morimoriさん
レビュアー:
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「ワぁ、ゴッホになる」ゴッホに憧れひまわりに恋い焦がれた棟方志功。家族に支えられ貧しさを乗り越え、世界の「ムナカタ」になった。
この小説を読むまでは、棟方志功のことをあまり知らなかった。弱視で分厚い眼鏡をかけた彫刻家という認識で読み始めた。ゴッホのひまわりに恋い焦がれ、ゴッホを尊敬し、画家を目指したものの上京後、版画家の木版画を見たことで自己流で始めたのがきっかけだった。何度も帝展に出品しては落選し、チヤと結婚したが、貧しさ故離れて生活をすることとなった。やがて子どもが誕生し、意を決して妻チヤは上京し家族そろって生活を始めたが、貧しい生活は変わらず春の野辺で草を摘みそれが米の代わりとなった。
貧しい生活を送りながらも妻チヤは、いつも棟方志功を支えさらに、棟方を支援してくれる人たちの存在があった。ゴッホを初めて日本に紹介したという柳宗悦、陶芸家の濱田庄司との出会い。国画会の展示場で起こった奇跡。棟方志功は、なるべくして世界の棟方になったのかもしれない。柳宗悦たちを感動させた棟方の作品「大和し美し」は後に日本民藝館に所蔵されたという。野草を食していた生活から、徐々に豊かになっていった棟方家。積み重ねた努力が実を結び、とうとう世界の「ムナカタ」になっていったのだ。棟方の彫刻に対する情熱は並大抵のものではないた、彼を叱咤激励し支え続けた妻のチヤも素晴らしい。
かつて浮世絵は、絵師、彫師、摺師の共同作業で作成されていたが、棟方はこれらの作業を全てひとりで担った。さらに、紙一枚で完結する版画ではなく壮大な絵巻物のようにする「絵巻版画」を作成した。また、驚くべきはまな板を使って120枚もの版画を作成した。頭の中で想像しても一体それらの作品がどのようなものなのか、これは絶対に観たい。棟方の作品が所蔵されているという日本民藝館は、東京駒場に存在するらしい。存在すら知らなかった美術館だが、小説を読むうちに棟方の作品を是非観に行きたいと思った。かつて、油絵よりも格下と言われた版画が棟方によって版画芸術を格上げされたという。身を削るかのようにして制作された「二菩薩釈迦十大弟子」この作品も見られるのだろうか。
ゴッホのひまわりに憧れ、弱視で分厚い眼鏡をかけた彫刻家は世界の「ムナカタ」になった。
貧しい生活を送りながらも妻チヤは、いつも棟方志功を支えさらに、棟方を支援してくれる人たちの存在があった。ゴッホを初めて日本に紹介したという柳宗悦、陶芸家の濱田庄司との出会い。国画会の展示場で起こった奇跡。棟方志功は、なるべくして世界の棟方になったのかもしれない。柳宗悦たちを感動させた棟方の作品「大和し美し」は後に日本民藝館に所蔵されたという。野草を食していた生活から、徐々に豊かになっていった棟方家。積み重ねた努力が実を結び、とうとう世界の「ムナカタ」になっていったのだ。棟方の彫刻に対する情熱は並大抵のものではないた、彼を叱咤激励し支え続けた妻のチヤも素晴らしい。
かつて浮世絵は、絵師、彫師、摺師の共同作業で作成されていたが、棟方はこれらの作業を全てひとりで担った。さらに、紙一枚で完結する版画ではなく壮大な絵巻物のようにする「絵巻版画」を作成した。また、驚くべきはまな板を使って120枚もの版画を作成した。頭の中で想像しても一体それらの作品がどのようなものなのか、これは絶対に観たい。棟方の作品が所蔵されているという日本民藝館は、東京駒場に存在するらしい。存在すら知らなかった美術館だが、小説を読むうちに棟方の作品を是非観に行きたいと思った。かつて、油絵よりも格下と言われた版画が棟方によって版画芸術を格上げされたという。身を削るかのようにして制作された「二菩薩釈迦十大弟子」この作品も見られるのだろうか。
ゴッホのひまわりに憧れ、弱視で分厚い眼鏡をかけた彫刻家は世界の「ムナカタ」になった。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:幻冬舎
- ページ数:0
- ISBN:9784344042391
- 発売日:2024年03月06日
- 価格:1870円
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