rodolfo1さん
レビュアー:
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殺人を止めて殺人依存症自助グループに参加していたマークは突然謎のロシア人暗殺者に襲われた。闇医者アストリッドに助けられたマークだったが、執拗にロシア人はマークを狙い、元の組織はマーク復帰を企む。
ロブ・ハート作「暗殺依存症」を読みました。
元暗殺者マークは左腕に特殊なタトゥーを入れたロシア人殺し屋に襲われていました。実はマークは人を殺さない誓いを立てて暗殺者を辞めていたのでした。殺し屋はマークをナイフで刺し、マークからノートを奪い取って何故かとどめを刺さずに去りました。
襲われる前、マークは元ヤクザの殺し屋ケンジが主催する元殺し屋達が参加する殺人依存症自助グループ、アサシンズ・アノニマス(A・A)に参加していました。飼い猫のP・キティに餌をやって出かけました。地下鉄にはいつもの酔っ払いスマイリーが乗っており、乗客に暴言を吐いていました。マークは乗客を助けてやりましたが、本当はスマイリーをぶちのめす衝動と戦っていたのでした。
ルルのダイナーで落ち合ったケンジがマークのノートを見て、ステップ8の進行状況を尋ねましたがマークはスマイリーの事で上の空でした。ケンジに暴力衝動を抑えた話をしてケンジに褒められました。ケンジは最近自分がしたステップ9の事を語りました。A・A活動でのステップ8とは、暗殺の埋め合わせをするべき人たちのリストを作る事で、ステップ9はその人達に実際に埋め合わせをする事でした。マークはステップ9を躊躇いましたが、ケンジは自分を許せるようになるためにはどうしても必要なのだ、思いやる心を持てとアドバイスしたのでした。そして2人はA・Aの集会に参加しました。
参加者は元海兵隊員傭兵ブッカー、メキシコ女のヴァレンシア、シリアルキラーのスチュアートでした。ケンジが開会の挨拶をし、ヴァレンシアが12のステップを暗唱しました。その後皆はそれぞれの打ち明け話をしました。そしてケンジは、マークがもう少しで殺しをやめて1年になると言い、皆は拍手しました。ケンジが5年目、ヴァレンシアは4年目、ブッカーは3年目、スチュアートは数カ月目でした。スチュアートはマークに、自分の助言役になってくれと頼み、マークは考えさせてくれと言いました。ロシア人に襲われたのはみんなが去ってからの事でした。
マークは闇医者アストリッドを訪れ、傷跡を縫ってもらいました。実はアストリッドはマークの理想の美人でしたが、暗殺者の足を洗った際にアストリッドとは連絡を取らなくなっていました。マークは金を取りに家に戻りながら、あのロシア人は何故あのノートを奪ったのだろうと不審に思っていました。そのノートにはマークのステップ8のリストが書いてあったのでした。しかし帰宅するとマークの部屋は放火されていましたが猫は助かりました。ロシア人がマークにメッセージを寄越し「いい女だ」と言いました。マークは監視されていました。マークはケンジに相談し、ケンジは調べて見ると言いました。
マークはダークウェブで元の雇い主であったエージェンシーの管理官ラヴィに連絡を取り、シンガポールで会う事になりました。アストリッドにも正体を告げます。自分は「ペイル・ホース」と呼ばれ、世界最強と噂される暗殺者だったのだと。アストリッドは衝撃を受けましたが、彼と共にシンガポールへ行くことを選びました。
シンガポールでラヴィに会ったマークは復帰を迫られますが拒否します。ラヴィが現役最強の殺し屋アズラエルを差し向けると脅すと、アストリッドがレーザーポインターで援護し、ラヴィは怯み、マークは去りました。
その後マークは更生の一環として、かつて殺した男の息子ビリーに謝罪して殴りつけられました。ビリーは父を殺した相手がペイル・ホースだと知って驚いたビリーでしたが、殺されなかった事で自分は親父の仇を取ったと言って満足し、マーク達をシンガポールから逃がす事を承諾しました。
ホテルに戻ると部屋にラヴィのボディガードが居ました。マークは一人を倒し、もう一人はアストリッドがかかと落としで倒しました。マークはアストリッドにどこで習ったのだと聞きましたが、アストリッドは、なぜ自分が戦えないと思うのだとだけ答えました。しかしホテルにはあのロシア人からの見張っているというメッセージが届いていました。
