morimoriさん
レビュアー:
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書籍未収録、SNSに投稿された山本文緒氏の言葉をまとめた最後のエッセイ。山本氏の生涯と作品の年譜が掲載されている。
 2021年10月に膵臓癌により亡くなった山本文緒氏のエッセイ。山本文緒氏の小説は、1990年代の作品を読み始めタイトルにも惹かれてずっと読んできた。当時中学生だった長女が、「チェリーブロッサム」だったかを読んでおもしろいと友人にも薦めていた。コバルト文庫から多くの作品を出版していた山本氏の作品は、10代の少女が読んでも読みやすかったのだろう。
私はどの作品もわくわくしながら読んでいたけれど、「恋愛中毒」までは全然売れなかったそうだ。後にドラマ化した作品もあったそうだが、残念ながらどのドラマも私は見ていない。山本氏の作品は小説はもとより、エッセイも惹かれる。この作品の中でも断食道場へ参加した話や、愛猫さくらおばさんのこと、再婚した王子の話、お父様の入退院の話など話題豊富で読み手を飽きさせない。ご本人は、鬱病を患って辛く大変な時期もあったかと思われるが、そんな大変なことも感じさせないのが凄い。以前にも読んだ「再婚生活」の中でもパートナーのことを王子と綴っていたのが印象的だった。素敵な呼び方だと思ったが、我が家では夫のことを絶対に王子などとは言えない。
この作品の中でも綴られていたNHK「あさイチ」出演の話。本番まで不安と自身のなさでキリキリ胃の痛む毎日だったそうだが、終わってみると 私の人生はここがピークだったのではないかというくらいの幸福な出来事だったと思います。 とあった。この胃の痛みが関係しているのか4月に膵臓癌が発覚する。番組では放送中ずっと笑顔で素敵な山本氏だったのに。
ずっと愛読し続けていた山本氏の作品が鬱病を患っている時期、読むことが叶わなかったのが残念だった。やっとお元気になられて読むことができると楽しみにしていたのに「自転しながら公転する」も素晴らしい作品だったのに気がつくともう山本氏の新刊は読むことが叶わない。「自転しながら公転する」で第16回中央公論文芸賞を受賞した際の言葉と山本氏の笑顔が切ない「そうか、きみはもういないのか」哀しい思いで読み終えた。心から山本文緒氏のご冥福をお祈りします。
私はどの作品もわくわくしながら読んでいたけれど、「恋愛中毒」までは全然売れなかったそうだ。後にドラマ化した作品もあったそうだが、残念ながらどのドラマも私は見ていない。山本氏の作品は小説はもとより、エッセイも惹かれる。この作品の中でも断食道場へ参加した話や、愛猫さくらおばさんのこと、再婚した王子の話、お父様の入退院の話など話題豊富で読み手を飽きさせない。ご本人は、鬱病を患って辛く大変な時期もあったかと思われるが、そんな大変なことも感じさせないのが凄い。以前にも読んだ「再婚生活」の中でもパートナーのことを王子と綴っていたのが印象的だった。素敵な呼び方だと思ったが、我が家では夫のことを絶対に王子などとは言えない。
この作品の中でも綴られていたNHK「あさイチ」出演の話。本番まで不安と自身のなさでキリキリ胃の痛む毎日だったそうだが、終わってみると 私の人生はここがピークだったのではないかというくらいの幸福な出来事だったと思います。 とあった。この胃の痛みが関係しているのか4月に膵臓癌が発覚する。番組では放送中ずっと笑顔で素敵な山本氏だったのに。
ずっと愛読し続けていた山本氏の作品が鬱病を患っている時期、読むことが叶わなかったのが残念だった。やっとお元気になられて読むことができると楽しみにしていたのに「自転しながら公転する」も素晴らしい作品だったのに気がつくともう山本氏の新刊は読むことが叶わない。「自転しながら公転する」で第16回中央公論文芸賞を受賞した際の言葉と山本氏の笑顔が切ない「そうか、きみはもういないのか」哀しい思いで読み終えた。心から山本文緒氏のご冥福をお祈りします。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:0
- ISBN:9784041128053
- 発売日:2022年09月21日
- 価格:858円
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