熱い(#^.^#)部活動に明け暮れた4年間を思い出しておりました。(私は吹奏楽部だったけど)
設定を理系男子のみの文科系部活にしたところが、有川さん、やりますねぇ~~でした。(#^.^#)
男同士のハチャメチャな日々、そして、機械屋ならではのこだわりが、文系女子には新鮮、かつ、カッコいいわけで。
新入生獲得のためのあれこれ、恋、学園祭、ロボコンもどきのロボット相撲大会、そして、知らずに銃を作ってしまいそうになる暴走ぶり、どれもとても面白く読みました。
しかも、それを現在進行形…
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理科系大学の科学サークル機械制御研究部、またの名をキケン 文字通り危険な学生達のパワーと魅力がぎっしり詰まった痛快小説
理科系大学の「機械制御研究部」、爆発を伴う過去の活動から
また学内危険人物が所属する事からまたの名を「キケン」と呼ばれ恐れられている
その中でも爆破王と大魔神が率いる機研史上もっともキケンな黄金時代を描いた物語
とにかくやる事がヤンチャで危なっかしくて面白い
ノリと若さに任せたパワーでやりきってしまう痛快感が魅力、読んでいても気持良くなります
学生時代しかできない無茶な思い出の数々
後になって振り返れば絶対懐かしくて大人になった事がちょっと寂しい
そんな誰にでも有る、青春時代が思い出されます
ただ軽くてサクサク読めて爽快感も有るけれど、何か物足りなさを感じてしまいます
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↓映像化してもそのまま面白さを保てそう。馬鹿を真剣にやる男子たちの楽しさがいい。 女だけで馬鹿を結構やりましたが、こんな破壊力はなかったですね。 最後で涙が出て来て、「ずるい!」と思ってしまった。でも満足。
成南電気工科大学に入学した元山は入学式で親しくなった池谷と、
にこにこしながら押しの強い上級生にクラブハウスに連行される。
そこは、「機械制御研究部」=機研=キケン!?の部室だった…。
押しの強い上級生=「成南のユナ・ボマー上野」と
無駄に迫力のある「名字を一文字隠した大神」が仕切る機研での日々。
この2人というか上野に振り回される元山たち。
初めての学祭でのラーメン屋。
『らぁめんキケン』は機研代々の模擬店だが、学祭と侮るなかれ、彼らは本気だ。
毎年模擬店売り上げは学祭トップ。
学祭期間中に突然でる「奇跡の味」は近所の商店街のおじさんにも期待されているほど。
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↓堂々と新潮社でライトノベルを書ききった 有川さん、アッパレです(笑)。 遊びが過ぎます、でも本気で真剣に 遊んでるんで、かなり面白いです(笑)。 完全にハードカバーの皮を被ったヲタ臭溢れる ラノベ(笑)。
堂々と新潮社でライトノベルを書ききった
有川さん、アッパレです(笑)。
遊びが過ぎます、でも本気で真剣に
遊んでるんで、かなり面白いです(笑)。
完全にハードカバーの皮を被ったヲタ臭溢れる
ラノベ(笑)。
「キケン」とは成南電気工科大学機械制御研究部...
通称で 。ここでの大学生活を送る主人公達が
ひたすら真剣に遊ぶ様を、思いっきりオタク目線の
女子がニヤニヤほくそ笑みながら書きまくった(であろう)
コメディ青春もので、今回はベタ甘はほぼナシ。
その代わりに先輩後輩同士の(男子同士だが)の妙な
ラブ展開が多数。完全に女子目線の妄想全開っすねー。
…
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↓大学時代を思い出したなぁ。部活っていうよりサークルだけど。卒業した途端になんだか違う世界に放り出されたような気分になるんだよね。
大学時代を思い出した。懐かし~♪
学祭の様子とかね。ま、私は音楽系サークルだから、全く雰囲気は違うんだけど。
高校から理系だった。でもうちの高校は何故か女子が多い。理系でも多いのだから、文系はもっと多い。
大学に進んでからかな。「あ、男子ばっかだ」と思ったのは。
理科系だから、工学系よりは女子が多いかも。
それでもクラスで8分の1くらい?
学生時代だからこそ出来る無茶。
いろんな性格の人たちが集まって、一つのことに熱中して。
先輩に振り回されたり、後輩の面倒を見たり。
確かにしんどい人間関係に巻き込まれたりもしたけれど、それでも楽しかったんだよね。
何年か経って…
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↓爆発炎上は男のロマンだ!…だけど不発、みたいな? 物語の方向性とかキャラ設定は好きだけど機械オタクらしさがあまり感じられず残念。
「キケン」…それは「成南電気工科大学機械制御研究部」の略。
そして、その名に違わずキケンなニオイのぷんぷんする面々が繰り広げる工学系男子の青春群像劇。
…を書きたかったようです、作者は。
それはともかく。
大学って面白そうだよなぁ。
実は私は大学ってところを知らない。
高校生当時がちがちにド真面目で、ある意味非常にとんがっていた私は、周囲が「もっと遊びたい」と公言して憚らず、「どこでもいいから入れる大学を」と血眼になっているのをナナメに見て、そんな友人たちを内心小ばかにしていた。
どうしても学びたい何かがあるわけでもないのに、ビンボーだった我が家にそれ以上の負…
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↓理系か文系かで聞かれたら困るなぁこの作品は。
大学生のこの頃の男の子だったら本気の全力で無茶をするのも楽しいものなのでしょうね。
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↓
著者の作品は、女性から見たあらまほしき男性の姿を描いた作品が多いですが、この作品も例外ではありません。あほらしくもキケンな大学生活を描いた快作。
見るからに危険そうなタイトルですが、キケンとは成南電気工科大学機械制御研究部【略称:機研】の事なのです。
とはいえタイトルの響き通りに、結構、いえ、かなり危険な事をやってしまう爆発物好きな部長と押さえのガタイのいい、つよ~い副部長がいる部で、そこに一回生(一応非関西圏の大学っぽいのに、一年生と言わないのが、関西圏大学OBの著者ならではでしょう(笑))として入った主人公元山と同回生の池谷の4人を中心に描かれる、男ばかりの学生生活の友情物語なのです。
怪しい部活に強引and/or奇妙なお誘いは、大好きな「鴨川ホルモ-」にも見られるアホ学生生活の定番ですが、鴨川ホルモ-のように主人…
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↓「工学男子」の熱血青春物語。成南電気工科大学の部活「機械制御研究部」略して「キケン」の1回生と2回生の部員が巻き起こす、ぶっ飛んだ危険な騒動の数々が、キラキラした結晶のような輝きを持って語られる。
様々なところの紹介文に「理系男子」とあるが、より正確には「工学男子」の熱血青春物語だ。成南電気工科大学の部活「機械制御研究部」略して「キケン」の1回生と2回生の部員が巻き起こす、ぶっ飛んだ危険な騒動の数々が、キラキラした結晶のような輝きを持って語られる。
主な登場人物は、2回生で部長の上野直也、副部長の大神宏明、1回生の元山高彦と池谷悟、その他の「キケン」部員の面々。そして最も危険なのが部長の上野。彼は「火薬」という漢字が書けない頃から火薬で遊んでいた強者だ。ついた渾名が「成南のユナ・ボマー」
彼らの、新入生勧誘や学園祭やロボット相撲大会という学園生活を通しての、ハチャメチャだけ…
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↓大学生の青春絵巻。自分も主人公たちと同じ大学生なのに「懐かしい」とふと思ってしまった。読み終わった後、「気持ちいいな」と素直に思える一冊。
今日読んだのは有川浩さんの「キケン」。
有川さんは図書館戦争シリーズや塩の街などの自衛隊三部作などでドハマりし、それからも新作はチェックしてる作家さん。
今回の本も大学の図書館にたまたま入ってたので、思わず借りて読んでしまいました。
簡単なあらすじとしては「成南電気工科大学という架空のとある大学にあるサークル機械制御研究部略して「機研」。
彼らのトンデモナイ所業や引き起こした事件により、まわりのサークルや学生から恐れられていた。これはその機研(=キケン)の黄金時代を描いた作品である。」
というもの。本書背面にあるあらすじを軽くアレンジして書きました。
表紙と内容は全然違う(多分…
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↓遊びに超本気になって、遊びレベルを超えていく。それが大学生活の醍醐味なんだ!
全力無意味、全力無謀、全力本気。
―本書より抜粋
◆◇書評前の大門コラム◇◆
タイトルのキケンとは「機械制御研究部」の略字らしい。
ちなみに、うちの弟もキケンであって、「機械工学研究部」だ。
やっぱり、弟の部でも、部の略称は「キケン」らしい。
どこにでも「キケン」という部はあるんだろう。
弟がこういう部活に入っているおかげで、書店で目にとまり、
そして弟に紹介する→うまくのせて買わせるという技(笑)で本書は手に入った。
…今回のコラム、ほんま意味ないしどうでもいいなぁ。。。
◆◇書評・感想◇◆
小説なので、軽く人物紹…
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↓ここで描かれてる主人公たちの学生生活は、妙にリアリティがある。まさか、著者自身の経験を描いているのではないと思うけど、どこで取材したんだろう。学祭なんかの描写もさもありなんって感じ。
工学系の大学生の学生生活青春モノ。京都の大学生生活を描いた森見登美彦や万城目学の作品は好きでよく読んでるけど、実は、こういう大学生活ものは自分の大学生活を思い出させられて結構好き。
自分は文系で、サークルとかも大して活動してなかったけど、この小説の主人公たち同様、仲間たちとの交友に明け暮れた学生生活だった。
しかし、ここで描かれてる主人公たちの学生生活は、妙にリアリティがある。まさか、著者自身の経験を描いているのではないと思うけど、どこで取材したんだろう。学祭なんかの描写もさもありなんって感じ。
ただ、逆にそのリアリティがあるところ自体が、限界かも。普通の青春生活であまりひねりが…
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↓ここまで突っ走れるのは男子特有のもので、やはり羨ましいです!
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↓【ネタバレ注意!】
学生時代特有の「無謀無茶、でも、全力で本気!」のノリです! 学生時代って、どこかでこういうことやりますよね。もっと彼らの思い出話を聞きたい!
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↓
青春時代は真っ只中にいるときには、その幸福には気ずけないものです!
それにしても有川浩さんというのは「器の広い」作家さんですね。
私はもともと、彼女の「自衛隊もの」から入ったので
そのお名前と内容から、てっきり「男性作家」さんだと思っていたのですが
今回はさらに「男性的」な目線と内容でした。
しかも、有川さんの「植物図鑑」を読んで「おいしい野草の手料理」と
「男女の愛」のスイートさに
「そうはいっても、やはり、結婚して、作風が女らしくなったのね!」と
勝手に納得をしていたところだったので、その「男らしさ」には
余計、揺さぶられました。
私も振り返れば「いやいや出店のお手伝いをした学祭の屋台」の経験が
今となっては、「大学生活」の…
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↓
理系男子の「キケン」な生態を描いた作品。表紙を見ると『図書館戦争』っぽいですけど、ぜんぜん違います(笑)
「キケン」というのは、主人公たちが通う大学の「機械制御研究部」の略称。ようするに「理系男子」たちの生態を面白おかしく、かつ過激に描いた作品。「ユナ・ボマー」と呼ばれる爆弾系部長・上野と、それを制御する「大魔神」大神のコンビがいて、二人が巻き起こすすったもんだに、新入部員・元山(主人公であり、突っ込み役)と同期の池谷が巻き込まれるというのが大筋。全六話の短編集(いちおう)。
筋立ては、ラブコメあり、学園祭ありの、学園モノの王道なのだけど、「理系男子」だとそれがいちいち突拍子もないものになる。他校女子からの突然の告白に大げさに右往左往したり、学園祭で必要以上に本気を出して荒稼ぎしたり、ロボ…
『シューマンの指』 -本が好き!会員の書評
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↓秋はフルートでトロイメライ、春はピアノで聴きながら。シューマン論も交えて謎解きができる。
かなり前に投稿されたものですが、ことなみさんの書評を読んで手にした本です。リードもことなみさんの文章をパクりました。素敵なリードのご提供ありがとうございます。
本書は手紙と語り手・里橋優の手記から構成されている。音楽を志し、音大生から医師に転じた里橋が、30年前の高校時代に知り合った著名ピアニストの息子・永嶺修人(まさと)とその周辺人物との関係を回顧する。
永嶺は、東洋の真珠と言われた女流ピアニスト藤田玲子の息子で、12歳で、ハンナ・マーレ国際コンクールで優勝するなど早くからその才能を顕していた。そんな彼が、ある事情で、里橋の通う都立高校に入学することから話が始まる。永嶺は里橋の後輩に…
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↓【ネタバレ注意!】
奥泉光さんの本です。奥泉さんの本は、ずいぶんと以前に読んだことがあったんですが、
なんかわかったような、わかんないような、読者を煙に巻くような本が多い印象があるのですが、
この本もそうした「煙に巻く」系統であるかもしれません。
天才ピアニストの呼び声高い永嶺修人が、海外で演奏をしている、というところから、主人公の手記ははじまります。
永嶺修人は、指を欠損する事故をおこしているはずだ…と、その演奏を信じない主人公の疑問から、
この物語は始発するのです。
主人公が、天才ピアニストと評判の永嶺修人と同級生になった過去から、
永嶺修人をめぐる主人公の回想がはじまります。
永嶺修人はシューマンを崇拝して…
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秋はヴァイオリンでトロイメライ、春はピアノで聴きながら。シューマン論も交えて謎解きができる。
面白かった。小品しか知らない「シューマン」という作曲家をこんなに愛する人がいるのか。その上、ミステリで、青春の追憶ありで。
作者のシューマン論は、音楽の雰囲気を楽しむだけの、音楽好きの私には、こういった楽譜やコードについての分析は、それなりに音楽の世界についての知識を深めさせてくれた。
この物語は、読んだ後になって、納得できる部分が少なくない。
そしてシューマンの生き方や、音楽論の中に、作者の深い意図が隠されているという、面白い構成になっている。
まずドイツに留学した友人の便りから開幕。
右手中指の先を失った長嶺修人が、シューマンを演奏するのを聞いたというのだ。その上指が…
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↓【ネタバレ注意!】
本屋さんでこの表紙にドキッとした人も多いでしょう。私もその一人です。まず素晴らしい装丁ですね。白と黒の鍵盤に落ちた血痕。血の色が鮮やかに目に入ってきます。
内容は実に幻想的。奥泉さんの作品は今までに読んだことがなかったので、真っ白な状態から入りましたが、経歴を見て芥川賞作家だと知って納得。直木賞じゃなくて芥川賞なのね。道理で小難し……いや、格調高い文章だと思いました。指を切断したはずの永嶺修人の演奏を聴いたという友人・鹿内の手紙から始まる物語は、主人公「里橋優」と「永嶺修人」との出会いから始まり、彼らの交流、鹿内が仲間に加わった「ダヴィッド同盟」で繰り広げられる音楽論。
「指は?指はどうなるの?」
と気持ちがはやる私を取り残して、前半はゆったりと物語…
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【ネタバレ注意!】
本なのに音楽鑑賞している気分。どんな読者を想定していたのでしょうか?
何の知識もなく飛び込むと音楽用語の洪水!!
曲名、曲調、演奏法など不明なことが多く、かなり抵抗感がある。
救いは、混乱する脳の奥の方で素晴らしいクラシックのBGMが流れていることだ。
事態はちょうど半ばで急変。殺人事件が起こるのだ。
正直ここで!!とびっくりしました。いや起承転結、転びすぎでしょう!!
前ぶりもなく(確かに曲調はずっと暗いのだが)いったいどんな話なのか訳がわからなくなりました。
作者の伏線も、かなり居心地が悪く、読んでいる間中消化不良な感じで最後まで不穏な空気が漂っている。
結末ははっきりいって夢落ちのようでし…
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↓ピアノの鍵盤をデザインした綺麗な装丁の表紙。鍵盤の上にどきっとするような真っ赤な指紋混じりの血痕がついています。
ピアノの鍵盤をデザインした綺麗な装丁の表紙。鍵盤の上にどきっとするような真っ赤な指紋混じりの血痕がついています。扉にも血痕とインクのにじみがあり、図書館で借りた本だったのでぎょっとしました。時間の経った血がこんな色のはずがない、と頭では理解していても念のため、書影を検索して確認してしまいました。
さて、不穏な表紙の印象通り、物語はどんどん意外な方向へ進んでいきます。語り手の手記という体裁をとっていて、それはもっと後で語ることになるだろう、というような記述が繰り返し登場し、最初はしつこいほどじらされます。このくどさもラストに生きてくるとはびっくり。著者の作品は初めて読みましたがきれいに…
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↓
最後の数ページの「手紙」ですべてが覆されてしまう、いかにも奥泉風に。私としてはこのどんでん返しはなくても十分楽しめたので、残念な過剰である。
作中人物の1人に言わせると「シューマンの方法は、詩ではなく小説のそれ」なのだそうだ。それはともかく・・
30年前の殺人事件を想起しようとする筋書きは奥泉の『ノヴァーリスの引用』と同じ。悲劇の天才ピアニストというテーマはたしか『鳥類学者』にも現れたと思う。deja-luの感は否めない。
しかしさすがに奥泉、文章で読ませてくれる。文中のシューマン論は、音楽そのものを(「幻想曲ハ長調op.17」「交響的練習曲op.13」「ピアノソナタ3番ヘ短調」を中心に)語って興味深い。
天才少年ピアニストと対峙する凡庸な話者、という設定もいい。
だが最後の数ページの「手紙」ですべてが覆…
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↓本屋大賞5位でしたが、10位までの作品のうち9作読んだ私としては個人的大賞はこれ。音楽に詳しくなくても楽しめます。
屋大賞ノミネート作を借りていっているのでこれも。ノミネート作の中ではいちばん期待してましたが、それは間違ってなかったと思う。
ほんとに、いろいろ、衝撃でした。
私は音楽の知識がほとんどなく、曲やコードを示されても頭の中に流れることは一度もなかった。それが悔しいといえば悔しい。けれど不思議と、音楽描写がとにかく多くてあまりミステリ色の強くなかった序盤~中盤もその割には飽きずに読めたんだよなあ…おそらく文章が嫌いじゃなかったから。
最初のびっくりは「私」と「修人」の関係描写。読み始めたときはこの相互依存ぽい関係を、これ恋愛的な意味でも読めるなー変換もできるなとぼんやり思っていたら…
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↓シューマンの演奏の鳴り響く夜に起きた殺人事件。そして指を失ったはずのピアニストが復活してシューマンを弾きこなす風景。一体何が事実なのか? 真相は何だったのか? 奥泉光という作家のエッセンスが詰まった佳品。
主人公の元に届いた手紙から回想が始まる、それは、東ドイツを訪れていた時にシューマンのコンチェルトを弾きこなす永峰まさとの姿を主人公の高校時代の友人が報告したものだった。信じられない出来事だった。というのは、永峰まさとは右手の中指を切断していたからであり、それが再生するなどとは当時の医学の水準からしてもあり得ないことだったからだ。彼が観たのは本当に永峰まさとだったのか? 指が再生するとは、どのようなトリックによってだったのか?
