DBさん
レビュアー:
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人体の不思議と可能性の本
先日読んだ小林教授の『ウソみたいな動物の話を大学の先生に解説してもらいました。』の中で紹介されていた本です。
人間に関するトリビア的な話や、新薬につながるかもしれない研究の話が満載だった。
まずは内臓から見ていこうということで「腸」の話です。
腸活と話題になっているし、腸内細菌の移植もメジャーになりつつある。
だが腸内細菌が存在しないように育てられたマウスは社交性が大幅に減少しているという研究結果は驚きだった。
腸内細菌が脳に対してストレスホルモンの生産命令を抑制することで、マウスの気分を改善しているという可能性が高いそうです。
自閉症児にはクロストリジウムが多く、健常児の腸内細菌を移植すると社会的振る舞いに改善が見られたとか。
「腹のムシ」は結構すごいんだなと思うとともに、性格って何なんだろうと考えさせられる話でもあった。
泌尿器に話は移り、痛みが激しい病気のひとつにあげられる尿路結石がビッグサンダーマウンテンにのると体外に排出されるという研究を真面目にしている学者が紹介されている。
振動やGが結石排出にちょうどよかったようですが、この研究はイグノーベル医学賞を受賞しているそうだ。
ヒトの持つ免疫は複雑なシステムにより異物を排除し健康の維持のために毎日戦っている。
この力を利用して、摘出したガン細胞のDNAを損傷させて再度腫瘍に戻すという実験をしたところ、黒色腫と乳がんに対して効果を発揮して免疫療法との併用で40%において腫瘍が完全に消失したそうだ。
まだマウス実験レベルの話のようですが、人体でもいい結果が出るといいな。
風邪やインフルエンザが冬に流行するのはウイルスが低温で活動が高くなるのが原因だと思っていたが、鼻の粘膜の活性が問題なようです。
鼻の粘膜は細胞外小胞を放出してウイルスを排除するシステムを使っているが、これが低温だと免疫応答が大幅に低下してしまうことからウイルスに感染しやすくなるのだそう。
免疫が作られるシステムについても徐々に解明されているそうで、アレルギーの治療ができるようになれば素晴らしい。
他にも老化とダイエットという市場が大きそうな話や、目や鼻や口といった感覚器、そして脳の働きと仕組みについて紹介されている。
効果的な学習法は1~数日の適度な感覚で学習することで前回の内容を思い出す過程が記憶を増強させること、自分で問題を作成したり学んだ内容を他人に説明したりする検索練習が記憶を強化し長期記憶に定着させることができるというのは覚えておいて損はないかも。
そして集中力が途切れた瞬間に注意範囲が拡大して隠れたパターンに気づきやすくなることから、創造性には集中力が途切れる時間が役立つそうだ。
医療の将来性も含めてなかなか興味深い本だった。
人間に関するトリビア的な話や、新薬につながるかもしれない研究の話が満載だった。
まずは内臓から見ていこうということで「腸」の話です。
腸活と話題になっているし、腸内細菌の移植もメジャーになりつつある。
だが腸内細菌が存在しないように育てられたマウスは社交性が大幅に減少しているという研究結果は驚きだった。
腸内細菌が脳に対してストレスホルモンの生産命令を抑制することで、マウスの気分を改善しているという可能性が高いそうです。
自閉症児にはクロストリジウムが多く、健常児の腸内細菌を移植すると社会的振る舞いに改善が見られたとか。
「腹のムシ」は結構すごいんだなと思うとともに、性格って何なんだろうと考えさせられる話でもあった。
泌尿器に話は移り、痛みが激しい病気のひとつにあげられる尿路結石がビッグサンダーマウンテンにのると体外に排出されるという研究を真面目にしている学者が紹介されている。
振動やGが結石排出にちょうどよかったようですが、この研究はイグノーベル医学賞を受賞しているそうだ。
ヒトの持つ免疫は複雑なシステムにより異物を排除し健康の維持のために毎日戦っている。
この力を利用して、摘出したガン細胞のDNAを損傷させて再度腫瘍に戻すという実験をしたところ、黒色腫と乳がんに対して効果を発揮して免疫療法との併用で40%において腫瘍が完全に消失したそうだ。
まだマウス実験レベルの話のようですが、人体でもいい結果が出るといいな。
風邪やインフルエンザが冬に流行するのはウイルスが低温で活動が高くなるのが原因だと思っていたが、鼻の粘膜の活性が問題なようです。
鼻の粘膜は細胞外小胞を放出してウイルスを排除するシステムを使っているが、これが低温だと免疫応答が大幅に低下してしまうことからウイルスに感染しやすくなるのだそう。
免疫が作られるシステムについても徐々に解明されているそうで、アレルギーの治療ができるようになれば素晴らしい。
他にも老化とダイエットという市場が大きそうな話や、目や鼻や口といった感覚器、そして脳の働きと仕組みについて紹介されている。
効果的な学習法は1~数日の適度な感覚で学習することで前回の内容を思い出す過程が記憶を増強させること、自分で問題を作成したり学んだ内容を他人に説明したりする検索練習が記憶を強化し長期記憶に定着させることができるというのは覚えておいて損はないかも。
そして集中力が途切れた瞬間に注意範囲が拡大して隠れたパターンに気づきやすくなることから、創造性には集中力が途切れる時間が役立つそうだ。
医療の将来性も含めてなかなか興味深い本だった。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:秀和システム
- ページ数:0
- ISBN:9784798069692
- 発売日:2023年08月05日
- 価格:1650円
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