書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

三毛ネコ
レビュアー:
ホームズが活躍する短編集です。読んだことのない作品もあり、楽しく読めました。
・ライゲートの謎 ワトソンに誘われ、休暇をライゲートで過ごすことにしたホームズ。そこで奇妙な盗難事件のことを耳にする。金持ちのアクトン家から本、ロウソク、文鎮、一巻きの糸などが盗まれたのだ。なんとも変わった取り合わせである。

そして、殺人事件が起きる。この地方の大地主、カニンガム家でお抱えの運転手が殺されたのだ。ホームズは、この時点では事件に関わる気はなかった。が、警察がやって来てホームズに協力を要請したため、結局ホームズがその事件を調べることになる。警部補は現場で見つけたメモのようなものをホームズに見せる。それは死んだ運転手が手にしていたのだった。果たして、そこからホームズが導き出した真相とは……ホームズの推理と行動力の見せ所である。

・悪魔の足 ホームズは体調が悪くなり、田舎で療養のための休暇を取る。そこはコーンウォールという所で、ホームズは地元の教会の副牧師と知り合いになる。そこで事件は起こる。副牧師の友人のきょうだい、オーウェン、ジョージ、ブレンダがカードゲームをしていたのだが、朝になると、ブレンダがいすに座ったまま死んでおり、オーウェンとジョージは気が狂ってしまっていた。彼らは、ひどいショックを受けたように見えた。まるで、悪魔が通り過ぎていったかのようであった。彼らの死因は意外なものだった。ホームズの推理が冴える。

・金縁の鼻眼鏡 コラムという教授が田舎の家に引っ越してきた。体が悪く、1日の半分はベッドにいた。その家には家政婦のマーカー、お手伝いのスーザンが住んでいた。そして、気のいい庭師も。教授は本を書いており、手伝ってもらう秘書が必要だった。そこで雇ったのがスミスという、大学を卒業したばかりの男であった。ある日、そのスミスがナイフで首を刺された。そして死ぬ間際に、「教授、それは彼女でした」と言ったのだ。さらに、スミスは右手に金縁の眼鏡を持っていた。犯人のものだと思われる。殺したのは何者か?そして、なぜ殺したのか。

その眼鏡を見て、ホームズが「この眼鏡の持ち主は幅が広い鼻を持ち、なで肩で、最近2回眼鏡屋に行った……」などと推理するシーンがある。シャーロキアンとしては、水戸黄門の印籠のように、「やっぱりこれがホームズだ」と納得する場面である。

ホームズの鋭い推理により、思いがけない真相が明らかになる。

子どものころは夢中になって読んだものだが、大人になっても、やはりホームズシリーズは魅力的である。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
三毛ネコ
三毛ネコ さん本が好き!1級(書評数:880 件)

フリーランスの産業翻訳者です。翻訳歴12年。趣味と実益(翻訳に必要な日本語の表現力を磨くため)を兼ねてレビューを書いています。サッカーファンです。

書評、500冊になりました。これからも少しずつ投稿していきたいと思います。

読んで楽しい:3票
参考になる:28票
共感した:1票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『シャーロック・ホームズ傑作短編集』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