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三太郎さん
三太郎
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ヤマザキさんがコロナ禍で考えた食のお話。
ヤマザキマリさんのエッセイはもう何冊か読んでいて、同じような話が出てくるんじゃないかと予想しながらもつい手に取って買ってしまいます。

これはコロナ禍の最中にWEBに連載された記事を再構成したものとか。タイトル通り食べ物の話題が中心でした。

ピザの話題は、イタリア南部のピザの生地は分厚いパンのようで、北部のは生地が薄いという話。同じイタリアでも出身地によって生地に違いがあるとか。(僕は薄いパリッとした生地が好きですが・・・)

でも以前にイタリア人が書いた本で、今のピザは第二次大戦後に急増したアメリカ人観光客向けにアメリカ式のピザを食べさせる店ができたのが始まりだと書いてありました。アメリカに渡った南部出身のイタリア人がアメリカで広めたもので、生地は分厚かったとか。それがイタリアに逆輸入されたらしい。ヤマザキさんの本ではピザはイタリアで生まれた食べもののように読めますが、実際は複雑な事情があるみたいです。

それにイタリア人が家庭料理にトマトを大量に使うようになったのもそう古いことでないそうで、イタリアの家庭料理の歴史は意外に浅さそうなのですが、いまでは各家庭でトマトの瓶詰めを作るくらい必須の食材だとか。

ヤマザキさんが日本で友人らと食事した店で、一皿1000円のペペロンチーノを見て、こんなのは原価が百円だと息巻いていたところ、隣席のTVのディレクターに聞かれてTVで料理のコーナーを持つようになったという話は別の本でも読んだ記憶がありますが、普通のラーメンよりペペロンチーノが高いというのは僕でも納得できませんね。

先日、仙台の駅前で高校時代からの友人のI君と昼飯を食べようと店を探していて、有名なパスタ専門のチェーン店の前を通りかかり、パスタが1300円は高すぎるだろうとI君に言ったら、イタリアではお店でパスタだけ注文する人はいない、よほど貧乏な人だと思われると、ミラノに20年以上住んでいたI君に言われました。そのお店のパスタは美味しいのではありますが。

その他、イタリアでは夏はメロンを大量に食べるとか、イタリア人は栗が大好きとか、炭酸水のウィルキンソンは実は日本生まれだったとか、食に関する話題が豊富でした。
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三太郎
三太郎 さん本が好き!1級(書評数:829 件)

1957年、仙台に生まれ、結婚後10年間世田谷に住み、その後20余年横浜に住み、現在は仙台在住。本を読んで、思ったことあれこれを書いていきます。

長年、化学メーカーの研究者でした。2019年から滋賀県で大学の教員になりましたが、2023年3月に退職し、10月からは故郷の仙台に戻りました。プロフィールの写真は還暦前に米国ピッツバーグの岡の上で撮ったものです。

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