マークは5年前、プラハで日本人ヤクザを暗殺する所でした。ヤクザが泊まっていたホテルの屋根で機会を伺っていると、別の男が居る事に気づきました。その瞬間男は刀をマークの首に突き付けて誰だと誰何しました。マークがヤクザを暗殺するのだと告げると、男は自分もそうだ、共闘しようと言い出して刀を引き、一緒にヤクザを殺しました。それが当時獏と呼ばれていた暗殺者ケンジでした。ケンジはこれを最後に自分は足を洗うとマークに言い、マークに疲れないかと尋ねました。ケンジはA・A活動を立ち上げようと思っていると言って去りました。
マークとアストリッドはロンドンに行き、アストリッドの隠れ家に入りました。マークはロンドンにあるA・A活動組織に連絡を取り、集会に参加しました。すると参加者の一人がかつて排除した旧知の暗殺者ラヴィーンでした。しかし他の参加者のがダークウェブにビリーの動画が上がっている、マークがペイル・ホースだと言い、ラヴィ―ンは殴りかかり。。。
アストリッドはマークを連れてガイウスという黒人の部屋に行きました。ガイウスは今回マークの動画をアップしたウィア・マリスというダークウェブサイトの技術担当で、そのサイトはハンニバル・カーンという謎の人物のものでした。マークは配達員を装ってガイウスの部屋に入り、ガイウスは、ペイル・ホースが来た事を知りました。マークはカーンに連絡を取れと言い、ガイウスはPCを操作し始めましたが、近くに電波を発信するGPS装置があると言いました。実は装置はマークの傷跡に、ナイフを通して仕込まれていました。ガイウスはジャマ―で電波を妨害してくれました。窓の外を見るとあのロシア人が居ました。
ガイウスはサイトの閲覧者をたどり、マークあのロシア人がサンジュウロウと繋がっている事を知りました。きっとケンジだろうとマークは思いました。マークとアストリッドはヴァレンシアを訪ね、ケンジの裏切りを打ち明けました。そして彼女からブッカーとスチュアートの居場所の手がかりをもらい、2人に会いに行きました。しかしスチュアートは自宅で顔を潰されて死んでいました。
生きていたブッカーは、マークがステップ9に進もうとしていたなら、ケンジにあのノートを奪う必要は無かったと言い、みんなでロシア人に会いに行こうと言いました。マークはアストリッドに金を渡して猫を託し、ホテルに戻ってくれと頼み、アストリッドは隠し事にはもううんざりだと言って猫を連れて去りました。
2年前マークはサラと付き合っていました。2人はクリスマスを一緒に過ごす事になり、マークはサラの家にイブから泊まっていました。マークは自分の仕事の事をサラに打ち明ける機会を探っていました。ラヴィから出動命令が来ましたが、初めてマークはその命令を断りました。生まれて初めてクリスマス・プレゼント交換をする筈でした。しかしその夜、何者かが部屋に忍び込んで来ました。怒りに駆られたマークは激しく抵抗する男を絞め殺し、部屋に入って来たサラは絶望の叫び声を上げました。殺されたのはプレゼントを内緒で置こうと入って来たサラの兄だったのでした。ふとマークがポケットに入れていたサラからのプレゼントは、妊娠陽性を示すキットで。。。
絶望したマークは酔っぱらって知り合いの倉庫で死ぬ積りでした。しかしそこに子猫が現れました。倉庫の主は、それはP・キティだと言い、うちでは飼えないから貰ってくれとマークに頼みました。今自分が死んだらこの猫はどうなるのかと考えたマークは死を思いとどまったのでした。。。その後マークはケンジのA・Aに初参加し、3日前にした殺しの事を打ち明けました。参加者達はマークの告白を聞いて深く肯き。。。彼彼女らはマークの心の壊れた所を継ぎ合わせてくれたのでした。。。
ブッカーとヴァレンシアとマークはロシア人ギャングのボス、ズメイに会いました。ブッカーはしかるべく交渉して、ズメイはマークをつけ狙うロシア人はヴィクトル・コズロフだと教え、この貸しはペイル・ホースの仕事で返して貰うと言いました。そしてズメイは、ペイル・ホースが死んだと思われたせいでエージェンシーはいくつかの仕事をしくじって秘密が漏れ、窮地にあると教えました。
ズメイと別れた帰路でブッカーとヴァレンシアは、ズメイと談合したのは間違いだとマークを非難しましたが、マークはこれ以上人を殺さないのは無理だと言って2人と別れ、ケンジの自宅を訪れました。自宅は空でしたが、なぜかケンジの愛刀が隠しスペースに残されていました。ホテルに戻るとアストリッドが居り、マークは彼女にサラの事を打ち明けました。そして自分の息子はベネットと言うが、2人が自分を受け入れてくれるとは思わないと言いました。そしてズメイと取引したから自分の回復プログラムは台無しになるだろうとも言いました。
