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お店のポイント5倍デーには必ず行く。激安なマイナー品は怪しすぎて買わない。スタバは苦手だが、コメダは落ち着く…そんな消費者の心理と、販売者の戦略の秘密をお教えしましょう。
例えばこんな事はないですか?
1 お茶を買いに行ったコンビニで、目に飛び込んできた新作スナックを無意識にカゴに入れ、会計直前、レジ横にあるみたらし団子を無意識にレジ台にON。
2 百均にゴミ袋を買いに行き、TV番組で使ってた便利なシリコン刷毛とか、文具のプロが紹介してた面白い付箋とか、みたらし団子とか素敵なものをカゴに入れ、帰宅してからごみ袋の不在を悟る。
3 晩御飯のキーマカレーのためスーパーへ買い物に行ったのに、期限切れ間近の安売り豆腐に遭遇した瞬間、麻婆豆腐に変更!あとは朝食パンと、うっかり見つけたみたらし団子を購入してしまった夕暮れ時。
そう…人はみたらし団子を買いがちなのです!(違う)
団子はともかく、そんなカンジで何の気なしにしている日常の買い物って、実は結構いろいろなものに誘導されてるんですよ、と教えてくれるのが本書です。
商品のパッケージや値段設定はもちろん、あらゆる手段と方法で披露されるCM、ブランドイメージ戦略、他人の目を意識した価値観・・・などなど。
それらを以下の5つの章に分け、国内外の最新研究成果や、有名企業・ヒット商品の具体的事例を交えながら紹介される「お買い物心」をつかむ技は、想像以上に繊細で濃密な心理戦なのです。
消費者としては考えもしなかったことが知れて楽しいですし、自営業ながら販売・広告に携わるものとしては勉強になりました。
染み入るようによく理解できたのが、第2章に出てきた内的参照価格の解説。
店側は原価から計算して800円の価値がある商品を、期間限定お試し価格400円で売り出してバカ売れした場合、認知度が上がったと思って定価に戻すと全然売れない。
何故なら客側の心理にはその商品は400円だ!という内的参照価格が刻まれているので、800円は2倍の値上げ=買いたくない。
ここでは店と客ですが、あらゆる人間関係でこんな価値観のイメージ誤差は頻発しているものです。
膝を打ったのが、第3章の中で「ブランドを愛してくれるファンに売れ!」に出てきた
愛は強し!実際にコンビニで確認してから本書を読むと、かなり納得できます。
その他、
・客寄せのために赤字覚悟の目玉商品(ロスリーダー)と、それだけしか買わない客(チェリービッカー)の悪循環
・日本でのタレント広告の有効性と危険性(バンパイア効果=タレントばかりに目がいって広告している商品に目がいかない・不祥事によるイメージ低下など)
・懐かしのセクシー広告(レオタードの女性が踊りまくる謎のCM・酒場の水着美女ポスター・保険の外交員が配るヌードカレンダーなど)
・借金が多くなると高級ブランド物が欲しくなる→自尊心が高すぎる人の絶望的落とし穴
…など、笑いあり恐怖ありの盛りだくさん。
と、大変興味深い本なんですが、どうしても外国産のデータが多くてツッコミ心が…。
1 味と一致する色の方が商品を認識しやすいって話で、架空のポテチでデータをとった時、バーベキューは暗赤、チキンはオレンジ、トマトは赤、レモンは黄or緑、キュウリ味が緑。
いや色の前にポテチに胡瓜?瓜味の揚げた芋は海外で常識なの?
2 飲食店メニューは日本の写真入りと違って、海外は文字だけなのが一般的だそうで。料理名だけだとピンとこないメニューも、一言添えれば美味しさ増強で実際よく売れるとか。
例1 「赤インゲン豆ライス添え」→「トラディショナルケイジャン風味の赤インゲン豆ライス添え」
分かりにくさがパワーアップしてると思うのは私だけ?
例2 「ズッキーニクッキー」→「おばあちゃんのお手製ズッキーニクッキー」
おばーちゃん、なんでそのチョイスなの?