本書はそうした最初に提示された謎から始められる、主人公の手記というスタイルを採って記される。主人公とその友人が惹かれた「永峰修人」という一人の天才ピアニストをめ…
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↓
クラシックのライナーノーツをひたすら読んでいるような前半。 後半やっと動き出した物語は、 あらゆる意味で「えっ!?」と驚くラストへ。 全編に渡って漂っていた不安定な空気の理由は、最後まで読んだら理解できた。
クラシックのライナーノーツをひたすら読んでいるような前半。
シューマンに関する造詣の深さや、
音楽を美しい文章で表現する圧倒的な文才には脱帽するしかない。
シューマンに対する知識など皆無で読み始めたとしても、
きっと文章の力に導かれて シューマンを聞いてみたくなってしまうはずだ。
後半、事件が起きてからはミステリっぽくはなるものの、
常に全てが嘘であるかのような、ものすごく不安定な空気が物語の底辺を漂う。
指を無くしたはずの名ピアニスト、
彼の指の再生の謎を解いてゆくんだな、、、とまんまと勘違いして最後まで読み、
ラストはいろんな意味で「ええええええーっっ!?」と…
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↓美少年ピアニスト・永嶺修人を拝むための物語。
良質なJUNE小説を読んでいるような、幸せな気持ちになりました。
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↓冒頭では、シューマン好きなクラシック少年たちの青春もんかと思いきや、その後、殺人事件、そしてラストには意表を突かれてるトリック!驚きました。シューマン、クラシック、青春、ミステリ、お好きな方はご一読☆
この本、まず想定が魅力的です。
この左下辺りについているもの、、、
血の跡なんです!
驚きました・・・。
物凄くリアリティがあり、図書館とかで、何も知らない人は、
「これ、、汚れてるんですけど・・・」
なんて言ってしまいそうです。それぐらいインパクトがありました。
物語の冒頭は音楽×青春小説の模様を見せます。
天才ピアニスト永峰修人が高校に入ってきて、
ひょんなことから仲良くなった「私」。
修人の語る、音楽哲学、音楽論、そして、シューマン。
影響をどんどん受けていく「私」。
この青春小説の冒頭は、あの
『船に乗れ!』(藤谷治) を彷彿させました。
そのよ…
『ストーリー・セラー』 -本が好き!会員の書評
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↓小説家の夫婦を描いた2つの話です。有川さんらしく、相変わらず外しません。
相変わらず外しませんね、有川さん。面白かったです。ちょっと泣きそうでしたが、オチを読んで逆に笑っちゃいました。僕はSideAが好きかな?祖母の家の片づけのところが、力強さを感じてよかったと思います。
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↓書く側の人間。読む側の人間。 需要と供給がぴったりとはまったら、きっとこんな関係が生まれるんだと思う。
前々から、有川浩さんの書く物語は、好きでした。
それは何でだろうと考える間もなく、ただただわたしに”合っていた”からだと思います。
この、ストーリー・セラーと言う小説は、読書を趣味とされている方々には是非とも読んでいただきたい小説だと、わたしは思いました。
それはおそらく、この小説を読んだ全ての方が思ったのではないでしょうか?
わたしの勝手な言い分、考えなので、必ずと言うわけではないですが。
有川浩さんの小説は、人間味溢れる言葉が次々と投げられているような気がします。
この小説も、もちろん例に漏れず。
綺麗な言葉を丁寧に丁寧に並べている場面も、ちゃんとあります。
最初の方は…
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↓side:A side:Bの2作。
片方は男性、もう片方は女性が主役。作家になるのだが、色々な困難に襲われる。ほんわりとした恋愛と作家で生きていく大変さと思いやる気持ちが切ない。泣けるし人を大切にしたい。
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↓読書好きの心を捉えたセリフが満載。
一回目は数年前に読んだ。ベースとなる書評はその時まとめ、今回、後日談をつけ足してUPする。
「阪急電車」で気に入った作家さん。「阪急電車」は短めにエピソードをつなぎ、心温まる話で仕舞いをつけてあり好印象であった。また軽妙な語り口に新鮮なものを感じた。
本作「ストーリー・セラー」を読んだら、物語の重さと愛情の深さが加わり、著者の得意技で怒涛の攻めを受けてしまった。冗談抜きで泣きそうになり、本当にヤバかった。Side Aの終わりがちょうど電車の改札を抜けたところだったから助かった。挙動不審者一歩手前。踏みとどまった自分を思わず誉めてしまった。でも、電車下りてから二宮金次郎はやってし…
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↓
一つ目のお話は作家である妻の死、二つ目のお話は作家の妻を持つ夫の死。
ただ、この二つの物語に共通して言えることは、どんな状況にあっても作家は書き続けるということ。
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↓
2つのお話はどちらも 本を書く女性、それを応援する男性のお話。
女性が亡くなるか男性が亡くなるか・・・
どちらも深い愛情を感じるお話で泣けちゃいました。
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↓有川作品は読後爽快感があるものが多いが、これはかなりしっとりする。 でもいつもの文章の軽やかさは失わない。 キャラたちの素直な感情がまるごと感じられる。
装丁素敵!いつもと雰囲気違う。
上品なお姉様のような。高級百貨店の格式高いプレゼントのような。
sideAはアンソロジーで既読ですが再読。
再読にも関わらず涙してしまった。
題材が題材なのでズルいちゃズルいが。
恋のきっかけは暴挙だけど、誠意あれば取り返しのつくこともあるよね。
心意気が男前な彼女かっこ良い。
そして書き下ろしsideB!書き出しにびっくりした。
sideAで泣いてるだけに、この始まりには若干引いた。
え、なんだ小説の話?小説の中に小説があってその中にも小説…!?
どれが現実かわからなくなるけど、これもともと小説だ。
なんか不思議な感覚に包まれ…
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↓あたしは、この物語を売って逆夢を起こしに行くのだから。 のひと言で、私は気持ちよく読み終えました。 他の人の読み方とは少しちがってるかな。。。笑 表紙も素敵でした!!
2010年8月20日発行・・・2012年1月14日読みました
【私の心に残ったこと】
★あたしは、この物語を売って逆夢を起こしに行くのだから。
「『ストーリー・セラー』はいつ本になるの?」
「あれは分量がハンパだからちょっと収録しにくくて・・・」
前は女性作家が死ぬ話だったろ?
今度は女性作家の夫が死ぬ話にしてみたら?
随分お待たせしましたが、
『ストーリー・セラー』の対になる話はこれにしたいと思います。
【Side:A】
★君は最後までなんて男らしかった…
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↓【ネタバレ注意!】
この本は、有川浩先生が自分の未来をつづった話です。小説家の奥さんがなくなるパターン、そして…旦那さんがなくなるパターン。有川先生、いったいどこまでが本当なんですか?ストーリー・セラー…
この本はサイドAとサイドBから成り立っている小説です。
ですが、これは普通の小説、またエッセイとは少し違っていました。
サイドAは、会社で同期の彼と彼女の物語…
彼は本が大好きで、本には目のない生き方をしてきている人です。
その会社で、彼は変わった言い回しをする彼女にひかれていきます。
中学生の私は正直知らない言葉ばかりでした。
たとえば、「食費」ではなく「エンゲル係数」。
「贅沢」ではなく「潤沢」…。
ある日彼女は会社に自分のUSBを忘れてきてしまいます。
会社では禁止になっているはずのUSBを
彼女の机から発見してしまった彼は、チェッ…
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↓めちゃめちゃ泣いた、本当に泣いた。
さんざん泣いた後で、果たしてどっちが本当の話なの?と思わずにいられない。夫婦の絆と簡単には言えない2人の思いが詰まってます。
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↓side-Aはアンソロジーで読んでいたけれど、これを受けてのside-Bと合わせて読むと、作中での表現と重なるが「こうくるか!
」と。こういう夫婦、ステキで憧れる。
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↓う~~~~ん・・・、有川浩さんのベタ甘路線が大好き!!(*^_^*)の私だけど、これはちょっとノレなかったなぁ。
完了日 : 2010年10月13日
Side A は、以前に他の作家さんたちとのアンソロジー集に収録されたもので、致死性能劣化症候群という、思考が死に至るとんでもない病を得た女性作家とその夫の悲しいラブストーリー。文庫で読んだ時には、その恋の始まりにときめき、結末には滂沱の涙、だった。
でも、その裏側とでも言うべきSide Bは、やはり女性作家と夫のお話で今度は逆に夫が病に倒れる話。別々に読んだら、こちらも好きだったのかもしれないけど(だって二人とも好ましいキャラだったし)、二つ合わせて、ある小説家(もちろん有川浩さん本人だよね)が作ったお話なんだよ、という提示の仕方が、なんというかア…
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↓いつもの檄甘キュンキュン要素だけでなく この本はそれ以上に夫婦の互いを思いやる気持ちの濃密さ や愛する人を失う喪失感を強く感じて・・・ 好き❤と言うだけでは言葉が足りないような気持ちになりました。
有川さんの ベタ甘なラブコメが大好きですv
思わず 足をバタバタしたくなるくらいのキュンと
「いいなぁ」ってため息ついちゃう 読後感!
でも この本は それ以上に 夫婦の互いを思いやる気持ちの濃密さ
そして そんな愛する人を失う喪失感を強く感じて
ただ 好きだ~~❤ と言ってしまうには言葉が足りないような気持ちになりました。
泣けた・・・
----------------------------------------------------------------------------- 内容
このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。小説家と、彼女を支える夫を突然襲…
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↓Aは読んでいたので、書き下ろしのBの出だしから驚かされました。
Aのストーリーとの微妙なリンク加減が面白いです。もっとストーリーが長かったらとちょっと思うほどこの話好きです。
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↓女性の小説家と、その一番の理解者であり、読者でもある夫との揺るぎない愛と哀しみの物語。「Side:B」のエンディングが読者の気持ちをざわつかせる。
アンソロジーの「Story Seller」に収録されていた短編「ストーリー・セラー」を「Side:A」として、新たに書き下ろした「Side:B」を加えて単行本化したもの。Side:AもBも、女性の小説家と、その一番の理解者であり、読者でもある夫との揺るぎない愛と哀しみの物語。
アンソロジーの「Story Seller」のレビューで、「ストーリー・セラー」(つまり、本書の「Side:A」)を読んで、著者が「悪意」や「悲劇」も描けることは分かっているが、読後感は大事にしてほしい、と思った。その「読後感」は「Side:B」の冒頭で救われた。
救われはしたが「Side:B」も含めて、依然…
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↓有川浩さん、というお名前だけですでに読む価値ありです。とにかく読むと大変なことになります。実際私は図書館で大変なことになりましたから。
Side:A、Side:Bの2つのお話で構成されています。
Side:A、冒頭から引き込まれました。
いったい彼女に何が起こったのか、どんな結末を迎えるのか……
読み進めていくと有川さんお得意の甘い展開に顔がにやけてきます。
どうしてこんなに強くてかっこよくて、それでいて可憐な女性が書けるんでしょう。ただの甘えん坊で守ってもらうだけの存在じゃないところに同性として魅力を感じます。
それに、女だったら絶対惚れてしまうだろう、っていう男性像もピカイチ。甘やかすだけじゃない諭してくれるとこが最高!
そんな理想的な男女の会話をニヤニヤしながら楽しんでいると、ハッとするのです。
あの冒…
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↓
書く側から読む側へ。読む側から書く側へ。本がつなぐ書き手と読み手。本が好きって気持ちを再確認したすごく素敵な作品。
基本的に有川さんは甘甘すぎて苦手なのだけれど、『阪急電車』のときのような素敵な出会いの予感があったから。
結果からいうと、その予感はまさにどんぴしゃ。正しかった。しかもたまたま手に取った本がサイン本という素敵な偶然。サイン本なんて手にするのは初めてのことで、ちょっと嬉しくなってしまった。
本書に収められているのは作家を巡る二篇のお話、タイトルは『Side:A』と『Side:B』。どちらも女性作家とその夫のお話だ。そしてどちらのお話でも主役夫婦に「名前」ははなく、そして夫婦のいずれかが難病に侵される。
『Side:A』で病に侵されるのは女性作家。彼女が患ったのは「思考するこ…
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↓夫婦愛が感じられる素敵な小説。
本書には、アンソロジー『ストーリーセラー』に入っていた『Side:A』と、それに対となる『Side:B』を収録しています。
ラブコメに定評がある有川さんですが、この小説ではそういう部分はあまり見受けられませんでした。“夫婦愛が感じられる素敵な小説”といった感じでしょうか^^。ただ、一部だけ少女マンガのような場面があり、思わず顔を赤らめてしまいました(苦笑)。いくら気になっていた女子だからって、いきなり○○するかね? などと一人でツッコミを入れてしまいます(^^;)多分、有川さんの他の小説はこういう場面でいっぱいなんだろうなあ(^^;)
最初は幸せな二人ですが、事態は急変。『Side…
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↓【ネタバレ注意!】
作家になることで、賞賛といった善意の気持ちだけでなく、妬みそねみといった悪意も増幅するのだろうなあ、作家って大変だろうなあといつも思っていました(作家に限らず有名人はみんなそうね)。私は文章を書くことがとても好きだ。
ぐだぐだだらだらと書きながら日々を過ごしている。
ときどき、認めてもらえるような「きちんとしたもの」を書こう
と公募ガイド片手に頑張ってみることもあるけれど、すぐにぐだ
ぐだだらだらになる。そんな自分を昨年「11月の扉」を読んだ
あたりから反省。
今はその反省モードが続いている状態。
人が死んじゃう話が好きではない。すっぱりと死んじゃうのも、
これからの死を予感させるのも好きではない。
「売るために」「泣かせるために」物語の中で誰かが死んじゃう
のは、あざとくて嫌だなあと思うし、「事実として」死んじゃう
のは悲しくて嫌だ。
まった…
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↓一気読みの面白さにご注意。
のめり込ませる筆致に脱帽。妻が作家で夫が読者という夫婦二組。どちらかが病になる中編二編。人生の窮地に立ち向かう夫婦の姿に涙が出る。そして、メタなラストをさらりとつけ加える作者の術中にまんまとはまってしまうのだ。
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↓この本の最大の特徴は、登場人物の誰一人として名前が出てこないこと。
私や彼という風に書かれているので、読者の想像がふくらみます。私はやはり有川さんと旦那さまを思い浮かべて読んでいました。そのぐらいリアリティ溢れる本です。
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↓物語を紡ぎ出す側の目線に立ってストーリーが進んでゆく。
何が現実で、どこからがフィクションなのかわからないぐらい話に引き込まれた。
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↓
「フィクションですよね。フィクションなんですよね?」と思わず願ってしまう、含みのあるあとがき。 そういう意味でも構成は巧みです。
有川浩さんの本は初めてで、売れている作家さんとは知りつつも手を出さずじまいでした。
「泣かせる」系は苦手です。泣かせるハナシに「死」が絡むとどうしても敬遠してしまいます。
卑怯でズルく思えてしまうんですよね。
喰わず嫌いは良くない。読んでみよう。
出来るだけ期待をせずに、ハードルは下げて読んでみよう。
ということで読んでみました。
会話文が多く、センテンスが短めなので読みやすいです。
ストーリーは、よくある話で、女性作家さんらしい男性像が描かれていました。
ストーリーの終わりに、『含み』を持たせた文が、なんとも言い難い、心が締め付けられる思いがしました。
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↓雑誌「Story Seller」に掲載され、文庫版の「Story Seller」にも収録されたSide:A。それに加えて、書下ろしのSide:Bが収録され、ちゃんとした単行本になったこの本。Side:BもSide:Aに勝るとも劣らない出来。
雑誌「Story Seller」に掲載され、文庫版の「Story Seller」にも収録されたSide:A。これは、読んだとき、涙が止まらなかった。普段、お涙頂戴の「病気モノ」の小説やドラマ、映画が大キライな私だが、この中編小説は、主人公二人の付き合うキッカケになるシーンの良さもあり、大好きな小説だった。もしかしたら、著者の書いた小説で最も好きかもしれない。
それに加えて、書下ろしのSide:Bが収録され、ちゃんとした単行本になったこの本。Side:BもSide:Aに勝るとも劣らない出来。ネタバレになっちゃうので、細かい展開は書かないけど、本当に切ないラブストーリーだ。
最近、著者…
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↓【ネタバレ注意!】
単行本にしてくれて、本当にありがとう。新潮社から出版されている「Story Seller1」というアンソロジーの中の有川浩さん(著者)の1篇新たに1篇の書き下ろしを追加して出版された単行本。
既に、アンソロジーの方でsideAは読んでいたので今回久々に再読したが、やはり素敵。
素敵の一言に尽きる。
物語を「書ける側」の女性と、「書ける側」に憧れを持つ「読む側」の彼との出会い。
二人の関係がとても素敵で温まるにつれて、そこで幸せの絶頂から急下降していくのがとても切なくて読んでいられない程涙が出る。
sideBに入ると、sideAがBへの序幕に成っていた事に気づきく。
sideBを読み進めれば進めるほど、最…
『謎解きはディナーのあとで』 -本が好き!会員の書評
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↓こんなベストセラー作品を今頃読むなんて。この作品集は大好きな安楽椅子探偵小説が主体の作品集だ。 安楽椅子小説は読者が名探偵と一緒になって事件の謎を解明できる。
大ベストセラー作品。本屋大賞受賞。こんなものすごい作品を今まで読んでいなかった。読書仲間で尊敬する人が、この作品は駄作で読む価値がないと言われ、人の意見にすぐ影響を受けてしまう私ゆえ読まなかった。しかし、ここにきて反省してそっと娘の本棚からひっぱりだして読んでみた。7作品が収録されている。
読んでみて気が付いたが、1作品は異なるが、それを除くと、この作品集は安楽椅子探偵小説集だった。
