はるほんさん
レビュアー:
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ロシア推し出し推し切り!推し倒し!
「亡命」そして「ロシア」というワードに
この本には国家の闇と悲哀が詰まっているのだろうか──
と背筋を伸ばすような思いは、3ページくらいで崩れる。
なんてこたァない。
ソコにあるのはロシア料理推しのオッサンのしゃべくりだ。
日本では馴染み度としてはピロシキとボルシチくらいで
ビミョーなラインにある蘊蓄を読まされてしまうのは
ひとえにこのオッサンの情熱である。
例えていうなら、東に来た関西人に
タコヤキにおける西の愛情とレシピをさんざ聞かされ、
さらに東のタコヤキの欠点をあげつらねられ、
最終的に「どや関西サイコーやろぉぉぉ!」と自慢されるカンジ。
食欲中枢の刺激よりどちらかというと、オッサンが面白くてつい聞き惚れる。
なんだろう、胸がチクチクする。
いやホント面白いロシア料理。
土地の食べ物を生むのは風土だが、北方と言う環境、
ヨーロッパとアジアの中間、そして広域に広がっていることから
異国の趣と同時に、どこか日本と繋がっている感もある。
また日本人が何にでも醤油を入れるがごとく、
ロシア人はなんにでもサワークリームをぶっかける。
そして何でもスープにする。
新鮮な魚も大きな肉の塊も、最後はなんかスープになってる。(笑)
なんかソレ大体同じ味にならね?とか思ってしまうのだが、
オッサンのコダワリからすると、全然違うらしい。
ココはな!アルミ鍋じゃなくて壺使うんだよ!
豚じゃねぇ!この料理はぜってー牛だって!
ダイエットとか言ってないでバターたっぷり入れるんだよ!
ハムぅ?分かってないな!野菜だけでいいんだよ!!!…等々。
著者自身はユダヤ系ロシア人で、アメリカに亡命しているのだが、
多分ココロは、というか胃袋はロシア人仕様なんだろう。
軽佻浮薄なアメリカ料理にツッコみつつ、
まあでもソ連じゃソレすらなかったしね!と自虐ネタをいれ、
かと思うと姑のような細かさで料理を語り、
オチはいつも「ロシアサイコー!!!」ってカンジ。
なんだろう、また胸がチクチクする。
レシピ本にあるまじき文字ばっかりのページなのだが、
コレが逆にいい。
飯テロにはならないが、ロシアテロというか
オッサンのビバロシアなショーに魅せられてしまう。
オッサンもさることながら、軽快な訳の妙も素晴らしい。
個人経験値としてはロシア料理屋は2~3回行った程度。
素朴な味の中に、酸味と塩味のマッチングを味わうという印象。
黒パン単品はそんなに美味いと思えなかったが、、
コレを読んだら改めて、ちゃんと料理と味わってみようと思ったり。
でも耳元でずっとオッサンの「どうだ美味いだろ!美味いよな!
美味くないワケねーし!」って声が聞こえそう。
何時の間にかロシアいいのか?イイかも?イイじゃんと思ってしまう。
月並みな言葉だが、まさにおそロシア。
亡命と見せかけてこのオッサン、
ロシア強烈推進運動で送られてきた工作員じゃないの。
まさにロシア推し出し推し切り、推し倒しの1冊。
なんか胸がチクチクすると思ったら、
自分が滋賀推しする姿って、多分こんなカンジなのね。(笑)
この本には国家の闇と悲哀が詰まっているのだろうか──
と背筋を伸ばすような思いは、3ページくらいで崩れる。
なんてこたァない。
ソコにあるのはロシア料理推しのオッサンのしゃべくりだ。
日本では馴染み度としてはピロシキとボルシチくらいで
ビミョーなラインにある蘊蓄を読まされてしまうのは
ひとえにこのオッサンの情熱である。
例えていうなら、東に来た関西人に
タコヤキにおける西の愛情とレシピをさんざ聞かされ、
さらに東のタコヤキの欠点をあげつらねられ、
最終的に「どや関西サイコーやろぉぉぉ!」と自慢されるカンジ。
食欲中枢の刺激よりどちらかというと、オッサンが面白くてつい聞き惚れる。
なんだろう、胸がチクチクする。
いやホント面白いロシア料理。
土地の食べ物を生むのは風土だが、北方と言う環境、
ヨーロッパとアジアの中間、そして広域に広がっていることから
異国の趣と同時に、どこか日本と繋がっている感もある。
また日本人が何にでも醤油を入れるがごとく、
ロシア人はなんにでもサワークリームをぶっかける。
そして何でもスープにする。
新鮮な魚も大きな肉の塊も、最後はなんかスープになってる。(笑)
なんかソレ大体同じ味にならね?とか思ってしまうのだが、
オッサンのコダワリからすると、全然違うらしい。
ココはな!アルミ鍋じゃなくて壺使うんだよ!
豚じゃねぇ!この料理はぜってー牛だって!
ダイエットとか言ってないでバターたっぷり入れるんだよ!
ハムぅ?分かってないな!野菜だけでいいんだよ!!!…等々。
著者自身はユダヤ系ロシア人で、アメリカに亡命しているのだが、
多分ココロは、というか胃袋はロシア人仕様なんだろう。
軽佻浮薄なアメリカ料理にツッコみつつ、
まあでもソ連じゃソレすらなかったしね!と自虐ネタをいれ、
かと思うと姑のような細かさで料理を語り、
オチはいつも「ロシアサイコー!!!」ってカンジ。
なんだろう、また胸がチクチクする。
レシピ本にあるまじき文字ばっかりのページなのだが、
コレが逆にいい。
飯テロにはならないが、ロシアテロというか
オッサンのビバロシアなショーに魅せられてしまう。
オッサンもさることながら、軽快な訳の妙も素晴らしい。
個人経験値としてはロシア料理屋は2~3回行った程度。
素朴な味の中に、酸味と塩味のマッチングを味わうという印象。
黒パン単品はそんなに美味いと思えなかったが、、
コレを読んだら改めて、ちゃんと料理と味わってみようと思ったり。
でも耳元でずっとオッサンの「どうだ美味いだろ!美味いよな!
美味くないワケねーし!」って声が聞こえそう。
何時の間にかロシアいいのか?イイかも?イイじゃんと思ってしまう。
月並みな言葉だが、まさにおそロシア。
亡命と見せかけてこのオッサン、
ロシア強烈推進運動で送られてきた工作員じゃないの。
まさにロシア推し出し推し切り、推し倒しの1冊。
なんか胸がチクチクすると思ったら、
自分が滋賀推しする姿って、多分こんなカンジなのね。(笑)
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歴史・時代物・文学に傾きがちな読書層。
読んだ本を掘り下げている内に妙な場所に着地する評が多いですが
おおむね本人は真面目に書いてマス。
年中歴史・文豪・宗教ブーム。滋賀偏愛。
現在クマー、谷崎、怨霊、老人もブーム中
徳川家茂・平安時代・暗号・辞書編纂物語・電車旅行記等の本も探し中。
秋口に無職になる予定で、就活中。
なかなかこちらに来る時間が取れないっす…。
2018.8.21
この書評へのコメント

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- 出版社:未知谷
- ページ数:229
- ISBN:9784915841446
- 発売日:1996年09月01日
- 価格:2100円
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