DBさん
レビュアー:
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生物発光の仕組みと役割の本
「発光生物」といわれて連想ゲームのように浮かぶのは、オワンクラゲ→蛍光マーカー→ノーベル賞でしょうか。
以前上野で光についての展示を見に行ったときに、蛍光物質を遺伝子に組み入れられたカイコが蛍光色に光る絹糸を吐き、成虫の目の色が蛍光色に光っていたのを思い出す。
本書で紹介されているのはそんな遺伝子組み換え生物ではなく、天然に発光する生物を見ていきます。
人間の目で見て光って見える生物を「発光生物」と定義されるそうですが、すべての生物の中で発光することが確かな生物は921属約7000種に及ぶそうです。
その中でも特に多いのが硬骨魚類とホタル科の昆虫だそうで、逆に発光生物が全く存在しないのが四足動物の仲間だとか。
そして大雑把に見ると海のものは青く、陸のものは緑の光だそう。
生物発光はルシフェラーゼという酵素の作用によりルシフェリンと呼ばれる有機化合物と酸素が反応して発光する。
このルシフェリンは単一の物質を指すのではなく総称であり、科が同じなら同じルシフェリンを持っていると思われる。
だが複雑なルシフェリンの構造はまだ解明されていないものが多く、ルシフェリンの構造を調べるためには生体を大量に採取しなければならないためなかなか難しいようです。
だから下村教授が「オワンクラゲをたくさん掬った」というエピソードが語られていたのか。
発光生物は何のために光っているのか。
この答えは、交尾のための雌雄のコミュニケーション、獲物をおびきよせるため、敵に襲われた時に助けを呼ぶものや姿を隠すもの、敵への警告や敵から逃れるためと多岐にわたる。
だが光るキノコのように生体内の代謝の一部として光る物質が出るだけで、特に役割はないものもあるらしい。
各論ではそれぞれの研究者たちが自分の研究分野である光るキノコ、光るカタツムリ、光るミミズ、光るトビムシと日本に約50種いるというホタルについて語られます。
海に目を向けると光るバクテリア、光るクラゲ、ホタルイカ、ウミホタルに光るサメと魚とさらに多種多様だ。
サメの話では世界最大の発光生物であるヨロイザメの紹介や、いつか水族館で光る深海ザメを飼育したいという野望について語られています。
チョウチンアンコウやメヒカリも登場しますが、そういえば以前居酒屋でメヒカリを食べた時に、店員さんが「スマホのライトを当てると光るんです」と言っていたのでみんなで照らしてみたのを思い出した。
生物が光る仕組みと光の役割がよくわかる本だった。
以前上野で光についての展示を見に行ったときに、蛍光物質を遺伝子に組み入れられたカイコが蛍光色に光る絹糸を吐き、成虫の目の色が蛍光色に光っていたのを思い出す。
本書で紹介されているのはそんな遺伝子組み換え生物ではなく、天然に発光する生物を見ていきます。
人間の目で見て光って見える生物を「発光生物」と定義されるそうですが、すべての生物の中で発光することが確かな生物は921属約7000種に及ぶそうです。
その中でも特に多いのが硬骨魚類とホタル科の昆虫だそうで、逆に発光生物が全く存在しないのが四足動物の仲間だとか。
そして大雑把に見ると海のものは青く、陸のものは緑の光だそう。
生物発光はルシフェラーゼという酵素の作用によりルシフェリンと呼ばれる有機化合物と酸素が反応して発光する。
このルシフェリンは単一の物質を指すのではなく総称であり、科が同じなら同じルシフェリンを持っていると思われる。
だが複雑なルシフェリンの構造はまだ解明されていないものが多く、ルシフェリンの構造を調べるためには生体を大量に採取しなければならないためなかなか難しいようです。
だから下村教授が「オワンクラゲをたくさん掬った」というエピソードが語られていたのか。
発光生物は何のために光っているのか。
この答えは、交尾のための雌雄のコミュニケーション、獲物をおびきよせるため、敵に襲われた時に助けを呼ぶものや姿を隠すもの、敵への警告や敵から逃れるためと多岐にわたる。
だが光るキノコのように生体内の代謝の一部として光る物質が出るだけで、特に役割はないものもあるらしい。
各論ではそれぞれの研究者たちが自分の研究分野である光るキノコ、光るカタツムリ、光るミミズ、光るトビムシと日本に約50種いるというホタルについて語られます。
海に目を向けると光るバクテリア、光るクラゲ、ホタルイカ、ウミホタルに光るサメと魚とさらに多種多様だ。
サメの話では世界最大の発光生物であるヨロイザメの紹介や、いつか水族館で光る深海ザメを飼育したいという野望について語られています。
チョウチンアンコウやメヒカリも登場しますが、そういえば以前居酒屋でメヒカリを食べた時に、店員さんが「スマホのライトを当てると光るんです」と言っていたのでみんなで照らしてみたのを思い出した。
生物が光る仕組みと光の役割がよくわかる本だった。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:朝倉書店
- ページ数:0
- ISBN:9784254171921
- 発売日:2024年09月13日
- 価格:3300円
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