書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

efさん
ef
レビュアー:
こんなお店に行ってみたいね
 ネット上で見かけた本を、内容をよく調べもせずにネットで図書館蔵書検索し、蔵書にあるとリクエストをして借りてくるということがよくあります。
 本書もそんな風にして借りてきた一冊。
タイトルと、表紙絵くらいしか予備知識はありませんでした。
 おそらく、『ヴンダーカンマー(驚異の部屋)』に関する本ではないかと当たりをつけて借りてみました。

 ヴンダーカンマーというのは、17世紀にヨーロッパで流行ったのが始まりで、当時の王侯貴族が金に飽かして世界中のありとあらゆる不思議な物を蒐集し、それを自分の部屋や家に飾りまくったというものです。
 そこには分類も何もなく、たとえて言えば、ドンキ店内のように物品を積み上げ(もう少し装飾的か)、その物品の目新しさを誇ったというものなのです。

 本書の表紙には剥製のような物が映っていますので、おそらくそういう手の本ではないかと考えたのです。
 『好奇心の部屋』というタイトルも、おそらくはヴンダーカンマーを指してのことではないかと。

 で、図書館から借りてきて、まずはその薄さにびっくり!
 こんなに薄い本だったの?
 中を開いてまたびっくり。
 大きな文字で、漢字にはルビが振ってある子供向けの本でした。
 もう一度表紙を見てみると、『月刊 たくさんのふしぎ』、『12』の文字が(借りてくるまではまったく気がつきませんでした)。
この本は、『たくさんのふしぎ』という月刊誌の2003年12月号だということが分かりました。

 巻末には黄色い紙に印刷された『ふしぎ新聞』というのが綴じられていて、どうやら愛読者(?)の子供達から寄せられたお便りをもとに作られた新聞のようです。
 そういう本だったのか~。

 いや、内容のご紹介をしなければ。
 これもなかなか興味深かったのですが、パリに実際にあるデロールというお店を紹介した一冊なんですね。
 デロールというお店は、1831年創業のお店で、当初は学校の授業で使うような理科の実験道具などを取り扱うお店だったのだとか。

 その後、関係する商品も取り扱うようになり、各種標本類から始まって今は表紙絵に映っているような動物の剥製まで手を広げているのだとか。
 動物の剥製の中には、今では捕まえることが禁止されているシロクマの剥製などもあり、そういった物は売らずに、商店などに貸し出しているのだそうです。

 店内のカラー写真が何枚も掲載されているのですが、このお店行ってみたいな~。
 店内に並べられている標本類は実に楽しそう。
タツノオトシゴの標本は約400円だそうですよ(欲しい!)。
 あるいは、プレパラートに挟まれた植物の繊維標本や、剥製を作る時に使う動物の目(もちろん人工のものです)なんかも動物別に売られているのだとか。
 額装された押し花なんかも魅力的です。

 ちょっと予想とは違いましたが、これはこれで楽しめた一冊です。
 日本にも理科標本などを扱っているお店があると聞いたことがあるのですが、本書のデロールはディスプレイも見事なので、そういうお店だったら是非覗いてみたいなぁと思います。


読了時間メーター
□       瞬殺
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
ef
ef さん本が好き!1級(書評数:4937 件)

幻想文学、SF、ミステリ、アート系などの怪しいモノ大好きです。ご紹介レビューが基本ですが、私のレビューで読んでみようかなと思って頂けたらうれしいです。世界中にはまだ読んでいない沢山の良い本がある!

読んで楽しい:18票
参考になる:7票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『好奇心の部屋デロール (たくさんのふしぎ傑作集)』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