morimoriさん
レビュアー:
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女性初の弁護士、判事、そして裁判所長と女性が社会的に活躍できる道を切り開いた三淵嘉子さんの生き様と功績。
 今から83年前、日本初の女性弁護士誕生。女性差別があり、女性の職業的制限があった戦前のこと。どれだけ大変な思いをして、弁護士となり仕事を頑張り続けたのか。戦争で夫を失い、家族も亡くなり一人息子を育てながらの激務。再婚し、3人の子どもの母となるも転勤命令があれば単身生活を余儀なくされる。人気の朝ドラを見ていると、この本に綴られている三淵嘉子氏をとりまく状況が事実に基づいて描かれていることがわかる。
家庭裁判所の母となり5000人もの少年少女と向き合ったという。子どもが問題を起こすのは、その子どもに問題があるのではなく親に何かしらの問題があることを察した三淵氏は、子どもに対してだけではなく、母親にも寄り添って話を聞き対応していたそうだ。担当していた若い裁判官は、ドラマを見ていたような感動を覚えたという。実際の朝ドラで多くの視聴者が感動する訳だ。仕事では穏やかな様子が想像できるものの、家庭においてはご子息へのインタビューからは気性の激しさを見せている。そのギャップが意外だが、人間誰しも心を許した人に対しては素の自分を見せるのだと母親としての三淵氏にも好感を持てた。
三淵氏と所縁のある人たちのメッセージも記載されていて、この人がドラマの誰それのモデルかもしれないと思いつつ読んでいるのも楽しい。日本国憲法のもと誰しもが平等のはずなのに、今だに差別があるのが残念だ。男女平等も完全にそうかといえば、まだまだ平等とは言えないのではないか。先人たちの苦労を忘れることなく、私たちもできることを頑張らなくては。
家庭裁判所の母となり5000人もの少年少女と向き合ったという。子どもが問題を起こすのは、その子どもに問題があるのではなく親に何かしらの問題があることを察した三淵氏は、子どもに対してだけではなく、母親にも寄り添って話を聞き対応していたそうだ。担当していた若い裁判官は、ドラマを見ていたような感動を覚えたという。実際の朝ドラで多くの視聴者が感動する訳だ。仕事では穏やかな様子が想像できるものの、家庭においてはご子息へのインタビューからは気性の激しさを見せている。そのギャップが意外だが、人間誰しも心を許した人に対しては素の自分を見せるのだと母親としての三淵氏にも好感を持てた。
三淵氏と所縁のある人たちのメッセージも記載されていて、この人がドラマの誰それのモデルかもしれないと思いつつ読んでいるのも楽しい。日本国憲法のもと誰しもが平等のはずなのに、今だに差別があるのが残念だ。男女平等も完全にそうかといえば、まだまだ平等とは言えないのではないか。先人たちの苦労を忘れることなく、私たちもできることを頑張らなくては。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
この書評へのコメント
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- 出版社:日本評論社
- ページ数:0
- ISBN:9784535527454
- 発売日:2023年12月18日
- 価格:1320円
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