安楽椅子小説というのは、主人公の名探偵は事件現場に行くことはなく、現場に行って捜査してきた人の話を聞いて、事件の謎を解くというスタイルのミステリー小説のことを指す。
このスタイルで最近有…
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↓ユーモア・ミステリーです。赤川次郎作品のように軽く読めました。
ユーモア・ミステリーの短編集である。
・殺人現場では靴をお脱ぎください
吉本瞳という女性が殺された。絞殺で、自分の部屋の中でブーツを履いたまま死んでいた。捜査をするのは、「金持ちのボンボンが警部になった」風祭警部と、その部下の宝生麗子である。麗子は、実は大金持ちのお嬢様で、執事がリムジンで迎えに来るほどである。この執事の名前が景山といって、彼が名探偵役を務める。麗子の話を聞いただけで、見事な推理をしてみせる。
・殺しのワインはいかがでしょう
ワインを飲んで死んでいた若林辰夫。状況から自殺だろうと考えられた。辰夫は資産家で、家政婦の藤代雅美との結婚を家族に大反対さ…
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↓大いなるマンネリと安定調和。その実なかなか手の込んだ事件。際立っだキャラ設定。テンポのいい展開。これらが合わさった「迷著」であり本作が「本屋大賞」を獲得するのに納得です。
今回は本書が売れた理由を分析します。
1. キャラ設定
生粋のお嬢様なのに警視庁で刑事をしている宝生麗子と、彼女に仕える執事の影山による謎解きミステリー小説。この2人を中心としたキャラクター設定が本小説の命になっています。主人公の宝生麗子は「令嬢刑事」でこちらがワトソン役、事件を推理してくれる相方は「毒舌執事」でこっちがホームズです。しかもワトソン・麗子には、彼の上司である「ダメワトソン」風祭警部を配しており、麗子を中心にテンポの良いギャグ会話が交わされます。
2.実はしっかり推理小説になっている。
肝心の事件は短編ながらもそれぞれ伏線とそれなりのトリックがしっかりしており感心…
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↓ドラマから興味を持った人にも読みやすい。
ドラマを見てから読みました。
キャラ像はドラマ版と変わらず。
ミステリーとしては読みやすい部類だと思います。
謎解き自体をメインにしているので、犯人の内情やら過去やら重厚なストーリーを期待している人には物足りないかもしれません。
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↓お嬢様刑事と毒舌執事のコンビが最高。さすがベストセラーですね。
「死者からの伝言をどうぞ」という作品が印象に残る。
主人公のお嬢様の上司の風祭刑事という人が変。この変な具合が、妙な化学反応を起こしていて、物語に魅力を増しているように思えました。ミステリーとしては普通
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100文字
短い作品なので読みやすく、キャラ設定もしっかりしていてブレていません
それなりに楽しめる作品です
この本は星***です。
*は駄本。焚書坑儒の刑にすべし。
**は、古本ならOKレベル
***は、普通
****は、かなり楽しめる
*****は、絶対買うべし、…
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↓安楽椅子探偵+ユーモア満載
この作品の魅力は2つ。
1つは物語として面白いという点。
東川作品のどれもに共通していえることだけど、普通推理小説というと、事件、調査、推理の発表というのが大体の流れになっていて、1度読み終えると「もういいや」となることがほとんど。
しかし、東川作品は登場人物たちの織り成すコミカルな展開によって、推理小説としてもキャラクター小説としても十二分に楽しめるという点が魅力的である。
もう1つが、トリックに使われる小道具の身近性にある。
推理小説のトリックについて、昔から様々な方法が生み出されてきた(現実的とかそういうのは置いといて)。
その中には、大掛かりな仕掛けのものもあれ…
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↓本屋大賞を受賞したことがまずいのじゃないかな。
話題が先行し、あれよあれよという間に本屋大賞を受賞してしまったら、
なぜだか評価しない声が聞こえてくるという不思議な現象に陥った
記憶があります。
タイトルや扉絵が印象深く、読む前は悪い印象はありませんでした。
本が好き! でも、低評価が多めなのは気になっていましたが。
読了後に、これでは仕方ないかと思いました。
書評を確認したら、小説を好む人は全般的に低評価で、軽めの作品や
ラノベを好む人の評価が高い傾向に思います。
ベストセラー的な煽りかたというよりは、ラノベ的な突拍子のない
掛け合いが特徴なので、皆さんの評価は妥当だと思いました。
小学校などで流行る謎解きなんとか…
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↓ま、他のレビューを見た方が良いね
ま〜、レビューするまでもない・・・話題になっていたから試しに読んでみた。なぜ本屋大賞?82万部??何も得るものがなかった・・・。
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↓一番の謎は、なぜ風祭が警部になれたのかということでしょうw
北川景子主演のドラマが人気だった、 「謎解きはディナーのあとで」 (東川篤哉:小学館)。主な登場人物は3人。まずは主人公の宝生麗子。国立署の刑事をしているが、それは仮の姿。その正体は、大財閥宝生グループ総帥の一人娘。正真正銘のお嬢様なのだ。
次に、国立署で麗子の上司に当たるのが風祭警部。こちらは、中堅自動車メーカーである風祭モータースの御曹司。シルバーメタリックのジャガーに乗っているキザ男だが、やたら調子が良くて、憎めないキャラである。しかし、放っておけば、どんどん冤罪を作りかねないダメダメ刑事ぶりなので、麗子は、いつも心の中でツッコミを入れている。
しかし、麗子の方も褒…
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↓安楽椅子なユーモアミステリー。
図書館で見つけた一冊です。
ドラマや映画にもなっていて、ちょっと気になっていました。
一風変わった安楽椅子探偵ミステリー、でしょうか。
主人公は大富豪の娘でもある、宝生麗子、職業は刑事。
そんな彼女が、新米だけに自力ではなかなか解けない謎を、
自分の執事・影山に相談することで物語が進みます。
で、この執事が曲者で、謎解きの際には
雇い主でもあるお嬢様を“小馬鹿にする”癖があり、、
この掛け合いのテンポが受けたのでしょうか、
2011年の本屋大賞も受賞しています。
雰囲気的には『三毛猫ホームズ』とも通じるものがありますかね、
いわゆる“ユーモアミステリー…
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↓電車の中で読むのにちょうどいい短編集
「お嬢様はアホでいらっしゃいますか」というインパクトのあるセリフを広告で見かけて気にはなっていたので図書館で借りて読んでみました。
短編集で軽く読めるミステリなので電車での移動中に読むにはちょうど良かったです。
執事の影山が若く、執事になって日も浅いという設定のせいもあるかもしれませんが、なんとなく「執事ごっこ」をしている二人の軽口、という印象もあります。
経験豊かな執事がお嬢様に「アホ」というわけにはいかないのでこれは仕方ないかもしれませんね。
トリック自体は「ちょっと無理があるんじゃ…」と思ってしまうものもありましたが、これはトリックや謎解きそのものを楽しむのではなく、二人…
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↓
話題の映画の原作。 映像と原作の相違点は?
【おすすめポイント】
★原作とドラマ(映画)の違いを発見
「謎解きはディナーのあとで」はドラマ化され、 その人気からこの夏映画化されとても有名な作品になりました。
主演は嵐の櫻井翔さんと北川景子さんで、このキャストも人気に拍車をかけている要因かと思います。
映像化された作品の楽しみ方はやはり原作との違いを自分なりに見つけること。
自分の想像と実際に目にした映像のどこがどう違うのか探すのはなかなか楽しい作業です☆
先に映像を見てから原作を読むと頭の中で主要人物が俳優さんにすりかわってしまいますが、それでも必ず相違点は出てきます。
それが楽しい!!
★影山(執事)…
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↓読みたい読みたいと思いながらやっと手にすることができた。
【くまの感想】
読みたい読みたいと思いながらやっと手にすることができた。
長女が購入したので、少し借りて読ませてもらった。
人気の秘密
なんだろうか?
鋭い推理と話の展開
1話完結なところが皆にうけるのだろうか?
私は読んでいて、森博嗣さんの作品とも少し似ている印象を持った。
続編も出ているので出会いを待ちたい。
出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!
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↓今ごろ読んで...と言われそうですが、普通におもしろかったです。
ライトノベルって言うんですかね、小気味良い短編推理小説集で、もっと読みたいと思わせます。 でも、小説自体の賞味期限は短いでしょうねえ。
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↓ふーん。
これが本屋大賞ですか。軽い読み物としてはいいかも。北村薫さんの「覆面作家」に似てるかな?影山役は桜井くんより堺雅人のほうが…。
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↓ディナー中に執事の影山に事件の内容を話すと麗子がを食べ終えてから謎を解いてくれる・・・。
宝生麗子は国立署の女性刑事。
ブランドのパンツスーツなどを地味に着こなす。
その実は、宝生グループの総帥のひとり娘、お嬢様だ。
仕事を終えて屋敷に帰ってディナー中に執事の影山に事件の内容を話すと麗子がを食べ終えてから謎を解いてくれる・・・。
短編で6話収録されている。
とても読みやすいし、キャラクターの個性がすごい。
麗子の2面性、上司の風祭警部はお金持ちの御曹司、そして執事の景山は執事らしくおとなしいが言葉遣いが巧み?で名推理だ。
聞いたことだけで推理ができ、しかも犯人に間違いがないのはすばらしい。
ドラマを観たのでその印象のまま読んだが、ほぼ変わりなく突っ込みな…
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↓キャラクターが立っていてせりふが軽快でユーモアがあり面白かった とても読みやすくさくさく作品の中に入っていける
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↓
お嬢様以上に節穴な私にちょうど良い楽しい話でした
今さらなのですが、やっと読んでみました
賞を取ってかなり話題となった作品に対して
この話の執事のように思いっきり失礼な事を言ってしまうと
私くらいにちょうど良い楽しい話でした
内容についてはもういいですよね
「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」で有名な!?この話
テレビドラマにもなり作品の雰囲気やパターンはもうほとんどお解りかと思います
では何が私くらいにちょうど良かったのか
まず一編に一人は必ず人が死ぬのですが、その描写があまり怖くない
何を隠そうホラー系が苦手な私
「凄惨な殺人現場」などを細かく描写されるとそれだけでドキドキしてしまうのですが
「凶…
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↓ミステリに動機や人間ドラマを求める人には向かないかもしれないが、フェアな安楽椅子探偵ものとして、わたしは高く評価します。
笑いの要素も実は上質だと思います。ベストセラーにも良作あり。
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↓【ネタバレ注意!】
本格、では無いんじゃあ?キャラで読むならアリ。ズレた心配性の旦那様が出てこないのが残念。あ、出て来たらドラマ『富豪刑事』になっちゃうか?
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↓「そういえば、これも読んだなぁ~」という感じですね。
第8回 本屋大賞受賞を受賞したこの作品。 どうなんでしょう…?(笑) 子供向けの作品、という感想です。 あまり文章を読まない、漫画を読むほうが多い方には、とても楽しめると思います。 何も考えずに読んでいくだけで、笑えますね♪ 私個人の感想としては、「ああ、面白かった」。ただそれだけです。 これを漫画やドラマにすると面白いかもしれません。 本格ミステリーファンにはちょっと…どうでしょう?という感じかなぁと思いました。 これ以上、書く事がありません…。
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↓一話完結の短編集でさらさらお茶漬けのごとく読めます。
執事影山のどSぶりとお嬢様刑事のツンデレが笑える。影山推理はなかなかだけど、「本格ミステリ」のうたい文句は眉唾くらいで読むのがよろし。
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↓
サクッと読めます。「お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」というセリフに思わず笑ってしまいました。
「謎解きはディナーのあとで」がすごい人気だというのを
初めて認識したのがいつだったのか全然思い出せないのだけど、
今ネットで調べたところ、僕が住んでいる市の市内5つの
図書館・分室全部で、この本は17冊所蔵されていて、
もちろん全部貸し出し中で、予約はまだ43件もあります。
ちなみに、僕は1月半ばに予約を入れて、かりられたのが、
つい2週間ほど前。忘れた頃に順番が巡ってきました。
さて、中身。
推理ものなんだけど、さらっと読めます。
お嬢様、お坊ちゃん刑事と執事が主な登場人物で、毎回の流れが決まって
いるので、水戸黄門のような安定感があります。
電車での移動時…
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↓
思いっきりバカにして読んだら普通に面白かった。毒にも薬にもならなくてさらっと読めるのが最大の魅力。
ワタクシ、この本がベストセラーになりドラマ化されたときから、「よし、いずれブッ○オ○で百円になるからそしたら買おう」って思ってました。出版業界の敵のよーな消費者でありますな。
いやでもちゃんと定価で買うこともありますよ!……たまには。
やっと今日近所のブッ○オ○の百円コーナーに移動してるのを見つけたので、ついに読めた次第。
正直読む前は結構バカにしておりました。
「そりゃね、中村佑介さんのこのオシャレなイラストに、毒舌執事とワガママお嬢様っていう分かりやすくキャラの立った登場人物なら売れるでしょ。っつーかこのいかにもうまいこと売れる感じにしました感がまるわかりなのが気に…
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↓【ネタバレ注意!】
始めお嬢様が活躍する話かと思ったが、良い意味で裏切られた。良家のお嬢様とは言い難い心の叫びや、執事の何気ない暴言が面白かった。
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↓執事とお嬢様のボケ・ツッコミは楽しかった。
軽くて読みやすくて良かったが、何となく物足りなく、結局はドラマ向けの作品に思えた。
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↓毒舌執事とお嬢様はいいコンビだと思う。 ミステリーでこんなに笑える(((o(*゚▽゚*)o)))とはおもわなかった。
毒舌執事と令嬢刑事のコンビがとてもいいと思います(=^▽^=)
私は、お嬢様に対する執事の毒舌の場面がいちばんすきです(*´д`*)
それに、お嬢様の毒舌に対する反応も・・・・・・・・・・(´・ω・`)
もちろん、影山の推理にも注目です。
ミステリーとしても、質が高いと思います(;´∀`)
ミステリーはあんまり読んだことはありませんが、ミステリーで笑える作品はあまりないと思います。
(どっちかというと全く笑えない暗いイメージ?がありました・・・)
ミステリーにはまりました(<>O<>)
今までに読んだことのないタイプのミステリー小説でした(;´Д`)
ミステリーがあまり好…
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↓
短編で読みやすい、映像向けの作品
短編ということを知らずに読み始めて、1話目があっという間に終わってしまい、あっけなく感じました。
キャラクターの設定が濃くて、映像向けの作品です。実際ドラマ化されていますね。
東野圭吾や宮部みゆきといった長編ミステリーが好きな人には物足りなく感じるかもしれません。
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↓期待値を高く持ちすぎました...
本屋大賞を受賞されるなど話題沸騰の本書。ドラマ(映画だっけ?)化されるほどの人気モノなので、読んでみたいと思っておりました。帯にもあるけれど「お嬢様の目は節穴でございますか」などの、言葉が独り歩きしているようで、「売れる」要素はふんだんに盛り込まれているようです。
内容としては、お嬢様刑事と、その執事がメインキャラで、目の前で起こった事件を「謎解き」するのは、「想像通り」お嬢様から話を聞いただけの執事です。その手腕はナカナカのモノであるのですが、肝心の「謎解き」に面白さが少ないのですね。「あー、そういう仕掛けだったのか...」とか感嘆するような伏線や、深さが不足している気がします。なので、唸…
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↓表紙とタイトルと出版社の押しで2011年度の本屋大賞といったところか。 ミステリとしては決して悪くはないが、本屋大賞を取ってしまった以上、酷評されるのは止むを得ないだろう。
表紙とタイトルで2011年度の本屋大賞といったところか。
設定としては面白いが、お嬢様が普通に常識的すぎるし、執事の言葉遣いも中途半端に感じる。
もっと、両名とも突き抜けたキャラにすれば良かったのにと思う。
作者の語彙不足というよりも、キャラクタに対する愛情的なものが感じられない。
この原因として、目だったヒット作がなかった作者に対して出版社からオファーがあり
「僕に「こういう設定で書け」と言われて、書いたら売れちゃいました」
というインタビューがあったので、そりゃあ愛着が湧かないよなあと思ったものである。
ミステリィとしては決して悪くはない。
トリックだけをみれば…
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↓読みやすく、軽く、面白い。それ以上でもそれ以下でもないというのが率直な感想。
やたらと話題になっていた本です。やたらと売れた本です。
そして賛否両論ある本です。
私はどちらかというと賛の方だけど、否の意見もわかる。
帯に付いた「本格ミステリ」という惹句がいけなかったんじゃないかな。
「本格ミステリ」を求めてこの本を手に取った人は、軒並み否定意見に回るんじゃないだろうか。
「本格ではない」とは言わないけど、本格と言うにはちょっと易しい。
いや、難しくなければ本格ではないと言っているわけではなくて、ミステリマニア、あるいはミステリ好きが「本格ミステリ」を読むつもりで読んでたらちょっと物足りないなという感じ。
ただ「本格ミステリ」という先入観を捨ててこの…
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↓遂に読んでみました。短編なので読みやすい。しかし淡々ではあります。
「謎解きはディナーのあとで」
主人公は国立署の新米刑事である宝生麗子。しかし、彼女と事件の話をするうちに真犯人を特定するのは影山。その影山とは探偵でも刑事でもなく執事兼運転手、それもいくつもの企業を擁する世界的に有名な「宝生グループ」宝生家のお嬢様麗子の!、である。そんな影山執事がお嬢様を差し置き、バカにし、アホ呼ばわりして、サドぶりを発揮!
