書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

Rokoさん
Roko
レビュアー:
人間の愚かさを動物の姿を借りて表現したオーウェル、恐るべし
それまで人間が運営していた農場では、動物たちは酷い扱いを受けていました。重い荷物を運ぶ動力だったり、牛乳や卵を供給する機械のような扱いを受けていた彼らは、「人間を追い出して自分たち動物だけの農場を作る」という計画を立てました。

リーダーとなったのはナポレオンとスノーボールという二匹の豚でした。計画は成功し、動物だけで運営する農場が生まれたのです。最初の頃はとても幸せでした。人間が搾取していた分を自分たちで公平に分け合っていく暮らしはとても理想的に思えたのです。でも、スノーボールが追放されて、リーダーとなったナポレオンは次第に権力を強めていったのです。


この原作が書かれたのは1945年、第二次世界大戦が終わった年です。この物語の中でナポレオンはレーニンを、スノーボールは後に暗殺されてしまうトロツキーをモデルにしています。ソ連は「みな平等」という思想で生まれた国であったはずなのに、実際にはそうはならず1991年に崩壊しました。

国家であれ、会社であれ、宗教であれ、権力を持つと、人はなぜ余りにも愚かなことをしてしまうのでしょう。最近のニュースはそういうことばかりです。結局は「欲」なんでしょうか。

80年近く前に書かれた小説が、まるで今日のことのように思えるのが怖くてなりません。
人間の愚かさをこうやって表現したオーウェル、恐るべしと思いました。


最初の方は牧歌的な風景が可愛い挿絵で表現されているなという感じだったのですが、物語が進むにつれ、段々と疲れが出てくる動物たちの姿が、この物語を上手く表現しているなと思いました。


#絵物語動物農場 #NetGalleyJP
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
投票する
投票するには、ログインしてください。
Roko
Roko さん本が好き!1級(書評数:2964 件)

好きなジャンルはスポーツ、音楽、美術。
心・脳に関するものも、ついつい読んでしまいます。
小説もいいけどノンフィクションもね!

読んで楽しい:1票
参考になる:26票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