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たけぞう
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続篇ですが、単独でも楽しめます。
副題は、続七夜物語です。巻末紹介で続篇だと分かりました。しかし著者のあとがきには、いつの間にか書き始めてしまった続篇ということで、前作とのリンクは強くないです。読んでいるうちに前作の内容がある程度想像できるので、単独でも充分楽しめましたよ。

児童書です。YA作品とか、ジュブナイルと呼ばれるジャンルです。著者の児童文学を初めて読みますが、違和感はありませんでした。むしろ著者の穏やかな作風がマッチしていて、この分野がメインの書き手ではないかと錯覚するほどです。著者の作品には二系統あるという評がありますが、この作品はわたしの好きな系統でしたね。

書誌情報でファンタジー要素に触れられていますが、その場面はごく一部です。大半は、りらと絵(かい)の二人の視点で交互に書かれていく学校生活です。二人は、小学校四年生という多感な時期の入り口にいます。青春小説というと、十代前半から中盤のイメージですが、十才という取り上げ方もあるんだなと感心しました。それくらい、良い作品に出合った感があったのです。

りらは女の子です。観察に没頭するタイプです。幼稚園や小学校低学年で、虫や動物、魚などを何時間でも見続ける子はいますよね。それでも、多くの子は年齢とともに周りの子の顔色を伺うようになり、人間関係をうまくこなすようになります。りらは、その分野でちょっと遅れているようです。だから、うまの合わない三人組が現れてしまい、いじめられるようになるのです。

絵は男の子です。りらよりも周りを見られますが、りらのような信念を持つタイプに憧れるし、引け目もあるようです。だから二人は、お互いを尊敬し、足りないところを助け合うように親友になったのです。

小学校中学年特有の、ひりつく一歩手前の微妙な人間関係がとてもよく伝わってきます。二人を応援したい気持ちに引っ張られ、読み進んでいきました。四百七十一頁ありますが、ゆっくりと慈しむように読んでいく作品ですよ。
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たけぞう
たけぞう さん本が好き!免許皆伝(書評数:1468 件)

ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。

自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。

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