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Rokoさん
Roko
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読解力がないし、人の気持ちがわからない、そんな彼らにしてきたのは誰?
面接でいい人だなと思って雇ってみたら、どうも仕事がちゃんとできないという人が増えている。仕事の手順を説明して診たり、お客様への対処法をこうやってみたらと指導してみるのだけれど、その時は「わかりました」というけれど、ちっとも変らない人だったり。そもそも「どうして、そんなことを言われなければならないのか」と反発する人、時にはパワハラだと反論されてしまうこともあるというのです。

たとえば、「このデータをPCで入力して、終わったらデータをシュレッダーにかけて破棄してください。」という指示をしているのに、いきなりシュレッダーへ向かってしまう人がいるというのには、「はぁ?」という感じですよね。そんな風に指示されたことを理解できない人が増えているのは何故なのか?をこの本は説明しています。

昔と違って今の教育では「褒める」ことを主体にしています。ですから「叱られ慣れていない」人が増えているというのが、ひとつの理由であるようです。そして、他人と関わることが減っている現代だからこその考えの狭さが問題なのです。仕事の手順が間違っていますよという話をしているのに、自分が否定されていると受け取ってしまう人が多くいるのは、とても残念な状況です。


〇能力改善の3つの柱
・認知能力(読解力)
・メタ認知(振り返る力・大局的に考える力)
・非認知能力
 (忍耐強く物事に取り組む力、集中力、人の気持ちを共感する力、自分の感情をコントロールする力など、学力のような知的能力に直接含まれない能力(EQ))

こういう能力がないということは、年齢的には大人になっても、頭の中は大人になっていないということですね。


最近、闇バイトで捕まった人の話をニュースで見たのですが、「ホワイト案件」という言葉に騙されてしまったというのです。求人側が「ホワイト案件」と言っている段階で、これは怪しいと思わないのも、安易に身分証明書を相手に渡してしまうのも、こういう能力を身につけずに来てしまった人だからこそなのでしょうね。

そして、指示役が現場にいる彼らにケータイで逐一支持を与えているのは、経験もなく、状況判断ができない彼らを使うには、こうするしかないということなのでしょう。ある意味、闇バイトの指示役は今時の人の使い方に熟知していると言えるのかも?


そして最後に、
この本は、こういう人がいるという説明ばかりが長くて、最後の章まで読んだところでやっと対処法がわかるという構成で、読む人の気持ちになっていない構成であるところがとても気になりました。
指示する側にも問題ありという気がしてしまいます。
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Roko
Roko さん本が好き!1級(書評数:2963 件)

好きなジャンルはスポーツ、音楽、美術。
心・脳に関するものも、ついつい読んでしまいます。
小説もいいけどノンフィクションもね!

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この書評へのコメント

  1. Tetsu Okamoto2024-10-29 18:47

    ホワイト案件で闇バイトにひっかかるひとについて
    これは詐欺師がうまいのです。詐欺師にとってはカモについて途中でやめられるのが困るのでえりすぐりのカモ、えいりすぐりのバカを選ぶ必要があります。そのためツッコミ所満載の勧誘文句をわざとつくり、まともなひとをふるいにかけるのです。

  2. Roko2024-10-29 21:22

    なぁるほど、あの文章で引っかかるような人を集めたいということですか。
    そう考えると、凄い知能犯ですね。

  3. No Image

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