ドラマ後読み出しました、このシリーズ。しかし、読んで感じたことは「あのドラマは原本をかなり反映していたなぁということ」です。事件の結末が思った以上にいつもあっさりな所、影山と麗子のユーモアたっぷりの掛け合い、他の登場人物の濃さ、そしてテンポの…
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↓あのドラマってすごく原作に忠実なんだぁ…と改めて感心^^
収録作品は次の6話。
第一話 殺人現場では靴をお脱ぎください
第二話 殺しのワインはいかがでしょう
第三話 綺麗な薔薇には殺意がございます
第四話 花嫁は密室の中でございます
第五話 二股にはお気をつけください
第六話 死者からの伝言をどうぞ
どの話もドラマで登場したもの。第六話のみ設定がかなり変更されている。ドラマでは最終話で登場したミステリ。殺人現場は大御所ミステリ作家の邸だったが、小説では消費者金融を営む女性社長の邸だ。
先にドラマを観て小説を読んだため、読みながら浮かんでくるのは櫻井翔くんだったり、北川景子ちゃんだったり、椎名桔平さんだったりする。物語もスーッと…
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ドラマ化されたしさぞかしおもしろいのだろうと期待大で読みましたが、久々に途中で投げ出し本となってしまいました。
本屋大賞って最近芥川賞よりも直木賞よりもアテにしてたのにな。あーあ。残念。
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↓まるで、漫画だ!
軽いし、短編が入っているので、電車通勤でも読める。おかずつくりの最中も可能〇って、どんだけ軽いんだ?!
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↓「失礼ながらお嬢様はアホでいらっしゃいますか」「アホ」とか「目は節穴」という言葉を遣うのだが,「~でいらっしゃいますか」「かしこまりました」という丁寧な言葉を巧みに使いわけたコミカルな会話がおもしろい
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↓
ドラマ化された本作。
非常にライトに書かれており、短編と言う事もあいまって、謎解きには余り重点が置かれて無いです。執事とお嬢様のかけかいを楽しむというというところがメインでしょう。お嬢様、推理しないし。
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↓事前に目にする酷評には、読んで見ると「それほどひどくもないじゃない!」と、かえって面白く読めるという効能もあるのかも?!
図書館の予約の列に並んだのが、いつだったかすら忘れてしまった今頃になって、ようやく順番が回ってきた。
長く待ち焦がれた待ち人なら、待っている間にすっかり美化されて、実際に会ってみると「残念!!」なんてこともあるだろうが、この本の場合、聞こえてくるのは「今ひとつ」という評判ばかり?!
まだまだ列の後ろに並んで順番を待っている人も多そうなので、「ちょっと読んで面白くなかったら、さっさと返却すればいいか…」と借りてみたが、読み始めてみるとこれが結構面白い?!
舞台が国立やら国分寺やらと、私にとっては昔懐かしい場所だというのも好もしい。
お嬢様刑事が家に帰って、執事に事件を打ち…
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↓「お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」毒舌執事と大金持ちのお嬢様刑事のミステリ&コメディ
大金持ちのお嬢様刑事と毒舌執事によるミステリ&コメディ小説!
本屋大賞受賞されたとのことでしたので手にとってみたのですが、ミステリというよりはエンターテイメントのような、短編で一話完結なので、さくっと読めて純粋に楽しめる作品でした。
登場人物もひとりひとり個性的。でもみんな好きになれる。
現場での麗子と風祭警部の掛け合いも楽しくて、もちろん麗子と執事の掛け合いも語らずともというかんじで。
いちいち敬語で主に毒舌を吐く陰山さんに少しずつハマっていき、次のお話では一体何ていわれるんだろう・・・とちょっと楽しみでした。私の家にもいてくれたらいいのに!
殺人事件を扱ってるのに、ほ…
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↓執事というとやっぱりウッドハウスのジーヴスのイメージが強い そのジーヴスだって、最初はお坊ちゃまの従者だったけど・・・ 執事というより運転手兼従者なんでないの?
という設定
ウィムジィ卿のバンターとかの感じ?
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↓わたくしも執事という者がほしくなりました。
現在大人気のシリーズです。わたくしも随分前から目をつけていたのですが、ドラマに先をこされてしまいました。わたくしとしては小説のドラマ化というものはイメージのギャップについて行けないことが多くてあまり好きではないのですが、今回はドラマを先に見たのがまだよかったのか、事件の結果のおちを知っているとはいえ、それなりに文章のテンポの良さと小説の文章というものを楽しめたと思います。
こうしたミステリーはキャラ立ちというものが目立ってこそ話も引き立つものではないでしょうか。実際、この作者の作品は内容だけでなく、登場人物の個性のおもしろさがあってこそその話の内容を高めている気がいたします。桐山というと…
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↓惹句に代表されるように、毒舌執事と令嬢刑事の掛け合いが読みどころ。執事のいちいち癪に障る言い方が絶品ですが・・
超話題作。中村佑介さん挿画の表紙もすっかりおなじみで、ようやく読んでみました。数時間でさらりと読めてしまいます。気楽にマンガを読むように楽しめます。私の若いころには赤川次郎作品があり(あ、まだ現役でいらっしゃいますね、すみません)今は、東川篤哉作品がある、というイメージ。
惹句「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」に代表されるように、毒舌執事と令嬢刑事の掛け合いが見どころ。執事のいちいち癪に障る言い方は絶品です。お嬢様はディテールがところどころイマイチお嬢様っぽくないんですが。水戸黄門のようにお約束を守って展開しやすいので、長く愛されるシリーズになるのではないでしょうか。
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↓【216】「お嬢様の目は節穴ですか?」 【310】「お嬢様はアホでいらっしゃいますか」
【216】影山と麗子のかけあいがとてもおもしろいです。
成金で金持ちということを全面的に出している風祭警部が,麗子が彼を上回るお金持ちであることにいつ気づくのかなとドキドキしながら呼んでいました。
原作とドラマは似ていて,両方見るとより楽しむことができました。
【310】私はミステリー系の本は全然読まないけれど,この本はとてもユーモアがあり,早く続きが読みたいと思える作品で笑いました。
この本の主な登場人物は3人だけだけど,この3人一人一人がキャラの個性が強く,面白かったです。誰でも楽しめる作品だと思いました。
《理想の配役》
【216】麗子:仲里依紗,影山:向井理,風祭警…
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ドラマ化だし、とっても話題になっていたので、友達に借りたのだけど・・・え?
これ、本屋大賞とったんですか?
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宣伝文句につられて手を出しましたが、これはどうみても「本格ミステリ」じゃないでしょう。
けっして面白くないわけではないけれど、薦める人を選ぶ話。
本のカバーがすべてを表していると思います。書評を読む | レビュアー / sandalwood
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残念の一言…では50文字制限に足りないので付言すれば、推理小説としては質が低すぎるし、ラノベとしてもキャラの描き方が稚拙すぎる。本屋大賞とは何だったのか。
ものすごく売れているらしいですね。ちょうど回ってきたので読んでみたが、個人的感想としては、あまりにつまらない作品だった。
本書は、連作短編の安楽椅子探偵もの推理小説。生粋のお嬢様であり刑事でもある主人公が、事件を家に持ち帰って、執事に謎を解いてもらう。そんな話がつらつらと6話並んでいる。
しかしこの謎(のようなもの)やトリック(のようなもの)や推理(のようなもの)の質が、あまりにチープ過ぎる。読んでいても謎解きというよりも子供騙しのパズルを解いている感覚の方が近く、推理漫画やノベルゲームの方がよっぽどミステリとして面白い。事件にまつわる登場人物の心情なんて一切描かれないし、警察の捜…
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気軽に楽しめるミステリー。短編だけど、それなりに謎解きも楽しめるし、突飛なキャラクター設定だけど嫌味がない。
なにより、いつもは従順な執事が、わがままでちょっとおバカな(優秀な成績で大学を卒業したらしいが、とてもそのようには思えない)お嬢様にむかって「お嬢様はアホでいらっしゃいますか」などと言うところがスキっとする。
長編の本格ミステリーは面白いけど、読んでいてとても頭を使う。
そこが楽しくもあるのだけど、ちょっと疲れているときや、気軽に読書を楽しみたいというときは、このくらいの読み物がちょうどいい。
正真正銘のお嬢様であり刑事である麗子が、未解決事件の情報を執事の影山に話す。
と、この影山がスラスラと謎を解いてくれる。
この謎を解くとき、影山はお嬢様にわかりやすく、少しずつ質問…
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↓かなり宣伝されてたので読んでみましたがちょっとガッカリ。
キャラが立っていて会話も面白いのですが正直ミステリーとして読むには物足りなかったです
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超がつく大金持ちのお話は大好き。
お金持ちだからゆったりと構えて落ち着いて見ていられる。もっとお嬢様の生活を詳しく描いて欲しい。マンガが頭に浮かぶ、なんも考えないでうっとり読める小説もたまには嬉しい。
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↓トリック云々よりもこの出てくるキャラクターが面白い。
謎解きを重視しているなら止めておいた方が良いですがミステリーではなく喜劇として読むなら楽しめる。キャラの個性がキツ過ぎ(笑)
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↓【ネタバレ注意!】
大金持ちの執事付き。 そんな彼女の仕事はどこぞの社長ではなく、警察官だった。 そんな彼女と執事が(主に執事)次々と謎を問いて行く新感覚ミステリー。友達に薦められて読んでみました!
感想としてはう~ん、今一つ足りない。。。って感じでしょうか?いや、文はちょうど良いくらいに軽く、スピードに乗って読める感じでとても良かったですよ?ちょっとライトノベルのような書き方だったので残念でしたけど・・・って、あれ?どっちだ、コレ。
結論 文は良かった・・・ハズ?(少なくとも自分には読みやすかったです!)
その他にも・・・あれだ、執事の役回りがとっても良いと思いました。本の表紙に書いてあるような感じじゃなくて、なんていうか、こう、もっと優しい感じ(『黒執事』のような感覚でした!)がしてたので読みやすかったです。
うん、考えてみれば…
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↓お嬢様と執事が繰り広げるコミカルミステリ。ありそうでなかった設定、軽快なやり取りが楽しく読めるポイント。本格的ではないミステリは、コミカルさを生かすために寄り添っています。
こんばんは。「そういう『てだん』もあるよね」と言った親友に、「失礼ですが、それは『しゅだん(手段)』じゃないですか?」と諭したことがあるヒロプッタです。
本日の読書レビューは、本屋大賞を受賞して売れに売れまくっているエンタメ系小説『謎解きはディナーのあとで』を取り上げます。ネット界隈の書評では良くも悪くも叩かれている1冊。
僕は好き、ですけど。
コミカルミステリ
お嬢様と執事。ありそうでなかったこの組み合わせが、ユーモラスな表現と一緒に際立っています。これがまず『謎解きはディナーのあとで』の大きな個性でしょう。
お嬢様の宝生麗子は、国立の某所の西洋風邸宅に住ん…
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↓あり得ない設定に身を任せて笑い転げるか、なんじゃこれはとあきれて投げ出すか。
自分は前者です。謎解きとタイトルに掲げているのだから、その世界を楽しんで、安楽椅子探偵ものとして勝負してはいかがでしょうか。
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↓■名探偵コナンばりの謎解きミステリーです。
お嬢様刑事と毒舌執事が
問題を解決していきます。
アニメにすると
楽しいかもしれませんね。
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↓
面白い・・・という噂を聞いて読んでみたのですが、面白くないことはない。
私にはちょっと物足りなかった・・・というのが本音。読書初心者の娘にはちょうどいかも・・・
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↓
本屋大賞とは、今まで余り本を手にしなかった人々にこれから読書の楽しみを広げて貰うための、そして有り体に言えば、売上に貢献してくれそうな本に捧げられる賞なのかな~と思いました。
最新の本屋大賞受賞作品。
本屋大賞は書店員さんたちが選んだ候補作から投票で受賞作品を決めるらしい、と言う程度の知識しか有りませんが、この作品、「大賞」と言うからには相当な大物だろうと思って読むと、肩透かしを食らわされた感じになるライトな作品です。
一大財閥の一人娘、宝生麗子は警視庁の刑事。極上の服装を「丸井で買った吊し」と偽っても誰も見破れないモサい職場で彼女の正体を知るのは上層部の一握りだけ。
そんな彼女のKY上司は自分が風祭モータースの御曹司である事を露骨にひけらかし、当たり前の事をさかしらに言う風祭警部。
風祭モータースなんて、宝生財閥に掛かったら吹けば飛…
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↓肝心の謎解きは「ざっくりしているなー」と、思ったりもしますが さくっと軽いものが読みたいときにはいいのかも。
第一印象。「読みやすい」
お嬢様なのに警官な主人公と、毒舌な執事のやり取りと言い…キャラ付けも特徴的で
それなりに好感が持てる。
ユーモアもふんだんに織り込まれているし…たしかに万人に受けそうですね。
無駄にずらずら登場人物が増えないのも、事件に集中できてよかったかと。
肝心の謎解きは「ざっくりしているなー」と、思ったりもしますが
さくっと軽いものが読みたいときにはいいのかも。
いわゆる安楽椅子探偵モノですが、この形式。
アシモフ愛ゆえか、黒後家蜘蛛の会を思い出してしまう…。
まあ、黒後家蜘蛛の会の方の探偵役、給仕のヘンリーは
芯から控えめで真面目。突然毒を…
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↓
軽く読めて、読みやすい。 単純に楽しいと思えることや息抜きにぴったりな軽さは 物語のとても大事な役割のひとつ。 ただ、今わたしが読みたいミステリはこれじゃない。
本屋大賞受賞作。
「わたくし的勝手に本屋大賞は『悪の教典』だけど
たぶん世間様的には『謎解きはディナーのあとで』
が獲るんだと思う」
という予想が当たり!珍しい!
「お嬢様の目は節穴でございますか?」
「お嬢様はアホでございますか?」
という毒舌執事のセリフが印象的なこの本。
お嬢様刑事とその上司が遭遇する事件を
安楽椅子探偵的に執事が解決してゆく形式です。
確かに面白いと思いました。
軽く読めて、物語の長さも短めなので
飽きることなく誰にでも読みやすいのだろうなあと。
いわゆる叙述ミステリだとかに代表される入り組んだトリックも
犯罪に至ってしま…
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“2つの迷コンビ”の織り成す“名トリオ”が、難事件を鮮やかに解決する。短編6話の2011年本屋大賞受賞作。傑作だった。
国立署の女性刑事・麗子は、とびっきりのお金持ち。金融や医療などの分野で世界をリードする「宝生グループ」のお嬢様で、頭脳明晰な男を執事に持つ。麗子の上司・風祭警部もまた自動車メーカー「風祭モータース」の御曹司。麗子と執事、麗子と警部。そんな“2つの迷コンビ”の織り成す“名トリオ”が、難事件を鮮やかに解決する。短編6話の2011年本屋大賞受賞作。傑作だった。
麗子と風祭警部は似たもの同士。殺人現場に駆けつけ、遺体や遺品、室内の状況を見て思いつくことに大差はない。死亡推定時刻や被害者の交友関係、目撃者の証言などを基に仮説を立て、突破口を開きかける。が、そこは難事件。一筋縄ではいかず、2人の頭に…
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↓軽いタッチで書かれていて、とても読みやすいです。
少し物足りないかなという感は否めませんが。。執事を主人公にした話があれば読みたいと思います。
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ミステリーと呼ぶには軽すぎる。
犯人の動機が書かれていないので、なんだかもやもやしたまま終わる話もあったりしました。コメディとしてドラマ化しそうな予感。
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↓話題になる前から気になっていたけれど、最近やっと読みました。
文章が軽くて読みやすいけれど、期待しすぎたのかも。面白いには面白いけど、なんだか物足りない。装丁が好きです。
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↓読みやすく、ミステリに慣れていない人でも、謎解きが楽しめるような配慮がある本だったと思う。ミステリを軽く読みたいなら
本屋大賞ってことで、今さらながら読んでみました。
実は財閥の令嬢の女性刑事・宝生麗子。次々と殺人事件に出会う。そして、彼女が家に帰った後、執事である影山に事件を相談し、解決してもらう
という流れで話は進みます。短編が6編。
「いつもミステリをあんまり読まない人に向けたミステリ」という感じでしょうか? 僕は割に楽しく読みました。深いこと考えずに気楽に読める感じでした。
特に読者が読みながら謎解きをできるような配慮が見受けられました。まず麗子が調査するパートがあり、さらにそれを執事・影山が解決、解説するわけです。明確に「事件編」と「解決編」がわかれているわけですね。また「解…
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↓お嬢様と執事の掛け合いを楽しむってことなんでしょうが ミステリ好きにはちょっと物足りない。
短編なので伏線が張られてるわけでもなく
どの話も展開が一緒。
分かりやすくさらっと読み流すには楽しいかもしれません。
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↓本格推理というジャンルの本の入り口を一般読者に大きく解放した本、という評価はできるかも知れない。
ただ、この本の売りはキャラクターということになっているらしいが、わたしにはそうは思えない。
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↓宣伝がよかったからか、個人的には、期待のほうが大きかった。面白いけれど、予想よりは普通、もっとできる、という印象。
今話題の作品、本屋大賞も1位になったとのことで、楽しく読み始めたのですが、結果、「思っていたより普通」というのが正直な感想かもしれません。
「ライトノベルみたい」と言われていて、それには距離感的意味では頷けるものの、きっとライトノベル読者にとっては物足りないはず。テレビCMを見ていて、イラストから出てくる執事さんの非常識な台詞、例えば「お嬢様はアホでいらっしゃいますか」のようなものに、「おお、面白そう」と思ったのに、なんだか慣れてしまえば、次が予測できて、繰り返しにも思えます。もっと強烈なキャラクターにすればよかったかというとそうとも言えないけれど、ものすごく面白くてみんなにお勧めしたいとい…
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↓もっと執事がでしゃばって欲しい! 内容的には普通の推理ものって感じの本。 推理ものが好きな人には物足りないかも。。。 どちらかというと、人間模様(お嬢様と執事の会話)を楽しむ感じ。
タイトルを見てちょっと興味がわき古本屋に売っていたので買ってしまった。
中身は他の人も書いてるように毒舌執事とお嬢様コンビの推理もの。
収録話
1 殺人現場では靴をお脱ぎください
2 殺しのワインはいかがでしょう
3 綺麗な薔薇には殺意がございます
4 花嫁は密室の中でございます
5 二股にはお気をつけください
6 死者からの伝言をどうぞ
とはいっても推理ものっぽい感じはあまりしない;;
どちらかというと、お嬢様と毒舌執事の会話を楽しむ本という感じ。。。
私はそれを楽しんでいたので、もっと会話がほしいと感じた。
執事の敬語で話しながらも、お嬢様をからかって楽…
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↓前から、かなり売れてるってことは、知っていたんだけど、読む機会がなかったこの本。本屋大賞を受賞したということで読んでみたんだけど...
