morimoriさん
レビュアー:
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暗黒世界を描いた様な6つの短編集。
 原田マハ氏の短篇作品を初めて読んだ。タイトル通り、人間の暗黒部分を描いた様な作品。誰も幸せからは遠く、明るい笑顔もなければ楽しい話でもない。けれど、なぜかしら惹かれて読んでしまうのは作者の筆力なのか。
学校でイジメに会い、落ち込んでばかりの毎日で真央にとって唯一心休まる場所は、押し入れの中。ある日、いつものようにコンビニで買い物をしていると幼なじみの流花に再会した「深海魚」
フィラデルフィア近郊で発生した霧のせいで、ボストン美術館の講演会に遅れそうなキョウコ。パネルディスカッションのテーマは「18~19世紀西洋美術・日本美術における「楽園」について。急いで会場へと向かうのだが。「楽園の破片」
不倫をしているカップルが、室生寺を訪れる話「指」
1997年9月イタリア中部マルケ・ウンブリア地方で発生したマグニチュード5・5の地震で聖フランチェスコ大聖堂のバシリカが半壊し、天井のフレスコ画が崩れ落ちた。大聖堂の修復に参加することになったアキ・タクラはフレスコ画の破片を拾った少女に出会った。「キアーラ」
絵画「オフェーリア」に描かれている女性が、瀕死の姿になりながら画中から見たもの、自らの記憶を語る。
画家ゴッホの舞台の脚本を担った塚本は、今までのゴッホの印象だった「狂気の」とか「天才」というものを除き、何をやっても世間から注目されずうだつの上がらないゴッホを描いた。ゴッホは画家になってからは写真が1枚も残っていないらしい。そんな中、たった1枚背中を向けたゴッホの写真を手に入れた「向日葵奇譚」
原田マハ氏の短篇を初めて読んだ。絵画をモチーフにした作品なのだろうと思ったが、今までの作品よりも、人間の内面を扱ったような作品だった。ミステリアスな部分があったり、人間の業のようなものが感じられる作品は新鮮な感じがした。小説の中で絵画を楽しめると思ってページを捲っただけに、少し残念だった。「オフェーリア」は実際に観たことはないが、好きな絵画なので興味津々だったが、女性が瀕死の状態にある絵画は、幸福であるはずもなくまさしくそういうことなのかもしれないと納得した。黒い絵はまさに、人の黒い部分を浮き彫りにした作品なのだと思った。
学校でイジメに会い、落ち込んでばかりの毎日で真央にとって唯一心休まる場所は、押し入れの中。ある日、いつものようにコンビニで買い物をしていると幼なじみの流花に再会した「深海魚」
フィラデルフィア近郊で発生した霧のせいで、ボストン美術館の講演会に遅れそうなキョウコ。パネルディスカッションのテーマは「18~19世紀西洋美術・日本美術における「楽園」について。急いで会場へと向かうのだが。「楽園の破片」
不倫をしているカップルが、室生寺を訪れる話「指」
1997年9月イタリア中部マルケ・ウンブリア地方で発生したマグニチュード5・5の地震で聖フランチェスコ大聖堂のバシリカが半壊し、天井のフレスコ画が崩れ落ちた。大聖堂の修復に参加することになったアキ・タクラはフレスコ画の破片を拾った少女に出会った。「キアーラ」
絵画「オフェーリア」に描かれている女性が、瀕死の姿になりながら画中から見たもの、自らの記憶を語る。
画家ゴッホの舞台の脚本を担った塚本は、今までのゴッホの印象だった「狂気の」とか「天才」というものを除き、何をやっても世間から注目されずうだつの上がらないゴッホを描いた。ゴッホは画家になってからは写真が1枚も残っていないらしい。そんな中、たった1枚背中を向けたゴッホの写真を手に入れた「向日葵奇譚」
原田マハ氏の短篇を初めて読んだ。絵画をモチーフにした作品なのだろうと思ったが、今までの作品よりも、人間の内面を扱ったような作品だった。ミステリアスな部分があったり、人間の業のようなものが感じられる作品は新鮮な感じがした。小説の中で絵画を楽しめると思ってページを捲っただけに、少し残念だった。「オフェーリア」は実際に観たことはないが、好きな絵画なので興味津々だったが、女性が瀕死の状態にある絵画は、幸福であるはずもなくまさしくそういうことなのかもしれないと納得した。黒い絵はまさに、人の黒い部分を浮き彫りにした作品なのだと思った。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:講談社
- ページ数:0
- ISBN:9784065332399
- 発売日:2023年11月01日
- 価格:1870円
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