紅い芥子粒さん
レビュアー:
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降りつづく雨。あふれる川。沈む村。逃げてしまったスプリーマ(国家最高指導者)。人々を救うために奔走するのは、15歳のメイドとスプリーマ(国家最高指導者)の夫。
架空の国、アフェイリア国が物語の舞台です。
アフェイリア国には、もう何か月も雨が降り続いていました。ざあざあ降りの雨が。
フルカ川の上流では洪水が発生し、村も農地も水没してしまいました。
首都プレスト市に洪水が押し寄せるのは、時間の問題。プレスト市は、高い壁に囲まれていますが、上から降ってくる雨で、すでに水浸し。そこにさらに川の水が押し寄せてくれば、壁はくずれ、工場も家々も押し流されてしまうでしょう。
雨が止む気配はない。いったいどうすればいいのか。
未曾有の国難を前にして、スプリーマ(国家最高指導者)は、恐れをなし、どこかに雲隠れしてしまいます。さあ、困った。
スプリーマは、小柄で威厳のある女性でした。
夫のティモールは、15歳のメイドのグローリアを、スプリーマの身代わりに仕立てます。
グローリアは、スプリーマに背格好が似ているから。
グローリアは、スプリーマの服を着て、ベールを垂らした帽子をかぶり、声色もまねて、サインの筆跡まで練習して、国家最高指導者を演じます。発言のメモは、ティモールが書いてくれました。
15歳のメイドと、スプリーマ(国家最高指導者)の夫。
ふたりは、アフェイリア国を、いや、人々を救うために奔走します。
爆撃機に乗ったり、墜落したり、発砲したり、いのちがけで。
ウソもたくさんつきました。いいウソも悪いウソも。
グローリアのかたわらには、いつも賢くやさしい犬がいて……
雨はやまない、川はあふれる、電気は止まる、食料はなくなる。
新聞は、ウソばかり書く。
権力者や富裕層は、自分たちだけ”ノアの箱舟”で逃げようとする。
事態は悪くなるばかり。絶望的な展開なのに、ユーモアにあふれ、ちっとも暗くない。
最後の最後まで、ハラハラドキドキ、楽しく読めるYA文学です。
アニメにしたら、ヒットしそう。
アフェイリア国には、もう何か月も雨が降り続いていました。ざあざあ降りの雨が。
フルカ川の上流では洪水が発生し、村も農地も水没してしまいました。
首都プレスト市に洪水が押し寄せるのは、時間の問題。プレスト市は、高い壁に囲まれていますが、上から降ってくる雨で、すでに水浸し。そこにさらに川の水が押し寄せてくれば、壁はくずれ、工場も家々も押し流されてしまうでしょう。
雨が止む気配はない。いったいどうすればいいのか。
未曾有の国難を前にして、スプリーマ(国家最高指導者)は、恐れをなし、どこかに雲隠れしてしまいます。さあ、困った。
スプリーマは、小柄で威厳のある女性でした。
夫のティモールは、15歳のメイドのグローリアを、スプリーマの身代わりに仕立てます。
グローリアは、スプリーマに背格好が似ているから。
グローリアは、スプリーマの服を着て、ベールを垂らした帽子をかぶり、声色もまねて、サインの筆跡まで練習して、国家最高指導者を演じます。発言のメモは、ティモールが書いてくれました。
15歳のメイドと、スプリーマ(国家最高指導者)の夫。
ふたりは、アフェイリア国を、いや、人々を救うために奔走します。
爆撃機に乗ったり、墜落したり、発砲したり、いのちがけで。
ウソもたくさんつきました。いいウソも悪いウソも。
グローリアのかたわらには、いつも賢くやさしい犬がいて……
雨はやまない、川はあふれる、電気は止まる、食料はなくなる。
新聞は、ウソばかり書く。
権力者や富裕層は、自分たちだけ”ノアの箱舟”で逃げようとする。
事態は悪くなるばかり。絶望的な展開なのに、ユーモアにあふれ、ちっとも暗くない。
最後の最後まで、ハラハラドキドキ、楽しく読めるYA文学です。
アニメにしたら、ヒットしそう。
掲載日:
書評掲載URL : http://blog.livedoor.jp/aotuka202
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読書は、登山のようなものだと思っています。読み終わるまでが上り、考えて感想や書評を書き終えるまでが下り。頂上からどんな景色が見られるか、ワクワクしながら読書という登山を楽しんでいます。
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- 出版社:小学館
- ページ数:0
- ISBN:9784092906556
- 発売日:2024年01月10日
- 価格:1980円
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