前から、かなり売れてるってことは、知っていたんだけど、読む機会がなかったこの本。本屋大賞を受賞したということで読んでみたんだけど...
面白いことは確かなんだけど、本屋大賞受賞っていうのはどうなんだろうなぁ。
主人公は、大金持ちのお嬢様の刑事とその執事。お嬢様刑事が担当する事件の行き詰まり、その事件について執事に相談し、執事が見事な推理を展開するという構成の連作短編集なんだけど、面白さはその推理というよりも、お嬢様刑事の推理力のなさを、慇懃無礼な執事が小ばかにするというところ。
確かに、最初の一編を読んだときは、その設定や執事とお嬢様刑事との会話の妙を楽しめたんだけど、それが繰り返さ…
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ライトノベルと言ってもいいんではないでしょうか?!とても気軽に、おしゃれに?ミステリーが楽しめますw
ロッキングチェア・デテクティブもの。
その明晰な推理をするのが、事件には全く関係のない、影山という執事というのが変わっています。
この影山、結構無遠慮な物言いの男性で、言葉使いは慇懃無礼ながら、結果真相が分からず焦れるお嬢様相手に、「アホでいらっしゃいますか」だの「引っこんでいてくださいますか」だの言いたい放題で、それを相手に麗子が切れる…というパターン。
6篇に渡り違う事件が起きていますが、全て同じ展開。
まぁ、「この本」という言い方になっちゃいますが、人気の中村佑介さんが表紙を飾ってることからもわかるように、《売るための本》ですよねぇ。
若く、お金持ちな美しいお嬢さんに、30代、…
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↓こんな執事、私もほしい(笑)お嬢様刑事、麗子が担当する事件の話を聞いただけで犯人を言い当てちゃう安楽椅子探偵モノ、読んでみたらさくっといけました☆ 軽く読めるので続きが読みたい・・
レビュアー / maicomnet
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↓今まで話を聞くだけで謎を解いてしまう推理小説のキャラは結構いましたが、執事と令嬢という組み合わせはなかったと思うので、とても新鮮な印象を持ちました。じっくり推理を働かせるというより、キャラや小説の軽快感を楽しみたいという人にオススメな作品。
朝日新聞「売れてる本」で紹介され、現在増刷されているという話題作。
主人公は女刑事、宝生麗子。日中は業務に堅実に(本人談)励むごく普通の刑事だが、その実態は宝生グループ総帥のひとり娘。「日々何か危険な事件に巻き込まれているのではないか」と心配する父親をよそに、彼女は業務中に起きた事件の話を彼女の執事、影山にし始める。すると影山はこう言った。「この程度の真相がお判りにならないとは、お嬢様はアホでいらっしゃいますか」――。
物語は短編×6話という構成になっています。まず外せない特徴が登場人物のキャラの濃さ。令嬢と刑事という二つの顔のプライドを持ちつつも、影山に頼る一面も見せる宝…
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↓この作者さんは苦手だったのですが、なぜかこれは「面白い」と思えました。今まで読んだ印象を払しょくしてくれました。
東川篤哉さん=ひたすらドタバタして、会話が意味不明で、結局なんだったのかわからない。
これが今までの私の東川作品に対する印象でした。
ちなみに今までに読んだのは、『完全犯罪に猫は何匹必要か?』と『学ばない探偵たちの学園』。
はっきり言って、どちらも「意味わからないんですけど」で終わってしまった本です。
その東川さんの作品で物凄い反響が出ている作品がこれ。
お嬢様刑事と毒舌執事のコンビが、というか、毒舌執事が繰り広げる見事な推理もの。
本当なら読まないところなのですが、朝日新聞の書評にも載るくらいだったので、よほど面白いのかと、ちょっと怪しみながらも購入。
読み始め…
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ドS執事とお嬢様刑事が奏でる本格ミステリ短編集。ミステリよりも会話をメインで楽しむべき作品。純粋に本格ミステリを望むひとには受け入れられないかも?!わたしはすきです。
「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」
新刊コーナーを眺めていたら、本書の帯に書かれた上の一文が目に飛び込んできた。なんちゅうインパクト。慇懃なのに無礼。執事のくせに、なんなのこの上から目線っ?! と、とっても楽しそうな匂いがしたので、単行本購入してしまった。
世界的に有名な宝生グループの令嬢・宝生麗子の職業は刑事。ご自慢のジャガーで事件現場に登場する上司の風祭警部とは違い、桁違いの富豪である麗子は警察署では「普通」で通している。
そんな超ド級のお嬢様の話し相手を務めるのは執事の影山。執事という職業柄口は堅いはず…と麗子は担当する事件を話して聞かせるのだが、…
『ふがいない僕は空を見た』 -本が好き!会員の書評
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↓とりあえず今、泣きたい人にオススメ。
泣ける。
自分の経験してきた事を、
デジャブで感じてしまいましたね。
男も女もどうにもならないものを抱えていて、
ある時はボーダーラインを越えてしまったり、
でも、だらしなく戻ってきたり。
何とか正気を保って、生きてる。
登場人物はそれぞれに、
欠点があったり、ズルかったり、利己的だったり、
ものすごく優しかったり、不誠実だったり、
不器用だったりする。
どのキャラクターの中にも、
自分の相似形を見出すことが出来る。
そこがよかった。
蛇足ですが、泣きたい時が多いですね、
私が小説を読みたい時の気分は。
笑いたい時はTVやアホな動画をぼけーっと観る。
自分…
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↓否定を描いて肯定を信じる。逆説的でもあるが、それがなんともストレートに心に響いてくる連作短編集だった。
日向蓬、豊島ミホ、宮木あや子と同じく本書の作者 窪美澄も「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞している。この「女による女のためのR-18文学賞」ってのは、最初、官能小説を女性が書くための賞なのかと軽く見ていたのだが、どうしてどうしてフタをあけてみれば今後の日本文学を牽引していく勢いの素晴らしい才能が軒並み発掘されているから驚いてしまう。本書は、その受賞作「ミクマリ」をふくむ五編で構成されている連作短編集。収録作は以下のとおり。
■「ミクマリ」
□「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」
■「2030年のオーガズム」
□「セイタカアワダチソウの空」
■「花粉・受粉」
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↓一人ひとりが表に出さない、解決できない問題を抱え、 悩み誰かに助けを求め喘ぐ。
一人ひとりが表に出さない、解決できない問題を抱え、
悩み誰かに助けを求め喘ぐ。
自分が起こした勝手も有れば、どうにもならない逃げ場の無い苦悩。
そのどん底のような暗闇に、小さな明るさが指す。
それがこの題名なのかなと。
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↓一度は、皆ふがいない僕になる。あらすじからイメージする内容とは全く違った。
「ふがいない僕は空を見た」
これは恋か。はたまた。
★ミクマリ
★世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸
★2035年のオーガニズム
★セイタカアワダチソウの空
★花粉・受粉
「ふがいない僕は空を見た」を漸く読みました。 5つの短編から連なるストーリーで、登場人物は、斎藤、あんず、松永、福田、あくつ、斎藤母と共通してます。
色んな媒体で紹介されていたあらすじからすると濃厚な恋愛描写が先行してる感じで面白さが分からない小説かなと思ってましたが、読んでみるとちょっと違いましたね。
当初は、濃厚な恋愛を経験しながら、思春期の主人公斎藤が、思春期ながらの葛藤に…
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↓窪美澄さんの本です。この人の本ははじめてですね。
5編の短編がおさめられているのですが、どれもがそれぞれ繋がりがあります。
視点人物が変わり、それぞれの立場から語られていく、という感じです。
主要な事件としては、斉藤という産院の息子が不倫おセクスをして、それがネットにばらまかれて、斉藤は引きこもりになる。
斉藤に思いを寄せる七菜だとかが斉藤のもとに行ったりするけど、
とりあえず、また斉藤は高校に復帰する、というような大まかな流れ。
斉藤の不倫おセクス相手のコスプレイヤーは、マザコンの夫がいて、義母から妊娠するようプレッシャーを受け、
七菜も兄が宗教にはまりこんで、東大を休んで引き籠もっている、
産院を自宅経営している斉藤の母…
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↓圧倒的な現実を目の前にすると、誰もが「ふがいない僕」になってしまう。
高校一年の斉藤君はアニメオタクの人妻とのSEXに溺れて不倫中。
同級生に告白されて、人妻との不毛な関係に終止符を打つべく別れを決意するが
人妻に対する思いが性欲だけではなかったことに気付いてしまう。
この高校男子と人妻の不毛な性描写で始まる5本の連作短編集。
高校生の斉藤君、人妻、斉藤君に思いを寄せる七菜、斉藤君の同級生・良太、
自宅で助産院を営む斉藤君のお母さん。
冒頭から男子高校生と人妻の不毛な性描写から始まる『ミクマリ』は
台本付きのコスプレという設定が、官能より終始虚無感の漂う物語。
第2話『世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸』の主人公は件のアニオタ妻。
彼女がなぜ夫の留…
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↓【ネタバレ注意!】
よたよたしながら、おろおろしながら、生きていけば・・・いつか青空が見えるさ!! 愚かで、おバカな人間への、哀しくもあり、切なくもある、見事な応援歌です!本書は5編の連作短編集、そして、全て語り手が違った短編集になっている。
「ミクマリ」では、男子高校生、斎藤。
「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」では、斎藤の不倫相手、あんず。
「2035年のオーガズム」では、斎藤に想いを寄せる七菜。
「セタカアワダチソウの空」では、斎藤の友人、福田。
「花粉・受粉」では、斎藤の母。
さて、話は、「ミクマリ」から始まるのだが、のっけから、斎藤とあんずのコスプレセックスの描写から始まる。
斎藤は、別にあんずを好きでも何でもないのだが、あんずに誘われるがまま、言う通りのコスプレをして、あんずの言う通りのセックスをする。
要は、セックスをしたいだけの高校生だ。…
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↓
冒頭から高校生のセックス事情です。最初のうちは,こんな話ばっかりですが, いじめだったり,社会問題だったり,さまざまな話題が散りばめられています。 最後まで読むと,感動もあるし,納得もしてしまいます。
窪美澄さんの作品は,初めて読みました。4章に分かれていて,最初は
ミクマリというタイトルがついています。女のためのR-18文学大賞に
選ばれたらしいです。そして,この本自体が本屋大賞に2位にランクした
そうです。
感想としては,ふーんそうなんだ,というところです。
最近の小説に多いですが,とにかくセックスシーンが多いです。冒頭から
ガンガンいくので,途中で読むのをやめようかと思いました。まあ,でも
読み始めた以上,最後まで読むのが礼儀かと思って・・・。
途中からは高校生とそのお相手の主婦のそれぞれの生活,高校生の同級生
の生活が描かれ,複雑に絡み合っていき…
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「生きること」を考える新たな青春小説。過激な性描写に目がいってしまいがちだけど、現代の不確かな時代を生きる人たちのひたむきで清やかな物語。
5編の連作からなるこの作品。予備知識なしに読みましたが1編目の物語を読んで性描写の過激さと、現代的な設定が軽く感じられてしまい、途中でやめようか考えてしまった。でも、最後まで読んで良かった、と思いました。全然軽くなんかない。性描写としての「性」が「人が生まれること」としての「生」へと見方が変わっていくいところや、不確かで不器用な高校生たち、そして現代の女性の生き方がリアルに描かれていた。そして、それを見守る母親の目線。私の下手な言葉で表現してしまうと陳腐な言葉でしか言い表せないけど、本当に心に迫る物語でした。
最後の一遍、本当にぼろぼろ泣いてしまいました。
主人公の「心の痛さ」に、そし…
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↓【ネタバレ注意!】
ここに込められたテーマは『桐嶋、部活やめるってよ』にも『サウダーヂ』にも通じているモノで、これはちょっと真正面から向き合わなくては・・・と思い急いで原作を読んだ。2012年に観た映画でNo.1は『桐嶋、部活やめるってよ』なんだけど、『ふがいない僕は空を見た』鑑賞中「桐嶋超えるかも・・・」と思いながら観てた。3部構成の内、3部目で欠点が目に付くようになって、結果としてはそこまでの傑作だとは思えなかったんだけど、ここに込められたテーマは『桐嶋、・・・』にも『サウダーヂ』にも通じているモノで、これはちょっと真正面から向き合わなくては・・・と思い急いで原作を読んだ。
読後にまず思ったのは映画は原作に忠実に作っているのだなということ。ただ商業映画として見せる絵にしなくてはならないから色々大事なニュアンスが削がれてしまったという印象。
映画で描かれ…
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↓哀しくて痛い、孤独とねじれた愛の物語。
五編の連作だ。
「ミクマリ」「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」「2035年のオーガズム」「セイタカアワダチソウの空」「花粉・受粉」
一本目のミクマリでR-18文学賞を受賞し、ぽこぽこっと後続短編をつなぎ、単行本になったら本屋大賞の2位、さらに山本周五郎賞まで取ってしまった。デビュー本だというのに、大変な評価だ。その時の本屋大賞は「謎解きはディナーの後で」という超強力球だったので負けるのも致し方ないが、それがなければこの本だったかもしれない。受賞すればよいというものでもないけれど、この本には確かに人を惹きつける力がある。
これは趣味の問題だが、私は性描写がきつい作品は苦手だ。それどころか…
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↓図書館で予約したものの、性描写が多そうなので読むのをちょっと迷った一冊でしたが読んで良かった。
図書館で予約したものの、性描写が多そうなので読むのをちょっと迷った一冊。 『花酔ひ』 で濃厚なベッドシーンにはちょっと食傷気味だったのです。
案の定ページを開くと主人公と一回り年上の主婦とアニメのコスチュームプレイ(主婦から渡された事前台本あり)の性描写から始まります。第8回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作だと知っていたのでまぁ想定の範囲内。
でも、読み始めたら止まりませんでした。この15歳の少年を中心に、その不倫相手、彼女、親友、母親の視点からなる5つの短編小説で構成されていて、全体でひとつの世界観を醸し出していて見事です。
心配していたセックスシーン…
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↓卑猥なくせに、さわやか。
性行為と出産は直線で結ばれるものなのに、性は禁忌され、出産は美談になる傾向がある。
本書はそんな感覚を覆すフレッシュな物語。キャラ立ちもよく、サラッと読めた。
序盤からハイペースで強烈な性描写が展開されているので、「こんな装丁の官能小説ありかよ・・」とすこし狼狽えたが、読み進むにつれ性の生臭さ以外に、生きていくことの泥臭さみたいなものを感じた。
誰もが厄介なもんを抱えながら生きていて、そのくせ表面は取り繕ってきれいなままでいたい。そんな人間の有様を絶妙に捉えた作品だと思う。また、メッセージ性を保有しながらも、重さを感じさせないのが評価できる。
性や生を主題にすると、なんとなくそ…
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↓なんだか一気読みしたくなるお話し
いきなりマニアックなエッチシーンから入るので、展開がよめずにワクワクする。
主人公の俺、をとりまくセフレの主婦、彼女になりたい女友達、貧しい親友、助産師の母親、最後までひきこまれるように読んでしまう。
つぎつぎと語りを変えて俺の周りを描くことで、より鮮明に浮かびあがる俺。
最後、助産師の母親のところでラストを迎えたとき、そうきたか!と思わせる終わりを迎える。
映画化に期待したい。
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生きるって大変なことなのかもしれない。 彼らを見ているとそう思わずにはいられない。
デビュー作にしてR‐18文学賞、山本周五郎賞を受賞、本屋大賞2位。
すごい作家さんが現れたものだ!と本の内容の前知識なしで読み始めたこの本。
いきなりエロくてびっくりしましたが、面白かったです。
5つの話からなる連作短編になっていますが、話の中心になるのは最初の「ミクマリ」の主人公、高校生の斉藤君。
友達に無理矢理連れて行かれたコミケで主婦のあんずにナンパされた斉藤君は、あんずの用意したコスプレ衣装を着、あんずが用意した台本通りのセックスをする。
好きだったクラスメイトの松永七菜に告白され、あんずと別れて付き合い出すも、あんずのことで頭がいっぱいになってしまった斉藤君。
…
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↓ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。というかエンドがない。
宮木あや子やら豊島ミホやら私的にヒットが多い
女による女のためのR‐18文学賞ということで期待しつつ手に取りました。
タイトルもなんだか詩的で私好みでますます期待。
で、受賞作「ミクマリ」読んだんですが、しょっぱなから、エロっっ!
電車で読んだ自分をちょっと後悔したくらいです。(笑)
1編読んだ感想としては、期待しすぎたかなぁ…って感じでした。
しかし次の短編に進んでびっくり!なんと世界がつながってるじゃないか!
連作短編だったのか!!気付かなかった!
一人称の語りなのでそれが誰だかわからない。
ふと、あれ?もしかしてこの人さっきのあの人!?ってひらめく快感といったら…
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最初はただのバカな男の青春小説。
だけど、読み進めるうちにきっと斉藤くんをすきになるはず。最後には泣いてしまいました。これから大人になる人も、昔青春時代を生きた人も、みんな読んで損はしない作品だと思う。
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↓面白い!
