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ぽんきち
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身体が死体となった後。
文字通り、死体に関する入門書である。
人体が「遺体」となったらどのような経過を辿るのか、ミイラとは何か、死体と法律、死体と法医学等がわかりやすく平易に紹介されている。
内容が内容だけに、生理的に受け付けない人がいそうな絵や写真もあり、誰にでもお勧めとは言えないが、基本的には真面目な本である。それだけに、個人的にはタイトルの「!」はふざけた印象を与えかねないので取った方がよいと思う。シリーズもので、他のものも「!」が付いているのでそういう方針なのかもしれないが。

口絵の『九相詩絵巻』が圧巻(相当強烈なので、グロテスクなものが苦手な人は避けた方がよいと思います)。遺体の経過を克明に写し取った絵だが、この絵が描かれたのは鎌倉時代という。モデルには事欠かなかったということか。『今昔物語』に、愛妾が亡くなり、朽ちていくのを目の当たりにして出家を決意したお坊さんの話があったと記憶するが、平安時代もまた、現代とは比べものにならないほど、遺体と接する機会が多かったのだろう。
死の経緯を追っていくと、死というものが「瞬間」ではなく「経過」なのだという感を強くする。脳死問題ともつながる観点だろう。

テネシー大学のボディ・ファームの話、蹲踞が習慣である人に出来る蹲踞面の話など、法医学に関する話も興味深い。断片的なのが残念。

著者は肩書きが「法医学者」とあるだけで、経歴が書かれていないのだが、監察医、なのだろうか?
学者然とした人物より、実学重視のざっくばらんな人柄の人と予想する。

*以前、確か法医昆虫学の本を読んだのだが。本書の巻末参考文献に出ている『死体につく虫が犯人を告げる』、かなぁ・・・?  記録を残しておくんだった・・・。

**2011年4月記
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1831 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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