はるほんさん
レビュアー:
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♪ワタシ坊さんです お寺はニコニコ現金払い ボウズマルモウケって言うじゃな~~い?(ふるっ)
「坊主丸儲け」──よく聞く言葉である。
寺に税金がかからないことくらいは自分も知っているが、
じゃあ割と最近の慣用句なのかと思って調べたら、
江戸時代にこんな元ネタがあったらしい。
魚三層倍 呉服五層倍 花八層倍 薬九層倍
百姓百層倍 坊主丸儲け 按摩掴み取り
元手→売値が何倍になるかというハナシで、
例えば薬を100円で作ったら900円で売れ、それだけ儲けが出る。
坊主は読経するだけなので、元手0円丸儲けという意味だ。
流通の違う現代に他の言葉は聞かなくなったが
「坊主丸儲け」だけは残っていると考えるとスゴイ。
そんなカラクリを教えまっせ~~というコトで
元税理士で現役住職という著者が書いたのが、この本だ。
金色に輝く帯の「時給50万円ですけど何か?」というアオリ。
つまりは「お布施の全国平均」らしいが、あくまで「平均」だ。
そうでないところもあるし、この倍を請求する寺もある。
不透明な上に、坊さんも「お気持ちで」などという。
が、少なすぎると黙って突き返す坊さんもいるらしい。(マジか…!)
お布施はそもそも「金への執着を捨てる」という1つの修行なのだそうだ。
成程とも、お前らが言うなとも思えるが
「まあ365日休みなし、24時間体制のコンビニみたいな職業なので…」
と、坊主世界を暴きつつも、一応坊主事情もやんわりのぞかせる。
夏休みはお盆で忙しいから、デートや人生イベントは大体
「友引」になるというハナシはちょっと微笑ましい。
へええ、と思うような話もあった。
ホームセンターで買ってきた徳用ローソクを100円で売っても無税だとか
(却って5円くらいで売ると税金がかかってしまうらしい)、
土地捜しにお寺が相談役になれるかもとか、坊さんの給与明細まで載っけている。
本来坊さんなら避けたい筈の、お布施の値切り方や墓の引越しなどにも触れている。
うん、なかなか正直に書かれた本ではあったのだが、
惜しむらくはこの坊さん、非常にチャラい。
多分興味を持って読んでもらえるようにとの策なのだろうが、
毎回ダジャレと「合掌!」で〆るイラッとするカンジが
昔に流行ったギター侍を彷彿させてならん。
ウチも実家が有名なお山の門前町だったので、
4WDに乗ってマクドのドライブスルーにきてる修行僧とか見たし、
友達の女の子が坊主とコンパして
「今までのコンパの中で一番羽振り良かった」と言うのも聞いた。
他の職なら別に思わんが、坊主は坊主の品格が欲しいというかねえ。
私個人は金云々はおいても、ぶっちゃけ坊さんは
葬式ツールだからこその特別待遇なのだと思っている。
その辺のオッサンが、ランニングシャツとステテコで経を読んでもありがたくない。
対面上でも坊さんらしく振る舞うことに、意義がある。
チャラい路線は結局、「坊さんが語る」という看板を落としてしまう。
「小難しい話なんかウケないだろう」と思ってるなら、
著者が読者を甘く見てるのではないかね。
内容のある本なら、茶化さないで勝負すべきだったろう。
ウケ狙いネタなんて、芸人の一発屋みたいなモンですから~~~~~ッ!
残★念★!(←ほらイラッとするでしょう)
寺に税金がかからないことくらいは自分も知っているが、
じゃあ割と最近の慣用句なのかと思って調べたら、
江戸時代にこんな元ネタがあったらしい。
魚三層倍 呉服五層倍 花八層倍 薬九層倍
百姓百層倍 坊主丸儲け 按摩掴み取り
元手→売値が何倍になるかというハナシで、
例えば薬を100円で作ったら900円で売れ、それだけ儲けが出る。
坊主は読経するだけなので、元手0円丸儲けという意味だ。
流通の違う現代に他の言葉は聞かなくなったが
「坊主丸儲け」だけは残っていると考えるとスゴイ。
そんなカラクリを教えまっせ~~というコトで
元税理士で現役住職という著者が書いたのが、この本だ。
金色に輝く帯の「時給50万円ですけど何か?」というアオリ。
つまりは「お布施の全国平均」らしいが、あくまで「平均」だ。
そうでないところもあるし、この倍を請求する寺もある。
不透明な上に、坊さんも「お気持ちで」などという。
が、少なすぎると黙って突き返す坊さんもいるらしい。(マジか…!)
お布施はそもそも「金への執着を捨てる」という1つの修行なのだそうだ。
成程とも、お前らが言うなとも思えるが
「まあ365日休みなし、24時間体制のコンビニみたいな職業なので…」
と、坊主世界を暴きつつも、一応坊主事情もやんわりのぞかせる。
夏休みはお盆で忙しいから、デートや人生イベントは大体
「友引」になるというハナシはちょっと微笑ましい。
へええ、と思うような話もあった。
ホームセンターで買ってきた徳用ローソクを100円で売っても無税だとか
(却って5円くらいで売ると税金がかかってしまうらしい)、
土地捜しにお寺が相談役になれるかもとか、坊さんの給与明細まで載っけている。
本来坊さんなら避けたい筈の、お布施の値切り方や墓の引越しなどにも触れている。
うん、なかなか正直に書かれた本ではあったのだが、
惜しむらくはこの坊さん、非常にチャラい。
多分興味を持って読んでもらえるようにとの策なのだろうが、
毎回ダジャレと「合掌!」で〆るイラッとするカンジが
昔に流行ったギター侍を彷彿させてならん。
ウチも実家が有名なお山の門前町だったので、
4WDに乗ってマクドのドライブスルーにきてる修行僧とか見たし、
友達の女の子が坊主とコンパして
「今までのコンパの中で一番羽振り良かった」と言うのも聞いた。
他の職なら別に思わんが、坊主は坊主の品格が欲しいというかねえ。
私個人は金云々はおいても、ぶっちゃけ坊さんは
葬式ツールだからこその特別待遇なのだと思っている。
その辺のオッサンが、ランニングシャツとステテコで経を読んでもありがたくない。
対面上でも坊さんらしく振る舞うことに、意義がある。
チャラい路線は結局、「坊さんが語る」という看板を落としてしまう。
「小難しい話なんかウケないだろう」と思ってるなら、
著者が読者を甘く見てるのではないかね。
内容のある本なら、茶化さないで勝負すべきだったろう。
ウケ狙いネタなんて、芸人の一発屋みたいなモンですから~~~~~ッ!
残★念★!(←ほらイラッとするでしょう)
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歴史・時代物・文学に傾きがちな読書層。
読んだ本を掘り下げている内に妙な場所に着地する評が多いですが
おおむね本人は真面目に書いてマス。
年中歴史・文豪・宗教ブーム。滋賀偏愛。
現在クマー、谷崎、怨霊、老人もブーム中
徳川家茂・平安時代・暗号・辞書編纂物語・電車旅行記等の本も探し中。
秋口に無職になる予定で、就活中。
なかなかこちらに来る時間が取れないっす…。
2018.8.21
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- 出版社:ダイヤモンド社
- ページ数:198
- ISBN:9784478009406
- 発売日:2009年07月17日
- 価格:1365円
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