!あまり乗り気じゃなく読み始めたのに、止まらなくなっちゃった。「R-18文学賞」大賞作なのでもちろん性的もシーンはあるんだけど、それで食わず嫌いしたら勿体ない。山本文緒が好きならツボでは
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単なるイヤラシイだけの小説ではない。
嫌悪感を乗り越えて最後まで読みきったら、途中でなげださなくて良かったと思えるだろう。過激な性描写にも、連作短編をこの順番で全て読むことにも、それだけの意味がある。
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ふがいない登場人物たち全て…愛しいぞ!1章目で引かず、どうぞ読み進めてください!!
高校1年生の斉藤卓巳。
ある日、全く興味のないコミケに友達に連れていかれ、そこでコスプレ主婦・あんずと出会う。
1章《ミクマリ》では卓巳の視点で。
2章《世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸》では、あんずこと里美の視点で。
3章《2035年のオーガズム》は、卓巳に恋する同級生・七菜の視点。
4章《セイタカアワダチソウの空》は、卓巳の親友・福田の視点。
5章《花粉・受粉》は、助産院を開き、女手一つで卓巳を育てた母の視点でストーリーが語られる。
この本、2011年本屋大賞第2位とか、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10の第1位とか、第24回山本周五郎賞受賞とか、とにかくにぎやかにポップが飾られ…
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途中でくじけそうになったけど、最後まで読んでよかった!
確かに中学生にはちょっと過激すぎるかなあ・・・という気はしますが。
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↓冒頭からエロい、エロエロだ。
何、これはと思いながら読み進めると、主人公?斎藤卓巳の関わってくる人々の“生”が見えてくる。そして、そこには人間には切り離せない“性”が正面から語られている。
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↓世の中っていい人ばかりじゃないし、いい事ばかりでもないし、自分ではどうしようも無い事ってあるし、まさに「ふがいない」って感じで、読んでいて辛くなってしまった。
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人はひとりでは生きられないが、必ず”孤独の世界”をどこかに抱えながら生きるものである。静寂の中に、たくさんの”個”の大きな叫びが聞こえてくる作品。
ふがいない僕は空を見た /窪 美澄
斉藤は、高校のクラスメイトのような典型的で健康的なセックスライフを、ある時点で脱線してしまった男の子。友達につれていかれたコミケで、アニメの何とかってキャラに似ている、という理由でナンパしてきた主婦のあんずの家だけが性欲を満たす彼の秘密基地だった。
そんな斉藤も、同級生の松永から告白されたことで、“日常”と化していたあんずとの関係に一度は終止符を打つが‥。やがて、コントロールの利かない感情によって壊れていく斉藤を中心に、彼の周りを生きる人々の行き場の無い葛藤の日々も露にされていく。辛い不妊治療を強要され続ける主婦、好きな相手との純粋なセックスが叶…
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↓1本めのエロに負けてはいけない。
そして、おやおや、また「あられもない孤独」もの?と思う。2本め、3本め…と読み進むうちに、1作めの性描写がどんどん色あせていく。孤独以上。エロ以上。
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↓2010年のベスト本!
!!「性と生」を軸に、人間のおかしさ、おもしろさ、せつなさを描く短篇連作集。骨太で濃く、深く、満ち満ちている傑作です。途中でやめず、全編通して読むことをおすすめします。
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よくわかんないっ!!!でも…どうしようもなく惹かれる何かがある。何かが足りないような、足りすぎているようなちょっといびつな人々が登場する作品集。
「女による女のためのR‐18文学賞」受賞作。この賞のタイトルを聞いてまっさきに思いつくのは宮木あやこ。というか、宮木さんしか出てこないっていうのがホントのところ。「R-18」って聞くと淫靡で性描写がこれでもかっていうくらい無駄にあって…というイメージがあって敬遠するところなのだけれど、その偏見をとっぱらってくれたのが宮木あや子の『花宵道中』だった。
さて本書。形態としては連作短編集の形をとっている。
初っ端に登場する高校一年生の斉藤くんは、「なにかのアニメのなんとかいという役」のコスプレをして、10以上も年上の主婦、あんずと学校帰りにセックスをする。それも、あんずが書いた台本通…
『ペンギン・ハイウェイ』 -本が好き!会員の書評
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↓舞台は、郊外の小さな駅のベットタウン、平和な新興住宅地だ。ここに、ある朝突如ペンギンの集団が出現した。アオヤマ君は、いつものように妹たちと一緒に集団登校をしていたとき、この異様な風景に遭遇する。
論理。
迷宮。
ナンセンス。(「鏡の国のアリス」から謎の怪物ジャバウォックのモチーフ)
根源。
宇宙。
不可思議。
研究。
世界の果て・理不尽・虚無・死或いは死後未生
*** ***
舞台は、郊外の小さな駅のベットタウン、平和な新興住宅地だ。ここに、ある朝突如ペンギンの集団が出現した。
数年前に町に越してきたアオヤマ君は、いつものように妹たちと一緒に集団登校をしていたとき、この異様な風景に遭遇する。
海もない町で、謎のペンギン大発生、そして自然消滅。
…そりゃあもう町中大騒ぎさ。
*** ***
さて、この主人公は、既成の論理…
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↓昨日の自分より今日の自分は成長していなくてはならない。 私はもう人生が半分終わってるかもしれないというのに、昨日どころか10年前から成長しているとは言えない。
「ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。だから将来はきっとえらい人間になるだろう」そんな冒頭からはじまるこの物語は終始この小学4年生のアオヤマ君の視点で描かれている。
アオヤマ君は大変研究熱心で、お父さんと同じように日々疑問に思ったこと、考えたこと、まとめたことをノートにつけている。ノートにつけることが習慣になっていて、ポケットにしまったままのノートとペンで文字を書くことができちゃう。相対性理論も読んでしまう。
思考をノートにつけているということに刺激を受けた。
昨日の自分より今日の自分は成長していなくてはならない。私はもう人生が半分終わってるかもしれない…
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苦手意識のあって森見さんでしたが、今作は結構楽しんで読めました。
太陽の塔と有頂天家族は読んだのですが、何だか僕に合って無くて、苦手意識を持っておりました。
四畳半神話大系とか、夜は短し歩けよ乙女とかは話を聞いていると合っているような気がするので、いつかまた読んでみます。
ペンギンは町に出没したというので十分異色なので、ペンギンを生み出すことの出来るお姉さんもいるという。
どういう状態なのでしょう。
主人公の少年とそれを取り巻く子どもたち。
また、お姉さん。
彼らの会話が妙に馴染んで読みやすかったです。
子供心に探検したり、謎を解明したり。
幼心には、何にでも関心を持って、観るもの全てが謎に包まれていたように思いま…
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森見氏の世界観は、緑のそよ風って感じだ。時間もゆったりしている気がする。力を抜いて読める独特の世界観が、ヒトを惹き付けるんだろうなあ。
世界観を比較すると、椎名誠氏にも近いのかもしれないなあ。
心地よくて、ゆったりしてて、不思議で。
腹を抱えて笑うような可笑しさは無いが、この世界観に浸りたいがために
森見氏の作品に、惹き寄せられてしまうんだろうと思う。
子供の頃の冒険。
世界の果てを見つけはしなかったが、作品の情景が懐かしい。
川の上流へ、下流へ、何があるかと胸躍らせながら突き進んだり
薮の中に分け入ってみたり、そこに基地と称して、独自のスペースを造ったり。
なんだかよくわからない理由で、女の子にちょっかい出したり
気に入らないという理由で、同級生につっかかったり。
むやみに相対性理…
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↓
森見氏の作品には二つあると思う。 あの独特の文体で「平凡」を面白く装飾する作品と 逆に平凡な文体で「独特」の世界を語る作品だ。
作品の分け方には語弊があるかもしれないが
ここでは前者を「森見氏作品」、後者を「森見さん作品」と呼ぼう。
自分は森見氏作品にハマったクチだが、森見さん作品も読む。
冒頭で「ああ、今回はコッチか」と判断したら
スイッチを切り替えて楽しむ。
今回は非モテ男ではなく、小学生が主人公だ。
アオヤマ君は毎日学校で勉学に励み、更に自分の研究をすすめるために
ウチダ君と水源を求めて歩いたり、イジメっこのスズキ君の行動を観察したり
宇宙の真理について考えたり、動物図鑑を調べたり、チェスをしたり
歯科医のお姉さんのオッパイについて考察したりと(※ただし1日30分まで)…
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↓「森見さんのくせに、感動させやがって!」と、私はぶつぶつ呟いた。 いつもの森見さんらしさは影を潜めるも、おかしな理屈っぽさとおっぱい好きは健在。 アオヤマ少年は、将来立派なオッパニストになる事であろう。
「森見さんのくせに、感動させやがって!」と、私はぶつぶつ呟いた。
いつもの森見さんらしさはやや影を潜めるも、おかしな理屈っぽさとおっぱい好きは健在。
アオヤマ少年は、将来立派なオッパニストになる事であろう。
色々とあり得ない設定のファンタジーなのに、物語に入り込める筆力はさすが。
「何故、ペンギン?」
などと、いちいち疑問に思ったりツッコんだりしていてはキリがないので
それはそれ、そういうものだと思って受け入れるのが吉。
少年の詭弁の中の瑞々しさが良いが
よくよく考えれば少年というものは詭弁の中で
自分を正当化させながら生きている生き物のような気もする。
し…
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↓正直、森見登美彦は苦手です。それでも日本SF大賞なんだからと無理して読みました。
ここでも人気のある森見登美彦、少しは読んではいるんですがどうも好きになれませんでした。
一番期待して一番こけたのが「夜は短し歩けよ乙女」この世界観やモチーフはとても好きなんですけれど読んでいて違和感ばかりでなんども挫折しかけました。
「四畳半神話体系」「美女と竹林」「恋文の技術」どちらも全然だめでした。
書評など読んでいても結構評判は良いし、相性の問題かなとあきらめかけていたんですが。
この「ペンギンハイウェイ」なんと第31回日本SF大賞を取ってしまったんじゃありませんか。
嫌いな作家とはいえSF大賞は読まないわけにはいきません。
小学4年生の主人公が語るある夏…
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↓【116】ペンギンはなぜ突然公園に現れたのか?!
【116】すごく面白くて読みやすい文章だったので,すぐ読み終わってしまいました。
《理想の配役》
【116】ぼく:鈴木福,お姉さん:吉高由里子
…
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↓
少年が、ペンギンを生み出すことができるお姉さんと知り合い、森の奥に海を見つける。
なんとも不思議な話だ・・・と思っていたら、これは少年の淡い初恋の話だった。
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↓
他の森見作品と比べ読み易く、とても楽しむ事が出来ました
森見さんの作品も3作目にして随分慣れてきたようです
初めて読んだ、夜は短し…では独特な世界を頭で理解しようとして失敗し
そうとう頑張って読み切った感じだったのですが
この作品はページを捲る手が止まらない程スラスラと読み進める事が出来ました
何しろ登場人物のアオヤマ君とお姉さんがすごく魅力的で
「ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。
だから将来はきっとえらい人間になるだろう」
こんな事をサラッと言える小学校4年生なんてめったにお目にかかれないですよ
意味もなく走り回ってるだけで、おっぱいが好きだった事くらいしか
共通点が見当たらない小学校4年生…
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↓おっぱいに興味が沸いた少年は、恋?をして成長する。教訓:温かい大人に囲まれて過ごすと、子供はいじめられても負けない子になる。
森見さんの本は「夜は~」に続き2冊目です。
実は夜は~のときは独特の世界観に入り込めず、何度も積んでは手に取りの繰り返しでした。
本作は(図書館で借りたので期限があったのも大きいですが)スラスラと
行き詰ることなく読み進めることができました。
ということで、私のような読書慣れしてない人でも読みやすい作品と思います。
自分は小説を読む際に、文章を頭の中で映像化して読み進めることが多いdス。
例えば『告白』を読む際は帯にあった映画版の松たか子さんの顔が頭から離れず
ずっと教師役は彼女が動くイメージで読みました。
本作は、小生意気な少年は加藤清四郎くん。
不思議な歯医者…
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↓この小説を読んでいたら、近所にまだ未開発の土地があって、その土地を遊び場にしていた幼少の頃を思い出した。お姉さんは一体何者だったのか?という謎は結局明らかにされないままだが、そちらの方がよかったかも。
この小説の主人公アオヤマ君はおっぱい好きなところといい、妹に対してやたらお兄さんぶるところといい、『恋文の技術』の主人公と重なるのでは?と思うのは僕だけか。
それはともかくとして、この本を読んでいたら、アオヤマ君と同じ小学四年生だった頃の自分をつい重ねてしまい、思わず甘酸っぱい気持ちになった。当時まだ未開発の土地が周囲にあって、そういう所を探検と称して散策したこと、やはり本が好きで、色々な本を読み漁っては、想像(妄想?)を張り巡らせたこと、近所に仲良しのお姉さんがいて色々と遊んでもらったことなどが、数珠繋ぎで思い出されてきて、何とも言えないノスタルジーを覚えた。それにしても気になるのはア…
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↓街に突然ペンギンが出現するという珍妙な事件に遭遇した少年はペンギン出現の謎を解明すべく研究を始める…。
新しい森見さんの作品に会えます。箱庭のような街の景色に心がほっこりあたたまる一冊です。
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↓まっすぐに前を見つめる小学4年生、アオヤマくん。 冒頭の 「ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。だから将来はきっとえらい人間になるだろう」 から、すっかりやられてしまいました。
2012年、お正月に再読です。
「恋文の技術」も再読。その直後だったので「恋文…」の小学生・間宮くんと、ヘタレ大学生・守田一郎の2人が合体されたようなアオヤマくんを、楽しんで読むことができました。(*^_^*)
森見んってどんな子ども時代を過ごしたんだろう。アオヤマくんは、正方形が大好き、とか、磁石を何より愛していたことがある、とか、かなり危うい非定型的要素を持っている子どもなんだけど、そして、普通、そんな子どもが描かれる作品では、その子は「痛い」存在、あるいはイジメの対象になっているパターンが多いんだけど、そこを、愛すべき存在として描いてしまう森見んって・・・と思ってしまう。
…
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↓これがわたしの初めての森見登美彦さん本です。初めてがこの本でしあわせ。とてもとても好きな本になりました。
小学四年生のアオヤマくんが、大人びているというか、達観(?)しているというか、ませてるというか、
そう思っていると、はっとするほどピュアだったりする。
この子、ほんとにかわいい。
そして、彼の友だちがまた素敵なのだ。
敵役のスズキくんも素敵なのだ。
不思議な話である。
普通の町、発展途上の新興住宅地である。
この町にある日突然たくさんのペンギンが現れるところから始まる。
何か不思議なことが起こっているのに、なんとものんびりした町です。
そして、不思議なことが起こっているというのに、なぜかゆったりとくつろいでしまっている私です。
ほんと不思議な話よ。
そうか、SFな…
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↓なんて素敵なボーイ・ミーツ・ガール...いや... ボーイ・ミーツ・お姉さん...な作品なんでしょう! そしてなんて素敵なペンギン小説なんでしょう! ド名作なんじゃないでしょうか!?
なんて素敵なボーイ・ミーツ・ガール...いや...
ボーイ・ミーツ・お姉さん...な作品なんでしょう!
そしてなんて素敵なペンギン小説なんでしょう!
ド名作なんじゃないでしょうか!? 正直言って
今作が書店大賞じゃなかった事に、大きな疑問を
感じてしまいます。内容、装丁(表紙のペラも外して
確認してね)も合わせて本当に素晴らしい!!
自分は特に森見作品に特別な感情がなかったのですが
今作は凄い! はっきり言って...全てがチャーミングで
そして切なく、そして前向きで強い。全てのページから
夏の匂いや情景を感じられ、この世界観に引き込まれて
いる自分がいました。
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↓それは一夏の出来事。 小さな冒険、若い友情、淡い初恋。 誰もが通り過ぎてきた、少年少女からの脱出。 その入口に立った、彼らの一夏。
「ぼくは知りたい、お姉さんの謎について」
勉強家のアオヤマ君は日々の努力を怠らず、ずんずんと頭角を現してきた。
四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。
スズキ君帝国皇帝のスズキ君と戦いながら、親友のウチダと様々な研究をしている。
ある日、街で不思議な現象が起こり始め、当然のようにその現象の研究も始めるが…。
森見登美彦の作品の中では、異色な『ペンギン・ハイウェイ』。
まず、舞台が京都じゃないです。
そこが一番の異色(笑)
登場人物は森見作品には珍らしく、おかしな言い回しをしません。
でも、どこか、クスッと笑えるアオヤマ君のクソ真…
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↓【ネタバレ注意!】
今回の主人公はヘタレ大学生でははなく、頭でっかち小学生。でもはちゃめちゃっぷりと、妙にカタい文体は相変わらずで、森見ワールド全開。ラストが爽やかだ!★適当に紹介★
あれ、住宅街にペンギンが出現した・・・?
