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michakoさん
michako
レビュアー:
最近、この間結婚したばかりだよね??って人が光の速さで離婚することが多いように感じるけれど。 年数を重ねた人間はかなりの覚悟を必要とする。
39歳の桐原まりえ。
夫・森崎から離婚を切り出され2年かけて悩んだ末それに応じ、二人で離婚届を出しに行くところからはじまる。
子どもはない。自分の仕事は順調。今ではむしろ清々しさを感じるくらい。
夫からの離婚の理由は「恋愛がしたくなった」というものだった。

千早さんの作品にたま~に登場する『わけのわからん男』がこの作品にも登場した。
しかも恋愛して長年連れ添った相手から言われた「恋愛がしたい」って。
この夫に今そのような相手が存在するから離婚したいのか?
離婚せず妻以外の他の誰かと付き合うという選択はありなのか?
いやいや…そんなの考えたってどうしようもないでしょう。
相手の心がこちらを向いていないということだものね。
あれこれ考えた末離婚を承諾したまりえに「大変だったね!お疲れ様!!」という気分でずっと読んでいた。

気持ちを切り替えたまりえは確かに前を向いて生きていく。
名前の変わる届けを出し(面倒そうだ!)、引っ越し、自分だけのために時間を使える楽しさを思い出し満喫する。
そんなまりえでもいざ離婚となった時、真っ先に頭に浮かんだのは「孤独死」。
う~ん、39歳でそんな発想になるって…そういうものなのかな。

まりえは大手に勤務し安定した収入があるし、離婚に文句をいいつつ離れた場所で暮らす親も健在。
だから結婚相談所でやたら絡んでくる香織という女性の必死さに違和感を感じる。
うん、この香織が主人公の作品は…ちょっと読みたくないなぁ。
まりえだからある程度共感しつつ読めるんだなぁ。
自分から離婚を切り出したくせに元夫は何かにつけまりえに連絡してくるし家にやってくるまでに。
一方のまりえは趣味を充実させ7歳下の恋人と40歳の誕生日を迎える。
体の不調があったりすると気弱になるものだけど、それらを全て受け止めながら淡々と生きる。
合間にコロナがあったりまりえは「今」を生きてる人。

千早さんの作品に『香り』『匂い』は重要な要素に感じてる。
でもこの作品で登場したフレグランスショップの林は『透明な夜の香り』続編の『赤い月の香り』の調香師・朔とは全く違う性格だった。
そんなキャラクターの違いも面白かった。
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michako
michako さん本が好き!1級(書評数:1633 件)

夏休み。久しぶりに1週間じっくり母と向き合えた気がします。

読んで楽しい:2票
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