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ゆうちゃん
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バンクス家に子守としてやってきたメアリー・ポピンズ。彼女は無愛想な子守だった。バンクス家の子どもジェインとマイケルがメアリーによって体験させられるファンタジーな冒険物語。
こちらも「やりなおし世界文学」の一冊で、題名だけは知っている作品である。

メアリー・ポピンズが東風に乗ってやってきたのが桜町通りのバンクス家。そこでは子守だったケティー婆やが突然姿を消し、バンクス夫人が困っていた。バンクス夫人はメアリー・ポピンズと二つ返事で子守の契約をして、彼女はバンクス家に早速住み込む。面倒を見るのは長女のジェイン、長男のマイケル、ふたりの弟・妹で双子のジョンとバーバラである。双子はまだ赤ん坊で、メアリー・ポピンズと一緒に行動するのは主にジェインとマイケルだった。
メアリー・ポピンズの最初の休暇、マッチ売り兼画家のバートを訪ねる。彼が描いた森の中にふたりは分け入り、お茶を飲んで遊園地で過ごす。ある時は、メアリー・ポピンズのおじを訪ねる。おじは、笑いガスで体が膨らみ、天井に舞い上がっていた。ジェインとマイケルもそれを見て笑い天井に舞い上がる。メアリー・ポピンズだけは不機嫌な表情で笑いもせずに舞い上がった。4人は天井の側でテーブルを囲んでお茶を楽しんだ。それから、メアリー・ポピンズの不思議な能力、道具の話が続く。メアリー・ポピンズは犬や鳥と会話でき、北極近くや赤道直下、中国やアメリカにも一足で行ける不思議な磁石を持っていた。コリーおばさんのパン屋では、そこの美味しいジンジャー・パンに付いている星を取り、夜中にやって来たコリーおばさんと一緒にその星を空にペタペタと貼り付けて飾る。満月の晩には、メアリー・ポピンズの誕生日を祝って夜の動物園で楽しいパーティを開催する。そこには、閉園後に取り残されていた人間たちが檻に入っていた。そして春になりメアリー・ポピンズは西風に乗って帰って行った。突然、居なくなった事にバンクス夫人は腹を立てたが、ジェインとマイケルは帰って来てほしいと切に願うのだった。

話の内容はよくわかるのだが、メアリー・ポピンズのキャラクターがよくわからない。無愛想で怒りっぽく、魔法使いの様ではあるがそれを子供らにひけらかさない。彼女がする魔法の冒険も、なんだか行き当たりばったりな感じである。子供にはかなりつっけんどんな態度で、なぜジェインとマイケルにそんなに好かれるのか不思議だ。彼女の台詞はかなり少なく、内容の殆どはジェインとマイケルからみたメアリー・ポピンズのあれこれである。
著者は、特に子供を意識して書いたものではないという。ファンタジーの内容自体は面白いのだが、どうも主人公であるメアリー・ポピンズのキャラクター理解が不足して今一つ物語に入り込めなかった。
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ゆうちゃん
ゆうちゃん さん本が好き!1級(書評数:1672 件)

神奈川県に住むサラリーマン(技術者)でしたが24年2月に会社を退職して今は無職です。
読書歴は大学の頃に遡ります。粗筋や感想をメモするようになりましたのはここ10年程ですので、若い頃に読んだ作品を再読した投稿が多いです。元々海外純文学と推理小説、そして海外の歴史小説が自分の好きな分野でした。しかし、最近は、文明論、科学ノンフィクション、音楽などにも興味が広がってきました。投稿するからには評価出来ない作品もきっちりと読もうと心掛けています。どうかよろしくお願い致します。

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この書評へのコメント

  1. Roko2025-09-12 12:35

    ゆうちゃんさん、こんにちは
    「不機嫌なメアリー・ポピンズ」という本で、メアリーの不機嫌さの背景が説明されていて面白かったです。ぜひご一読を。

  2. ゆうちゃん2025-09-12 16:15

    Rokoさん、コメントありがとうございます。
    階級に関係するのですね。正直、名作を読んだのは良いとして、消化不良感はぬぐえません。階級が関連しそうですが、メアリー・ポピンズに限らず、英国の小説への理解を深めるためには鍵になりそうな本です。ご紹介くださった本を読んでみたいと思います。本のご紹介ありがとうございました!

  3. No Image

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