主人公の小学生が、ペンギンの謎を解いていくお話。
歯科医院の受付のお姉さん、友達のウチダくん、頭のよい美少女ハマモトさんとともに研究を進める一方、ジャイアンのようなスズキ君ともやりあいつつ・・・
相変わらず森見ワールド満載なのだけど、小学生が主人公ということ、また彼を見守る周りのオトナの温かい目線など、ほっこりする小説。
★感想★
ストーリーもちょっとぶっ飛んでいて、不思議だけど。
登場人物もみなユニークで、魅力的。
特に父の教えを守り、何でもノートに書き付ける主人公が面白い。
研究熱…
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↓「ぼくはまだ小学校四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。」というアオヤマ君の冒険談には、「どきどき」も「わくわく」もないけれど、なぜだか妙に惹きつけられて目が離せない。
いまどきの子どものことは知らないけれど、私の子ども時代でも、自分の家と学校と近所の友達の家を結ぶ生活圏の外にでかけていくのは冒険だった。
あの坂の上まで行ってみよう、あの角をまがってみようと、冒険に出かけた時代が私にだってあったのだ。
残念ながら、「ペンギン」にも「海」にも出会うことはなかったけれど……。
小学4年生のアオヤマ君は、宇宙のこと、生き物のこと、海や、ロボット、歯科医院のお姉さんとお姉さんのおっぱいにも興味がある。
相対性理論も知っていて、たくさんの本を読むし、毎日きちんとノートもとる。
ノートには覚えておきたいことのほか、毎日の疑問や、発見や、そのほかいろん…
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↓小学4年生の「ぼく」と歯科医院で働いている「お姉さん」と一緒に体験する不思議なお話。幻想的で、読んですがすがしい本。「モモ」とか「二分間の冒険」とか子供の時よんだ不思議な設定のお話を思い出した。
ペンギンが海から浜辺に上陸し、陸に向かってゆくルートは決まっている。その道のことを『ペンギン・ハイウェイ』という。
僕的には2011年本屋大賞候補作の中で一番好きだった作品。ちなみに次点は「叫びと祈り」
小学4年生の「ぼく」と歯科医院で働いている「お姉さん」と一緒に体験する不思議なお話。
ちょっとずれた小学生の主人公「ぼく」とその他の子供の日常、日常にはさまってくる現実離れした出来事たち。大人では受け止めきれないような、それら不思議な出来事を主人公は淡々と真摯に受け止めていく。
幻想的なおはなしでした。「モモ」とか「二分間の冒険」とか子供の時よんだ児童書を思い出しま…
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↓今までの森見作品とはちょっと違いますね。
あいかわらずのファンタスティックなところはさすがという所でしょう。最近この作品で賞ももらわれたようで私も嬉しいです。
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↓クールなアオヤマ君と、キュートなハマモトさんの、風変わりな研究。また1つ、著者の新しい引き出しが開いた。
「また1つ、著者の新しい引き出しが開いた」そんな感じがした。本書は、月刊誌に2007年から2008年にかけて掲載したものに大幅に加筆したそうだ。「腐れ大学生」にインパクトがあってクローズアップされ、そこにはいつも「濃密な空気感」があった。しかしこの作品に感じる空気は淡彩画のようにとても淡い。これはまったく別の引き出しから出てきたもののようだ。
主人公はアオヤマ君。郊外の街に住む小学校4年生の男の子だ。彼は毎日きちんとノートを取る。授業だけではなく、毎日の発見をノートに記録している。そうしてたくさんの「研究」をしている。「昨日より今日はえらくなる」ことを自分に課していて、大人になった時…
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↓不思議で可愛く優しく、ほんのりちょっぴりさみしい物語。ある日、突然ペンギンがいて、その原因は一体どこに?「ぼく」ことアオヤマくんは、調査を始める。
最初は、あまりにも偏りのあるように思われる
主人公の少年に、少々ついていけずに四苦八苦しましたが、
だんだん、違う世界のことなんだ!
と思えば、なぜか納得・・・。
ストンと物語が腑に落ちてくるようになりました。
不思議なものです。
凄く、不思議な世界なんですよね。
ペンギンが空き地にたくさん現れるんですよ。
ペンギンには、どうやら歯医者のおねえさんが関わってるみたいで。
かと思えば、不思議な草原にたどり着いて、
そこにあるものにも、なにやら不思議があったりして???
最後まで、わからないことは分からないんです??
不思議なものは不思議なままだったりもしま…
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↓
いろんな知りたいことを研究している小学4年生の男の子。
同級生のウチダ君との研究、ハマモトさんに誘われ3人での研究、ひょんなことで知った歯医者さんのお姉さんのペンギンを作り出す力の研究。いろんな研究がひとつに繫がったとき…。
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↓突然あらわれ住宅街をよちよち歩いたかと思えば、乗せられたトラックの荷台から忽然と消えたペンギンの謎。ジャバウォックの住む森の謎。虚空に浮かぶ海の謎。おねぇさんのおっぱいの謎(笑)。アオヤマ少年と辿る真理への道は、不思議がいっぱい。
森見サンすげぇ。
もちろん今までもすごい人だとは思っていたけれど、ここまでとは思っていませんでした。
アンタもなかなかやるもんだねぇ。(by ちびまるこちゃん)
主人公の少年が大人びていて子どもらしくないとか賢すぎるとかいう方が多いですが、そんなことはないのです。彼は大人になろうと一生懸命なだけなのです。
今のお子様は大人になりたがりませんからね。なんたって現代は子どものほうが色々特典があってラクだしなぁ。
そういう意味では、子どもの殻を脱ぎたがる彼のほうが、そこらのお子様よりよほど子どもらしい。
たいへん伸びやかで健やかなお子さんだなぁとほのぼのしました。
言うなれば生…
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↓少年とお姉さんとペンギン&海&ジャバウォックの話。 ファンタジー?仕立てだけど、地球の直面している問題を取り上げているような。
ある日ペンギンが街に出現。
お姉さんがペンギンを、ジャバウォックを作っていた。
海に呑みこまれそうになる街。
少年がお姉さんと解決。
解決は、少年の悲しさを産む。が、未来を見つめ前を向く少年。
少年みたいな少年が、今の時代に多く出てきたら良いのに!
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↓主人公は阿呆な大学生ではなく、四畳半も出てきません…が、森見さんらしい作品です
森見さんが阿呆な大学生ではなく、小学生を描いたこの作品。
ちょっと大人びすぎてヒネクレ気味の少年を主人公にした日常ものかと思いきや、きっちりSFでした。
「海」とブラックホール、宇宙、世界の果て、ペンギン、シロナガスクジラ、ジャバウォック。
荒唐無稽なストーリーに思えるのに、きっちり筋が通っているというか。
いろいろな事象が一つに集約していく様はお見事としか。
普通っぽいけど普通じゃない、でもおねーさん以外の登場人物はぜんぜん特殊なことはしてないんですよね。
ごく普通の、小学生の暮らしをしてる。
なのに妙にふわふわした、浮世離れしたかんじがするのは、主人公の語り口調のせい…
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↓読み終えた瞬間の淋しいけれど静謐な空気が愛おしい。
透明な何かで満たされてくるようです。2010年のベスト10。
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↓
【ネタバレ注意!】
森見登美彦の新境地? キャラクターの魅力はそのままに、ゆったりとしたテンポで物語が進む。SF的な世界設定に、静謐さを漂わせる美しいラストシーンは必見!森見登美彦ってこういうのも書けるのかー!という新鮮な発見。これまで「新釈走れメロス」と「夜は短し歩けよ乙女」しか読んでなくて、この「ペンギン・ハイウェイ」は生徒に借りて読んだんだけど、すごく好きな作品。主人公はまだ小学校四年生の賢い少年「ぼく」(アオヤマ君。いかにも将来京大に行きそうな少年)。その「ぼく」と「お姉さん」の関係や、街にポコポコ現れたペンギンの謎を中心に物語が進んでいく。キャラクター造形にはこれまでの森見作品と共通するところがあるけど、舞台や世界観がかなり違ってSF的。文体も、これまでのようなグルーヴ感はなくて、全体的にゆったりしたテンポで進んでいく。この少年の語り口は、僕は好きだ…
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↓探究心旺盛な少年と彼の友人たちがペンギンや不思議な「海」という現象の謎を解き明かそうと、さまざまな冒険を繰り返していく様子は、冒険を夢見ていた少年時代を思い起こさせ、とても温かい気持ちになる。
ファンタジーはファンタジーなんだけど、今までの彼の作品とはかなり毛色が異なる作品。
今までは、京都を舞台にした大学生を主人公としたものが多かったが、今回は、小学生の男子が主人公。こまっしゃくれた少年なんだけど、どこか憎めなくて、彼が、歯科医院に勤めるお姉さんが生み出すペンギンの謎を解き明かしていく。森見氏らしいユーモアは満載なんだけど、以前のハチャメチャぶりは影を潜めていて、昔からのファンはちょっと物足りないかもしれない。
でも、こういう落ち着いたのもいいかもしれない。探究心旺盛な少年と彼の友人たちがペンギンや不思議な「海」という現象の謎を解き明かそうと、さまざまな冒険を繰り返して…
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↓【ネタバレ注意!】
森見登美彦が10作目に描いた意欲作。舞台が京都でなく,主人公が小学生,と今までの森見登美彦のイメージを裏切りながら,描かれるのは確かな森見World。阿呆さは減ったように感じるものの,それを上回るすがすがしさを感じさせてくれる物語でした。森見登美彦さんの最新作『ペンギン・ハイウェイ』です。記念すべき、森見登美彦10冊目の作品という事です。
『ペンギン・ハイウェイ』は、わかりやすくいえば、郊外住宅地を舞台にして未知との遭遇を描こうとした小説です。スタニスワフ・レム『ソラリス』がたいへん好きなので、あの小説が美しく構築していたように、人間が理解できる領域と、人間に理解できない領域の境界線を描いてみようと思いました。郊外に生きる少年が全力を尽くして世界の果てに到達しようとする物語です。自分が幼かった頃に考えていた根源的な疑問や、欲望や夢を一つ残らず詰め込みました。(森見登美彦)
↑http://b.hatena.ne.j…
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↓登美彦氏といえばファンタジーであるが、本書もまたファンタジーである。が、そこにはジュヴナイルがありSFとファーストコンタクトした新しい登美彦氏の想いがあった。登美彦氏なりの〔未知との遭遇〕を描いた本作に立ち会わない手はない。
登美彦氏2ケタ目の子供へと突入いたしましたのがこの『ペンギン・ハイウェイ』です。もう登美彦氏は著作が2ケタかぁ~とそれだけ感激いたしてしまうモリミ好きですが、2ケタに突入したと同時に何やら第二の登美彦氏へと変貌を遂げたと巷で噂になっていて、ご自身でもそう公言してましたね。「新境地、、、のつもり」みたいな弱気発言(笑)まぁ内容はどうであれ読む前からこの作品が好きなのはわかってました!だって登美彦氏の作品なんだもの^^(つまり贔屓目線以外では感想書けないということなのでご注意をくださいませ)。
いやぁ~参った参った。これはまたしても素晴らしい出来栄えではないですか!『宵山万華鏡』『恋文の技…
『神様のカルテ2』 -本が好き!会員の書評
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↓【ネタバレ注意!】
医師の話ではない。人間の話をしているのだ!
2は大学の同期、辰也が本庄病院にやってきて、ぶつかり合いながらも最後は力を合わせ患者さんの治療をする、という話と、古狐先生の病気の話。
辰也は医学生時代は何に対しても一生懸命でそんな姿を知っているからこそ一止は着任してきた変わってしまった辰也を目の当たりにして驚いたんだと思います。患者さんやその家族に病気の説明をせず定時?になるとさっさと荷物をまとめて帰る辰也。理由を教えてくれないから一止ともすれ違って珈琲のかけ合いにもなるんでしょうね。一止が辰也の頭にコーヒーをかけたシーンを読んだとき驚きました。
そして一止の元好きな人の話も出て来て。しかもそれが辰也の奥さん如月で。医学生時…
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↓爽やかな風が吹いている。この本を読んでいる時の印象です。
栗原一止先生が勤務する本庄病院。
そこに一止の学友辰也がやってきます。
辰也は努力家であり、頭脳明晰、学生時代も模範的医学生。
卒業後は、東京の有名病院へ勤務。
そんな彼が年月を経て、会うことになりました。
しかし、病院での彼は別人のようでした。
人が変わってしまったのだろうか。
そんなはずはない。
いや、でもスタッフからの話を聞くと、以前の彼とは全く
違う…。
と、一止は悩みに悩みます。
一止先生は、学生時代も「変人」で通っていました。
しかし、一止にも恋バナがあったのですね~。
今はハル一筋ですよね。
どんな恋バナなのでしょうか。
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↓主人公が恩師のために、一世一代の贈り物をするシーンは あまりに情景が美しくて・・・胸を打たれます。
「神様のカルテ」の続編です。
長野の本庄病院に勤める、若き医師が主人公。
夏目漱石の著作を愛する、ちょっと古風なセリフ回し。
しかし医療受ける人間のために、最善とは何かということを 模索する。
今回は、大学時代の親友進藤辰也が
本庄病院にやってくることから始まる。
大学時代は、「医者の良心」と言われていた親友が
なぜか 変わってしまっている。
登場人物も前作に続いて、個性的で魅力的です。
同じ下宿の仲間たちは、特にいい。
主人公が登場人物をあだ名で呼ぶ時、そこに愛情を感じます。
今回は「夫婦のきずながテーマなのかな」という感じで
主人公の妻と主…
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↓「人間」の温かみが感じられる、奇跡が起きる病院のお話です。
「神様のカルテ」1巻を読んだ時、私はタイトルに込められた「カルテ」の意味を理解した瞬間、号泣しました。そして最近、改めて映画も(DVDで…)見たので、2巻を図書館で借りてきたのでありました。2巻も予想以上に素晴らしかったです。
主人公の栗原一止(通称イチさん)は、夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医です。常に”火の車”状態の病院で勤務する彼らは、休みもほぼなく、病院で泊まり込みで働き続けています。
イチの上司である、お馴染みの大狸先生や古狐先生。彼らはなぜ、想像を絶する過酷な医療現場で誠意を持って働き続けるのか…。その理由が2巻で明らかにされました。…
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↓【ネタバレ注意!】
医者の仕事に真摯に向かう姿が描かれています。好きな方向に流れました。神様のカルテの続編。これまで何回かデビュー後の第一作を読んだが,人気作家でも失敗している事が多く最初は心配半分であった。理由はいろいろあると思う。神様のカルテ2も明らかに雰囲気が変わった。私にとっては前作で物足りないと思っていた部分が大幅に増えたので大変嬉しい。前作に引き続き,出会いに感謝である。
主人公の一止(イチ)は信州の救急病院の内科医の設定だ。細君と呼ぶ妻の榛名(ハル),御嶽荘の住人の男爵,病院の医師や看護婦の面々。基本的に前作の設定を踏襲し,今回は医学部の同級生である辰也が新登場となった。
辰也はイチの医学部時代の将棋部仲間であり,イチが部に引き入れた千夏と結婚した…
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↓
世間では評価がまっ二つと聞いて、ちょっと考えてみた。
内科医・栗原一止(いちと)の一人称視点で進められる医療人間ドラマ。
その妙な口調は、夏目漱石を敬愛するが故らしい。
1日24時間・365日対応の本庄病院で
その理念を掲げる大狸先生や古狐先生や(※あだ名)
学生時代からの腐れ縁である外科医・砂山、
そして細君と呼ぶ愛らしい妻・ハルと共に
栗原は過酷な日々に奔走し、また立ち止まりながら、確実に歩いていく。
今作では学生時代の友人・血液内科の進藤が赴任してくる。
が昔と違い、進藤の本庄病院での評判はすこぶる悪い。
必要以上の勤務をしようとしないのだ。
「医師だからと、激務を強いられる生活は人間らしくない」と。
そんな慢…
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↓きれいごとや建前ばかりで、本音で議論してこなかったツケが「死ねない人々」を生み出した。
これだけ未就労者が一方にいて、無茶苦茶に酷使される職業が存在する。真の意味のリストラ(再構築)が必要だと思う。
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↓「医師の話ではない。人間の話をしているのだ。」こう帯がいうのは、この本のテーマのことだ。ずっと流れている旋律だ。
カルテ1よりも2、カルテ2よりも3が面白いのが「神様のカルテ」だねえ。
このシリーズはきっと、5とか10まで行くのではないだろうか?
いや、もしかして作家の夏川さんが死ぬまで続くかもしれないと思えてきた。
題材も展開も無限にあるような気がするからだ。
さて、「神様のカルテ3」も読み終えてからこの「2」のレヴュー書いています。
3があまりに凄いので2.の印象が薄れかかっています。
2.でも泣いた。けど3ではその2倍泣けたもの。本当に困るくらいだ。
素敵な奥様は相変わらずで、一服の清涼飲料水。
饒舌なジョークを繰り出す主人公の医師の冴えも相変わら好調だ。
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↓1巻の空気感やキャラの個性はそのままに、2巻ではそれぞれのキャラの信条や心意気がより鮮明に描かれているように思う。1巻よりもテーマ性が強くて、その意味でも印象が強く残った。
1巻と同様に、田舎の病院の日常の空気が味わい深い。
劇的な能力の持つ医師が登場するわけでもなく、劇的で奇跡的なシナリオが存在するわけでもない。それでも、それだからこそ、淡々と送られる病院の日常の中で人間の生死のあり方が浮き彫りになる。そんな作品です。
第1巻での魅力は第2巻でも健在。
地方の病院での、ハードでありながらもどこか牧歌的な人々の営み。それを作り出す、個性豊かな医師と看護師たち。
御嶽荘の、退廃の中に息づく人々の温かさ。
主人公の、情熱的でないながらも真摯に医療に向き合う姿勢。
そしてそれを精神面から支えるハルさんの愛らしさ。
一つ一つの要素が程良い調和を保って、独…
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↓【ネタバレ注意!】
2011年本屋大賞ノミネート作。医療の現場でどのように人間として生きるか。2011年本屋大賞ノミネート作。
同じく2010年ノミネート作であった同作の第2作目。
前作同様、一止とハルさんの夫婦に癒される。
また、改めて思ったが、この作者は自然の描写が相当好きである。
土地柄、主に描かれることを差し引いても、この人の描写からは、自然への畏敬というか、友愛がにじみ出ている。
自然と読書人の脳内描写にも力が入るというものだ。
今作の内容は、仕事と生活のバランス、医療の本質、いかに死ぬか、等の解決困難なテーマが並ぶ。
前作の「患者とのふれあい」とは違い、今回は一止の周辺の人間にスポットライトがあてられている。
来る人、去る人それぞれについて、ほぼ…
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↓
真摯で、誠実に生きるって、すごく大変だけれど、やはり理想に思ってしまう。
信州・松本平。
「24時間、365日対応」の本庄病院で働く若き内科医・栗原一止。
シリーズ2作目。
新年度、本庄病院の内科病棟に進藤辰也が東京の病院から着任してきた。
彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓だった。かつて“医学部の良心"と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。そして、赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった…
大学時代、強い友情で結ばれていた二人・一止と辰也の間にあった事件が描かれ、徐々に現在の辰也の苦境も語られる。
「医師である以前に人間である」ということ。
「医師なん…
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↓こんな暖かい心を、こんな志を持った仲間と仕事が出来たらどんなにすばらしいだろう、と思います。
何かしようとしている人がいたら助けてあげるのって、やっぱり大切!