その他数々のツッコミどころを含めて、消費者心理学が大変楽しく理解できる本です。
消費者としては賢いお買い物の参考に、販売・広告に携わる方には消費者目線を考えて効果的作戦を練るヒントに、そしてすべての方に心理学のおもしろい読み物として、本書をお勧めいたします。
1 お茶を買いに行ったコンビニで、目に飛び込んできた新作スナックを無意識にカゴに入れ、会計直前、レジ横にあるみたらし団子を無意識にレジ台にON。
2 百均にゴミ袋を買いに行き、TV番組で使ってた便利なシリコン刷毛とか、文具のプロが紹介してた面白い付箋とか、みたらし団子とか素敵なものをカゴに入れ、帰宅してからごみ袋の不在を悟る。
3 晩御飯のキーマカレーのためスーパーへ買い物に行ったのに、期限切れ間近の安売り豆腐に遭遇した瞬間、麻婆豆腐に変更!あとは朝食パンと、うっかり見つけたみたらし団子を購入してしまった夕暮れ時。
そう…人はみたらし団子を買いがちなのです!(違う)
団子はともかく、そんなカンジで何の気なしにしている日常の買い物って、実は結構いろいろなものに誘導されてるんですよ、と教えてくれるのが本書です。
商品のパッケージや値段設定はもちろん、あらゆる手段と方法で披露されるCM、ブランドイメージ戦略、他人の目を意識した価値観・・・などなど。
それらを以下の5つの章に分け、国内外の最新研究成果や、有名企業・ヒット商品の具体的事例を交えながら紹介される「お買い物心」をつかむ技は、想像以上に繊細で濃密な心理戦なのです。
第1章 どうすればおいしそうに見えるのか----商品認知の心理学
第2章 安売りするとどんどん売れなくなっていく----価格の心理学
第3章 スタバはMac使いの新しもの好き24歳----ブランドの心理学
第4章 比較広告は本当に有効なのか----広告の心理学
第5章 最高のものを求める人は幸せか----消費行動の個人差の心理学
消費者としては考えもしなかったことが知れて楽しいですし、自営業ながら販売・広告に携わるものとしては勉強になりました。
染み入るようによく理解できたのが、第2章に出てきた内的参照価格の解説。
店側は原価から計算して800円の価値がある商品を、期間限定お試し価格400円で売り出してバカ売れした場合、認知度が上がったと思って定価に戻すと全然売れない。
何故なら客側の心理にはその商品は400円だ!という内的参照価格が刻まれているので、800円は2倍の値上げ=買いたくない。
ここでは店と客ですが、あらゆる人間関係でこんな価値観のイメージ誤差は頻発しているものです。
膝を打ったのが、第3章の中で「ブランドを愛してくれるファンに売れ!」に出てきた
ケース研究 亀田の「ソフトサラダ」はコンビニのどの棚にあるか
愛は強し!実際にコンビニで確認してから本書を読むと、かなり納得できます。
その他、
・客寄せのために赤字覚悟の目玉商品(ロスリーダー)と、それだけしか買わない客(チェリービッカー)の悪循環
・日本でのタレント広告の有効性と危険性(バンパイア効果=タレントばかりに目がいって広告している商品に目がいかない・不祥事によるイメージ低下など)
・懐かしのセクシー広告(レオタードの女性が踊りまくる謎のCM・酒場の水着美女ポスター・保険の外交員が配るヌードカレンダーなど)
・借金が多くなると高級ブランド物が欲しくなる→自尊心が高すぎる人の絶望的落とし穴
…など、笑いあり恐怖ありの盛りだくさん。
と、大変興味深い本なんですが、どうしても外国産のデータが多くてツッコミ心が…。
1 味と一致する色の方が商品を認識しやすいって話で、架空のポテチでデータをとった時、バーベキューは暗赤、チキンはオレンジ、トマトは赤、レモンは黄or緑、キュウリ味が緑。
いや色の前にポテチに胡瓜?瓜味の揚げた芋は海外で常識なの?
2 飲食店メニューは日本の写真入りと違って、海外は文字だけなのが一般的だそうで。料理名だけだとピンとこないメニューも、一言添えれば美味しさ増強で実際よく売れるとか。
例1 「赤インゲン豆ライス添え」→「トラディショナルケイジャン風味の赤インゲン豆ライス添え」
分かりにくさがパワーアップしてると思うのは私だけ?
例2 「ズッキーニクッキー」→「おばあちゃんのお手製ズッキーニクッキー」
おばーちゃん、なんでそのチョイスなの?
その他数々のツッコミどころを含めて、消費者心理学が大変楽しく理解できる本です。
消費者としては賢いお買い物の参考に、販売・広告に携わる方には消費者目線を考えて効果的作戦を練るヒントに、そしてすべての方に心理学のおもしろい読み物として、本書をお勧めいたします。
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スマホを初めて買いました!その日に飛蚊症になりました(*´Д`)ついでにUSBメモリーが壊れて書きかけレビューが10個消えました・・・(T_T)
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- 出版社:実務教育出版
- ページ数:0
- ISBN:9784788914933
- 発売日:2024年07月31日
- 価格:1760円
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