そして疲れた、今回の件はつらい、多分自分はケンジかコズロフを殺す事になり、ズメイの言いなりに誰かをまた殺すだろう、アストリッドが知りたかった自分の隠し事とはこういう事だと打ち明け、アストリッドは無表情のままマークと寝、翌朝立ち去っていました。マークは猫を連れて焼けた自宅に戻り、隠しておいた現金と愛銃を取り出しました。エージェンシーの車両が突っ込んで来、エージェントが殺到して来ましたが、マークは隠し通路から脱出し、ミセス・グエンがラヴィと通話しているのを立ち聞きしました。ラヴィは、こっちには奴の友人が居ると言い、ケンジはエージェンシーに押さえられているのだと知りました。
おおむね今起きている事を掴んだマークは、ケンジを取り戻しに向かいました。ルルのダイナーで人を殺さない武器や装備を大量に調達し、ルルに猫を託してマークはエージェンシーの本拠に向かいました。ビルに侵入しようと屋上に行くと、そこでラヴィが待っていました。ラヴィは戻って来い、このままではコズロフに殺されるだけだと言いましたが、マークはラヴィは嘘をついていると言い。。。
ビルに侵入すると重武装した12人のエージェントが待ち受けていました。マークは全員を制圧して長官室に踏み込みました。そこでマークを待っていたのはアズラエルでした。それは。。。
いや素晴らしかったでした。世界中に翻訳される海外ミステリ作家のミステリはほぼすべて面白いと言って間違いありません。それらのミステリには常に確固たるプロットと傑出したトリックを持ちますが、主人公達のキャラクターは千差万別です。このミステリのキャラクターは素晴らしいと言って良い。なにせ殆どの登場人物達が人殺しもしくはそれを命じる組織の頭目達ですから、しかもその人殺し達のいくばくかは自らの殺人衝動に悩み、救われたいと思って各地にA・Aの集会を持つという発想が素晴らしかったと思いました。
しかもネグレクトされて育ち、クリスマスプレゼント交換すらした事が無かったマークが初めて恋に落ち、彼女とのいきさつを語る文章がとても美しかっただけに、その後マークが陥った地獄が協調されて行きます。そんなマークを救ったのが一匹の子猫とA・Aだったというのが素晴らしいアクセントになっていたのだと思いました。
元暗殺者マークは左腕に特殊なタトゥーを入れたロシア人殺し屋に襲われていました。実はマークは人を殺さない誓いを立てて暗殺者を辞めていたのでした。殺し屋はマークをナイフで刺し、マークからノートを奪い取って何故かとどめを刺さずに去りました。
襲われる前、マークは元ヤクザの殺し屋ケンジが主催する元殺し屋達が参加する殺人依存症自助グループ、アサシンズ・アノニマス(A・A)に参加していました。飼い猫のP・キティに餌をやって出かけました。地下鉄にはいつもの酔っ払いスマイリーが乗っており、乗客に暴言を吐いていました。マークは乗客を助けてやりましたが、本当はスマイリーをぶちのめす衝動と戦っていたのでした。
ルルのダイナーで落ち合ったケンジがマークのノートを見て、ステップ8の進行状況を尋ねましたがマークはスマイリーの事で上の空でした。ケンジに暴力衝動を抑えた話をしてケンジに褒められました。ケンジは最近自分がしたステップ9の事を語りました。A・A活動でのステップ8とは、暗殺の埋め合わせをするべき人たちのリストを作る事で、ステップ9はその人達に実際に埋め合わせをする事でした。マークはステップ9を躊躇いましたが、ケンジは自分を許せるようになるためにはどうしても必要なのだ、思いやる心を持てとアドバイスしたのでした。そして2人はA・Aの集会に参加しました。
参加者は元海兵隊員傭兵ブッカー、メキシコ女のヴァレンシア、シリアルキラーのスチュアートでした。ケンジが開会の挨拶をし、ヴァレンシアが12のステップを暗唱しました。その後皆はそれぞれの打ち明け話をしました。そしてケンジは、マークがもう少しで殺しをやめて1年になると言い、皆は拍手しました。ケンジが5年目、ヴァレンシアは4年目、ブッカーは3年目、スチュアートは数カ月目でした。スチュアートはマークに、自分の助言役になってくれと頼み、マークは考えさせてくれと言いました。ロシア人に襲われたのはみんなが去ってからの事でした。
マークは闇医者アストリッドを訪れ、傷跡を縫ってもらいました。実はアストリッドはマークの理想の美人でしたが、暗殺者の足を洗った際にアストリッドとは連絡を取らなくなっていました。マークは金を取りに家に戻りながら、あのロシア人は何故あのノートを奪ったのだろうと不審に思っていました。そのノートにはマークのステップ8のリストが書いてあったのでした。しかし帰宅するとマークの部屋は放火されていましたが猫は助かりました。ロシア人がマークにメッセージを寄越し「いい女だ」と言いました。マークは監視されていました。マークはケンジに相談し、ケンジは調べて見ると言いました。
