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morimoriさん
morimori
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アメリカで図書館司書を務めその後、世界の図書館を旅する著者が綴るバラエティに富んだ図書館の数々。
図書館で働いていると、日々いろいろなことが起こる。遣り甲斐のある仕事と思って働いているけれど、日本の公共図書館とアメリカの公共図書館との違いに改めて驚いた。以前菅谷明子氏の著作「未来をつくる図書館ーニューヨークからの報告」だったり、映画だったりである程度は知っていたつもりだった。しかし、世界中の図書館を旅するパス・キスク氏はバラエディに富んだ図書館を紹介してくれた。

 インスタ映えする図書館の話や図書館ねこの話。さらに、印象的だったのは楽器の図書館。バンクーバー中央図書館やカリフォルニアのサクラメントには、楽器を貸し出す図書館があるらしい。そして、寄る辺ない人たちのオアシスとして紹介されていたのは、シアトル中央図書館。主な利用者がホームレスの人たちというのが少し驚いた。ホームレス利用者を対象に心理相談や就職、法律、慰労、住居、職業訓練を支援し携帯電話も支給しているという。シャワーのある施設やシェルターなどの案内もしてくれるらしい。アメリカほどではないかもしれないが、日本でもホームレスの人たちは存在する。普段見かけないだけなのかもしれない。

 先日、私が勤務する図書館にもビリビリに破けたシャツを着た男性が訪れた。ただ、図書館で本を読むだけの利用者だったが気になる存在だった。その人がホームレスなのかはわからないが、日本でも支援できるようなことができれば、せめて図書館がそういう人たちのオアシスのような場所になったら良い。

 読んでいると著者と一緒に図書館を巡り旅しているかのように思えてくる。閲覧室からサンディエゴの街並みが一望できるという図書館や、野外庭園のある図書館、長居してしまうほど周りの風景が美しすぎる図書館や世界で最も美しい図書館のひとつに選ばれたというドイツの図書館など、読んでいるだけでワクワクしてくる。最後には旅行計画に加えるべき図書館や、図書館に関する書籍も紹介されている。日常生活の中で図書館の存在が欠かせない人や、読書好きな人は楽しんで読める一冊ではないかと思う。

 
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morimori
morimori さん本が好き!1級(書評数:951 件)

多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。

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