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↓神様のカルテは、もしかしたら、久しぶりに出逢った覚えていたい物語かもしれない。2巻を読んでそう思いました。
神様のカルテは、もしかしたら、久しぶりに出逢った覚えていたい物語かもしれない。2巻を読んでそう思いました。
ヒットした1冊が面白くて続編は微妙だね、なんてことはよくありますが、全然そうならなかった。この物語に出てくるひとたちは、みんなとても優しくて、自分の哲学を持っていて、だれかのために生きていて、ときどきうまく立ち止まれないだれかを、みんなが助けている。
1巻のときは、古典的な口調っておもしろいなあ、と思ったくらいでしたが、今回は、タツと主人公の間で交わされた名言が繰り返されるたび、優れた言葉にわたしも一緒に浸って、こういうのを大事に胸に刻むことっていいな、と思っていました。いつ…
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↓★思えば人生なるものは、 こんなささやかな受け渡しの繰り返しなのかもしれない ★良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である
2010年10月3日発行・・・2011年10月13日読みました
【目次】
プロローグ
第一話 紅梅記
第二話 桜の咲く町で
第三話 花桃の季節
第四章 花水木
エピローグ
【私の心に残ったこと】
★思えば人生なるものは、
こんなささやかな受け渡しの繰り返しなのかもしれない
★良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である
・ この町に、誰もがいつでも診てもらえる病院を
・ 医者は患者のために命がけで働くべきだという
この国の医療は狂っているんだ
・ 人が死ぬということはそれで何かが片付くということではない
新たな…
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↓イチのような医者、本庄病院のような病院が、実在する世の中になってほしいものだ。
今回は、イチの昔の恋バナから、古狐先生の死までの話。
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↓前作よりも深みがあってとても良かった。
人々がとても温かく微笑ましいです。そして何度かジーンとくるシーンがあった。
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↓
好評だった神様のカルテの続編 独特の空気感のなか綴られる感動的な物語です 反則と言いたくなる飛び道具に見事にやられました。
反則ですよこれ~!!
「神様のカルテ2」、2と言うからには「神様のカルテ」を読んだ人が
前作が良かったから続編も、そんな感じで手に取る事が多いと思うのですが
そういった人達がこれを読んだらどうなるかは簡単に想像できる気がします
もちろん私も恥ずかしながらボロボログシャグシャでした
前作の時にも思った事ですが、この話は医療小説と良く言われますが
医療の現場を舞台とした人間ドラマと言った方がしっくりくるような気がします
文中でも「医師の話ではない人間の話をしているのだ」そんなセリフにも有るように
医師としてと言うよりも人としての行動に共感させられます
前作に続きこの作品独…
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【ネタバレ注意!】
前作も大好きでした。やさしいあったかな文章が好きです。ただ今回は、ちょっと残念。メインの登場人物は常にキープしておいた方が安心感があり好きです。時々は、こういう優しい気持ちになれる小説も良いものです。
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↓【ネタバレ注意!】
舞台は医療ですが話的には医療と言うよりヒューマンドラマと思う。前回の話よりは今回の話の方が好き。今回は身近な人が亡くなり少し切ない。「1」より「2」の方が好きかな。
なので☆が1つ増えまして4つ。
1は「キレイ事」を並べてただけな様で鼻にかかったと言うかだったんですが・・・
1でも感想で云いましたが今回、話の中でも主人公が云ってます。
「医師の話ではない。人間の話をしているのだ。 」
なので医療がなんたら、技術がなんたら。と言う話では相変わらず無いです。
この本の売りは涙なくしては読めない。そうですが
前回は心に来る事も無く(鼻にかかっただけだった)今回は心に来ましたね。確かに。
人によってグッときた個所は違うかと思いますが
私は古狐先生のお通夜で皆が帰った後、奥さんが「長い間ご苦労様でし…
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前作もそうでしたが、この作品の中から流れ出す穏やかな優しい空気が大好きです。特に一止さんの奥さん、榛名さんが登場するとふんわりあたたかな風を感じられます。
医療の現場は、確かにこんなに静かで穏やかなものではないのかもしれない。
その世界を知っている人には、これは理想論だと言われるのかもしれない。
でも、私はこの作品の持つ世界観が大好きです。
読んでいるとこんなに優しい気持ちになれる作品には、最近巡り会わないような
気がします。それは、栗原先生の言葉遣いのせいなのかもしれません。
また、奥さんの榛名さんが登場すれば、ちょっと冷たくなりそうだった空気が
瞬く間に暖かくなります。
この神様のカルテ2では、栗原先生の大学の時の親友、進藤先生が登場し話が進んで
いきます。何か事情を抱えている進藤先生を、何も聞かず受け入れる栗原先生。…
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↓今年(2010年)の本屋大賞授賞式の会場に夏川草介さんがいらしていて、一緒に参加した娘が「お母さん!夏川さんだ!」と大興奮。(*^_^*)
2010年11月08日
今年の本屋大賞授賞式の会場に夏川草介さんがいらしていて、一緒に参加した娘が「お母さん!夏川さんだ!」と大興奮。(*^_^*)早速「大学のクラスでみんなで回して読んでいます!」なんてご挨拶申し上げて、「頑張って勉強してくださいね」と激励のお言葉もいただき、とても喜んでいたのだけど、便乗して私もお話させていただいた。
「小説内の地域医療のお話は実話の部分が多いんですか?」とお尋ねしたところ、穏やかに微笑まれて「ええ、ほとんど・・」と言われていたけれど、この2巻では前作にも増しての医師の忙しさ。(せめて当直の次の日は休んでほしい。患者だって元気な先生に診察してもら…
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物語としては,大変面白く読めた。
でも,あまりにも理想的であり現実離れした,悪く言えば美化しすぎている感が否めない。
本当にこんなことを思う医師がいるのか信じられない。
あくまでも理想なのか?
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↓【ネタバレ注意!】
映画にもなった信州松本平にある24時間、365日対応を看板にかかげる「本庄病院」を舞台に主人公の内科医栗原一止(いちと)が、同僚や患者たちと繰り広げる日常の物語です。24時間、365日対応を看板にかかげる地方病院ですから、重病患者が夜中に救急で運ばれたり、それくらい明日でもいいじゃないかという老人患者が来たりと、休む暇もない医療現場。
新年度になり、一止の信州出身の大学時代の友人、新藤辰也が本庄病院に赴任してきます。
大学時代と変わらぬ付き合いをしようとする一止ですが、なにか事情があるようで、こころを開こうとしない辰也。
実は大学時代の後輩で小児科医の妻が、出産を機に仕事と育児の両立ができなくなるは、代わりに夫が育児をしなければならなくなると夫婦ともに多忙のため病院からも患者からも中傷を受けたのでした。そして、育児を放棄した妻を置き、出身…
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↓前作も良かったですが、今作『2』は感動モノでしたね。
言葉では表現しにくいですが、人としての暖かさや、優しさが
感じられる作品でした。
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↓前作とはちょっとテイストがちょっと違うと思った。
なんだか深刻な医療問題みたいなものも含まれておます。個人的にはもっと気楽に読めるものを期待していたのでちょっとビックリ。
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↓【ネタバレ注意!】
前作以上によかったです!!男爵先生の「目の前にあることを続けていれば、いずれそれが夢へと転ずる」という言葉が印象的でした。そして古狐先生の「千代、長い間、本当にありがとう…」の一文で涙腺が緩みました。文庫化されることを望みます‼
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↓信州松本の美しい自然描写がいいですね。
『叫びと祈り』 -本が好き!会員の書評
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↓雑誌社に勤める主人公が、取材や旅行で訪れた世界各国で謎に巻き込まれるという連作短編集。
主人公の斉木は語学に堪能で何ヶ国語も話せるため、海外の動向を分析する雑誌の記者として世界各地を取材で訪れたり、友人と海外旅行にでかけたりしている。そして、その訪問先で奇妙な事件に巻き込まれる。
舞台となるのは、サハラ砂漠のキャラバン、スペインの風車の丘、ロシア正教の修道院、アマゾンの奥地。これまでのミステリではあまり登場することもなかった場所だ。そして、起きた事件は、常識的なの価値観では想像もできない動機によって引き起こされている。これまでは陽の目を見ることもなかったような異国の僻地では、我々の常識など軽く飛び越えてしまうようなことが起きるらしい。
4編は斉木が訪ねた先での事件の謎…
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↓なかなかうまいのであります。
五編収録されているのだが最後の一編を除いて、すべて海外が舞台になっているというなかなかの意欲作だ。描かれる国のほとんどが、いってみれば一般の旅行者からみれば辺境の地ばかりで、サハラ砂漠であったり、南ロシアの修道院であったり、アマゾンの奥地であったり、もうそれだけでとても興味深いのだが、そこで起こる事件の動機がその地でしか成立しない独特のものなので、さらに記憶に食い込む仕上がりとなっている。
はっきりいって、動機の真相についてはおそろしく現実離れしたものばかりであり、冷静に考えてみればかなり真実味の薄いものがほとんどなのである。だが、それを作品として成立させるだけの筆力があるから、読ん…
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↓玉石混交の発展途上連作集。
2008年のミステリーズ!新人賞受賞作を含む。受賞後、文芸誌への寄稿と書き下ろしを含めて発行となっている。
「砂漠を走る船の道」「白い巨人」「凍れるルーシー」「叫び」「祈り」の五編からなる。受賞作である「砂漠を走る船の道」が抜群に面白かった。書評を残そうと決めたきっかけとなった。
斉木は外国の秘境とでもいうところを取材して回っている。雑誌関係の仕事なのだが、おそらくライターという設定なんだろう。第一話はアフリカ大陸の中央部にあるサハラ砂漠で、ラクダのキャラバン隊と共に旅をしている話だ。斉木を入れて五人の編成である。
砂漠の船とはラクダのこと。揺れ揺られて砂の海を進んでいく。キ…
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↓異国の文化をスパイスにして、丹念に描いたミステリ。オムニバスなので読みやすい。
トリックの説得性に欠けるところもあるが、描き出された独自の世界観が面白い。文章が感傷的なところも評価が分かれるかもしれない。私は好きだ。
中東やヨーロッパのニュース映像を見る回数が増えているので、異文化を巧く舞台設定にとりいれている本作のような作品をちょうど読みたい時期でもあった。
次の作品も外国を舞台にするのか?全く別の仕掛けで来るのか? 非常に楽しみ。
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↓海外が舞台の連作ミステリ。その土地とそこの文化や宗教が必然であって、その土地独特の、そして、その土地ならではの考え方などが上手く謎解きと絡まり合っていて、異国情緒たっぷりでとても上質なミステリ
5作からなる連作短編ミステリです。
まずは、綾辻・有栖川・辻、三名の選考委員が激賞したという「砂漠を走る船の道」。
情報誌の取材で海外を転々と出張する七ヶ国語を操る主人公 斉木。彼は塩の取引をするため、砂漠を横断するキャラバンに同行します。この状況でどういうミステリが?と思いつつ読んでいたのですが、凄いです。空間的には、密室とか孤島とか閉ざされた場所ではないのだけど、砂漠という過酷な環境下で同じような状況を作り出して、道中での会話で生きていく過酷さ、生活するためには塩が必要などといった異文化や異国の生活環境がしっかりと動機になっていて、ラストでの小さな驚きも鮮やかでした。
「白い巨人…
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↓なぜ殺人を犯したのか 究極かつ根本的な謎解きが面白い。
閉鎖的になりがちな本格ミステリーというジャンルの中で、世界に向けられた視野の広さにも感服。
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↓本を読み続けるのは、このような作品に出会える歓びを感じたいから。
全体の雰囲気と世界観がすばらしい。!
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↓書くことにより、文章の技術などは上達すると思う。
ただセンスという言葉で表現されるものは天性のものだと思う。独特の「透明の虚無感」が好きです。
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すごいWhydunitだった。アイデンティティーや思想、哲学が違うと終着駅はこんなにも違うのかと感嘆させられた。己を己と確立する心の強さに恐怖を覚えた程。でもそれでも分かりたい、というテーマに感動した
推理小説には欠かすことのできない要素の一つに、
「どうしてソレ(主として殺人)をやったか」=「Whydunit」があります。
この「叫びと祈り」ではその理由が衝撃でした。
私が持っている、アイデンティティーや、思想、哲学はが少しでも違うと考えの終着駅はこんなにも違うのか、と感嘆させられました。
それは「国」「民族」「宗教」の違いと同意義かもしれません。
それらの「見えない心の想い」は想像しているより遥かに自分が自分であるために必要な事で、
物語の中での「己を己と確立する心の強さ」に恐怖を覚えた程です。
このアイデンティティーをWhydunitにし生み出された作品が…
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↓五作の短編ミステリー。雑誌の記者の主人公がサハラ砂漠、スペイン、ロシア、アマゾン等に行き、それぞれの場所で殺人、謎に出会う。描写が綺麗で繊細。旅行記のような趣きもあるミステリー。
主人公は海外動向を探る記者として世界中をめぐります。それぞれの描写や出来事がリアル、丁寧に描かれていて何だか旅行記を読んでいるような気分。それぞれの国でそれぞれの驚きがあります。サハラ砂漠の岩塩が5ドルと言われた時あまりの貨幣価値の違いに僕も主人公と一緒にはっとさせられました。ロシアの正教会の話は日本ではあまり馴染みのない宗教の話だったのわからない話の連続でした。
ミステリという体裁をとっているのでほとんどの話で人が死にます。すると、それぞれの国の死生観の違いというのも浮かび上がってきます。そういうところを切り取ってあるのも、この本の面白いところだったと思います。
僕が一番…
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【ネタバレ注意!】
心にドスンと響いてくる作品。ジャーナリスト・斉木を主人公に、5つの物語が紡がれている。舞台は砂漠やアマゾンなど。ゆったりとしたペースで物語は進み、突然、登場人物の一言をきっかけに急展開。読者の時間を支配するような文章力に魅せられる。心にドスンと響いてくる作品。
海外の動向分析をする雑誌社に勤務するジャーナリスト・斉木を主人公に、5つの物語が紡がれている。舞台は、砂漠やアマゾン、スペインやロシア正教会の修道院など、僕にとっては見知らぬ世界。だが、そんな知識不足を補ってくれるだけの詳細な描写がある。ゆったりとしたペースで物語は進み、突然、登場人物の一言をきっかけに急展開。読者の時間を支配するような文章力に魅せられる。
本書は、前半の4章で下地をつくり、最終章ですべてを1つに結びつけるという構造。4章の大半は人間の醜い部分を描いている。財物の独占、ゆがんだ信仰心、最上の地位獲得というエゴ。どれも、その土地の文化と密…
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↓デビュー作とは思えない短編集。
斉木が世界中を旅する中で遭遇した事件、ということもあり、動機はその土地ならではのもの。とても新鮮だし、インパクトもある。それなりに説得力もあるんじゃないかと思いました。
それに加えて、読んでいて素敵だなあ、と思ったのが文章。場面が綺麗に頭の中に浮かび、思わずその土地に行きたくなってしまいます。ただ、急いで読んでるときにこの文章はちょっとキツいかなあ。頭の中に何も入ってこないし、「回りくどいねん!」と言ってイライラしましたから。ただ、その後落ち着いて読むと素敵に感じるんだから不思議なもんですよね。
時々びっくりする仕掛けもされてるし、結構サービス精神旺盛な短編集(なのかな?)。
以…
『錨を上げよ』 -本が好き!会員の書評
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↓作田又三のすさまじい生きざま、この先どうするんだろうと 気になって、読むのを止められなくなります。
昭和の激動の時代、大阪で生まれた彼は、やんちゃというより
野生児というほうがふさわしい。
小学生時代からやんちゃし放題、
一度切れると手が付けられなくなる問題児だった。
両親は、あきれ返っているけれど、突き放すことはせず、
弟たちも兄を慕っていた。
それは、自分ルールではあるけれど、
一本筋が通っている考え方を持っていたからだ。
高校生になると、巷に名前が知れ渡り、
不良生徒が集まってきた。
長になれと言われたがそれは違うという考えだった。
高校の制服廃止という活動にも熱を入れた。
本来、熱しやすく冷めやすい性格のため、途中で投げた。
高校を卒業すると…
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↓まっすぐすぎてすぐに人と衝突する。
喧嘩っ早くてついついやりすぎてしまう。惚れた女には命がけ。ほかのことなどどうでもよくなる。根っからの関西人が描いた人生。スカッとする。
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・メチャクチャ男の半生度:★★★★ ・悪ガキ少年の成長しない物語度:★★★ ・若い頃に読んだら間違いなく壁にぶつけた度:★★★★★
◆おすすめ度◆
・メチャクチャ男の半生度:★★★★
・悪ガキ少年の成長しない物語度:★★★
・若い頃に読んだら間違いなく壁にぶつけた度:★★★★★
◆感想◆
昭和30年、大阪に生まれた男の半生を描いた物語。
半生といっても生まれてから30歳ちょっとまでなんだが、これが何だかトデンデモな男なんである。
落ちこぼれの悪ガキで喧嘩ばかりの子供時代からスタートして、放浪したり学生となったり色んな仕事に従事したり女とくっ付いたり離れたりの、行き当たりばったりな青春?物語。
なんといっても主人公の破天荒で猪突猛進、大雑把で無鉄砲な性格が凄い。
こんな奴実在しないだろうし、やる…
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↓おもしろかったです、でも百田さんらしくないなあ。
『ローラーコースター・ムービー』と呼ばれる息をもつかせぬ展開の早い映画がありますが、まさにそれの小説版ですね。 おもしろいけれど、残るものも無いです。
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↓他人の人生を体験することが読書の意義だとすると、これほど適した本はない。
主人公の感情や風景が繊細に描かれ、一人の人生を追体験しているかのよう。行間まで味わって読んで欲しい。
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