morimoriさん
レビュアー:
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主要人物たちの目を通して綴られる平家物語
 平家源氏皇室を取り巻く抗争,どろどろとした人間関係が描かれた平家物語が苦手だった。以前読んだ小説、今村彰吾氏の「茜唄」で見方が変わり林真理子氏の作品ならばと「平家物語」を手に取った。苦手意識を持ちつつも序章 「治部卿の局」 を読み始める。平知盛の北の方治部卿の局の目線を通してのこれから始まる壇ノ浦の戦いに緊張が走る。知盛の妻となるまでのいきさつや現在の心境、娘を実家の藤原家に託し知忠とともに小舟に揺られ、水に飛び込む運命と知りつつも、蒔絵細工の櫛を水夫に下し、我が子を託そうとする母としての思いが切ない。
一章琵琶法師が語る 「入道相国清盛」権力を手にすると人は、どこまでも傲慢になっていくのか。桓武天皇の五番目の皇子葛原親王から9代下がった讃岐守正盛の嫡男が清盛の父忠盛という。貴族たちの陰湿ないじめにあいながらも、異例な出世を遂げたのは鳥羽上皇に愛されたから。三十三間堂の御堂に千体の御仏を安置し鳥羽上皇に献上したそうだ。(そうだったのか)忠盛は、忠勤ぶりを認められ白河天皇の愛妾を賜ったとあり、その腹の中には白河院の御子(清盛)が宿っていたという。まことしやかな噂とあったが、確か大河ドラマでもそのようなシーンがあったような記憶がある。現在からは信じられないような人間関係に驚きつつもそういう時代だったのかと納得するしかない。
清盛と後白河天皇とは蜜月関係があったにもかかわらず、結局は敵対し平家を滅ぼす命を出した後白河天皇。さらに、平家を追い込んた張本人でありながら寂光院の尼となった建礼門院徳子のもとを訪れたのは何を考えていたのか。
気の毒と思うのは、源義経だ。一昨年、義経が幼い頃育ったという鞍馬寺を訪れた。幼い義経が修行をしたという場所を見学した。母からは武士になろうとはゆめゆめ考えるな、学問で身を立てよと言われたにもかかわらず敏捷さを持ちえた義経は太刀の型を覚えた後、奥州平泉の藤原秀衡から武芸を教わった。武芸に秀でた義経は、平家討伐に手柄をたてたにもかかわらず、後に頼朝に追われる身となった。
平家物語を読み終えたあと
 
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはず
おごれる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ
偏に風の前の塵に同じ
この文章はとても心に響いてくる。
一章琵琶法師が語る 「入道相国清盛」権力を手にすると人は、どこまでも傲慢になっていくのか。桓武天皇の五番目の皇子葛原親王から9代下がった讃岐守正盛の嫡男が清盛の父忠盛という。貴族たちの陰湿ないじめにあいながらも、異例な出世を遂げたのは鳥羽上皇に愛されたから。三十三間堂の御堂に千体の御仏を安置し鳥羽上皇に献上したそうだ。(そうだったのか)忠盛は、忠勤ぶりを認められ白河天皇の愛妾を賜ったとあり、その腹の中には白河院の御子(清盛)が宿っていたという。まことしやかな噂とあったが、確か大河ドラマでもそのようなシーンがあったような記憶がある。現在からは信じられないような人間関係に驚きつつもそういう時代だったのかと納得するしかない。
清盛と後白河天皇とは蜜月関係があったにもかかわらず、結局は敵対し平家を滅ぼす命を出した後白河天皇。さらに、平家を追い込んた張本人でありながら寂光院の尼となった建礼門院徳子のもとを訪れたのは何を考えていたのか。
気の毒と思うのは、源義経だ。一昨年、義経が幼い頃育ったという鞍馬寺を訪れた。幼い義経が修行をしたという場所を見学した。母からは武士になろうとはゆめゆめ考えるな、学問で身を立てよと言われたにもかかわらず敏捷さを持ちえた義経は太刀の型を覚えた後、奥州平泉の藤原秀衡から武芸を教わった。武芸に秀でた義経は、平家討伐に手柄をたてたにもかかわらず、後に頼朝に追われる身となった。
平家物語を読み終えたあと
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはず
おごれる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ
偏に風の前の塵に同じ
この文章はとても心に響いてくる。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:小学館
- ページ数:0
- ISBN:9784093866989
- 発売日:2023年11月24日
- 価格:1870円
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