はるほんさん
レビュアー:
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表紙の通り、作者の書くものは白い。
当時は前評判がスゴ過ぎて手に取れなかったが、
今更電車でこの表紙を広げるのも結構な苦行なので、休日に家で読んだ。(笑)
リストラと破産でニッチもサッチも行かなくなり、
飛び降り自殺なう。なオヤジギャグスキーの男。
そこへ謎の男が現れ、いかに自殺がメイワクであるかを諭す。
それはやさしさでも人道上の理由でもなく、臓器ビジネスだった。
──はたして主人公の命は、全部まとめてハウマッチ!
かいつまんで言うと、命の話である。
イヤここまで軽くはないが、全体にライト風味になっているのは
個人的には悪くない。
ヘンに感動を狙うよりは、余程好感が持てる。
万人に分かりやすい題材だし、
医療設定も小難しくなく、読みやすいものになっている。
(それだけに若干魔法みたくなってる部分もあるが)
回りくどさがない分、話のテンポがいい。
ただキャラの作りこみはやや浅い。
主人公が若いのかオッサンなのか分からなかったり(実際は40歳)
ヒロイン(?)の女性が子どもみたいだったり(実際は20歳)
読んでいて人物像が浮かばない。
謎の男は役柄的にクールビューティっぽいのだが、
描写的にはフツメンくらいにも思える。
作者が俳優なのも関係してるんだろうか、と思ったり。
イメージがガッツリしてるくらい、俳優に演じにくいものはなかろう。
なんというか「誰が演じても文句がでなさそうなキャラ」なのだ。
まあ人物像を薄くしてストーリーに焦点をあてている
星新一氏みたいな手法もあるから、一概に悪いとは言えないが。
事実、読み終えて印象に残ったのは
自殺する男への説得や、臓器の査定されるくだりだった。
「じさつなんてだめ!」「いのちのかちははかれない!」
というテーマがストレートに伝わる。
嫌味でなく、うんうんと頷いてしまうような素直さがある。
それだけに完成度は高いとは言えないが、
Amaz●nであそこまで叩かれるほど酷くはなかった。
新人賞とかがんばったで賞とかにすれば(色モノ?)
世間ももう少し生温かい目で読めたんじゃないかとも思う。
が、最後に1つだけ。
作者のオヤジギャグだ。(最後がソコか)
小説の評点にオヤジギャグがあったら、かなり高いトコいく。
その素直さによる滑り具合、間の悪いサムさ、
ちょっとイラッとさせるKYさ、何をとっても配点高い。(※褒めてます)
惜しむらくは、中年の悲哀が欠けている。
本の表紙通り、作者の書くものは白すぎる。
「汚いもの」が書けるようになると違ってくるだろう。
いっそ今回の受賞顛末をギャグで書いて欲しいものだが、
こんだけ叩かれたらもう書けないか。
でもな。それくらいのキモチで書くっつーのが
芸能人著作が叩かれる、一番の原因なんやと思うで。
今更電車でこの表紙を広げるのも結構な苦行なので、休日に家で読んだ。(笑)
リストラと破産でニッチもサッチも行かなくなり、
飛び降り自殺なう。なオヤジギャグスキーの男。
そこへ謎の男が現れ、いかに自殺がメイワクであるかを諭す。
それはやさしさでも人道上の理由でもなく、臓器ビジネスだった。
──はたして主人公の命は、全部まとめてハウマッチ!
かいつまんで言うと、命の話である。
イヤここまで軽くはないが、全体にライト風味になっているのは
個人的には悪くない。
ヘンに感動を狙うよりは、余程好感が持てる。
万人に分かりやすい題材だし、
医療設定も小難しくなく、読みやすいものになっている。
(それだけに若干魔法みたくなってる部分もあるが)
回りくどさがない分、話のテンポがいい。
ただキャラの作りこみはやや浅い。
主人公が若いのかオッサンなのか分からなかったり(実際は40歳)
ヒロイン(?)の女性が子どもみたいだったり(実際は20歳)
読んでいて人物像が浮かばない。
謎の男は役柄的にクールビューティっぽいのだが、
描写的にはフツメンくらいにも思える。
作者が俳優なのも関係してるんだろうか、と思ったり。
イメージがガッツリしてるくらい、俳優に演じにくいものはなかろう。
なんというか「誰が演じても文句がでなさそうなキャラ」なのだ。
まあ人物像を薄くしてストーリーに焦点をあてている
星新一氏みたいな手法もあるから、一概に悪いとは言えないが。
事実、読み終えて印象に残ったのは
自殺する男への説得や、臓器の査定されるくだりだった。
「じさつなんてだめ!」「いのちのかちははかれない!」
というテーマがストレートに伝わる。
嫌味でなく、うんうんと頷いてしまうような素直さがある。
それだけに完成度は高いとは言えないが、
Amaz●nであそこまで叩かれるほど酷くはなかった。
新人賞とかがんばったで賞とかにすれば(色モノ?)
世間ももう少し生温かい目で読めたんじゃないかとも思う。
が、最後に1つだけ。
作者のオヤジギャグだ。(最後がソコか)
小説の評点にオヤジギャグがあったら、かなり高いトコいく。
その素直さによる滑り具合、間の悪いサムさ、
ちょっとイラッとさせるKYさ、何をとっても配点高い。(※褒めてます)
惜しむらくは、中年の悲哀が欠けている。
本の表紙通り、作者の書くものは白すぎる。
「汚いもの」が書けるようになると違ってくるだろう。
いっそ今回の受賞顛末をギャグで書いて欲しいものだが、
こんだけ叩かれたらもう書けないか。
でもな。それくらいのキモチで書くっつーのが
芸能人著作が叩かれる、一番の原因なんやと思うで。
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歴史・時代物・文学に傾きがちな読書層。
読んだ本を掘り下げている内に妙な場所に着地する評が多いですが
おおむね本人は真面目に書いてマス。
年中歴史・文豪・宗教ブーム。滋賀偏愛。
現在クマー、谷崎、怨霊、老人もブーム中
徳川家茂・平安時代・暗号・辞書編纂物語・電車旅行記等の本も探し中。
秋口に無職になる予定で、就活中。
なかなかこちらに来る時間が取れないっす…。
2018.8.21
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- 出版社:ポプラ社
- ページ数:0
- ISBN:9784591122457
- 発売日:2010年12月15日
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