ぱせりさん
レビュアー:
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おもしろ荘の姉妹は今日も忙しい
岩波少年文庫100冊マラソン54冊目
川のほとりの赤い家《おもしろ荘》には、二人の女の子、七歳のマディケンと五歳のリサベットが住んでいる。
好奇心旺盛で元気なマディケンと、お姉ちゃんが大好きだけど、時々めちゃくちゃ頑固なリサベット。姉妹は、いま、世界じゅうでいちばんの親友であるかと思えば、あっという間に世界一憎い敵になってしまうが、いつのまにかまた、仲良く頭寄せ合って笑っている。そういう姉妹の日常を描いている。
二人をおおらかに見守る大人たち――父母はもちろん、お手伝いのアルバや、通いで洗濯掃除を引き受けるリーナス・イーダなどの存在が心強い。
『やかまし村の子どもたち』に通じる、子どもの日常を描いた楽しいお話だけれど、『おもしろ荘の子どもたち』には、あまり恵まれていない家庭の子どもたちも登場する――だけど、当の本人たちは、こんな言い方されたくないだろう。
マディケン姉妹にとっても、彼らは、大好きなところも苦手なところもある、いろいろな「ともだち」のひとりとひとりたちだ。
隣家のアッべには船乗りになるという夢があるが、家族を養うため、今は毎日台所で大量のクリングラ(クッキーの一種とのこと)を焼いている。クリスマスを忘れてしまうような両親だけれど、アッべはこの家族が大好きなのだ。
シラミだらけの髪のミイアはクラスメイト。喧嘩となれば妹のマティスと組んで、神を怖れぬ言葉を口にするので、腕っぷしの強さなら一歩も引かないマデイケンでも不安になる。
おもしろ荘に掃除洗濯に通うリーナス・イーダの、誰に対しても隔てのない、さっぱりとした優しさが気持ちよくて、彼女自身のこれまでの人生を想像する。
罪のない喧嘩を繰り返した、ある日の姉妹。夜、リーサベットは姉マディケンのベッドにもぐりこんでいく。怖いお話をしてもらおうと思って。
二人、狭いベッドに寄り添う。
かわいい。
川のほとりの赤い家《おもしろ荘》には、二人の女の子、七歳のマディケンと五歳のリサベットが住んでいる。
好奇心旺盛で元気なマディケンと、お姉ちゃんが大好きだけど、時々めちゃくちゃ頑固なリサベット。姉妹は、いま、世界じゅうでいちばんの親友であるかと思えば、あっという間に世界一憎い敵になってしまうが、いつのまにかまた、仲良く頭寄せ合って笑っている。そういう姉妹の日常を描いている。
二人をおおらかに見守る大人たち――父母はもちろん、お手伝いのアルバや、通いで洗濯掃除を引き受けるリーナス・イーダなどの存在が心強い。
『やかまし村の子どもたち』に通じる、子どもの日常を描いた楽しいお話だけれど、『おもしろ荘の子どもたち』には、あまり恵まれていない家庭の子どもたちも登場する――だけど、当の本人たちは、こんな言い方されたくないだろう。
マディケン姉妹にとっても、彼らは、大好きなところも苦手なところもある、いろいろな「ともだち」のひとりとひとりたちだ。
隣家のアッべには船乗りになるという夢があるが、家族を養うため、今は毎日台所で大量のクリングラ(クッキーの一種とのこと)を焼いている。クリスマスを忘れてしまうような両親だけれど、アッべはこの家族が大好きなのだ。
シラミだらけの髪のミイアはクラスメイト。喧嘩となれば妹のマティスと組んで、神を怖れぬ言葉を口にするので、腕っぷしの強さなら一歩も引かないマデイケンでも不安になる。
おもしろ荘に掃除洗濯に通うリーナス・イーダの、誰に対しても隔てのない、さっぱりとした優しさが気持ちよくて、彼女自身のこれまでの人生を想像する。
罪のない喧嘩を繰り返した、ある日の姉妹。夜、リーサベットは姉マディケンのベッドにもぐりこんでいく。怖いお話をしてもらおうと思って。
二人、狭いベッドに寄り添う。
かわいい。
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いつまでも読み切れない沢山の本が手の届くところにありますように。
ただたのしみのために本を読める日々でありますように。
この書評へのコメント
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- 出版社:岩波書店
- ページ数:288
- ISBN:9784001141948
- 発売日:2010年07月15日
- 価格:756円
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