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ぷるーと
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終末に向かう神々の、ちょっと悲愴感漂う神話。
岩波少年文庫100冊マラソン99冊目。

アースガルドに住む神々は、巨人族とにらみ合い、闘い続けていた。
物語の最初から、アースガルドの日々は穏やかではない。他の神々とはちょっと異質なローキ(実は、彼は風の巨人らしい)のせいで、アースガルドにはなにやかやと波風が立つ。そして、ついに、神々の父オージンは自分たちが滅びる運命にあることを知り、巨人族との最終決戦に備えるため、賢いミーミルが番人をしている泉の水を飲んで知恵を得ようと旅に出る。身をやつして旅を続け、知恵の泉の水を飲むために右目をさし出すオージンは、痛ましくも神々しい。

北欧神話は、とてつもなく長い『エッダ』という叙事詩の中の有名な部分が切り取られたものである。私たちが『古事記』の中の「八岐の大蛇」だの「因幡の白兎」だの「海幸山幸」だの「倭建の東征」だのを読むような感じなのだろう。なので、なかなか全体像はつかみにくいのだが、他の神話とは違う重厚さが感じられる。

北欧の神話では、太陽も月も、神々も巨人も一度死に絶える。そのあとで、もっと美しい太陽と月が現れる。これは、数カ月の間太陽が昇らない地方ならではの話なのである。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2922 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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