ソネアキラさん
レビュアー:
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三行革命。納得しないあなたに三行半
hackerさんの書評で知りました。多々感謝。
『三行怪々』大濱普美子著 を読む。
北野勇作の『100文字SF』に感化され、短いものを書こうとした、作者。それが「三行」の話。ショートショートよりも100文字SFよりも短い「約60字」 。
小説がかさまし作業なら、「三行」は徹底的に省略する作業。削りに削って読み手にいかに余韻を与えて狙った世界を伝えるか。どっちかというと俳句や短歌を詠む行為に近いかも。
幻想、ホラー、SG、不条理などこれまで小説で読んでいた世界と異なる点はユーモアや洒脱さがより強く感じられること。意外だった。
ある意味、作者の素の部分がでているのかも。老いとか、猫とか。新作は長年のドイツ暮らしで感じたカルチャーギャップをテーマにしたシャーリィ・ジャクスンばりのイヤミス風味のユーモア小説だったりして。
好きなものをサンプルとして引用。
「ちょっとそこまで。そう言って出かけたまま、どう
して戻って来ないのだろう。支度しておいた食事も古
び、考古学者が発掘に来た」
「明け方に猫がやって来た。私の額に肉球をあてて、
ご飯はまだかと訊く。眠たかったので、自分でやてよ
と言ったら、分かったと答えて台所に去った」
「祖母の形見の三面鏡。頭の後ろを見ようと合わせ鏡
にしたら、逆さになった顔が映って、もつれた髪がと
かせない」
余りにも端的な、短的な、探的な、澹的な。
『猫の木のある庭』大濱普美子著
『陽だまりの果て』大濱普美子著
『十四番線上のハレルヤ』大濱普美子著
『100文字SF』北野勇作著
『三行怪々』大濱普美子著 を読む。
北野勇作の『100文字SF』に感化され、短いものを書こうとした、作者。それが「三行」の話。ショートショートよりも100文字SFよりも短い「約60字」 。
小説がかさまし作業なら、「三行」は徹底的に省略する作業。削りに削って読み手にいかに余韻を与えて狙った世界を伝えるか。どっちかというと俳句や短歌を詠む行為に近いかも。
幻想、ホラー、SG、不条理などこれまで小説で読んでいた世界と異なる点はユーモアや洒脱さがより強く感じられること。意外だった。
ある意味、作者の素の部分がでているのかも。老いとか、猫とか。新作は長年のドイツ暮らしで感じたカルチャーギャップをテーマにしたシャーリィ・ジャクスンばりのイヤミス風味のユーモア小説だったりして。
好きなものをサンプルとして引用。
「ちょっとそこまで。そう言って出かけたまま、どう
して戻って来ないのだろう。支度しておいた食事も古
び、考古学者が発掘に来た」
「明け方に猫がやって来た。私の額に肉球をあてて、
ご飯はまだかと訊く。眠たかったので、自分でやてよ
と言ったら、分かったと答えて台所に去った」
「祖母の形見の三面鏡。頭の後ろを見ようと合わせ鏡
にしたら、逆さになった顔が映って、もつれた髪がと
かせない」
余りにも端的な、短的な、探的な、澹的な。
『猫の木のある庭』大濱普美子著
『陽だまりの果て』大濱普美子著
『十四番線上のハレルヤ』大濱普美子著
『100文字SF』北野勇作著
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女子柔道選手ではありません。開店休業状態のフリーランスコピーライター。暴飲、暴食、暴読の非暴力主義者。東京ヤクルトスワローズファン。こちらでもささやかに囁いています。
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詩や小説らしきものはこちら。
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- 出版社:河出書房新社
- ページ数:0
- ISBN:9784309031972
- 発売日:2024年07月29日
- 価格:1980円
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