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はなとゆめ+猫の本棚
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風雨は、その音が聞こえる。雪は、気が付くと生活ができないほど積もっている。
 恥ずかしい話になるが、小学生1年だったか2年だったか低学年の頃、父親から叱られて、家をでて、家の耕作地があるところにあった畑、水田で使う道具が置いてある保管小屋に隠れたことがあった。

 冬の寒い日でジャンパーやセーターを何枚も重ねて一晩中小屋にいた。で、朝起きたらびっくり、雪が胸のあたりまで積もっていて、全く家に帰れなくなった。お腹は減るし、寒いしどうにもならずじっとしていると、夕方、親父と数人の村の男の人たちが深い雪のなかおなかのあたりまで雪に埋まりながらやってきて、助けてくれ、男の人たちに抱えられ雪の中を脱出したことがあった。

 紹介の本の舞台は長野県の別荘地K町。藤田さんが、妻の作家の小池真子さんと長く暮らした軽井沢を舞台にしている。

 そんなK町で大雪が降り、別荘地までの道や、幹線道路が閉ざされ、それによって起こる人生の悲喜こもごもテーマにした6編が収録されている。

 第一話は、お金が無くなり老婆からお金をひったくった青年が、大雪の別荘地に迷い込みそこで出会う老婆との出会いを描く

 第2話東京で亡くなった遺体を遺族とともに葬儀を行う町まで運ぶ途中で大雪にあい、交通がストップした時に起こる娘と遺体である母との追憶の物語

 第3話大雪の中、逃げた愛犬を探す話。この愛犬探しにつきあった雪男と思われる見知らぬ男との淡い交情を描く。

 そのほか雪を背景に味わい深い作品が続く。

 最近は、豪雨災害、土砂崩れの被害が、多く喧伝されるが、雪による被害も大変なものだとこの作品を読んで改めて再認識した。
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はなとゆめ+猫の本棚
はなとゆめ+猫の本棚 さん本が好き!1級(書評数:6225 件)

昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。

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