マークはダークウェブで元の雇い主であったエージェンシーの管理官ラヴィに連絡を取り、シンガポールで会う事になりました。アストリッドにも正体を告げます。自分は「ペイル・ホース」と呼ばれ、世界最強と噂される暗殺者だったのだと。アストリッドは衝撃を受けましたが、彼と共にシンガポールへ行くことを選びました。
シンガポールでラヴィに会ったマークは復帰を迫られますが拒否します。ラヴィが現役最強の殺し屋アズラエルを差し向けると脅すと、アストリッドがレーザーポインターで援護し、ラヴィは怯み、マークは去りました。
その後マークは更生の一環として、かつて殺した男の息子ビリーに謝罪して殴りつけられました。ビリーは父を殺した相手がペイル・ホースだと知って驚いたビリーでしたが、殺されなかった事で自分は親父の仇を取ったと言って満足し、マーク達をシンガポールから逃がす事を承諾しました。
ホテルに戻ると部屋にラヴィのボディガードが居ました。マークは一人を倒し、もう一人はアストリッドがかかと落としで倒しました。マークはアストリッドにどこで習ったのだと聞きましたが、アストリッドは、なぜ自分が戦えないと思うのだとだけ答えました。しかしホテルにはあのロシア人からの見張っているというメッセージが届いていました。
マークは5年前、プラハで日本人ヤクザを暗殺する所でした。ヤクザが泊まっていたホテルの屋根で機会を伺っていると、別の男が居る事に気づきました。その瞬間男は刀をマークの首に突き付けて誰だと誰何しました。マークがヤクザを暗殺するのだと告げると、男は自分もそうだ、共闘しようと言い出して刀を引き、一緒にヤクザを殺しました。それが当時獏と呼ばれていた暗殺者ケンジでした。ケンジはこれを最後に自分は足を洗うとマークに言い、マークに疲れないかと尋ねました。ケンジはA・A活動を立ち上げようと思っていると言って去りました。
マークとアストリッドはロンドンに行き、アストリッドの隠れ家に入りました。マークはロンドンにあるA・A活動組織に連絡を取り、集会に参加しました。すると参加者の一人がかつて排除した旧知の暗殺者ラヴィーンでした。しかし他の参加者のがダークウェブにビリーの動画が上がっている、マークがペイル・ホースだと言い、ラヴィ―ンは殴りかかり。。。
アストリッドはマークを連れてガイウスという黒人の部屋に行きました。ガイウスは今回マークの動画をアップしたウィア・マリスというダークウェブサイトの技術担当で、そのサイトはハンニバル・カーンという謎の人物のものでした。マークは配達員を装ってガイウスの部屋に入り、ガイウスは、ペイル・ホースが来た事を知りました。マークはカーンに連絡を取れと言い、ガイウスはPCを操作し始めましたが、近くに電波を発信するGPS装置があると言いました。実は装置はマークの傷跡に、ナイフを通して仕込まれていました。ガイウスはジャマ―で電波を妨害してくれました。窓の外を見るとあのロシア人が居ました。
ガイウスはサイトの閲覧者をたどり、マークあのロシア人がサンジュウロウと繋がっている事を知りました。きっとケンジだろうとマークは思いました。マークとアストリッドはヴァレンシアを訪ね、ケンジの裏切りを打ち明けました。そして彼女からブッカーとスチュアートの居場所の手がかりをもらい、2人に会いに行きました。しかしスチュアートは自宅で顔を潰されて死んでいました。
生きていたブッカーは、マークがステップ9に進もうとしていたなら、ケンジにあのノートを奪う必要は無かったと言い、みんなでロシア人に会いに行こうと言いました。マークはアストリッドに金を渡して猫を託し、ホテルに戻ってくれと頼み、アストリッドは隠し事にはもううんざりだと言って猫を連れて去りました。
2年前マークはサラと付き合っていました。2人はクリスマスを一緒に過ごす事になり、マークはサラの家にイブから泊まっていました。マークは自分の仕事の事をサラに打ち明ける機会を探っていました。ラヴィから出動命令が来ましたが、初めてマークはその命令を断りました。生まれて初めてクリスマス・プレゼント交換をする筈でした。しかしその夜、何者かが部屋に忍び込んで来ました。怒りに駆られたマークは激しく抵抗する男を絞め殺し、部屋に入って来たサラは絶望の叫び声を上げました。殺されたのはプレゼントを内緒で置こうと入って来たサラの兄だったのでした。ふとマークがポケットに入れていたサラからのプレゼントは、妊娠陽性を示すキットで。。。
