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かもめ通信
レビュアー:
#東京創元社 #文庫創刊60周年 お祝い企画に10代の頃から愛して止まないリュパン作品で参加します!!
私が初めて買った東京創元社の文庫が、シリーズのどの本だったかは定かではないが、モーリス・ルブランのアルセーヌ・リュパンものだったことは間違いない。

なにしろ私ときたら、ポプラ社から出ていた南洋一郎さんのルパンシリーズにはまって児童館に通い詰め、全巻読破した後も、どうしてもルパンに会いたくて、小遣いをもらうたびマンガを買うかルブランを買うか毎月毎月悩みつつ、こつこつと買い集めていたのだ。
当時は出版社や翻訳者の違いなど全く考えることなく、新潮文庫でも創元推理文庫でも、とにかく読んだことがないと思われる本を片っ端から手を伸ばしたから、結局、同じ本の別訳を購入してしまったりもしたけれど、それはそれで楽しんだから、あるいはその経験が、後々翻訳読み比べにつながっているのかもしれない。

それはさておき『怪盗紳士リュパン』。
以前、ハヤカワ・ミステリ文庫のレビューでも紹介したが、この本はリュパンシリーズの第一短編集だ。

いきなりリュパンの逮捕からはじまり、獄中にいながら事件を起こし、満を持して脱獄!
どのような少年時代を送ったかを垣間見せ、初めて犯罪に手を染めた事件も紹介!
伝記作者との出会いや宿敵ガニマール警部や名探偵ホームズとの対決も!!
と、ルパンのもつ魅力の素を惜しみなく披露するまさにアルセーヌ・リュパン入門にふさわしい一冊といえるだろう。

東京創元社版の一番の特徴はなんといっても“リュパン”の表記にあると思うのだが、中味は原作に忠実な完訳版だ。
ただしこの本は、おそらくは底本とした仏版の違いなのだろうが、新潮文庫の『強盗紳士』やハヤカワ・ミステリ文庫の 『怪盗紳士ルパン』に収録されている「マダム・アンベールの金庫」(ハヤカワ版のタイトル「アンベール夫人の金庫」)と「黒真珠」がなく、代わりに他の本では『ルパンの告白』に収録されている「彷徨する死霊」が入っているので、この点は注意が必要だ。

尚今回は、ハヤカワ・ミステリ文庫の平岡敦訳と新潮文庫の堀口大學訳と共に、読み比べレビューもアップしたので、そちらもぜひ覗いてみて欲しい。

<関連レビュー>
『怪盗紳士ルパン』ハヤカワ・ミステリ文庫/平岡敦訳
『強盗紳士』新潮文庫/堀口大學訳 ※翻訳読み比べ
『奇巌城 アルセーヌ・ルパン』青空文庫/菊池寛訳
『水晶の栓』ハヤカワ・ミステリ文庫/平岡敦訳
『八点鐘 (アルセーヌ・ルパン全集 (14))』偕成社/長島良三訳
『八つの犯罪―怪盗ルパン』ポプラ社/南洋一郎
『八点鐘―ルパン傑作集〈8〉』新潮文庫/堀口大學訳 ※翻訳読み比べ
『ルパン、最後の恋』ハヤカワ・ポケット・ミステリ/平岡敦訳
『特捜班ヴィクトール』創元推理文庫/井上勇訳
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2234 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2019-05-15 05:08

    【公式】東京創元社文庫創刊60周年祝企画 くらりからの挑戦状
    https://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no354/index.html?latest=20
    参加レビューです。

    同時投稿、翻訳読み比べレビューものぞいてみてね!
    https://www.honzuki.jp/book/277399/review/226871/

  2. No Image

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