かもめ通信さん
レビュアー:
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“祝☆創刊10周年!本が好き!光文社古典新訳文庫祭!!”今月末まで掲示板にて開催中!書き下ろしレビューはもちろん、過去レビュー紹介も歓迎します!皆様是非ご参加ください!…というわけで、私も読みました!
久々のバルザック。
バルザックというと長編のイメージがあって、相性もよさそうなので興味はあるのだけれどなかなか思うように読み進められていないのだが、これは短編集だというので手に取ってみた。
もちろんただいま掲示板にて開催中の祝☆創刊10周年!本が好き!光文社古典新訳文庫祭!!に書き下ろしレビューで参加するためでもある。
収録されているのは、4つの短篇と、1つの評論。
妻の不貞に気づいた男がなす残酷すぎる復讐を描いた表題作「グランド・ブルテーシュ奇譚」は、これ猟奇的!
旅先で意気投合した青年の今際の際のことづてを若者の恋人に伝えに行く顛末を描いた「ことづて」では、
(四〇で打ち止めか。打ち止めなのかと突っ込みたい?!)
屋根裏部屋にて勉学中心の生活を送っている若者が、知人の結婚式の庶民的な祝宴に参加した際に出会った盲人のクラリネット吹きの話に魅せられる「ファチーノ・カーネ」。
どことなくバルザック本人を思わせる若者の語り口がまた印象的。
可愛がっている甥っ子が女の為に破産したらしいときいて、事の真相を調べるべく、男は調査に乗り出した「マダム・フィルミアーニ」は、ことの顛末よりも冒頭の、あの人この人が語る「マダム・フィルミアーニ」像が面白い。
人の噂って本当に当てにならないものなのよねえ。
最後に「書籍業の現状について」という評論が収録されていると知り、どうせならもうひとつ小説を入れてくれれば良かったのにと思いながら読んでみたら、“著者と読者の間にうまい汁をしる業者が幾つも入るのはけしからん。やっぱり時代は直販だ?!”というまさかの展開に思わずにやついてしまう。
総じてなかなか面白かったが、しかし、しかしだね。バルザック!
なんだって不倫ものが多いのかなあ?
しかも年上の人妻と青二才の青年、みたいなパターンがお好き?
それは作者の好みなのか、あるいは時代の要請?あるいは大衆の欲求なのか?
その辺のところが気になるような、ならないような……。
●その他のバルザックレビュー
『幻滅 ― メディア戦記 上 』
『幻滅 ― メディア戦記 下 』
『ウジェニー・グランテ』
バルザックというと長編のイメージがあって、相性もよさそうなので興味はあるのだけれどなかなか思うように読み進められていないのだが、これは短編集だというので手に取ってみた。
もちろんただいま掲示板にて開催中の祝☆創刊10周年!本が好き!光文社古典新訳文庫祭!!に書き下ろしレビューで参加するためでもある。
収録されているのは、4つの短篇と、1つの評論。
妻の不貞に気づいた男がなす残酷すぎる復讐を描いた表題作「グランド・ブルテーシュ奇譚」は、これ猟奇的!
旅先で意気投合した青年の今際の際のことづてを若者の恋人に伝えに行く顛末を描いた「ことづて」では、
二人とも若く、つまり三五歳から四〇歳ぐらいまでの年増女に魅力を感じてしまうような年頃だったのだ”という若者二人の共感ポイントに思わず吹く。
(四〇で打ち止めか。打ち止めなのかと突っ込みたい?!)
屋根裏部屋にて勉学中心の生活を送っている若者が、知人の結婚式の庶民的な祝宴に参加した際に出会った盲人のクラリネット吹きの話に魅せられる「ファチーノ・カーネ」。
どことなくバルザック本人を思わせる若者の語り口がまた印象的。
可愛がっている甥っ子が女の為に破産したらしいときいて、事の真相を調べるべく、男は調査に乗り出した「マダム・フィルミアーニ」は、ことの顛末よりも冒頭の、あの人この人が語る「マダム・フィルミアーニ」像が面白い。
人の噂って本当に当てにならないものなのよねえ。
最後に「書籍業の現状について」という評論が収録されていると知り、どうせならもうひとつ小説を入れてくれれば良かったのにと思いながら読んでみたら、“著者と読者の間にうまい汁をしる業者が幾つも入るのはけしからん。やっぱり時代は直販だ?!”というまさかの展開に思わずにやついてしまう。
総じてなかなか面白かったが、しかし、しかしだね。バルザック!
なんだって不倫ものが多いのかなあ?
しかも年上の人妻と青二才の青年、みたいなパターンがお好き?
それは作者の好みなのか、あるいは時代の要請?あるいは大衆の欲求なのか?
その辺のところが気になるような、ならないような……。
●その他のバルザックレビュー
『幻滅 ― メディア戦記 上 』
『幻滅 ― メディア戦記 下 』
『ウジェニー・グランテ』
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:光文社
- ページ数:256
- ISBN:9784334751869
- 発売日:2009年09月08日
- 価格:620円
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