DBさん
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コーヒーの苦みに隠された話
ポワロは制覇したと思っていましたが、戯曲を小説化した本作があることを知ってさっそく読んでみました。
1934年5月のある日、ポワロはサー・クロード・エイモリーと名乗る老紳士から電話を受ける。
サー・クロードは科学者で原子の研究をしており、恐るべき新爆薬を製造しうる化学式を考え出すことに成功したという。
だが国防省に引き渡すはずの化学式を狙っている人間が家の者の中にいる予感がするので、ポワロにその化学式を国防省まで運んで欲しいという依頼だった。
この事件に興味をいだいたポワロは、アルゼンチンからロンドンに出てきていたヘイスティングズを誘い出してサー・クロードの住むサリー州のマーケット・クレイヴという田舎で週末を過ごそうと旅に出る。
だがポワロがサー・クロードの屋敷についたとき、そこで見出したのは依頼人の遺体だった。
その日サー・クロードと食事を共にしていたのは息子のリチャードとイタリア人の妻ルシア、サー・クロードの妹のキャロライン、姪のバーバラと、秘書のレイナー、そしてルシアの知人だというイタリア人医師のカレリだった。
サー・クロードは食後の団欒の席で家の中に化学式を盗んだ者がいると糾弾し、ロンドンから探偵を呼んだことを全員に告げたのだった。
そしてサー・クロードは化学式を返すようにと誰かわからぬ犯人に告げるも、「今夜のコーヒーはばかに苦いな」という言葉を残して帰らぬ人となる。
自分の到着が遅かったことを知ったポワロは、化学式を盗んだ犯人でありサー・クロードを毒殺したであろう犯人を追いかけます。
もちろん家の者それぞれを観察し、話を聞き出し、そして灰色の脳細胞を働かせることによって。
ポワロの長年の友人であるジャップ警部も登場してサー・クロード殺害の真相を探っていきます。
いつもなら遺産相続という形で利益を追えば大抵は犯人にたどり着いていたのだが、今回は問題の化学式を売れば大金が手に入るということが犯人へ至る道をより複雑にしていた。
捜査線上に犯人らしきものが現れては消えていくが、その経過を追っていくのが楽しい。
そしてポワロ恒例のカップル誕生とはならなかったのですが、亀裂が入りかけていた夫婦仲を取り戻すことには成功していました。
屋敷の一部屋でほぼ話が終わるのは戯曲だからこそなのかもしれない。
次は短編集に行きたいと思います。
1934年5月のある日、ポワロはサー・クロード・エイモリーと名乗る老紳士から電話を受ける。
サー・クロードは科学者で原子の研究をしており、恐るべき新爆薬を製造しうる化学式を考え出すことに成功したという。
だが国防省に引き渡すはずの化学式を狙っている人間が家の者の中にいる予感がするので、ポワロにその化学式を国防省まで運んで欲しいという依頼だった。
この事件に興味をいだいたポワロは、アルゼンチンからロンドンに出てきていたヘイスティングズを誘い出してサー・クロードの住むサリー州のマーケット・クレイヴという田舎で週末を過ごそうと旅に出る。
だがポワロがサー・クロードの屋敷についたとき、そこで見出したのは依頼人の遺体だった。
その日サー・クロードと食事を共にしていたのは息子のリチャードとイタリア人の妻ルシア、サー・クロードの妹のキャロライン、姪のバーバラと、秘書のレイナー、そしてルシアの知人だというイタリア人医師のカレリだった。
サー・クロードは食後の団欒の席で家の中に化学式を盗んだ者がいると糾弾し、ロンドンから探偵を呼んだことを全員に告げたのだった。
そしてサー・クロードは化学式を返すようにと誰かわからぬ犯人に告げるも、「今夜のコーヒーはばかに苦いな」という言葉を残して帰らぬ人となる。
自分の到着が遅かったことを知ったポワロは、化学式を盗んだ犯人でありサー・クロードを毒殺したであろう犯人を追いかけます。
もちろん家の者それぞれを観察し、話を聞き出し、そして灰色の脳細胞を働かせることによって。
ポワロの長年の友人であるジャップ警部も登場してサー・クロード殺害の真相を探っていきます。
いつもなら遺産相続という形で利益を追えば大抵は犯人にたどり着いていたのだが、今回は問題の化学式を売れば大金が手に入るということが犯人へ至る道をより複雑にしていた。
捜査線上に犯人らしきものが現れては消えていくが、その経過を追っていくのが楽しい。
そしてポワロ恒例のカップル誕生とはならなかったのですが、亀裂が入りかけていた夫婦仲を取り戻すことには成功していました。
屋敷の一部屋でほぼ話が終わるのは戯曲だからこそなのかもしれない。
次は短編集に行きたいと思います。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:早川書房
- ページ数:273
- ISBN:9784151300349
- 発売日:2004年09月16日
- 価格:651円
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