絶望したマークは酔っぱらって知り合いの倉庫で死ぬ積りでした。しかしそこに子猫が現れました。倉庫の主は、それはP・キティだと言い、うちでは飼えないから貰ってくれとマークに頼みました。今自分が死んだらこの猫はどうなるのかと考えたマークは死を思いとどまったのでした。。。その後マークはケンジのA・Aに初参加し、3日前にした殺しの事を打ち明けました。参加者達はマークの告白を聞いて深く肯き。。。彼彼女らはマークの心の壊れた所を継ぎ合わせてくれたのでした。。。
ブッカーとヴァレンシアとマークはロシア人ギャングのボス、ズメイに会いました。ブッカーはしかるべく交渉して、ズメイはマークをつけ狙うロシア人はヴィクトル・コズロフだと教え、この貸しはペイル・ホースの仕事で返して貰うと言いました。そしてズメイは、ペイル・ホースが死んだと思われたせいでエージェンシーはいくつかの仕事をしくじって秘密が漏れ、窮地にあると教えました。
ズメイと別れた帰路でブッカーとヴァレンシアは、ズメイと談合したのは間違いだとマークを非難しましたが、マークはこれ以上人を殺さないのは無理だと言って2人と別れ、ケンジの自宅を訪れました。自宅は空でしたが、なぜかケンジの愛刀が隠しスペースに残されていました。ホテルに戻るとアストリッドが居り、マークは彼女にサラの事を打ち明けました。そして自分の息子はベネットと言うが、2人が自分を受け入れてくれるとは思わないと言いました。そしてズメイと取引したから自分の回復プログラムは台無しになるだろうとも言いました。
そして疲れた、今回の件はつらい、多分自分はケンジかコズロフを殺す事になり、ズメイの言いなりに誰かをまた殺すだろう、アストリッドが知りたかった自分の隠し事とはこういう事だと打ち明け、アストリッドは無表情のままマークと寝、翌朝立ち去っていました。マークは猫を連れて焼けた自宅に戻り、隠しておいた現金と愛銃を取り出しました。エージェンシーの車両が突っ込んで来、エージェントが殺到して来ましたが、マークは隠し通路から脱出し、ミセス・グエンがラヴィと通話しているのを立ち聞きしました。ラヴィは、こっちには奴の友人が居ると言い、ケンジはエージェンシーに押さえられているのだと知りました。
おおむね今起きている事を掴んだマークは、ケンジを取り戻しに向かいました。ルルのダイナーで人を殺さない武器や装備を大量に調達し、ルルに猫を託してマークはエージェンシーの本拠に向かいました。ビルに侵入しようと屋上に行くと、そこでラヴィが待っていました。ラヴィは戻って来い、このままではコズロフに殺されるだけだと言いましたが、マークはラヴィは嘘をついていると言い。。。
ビルに侵入すると重武装した12人のエージェントが待ち受けていました。マークは全員を制圧して長官室に踏み込みました。そこでマークを待っていたのはアズラエルでした。それは。。。
いや素晴らしかったでした。世界中に翻訳される海外ミステリ作家のミステリはほぼすべて面白いと言って間違いありません。それらのミステリには常に確固たるプロットと傑出したトリックを持ちますが、主人公達のキャラクターは千差万別です。このミステリのキャラクターは素晴らしいと言って良い。なにせ殆どの登場人物達が人殺しもしくはそれを命じる組織の頭目達ですから、しかもその人殺し達のいくばくかは自らの殺人衝動に悩み、救われたいと思って各地にA・Aの集会を持つという発想が素晴らしかったと思いました。
しかもネグレクトされて育ち、クリスマスプレゼント交換すらした事が無かったマークが初めて恋に落ち、彼女とのいきさつを語る文章がとても美しかっただけに、その後マークが陥った地獄が協調されて行きます。そんなマークを救ったのが一匹の子猫とA・Aだったというのが素晴らしいアクセントになっていたのだと思いました。
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こんにちは。ブクレコ難民です。今後はこちらでよろしくお願いいたします。
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- 出版社:早川書房
- ページ数:0
- ISBN:9784150020132
- 発売日:2025年03月05日
- 価格:2530円
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