efさん
レビュアー:
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え~、江戸の人ってそんなにお酒飲んでたの~? まるで落語のような楽しい一冊。
 江戸通として知られた、故杉浦日向子さんの楽しい一冊。
江戸時代の様々な風俗、習慣をトピック仕立てで紹介してくれます。
江戸時代の物価と収入なんていうのも計算されていて、米価換算で一月8万円もあれば余裕で生活できたそうですし、8万円稼ぐ程度なら零細商人でも月に10日~15日も働けば十分だったそうです。
かなり余裕のある豊かな生活だったようですが、それでも江戸人はそれすら働くのを嫌がり、ちゃんと働きもせず、金が無くなれば大道芸の様なことをやって小銭を稼いだり、季節々に不要な家財を質入れして金を工面したりしていたそうです(夏になると冬布団を質に入れて金を借り、寒くなってくると蚊帳を質入れして冬布団を出してくるみたいに)。
また、暑い夏の盛りに働くなんていうことはしなかったそうです(ちゃんとお勤めしなければならなかったのは、大店の店員=一流企業のサラリーマンか、武士=公務員くらいのものだったとか……いつの時代も哀しきかなは宮仕え……トホホ)。
涼しくなる秋からまた頑張れば良いやってなもんです。
それでも手元不如意な場合は、朝、夕の涼しい時間帯だけちょこっと働いて何とかなっちゃうとか。
師走も余裕しゃくしゃくです。
12月8日には事治めになり、その後、煤払い(大掃除ですな)、歳の市を回って正月用品を買い揃えるなどなど。
食べていくだけなら、何もあくせく働かなくても十分にやっていけたようです。
何だか現代よりも江戸時代の方がゆとりのある人間らしい生活をしていたのではないかと思えてきてしまいます。
また、お酒の話にもびっくり。
朝、仕事に出かける前に茶碗半分位を軽くひっかけ(縁起としてそうしていたのだとか)、午後、仕事が一段落すると昼食とおやつを兼ねてまた一杯。
帰宅後、風呂上がりに晩酌をしてゆっくり夕食を済ませ、寝る前にまた一杯。
大体毎日5合位は飲んでいたとか。江戸の町はいつもほろ酔いの男衆だらけだったとか。
いいのか、それで!
そう言えば、こんな小咄がありましたっけ(江戸小咄ではありませんが)。
20年以上も連れ添ってきた夫婦なのですが、妻が突然離婚を切り出したのです。
その理由を尋ねると、「亭主があんな呑んべえだとは知らなかった。」というのです。
20年以上も連れ添ってきてそれはないだろうと問いただすと、「だって、夕べ初めて素面で帰ってきたんですもの。」だそうです(苦笑)。
この本には、杉浦さんがお描きになったイラストが添えられており、それも楽しいのですが、残念なことに文庫化したためにちょっと小さくなってしまって見づらいかな。
軽妙な、まるで落語のような語り口の一冊でした。
江戸時代の様々な風俗、習慣をトピック仕立てで紹介してくれます。
江戸時代の物価と収入なんていうのも計算されていて、米価換算で一月8万円もあれば余裕で生活できたそうですし、8万円稼ぐ程度なら零細商人でも月に10日~15日も働けば十分だったそうです。
かなり余裕のある豊かな生活だったようですが、それでも江戸人はそれすら働くのを嫌がり、ちゃんと働きもせず、金が無くなれば大道芸の様なことをやって小銭を稼いだり、季節々に不要な家財を質入れして金を工面したりしていたそうです(夏になると冬布団を質に入れて金を借り、寒くなってくると蚊帳を質入れして冬布団を出してくるみたいに)。
また、暑い夏の盛りに働くなんていうことはしなかったそうです(ちゃんとお勤めしなければならなかったのは、大店の店員=一流企業のサラリーマンか、武士=公務員くらいのものだったとか……いつの時代も哀しきかなは宮仕え……トホホ)。
涼しくなる秋からまた頑張れば良いやってなもんです。
それでも手元不如意な場合は、朝、夕の涼しい時間帯だけちょこっと働いて何とかなっちゃうとか。
師走も余裕しゃくしゃくです。
12月8日には事治めになり、その後、煤払い(大掃除ですな)、歳の市を回って正月用品を買い揃えるなどなど。
食べていくだけなら、何もあくせく働かなくても十分にやっていけたようです。
何だか現代よりも江戸時代の方がゆとりのある人間らしい生活をしていたのではないかと思えてきてしまいます。
また、お酒の話にもびっくり。
朝、仕事に出かける前に茶碗半分位を軽くひっかけ(縁起としてそうしていたのだとか)、午後、仕事が一段落すると昼食とおやつを兼ねてまた一杯。
帰宅後、風呂上がりに晩酌をしてゆっくり夕食を済ませ、寝る前にまた一杯。
大体毎日5合位は飲んでいたとか。江戸の町はいつもほろ酔いの男衆だらけだったとか。
いいのか、それで!
そう言えば、こんな小咄がありましたっけ(江戸小咄ではありませんが)。
20年以上も連れ添ってきた夫婦なのですが、妻が突然離婚を切り出したのです。
その理由を尋ねると、「亭主があんな呑んべえだとは知らなかった。」というのです。
20年以上も連れ添ってきてそれはないだろうと問いただすと、「だって、夕べ初めて素面で帰ってきたんですもの。」だそうです(苦笑)。
この本には、杉浦さんがお描きになったイラストが添えられており、それも楽しいのですが、残念なことに文庫化したためにちょっと小さくなってしまって見づらいかな。
軽妙な、まるで落語のような語り口の一冊でした。
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幻想文学、SF、ミステリ、アート系などの怪しいモノ大好きです。ご紹介レビューが基本ですが、私のレビューで読んでみようかなと思って頂けたらうれしいです。世界中にはまだ読んでいない沢山の良い本がある!
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- 出版社:新潮社
- ページ数:264
- ISBN:9784101149172
- 発売日:2005年03月01日
- 価格:460円
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