ソネアキラさん
レビュアー:
▼
「差別の話になったわ」著者がこの本を娘に言った言葉。遺作

『狩りの時代』津島佑子著を読んだ。
ヒトラーユーゲントの来日が重要なモティーフとなっている。ええと検索したら、ヒトラーユーゲントが来日したのは1938年。そのとき、出迎えの歓迎をしたいとこたち。戦前、戦中、戦後。その成長を通しての日本とアメリカ。日本人とアメリカ人。都会と田舎。家族と血族。
ぼくの両親も兄弟の数が多くて必然いとこもたくさんいて、よく遊んだりした。少子化となったいまは、いとこなんてそんなに濃厚なつきあいはしていないのだろう。
戦後強くなったものは女性とストッキングとか言われるが、この本に出てくる女性たちも自分の意志で生きようとする。アカデミックな空気が漂っているのは、この世代の人たちならではのものという気がする。具体例を挙げるなら、閉館してしまった岩波ホールとか。
ヒトラーユーゲントの金髪と青い目。アーリア人の純血種の保存のためにユダヤ人を排斥したナチス。健全な社会の建設のために健常者ではない者も排斥しようとしたナチス。ヒトラーユーゲントが最近見たものに似ている。何だろうと思ったらトランプファミリーだった。トランプはドイツ系移民だし。アメリカの大統領は初の有色人種の大統領から急旋回してトランプになった。
「差別の話になったわ」著者がこの本を娘に言った言葉。遺作。
子どもの頃、ヒトラーユーゲントを歓迎したことは罪なのか。差別はいけない。頭ではそう思うが、体では別。タテマエではそう思うが、本音は別。いつの間にか差別が、マグマとなってあちこちで噴出する時代は決して良い時代であるとは思えないんだけどねえ。
ヒトラーユーゲントの来日が重要なモティーフとなっている。ええと検索したら、ヒトラーユーゲントが来日したのは1938年。そのとき、出迎えの歓迎をしたいとこたち。戦前、戦中、戦後。その成長を通しての日本とアメリカ。日本人とアメリカ人。都会と田舎。家族と血族。
ぼくの両親も兄弟の数が多くて必然いとこもたくさんいて、よく遊んだりした。少子化となったいまは、いとこなんてそんなに濃厚なつきあいはしていないのだろう。
戦後強くなったものは女性とストッキングとか言われるが、この本に出てくる女性たちも自分の意志で生きようとする。アカデミックな空気が漂っているのは、この世代の人たちならではのものという気がする。具体例を挙げるなら、閉館してしまった岩波ホールとか。
ヒトラーユーゲントの金髪と青い目。アーリア人の純血種の保存のためにユダヤ人を排斥したナチス。健全な社会の建設のために健常者ではない者も排斥しようとしたナチス。ヒトラーユーゲントが最近見たものに似ている。何だろうと思ったらトランプファミリーだった。トランプはドイツ系移民だし。アメリカの大統領は初の有色人種の大統領から急旋回してトランプになった。
「差別の話になったわ」著者がこの本を娘に言った言葉。遺作。
子どもの頃、ヒトラーユーゲントを歓迎したことは罪なのか。差別はいけない。頭ではそう思うが、体では別。タテマエではそう思うが、本音は別。いつの間にか差別が、マグマとなってあちこちで噴出する時代は決して良い時代であるとは思えないんだけどねえ。
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
女子柔道選手ではありません。開店休業状態のフリーランスコピーライター。暴飲、暴食、暴読の非暴力主義者。東京ヤクルトスワローズファン。こちらでもささやかに囁いています。
twitter.com/sonenkofu
詩や小説らしきものはこちら。
https://note.mu/sonenkofu
この書評へのコメント
 - コメントするには、ログインしてください。 
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:文藝春秋
- ページ数:0
- ISBN:9784167917531
- 発売日:2021年09月01日
- 価格:902円
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。






















