morimoriさん
レビュアー:
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美味しい食事でお腹が満たされると、人は元気になって前向きな気持ちになれる。
突然夫から離婚を切り出された沙也加。理由は、食事中にお酒を飲むのを沙也加が嫌がるから。清く正しく美しく生きてきたような沙也加と一緒に暮らしていけないという。そんな夫は定食屋「雑」で定食を食べ酒を飲んで店の虜になったと言う。夫の帰りが遅くなり、夕食を家で食べないことが多くなったのは定食屋「雑」で飲んでいたからだ。沙也加は「雑」に行き生姜焼きを食べた。生姜焼きも肉じゃがも甘い!夫は本当に「雑」の料理が好きなのか、一方的に別れたいという夫の本当の理由を知りたくて沙也加は、「雑」の店員急募の貼り紙を見つけて応募した。
女性店主の通称ぞうさんの調理を見て、共に働くうちに沙也加も店に出す料理の提案をしたり、常連とのやりとりをする中で変わっていく。当初離婚を切り出した夫はすでに、家を出てしまったが沙也加は気持ちの整理ができなかった。しかし、「雑」で働くうちにぞうさんに夫から離婚話が出ていることを話せたり、ぞうさんも自分の話をしてくれたりとふたりの距離が次第に近づいていった。
定食のメニューや調理の仕方、常連の好むメニューなど美味しそうな話がところどころ出て来て、読んでいると食欲を刺激させられる。家庭料理では定番のコロッケやトンカツ、から揚げ、カレーなど「雑」独特の作り方などの描写があるのもおもしろい。働くうちに沙也加が気持ちの整理がつき、味方になってくれそうな人を紹介してもらったりと前向きになっていく様子にスッキリする。読んでいると夫には、全くと言って良いほど未練がないのに、沙也加はそれに気づかないのももどかしい。会うたびに沙也加の嫌だったところを指摘する夫はなんて器の小さい人間なのだろう。沙也加が夫と話し合おうとすればするほど、傷つきその様子に腹立たしい思いがわいてくる。
コロナ架で「雑」も経営が困難になってしまうが、それでもなんとか頑張る様子に当時の様々なことを思い出す。あの頃は大変な時期だったけど、みんな頑張って乗り越えて今がある。どんなに大変な時期があっても、明るい未来は訪れる!そんな気持ちになっていく作品だった。
女性店主の通称ぞうさんの調理を見て、共に働くうちに沙也加も店に出す料理の提案をしたり、常連とのやりとりをする中で変わっていく。当初離婚を切り出した夫はすでに、家を出てしまったが沙也加は気持ちの整理ができなかった。しかし、「雑」で働くうちにぞうさんに夫から離婚話が出ていることを話せたり、ぞうさんも自分の話をしてくれたりとふたりの距離が次第に近づいていった。
定食のメニューや調理の仕方、常連の好むメニューなど美味しそうな話がところどころ出て来て、読んでいると食欲を刺激させられる。家庭料理では定番のコロッケやトンカツ、から揚げ、カレーなど「雑」独特の作り方などの描写があるのもおもしろい。働くうちに沙也加が気持ちの整理がつき、味方になってくれそうな人を紹介してもらったりと前向きになっていく様子にスッキリする。読んでいると夫には、全くと言って良いほど未練がないのに、沙也加はそれに気づかないのももどかしい。会うたびに沙也加の嫌だったところを指摘する夫はなんて器の小さい人間なのだろう。沙也加が夫と話し合おうとすればするほど、傷つきその様子に腹立たしい思いがわいてくる。
コロナ架で「雑」も経営が困難になってしまうが、それでもなんとか頑張る様子に当時の様々なことを思い出す。あの頃は大変な時期だったけど、みんな頑張って乗り越えて今がある。どんなに大変な時期があっても、明るい未来は訪れる!そんな気持ちになっていく作品だった。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:双葉社
- ページ数:0
- ISBN:9784575247275
- 発売日:2024年03月21日
- 価格:1760円
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