薄荷さん
レビュアー:
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読む前から面白いよ~!
本書を手にとったらまず、贅沢にデカい帯と、愉快な表紙絵と、題名を堪能。
次に右手で背表紙をつかみ、左手でパラパラとページを送って、展開される様々な紙の色合いと手触りを楽しんでください。(これが新刊だったら顔を突っ込んで紙の香りも味わうところですが、残念ながら現在絶版中で、古本以外入手方法がありませんでした…無念!)
やっぱ紙の本ってイイ!紙媒体バンザイ!\(^o^)/
さて本書は、52人の作家が発表した本にまつわるエッセイをた~っぷり詰め合わせた、大変お得なアンソロジーです。
本にまつわると言っても、読む本、書いた本、集めた本、夢の中の本、思い出と共にある本、本の扱い・・・作家たちが持ち寄る「本の話」は多種多様。
そのすべてをずらりと並べると・・・目次だけで5ページという読み応え!
お好みの著者を先に攻略するのもありですが、紙のページ展開を楽しむなら最初からじっくり読んでいくことをお勧めします。
最初に載っていた「塩一トンの読書」は、読んだ気がする?と記録を探してみたら2011年のデータが・・・(^-^;
「ひとりの人を理解するまでには、すくなくも、一トンの塩を一緒に舐めなければだめなのよ」
相手を理解したいなら、共に長い時間を過ごしながら、様々な経験をすることが必要・・・と姑から教わった須賀敦子氏は、古典を読んでいて、ふとこの言葉を思い出す。
その真摯な読書姿勢を再読し、十数年経っても何も変わらず食い散らかし状態の自分の読書を恥じ入るばかり・・・。
でも、食い散らかし読書が能力を発揮させているというのは、浅田次郎氏。
純然たる娯楽として手当たり次第に食い散らかしてきた読書は、体内に相当量の脂肪として蓄積されているから、脂肪消費に小説という噓話を書くこと=小説家になる他なかったよなぁ・・・としみじみつぶやくのです。
名作家が小説を嘘話と言い切るのは、その価値を貶めるわけではなく、寧ろその有益性を重んじているからこそ。
他の動物には無い、人の持つ「想像力」という卓越した能力こそ「希望」を見出す力。つまりは「想像力」の多寡が人の幸不幸に直結する、と。
本は神(作家)からもたらされる祝福なんだから、正しくお布施(代金)を支払うのは当然であり、ちょっと拝んだ方がいいかもしれない・・・積読のために部屋の空きスペースを探るなんてもっての外だ!とまた反省。
とはいえ、本好きは身の回りに好きな本山がある=幸せ。
まして職業作家や研究者にとって、すぐ手の届くところに資料がある=理想的職場。
それが行き過ぎた生活=本山脈の間で生活をしているのが、
部屋内を移動するべく、愛用の黒電話に長いコードを付けたのはいいけど、移動する度にこいつが本の山をひっかけて雪崩がどどっ!
電話を本の山に乗せてたばかりに、受話器を取ったらバランス崩して
電話ごと本雪崩!どどどっ!
電話だけでなく、玄関ベルも危険。頻繁に届く資料を持ってきた宅配業者が玄関ベルを鳴らした場合、玄関に行きつくまでの廊下を急げば、その後ろから
本雪崩の連鎖!どどどどどっ!
遭難しないことを願うばかりです。でも本で遭難って、ちょっとおもしろい・・・。
おもしろい・・・というか爆笑したのが、手元にある見覚えのない本に首をかしげる最相葉月氏。
「人間伝来の古書」/ストラスハブスキー著/マルサリス出版?
買った覚えがないし、ちょっと読んでみて内容がさっぱりわからない・・・どころか日本語として意味が通じない。翻訳が悪いんじゃないか?と翻訳者を確認すると・・・んん!?
「んなアホな!」ご主人の切れのいいツッコミが炸裂します。
このご主人が高校時代、友人4人と夏休みの宿題のために読んだ本は、「夜霧の隅で」/バヂッター著。4人ともが絶賛し、規定枚数を超える力作感想文を書きあげたが、実は・・・?
絶対に不可能ですが、この2冊の本をぜひ読んでみたいものです(笑)
その他、
☆ 本にサインを求められた際、好きな言葉を添えてくれと言われて「増刷したい」と書いた長嶋有氏
☆ 出がけに寄った古本屋で、ずらり並んだ「サンリオSF文庫」800円均一を30冊以上つい買っちゃって、コインロッカーに入れて出かける羽目になった穂村弘氏
☆ 手元にある傷だらけの本に今は亡き猫たちを思い出し、現在書斎のソファに集合している猫たちに微笑む有栖川有栖氏
・・・などなど。
気になる本と、素敵な作家さんが大集合!
あなたの好きな作家さんはどんな本語りをしているか、是非本書でお確かめください。
次に右手で背表紙をつかみ、左手でパラパラとページを送って、展開される様々な紙の色合いと手触りを楽しんでください。(これが新刊だったら顔を突っ込んで紙の香りも味わうところですが、残念ながら現在絶版中で、古本以外入手方法がありませんでした…無念!)
やっぱ紙の本ってイイ!紙媒体バンザイ!\(^o^)/
さて本書は、52人の作家が発表した本にまつわるエッセイをた~っぷり詰め合わせた、大変お得なアンソロジーです。
本にまつわると言っても、読む本、書いた本、集めた本、夢の中の本、思い出と共にある本、本の扱い・・・作家たちが持ち寄る「本の話」は多種多様。
そのすべてをずらりと並べると・・・目次だけで5ページという読み応え!
お好みの著者を先に攻略するのもありですが、紙のページ展開を楽しむなら最初からじっくり読んでいくことをお勧めします。
最初に載っていた「塩一トンの読書」は、読んだ気がする?と記録を探してみたら2011年のデータが・・・(^-^;
「ひとりの人を理解するまでには、すくなくも、一トンの塩を一緒に舐めなければだめなのよ」
相手を理解したいなら、共に長い時間を過ごしながら、様々な経験をすることが必要・・・と姑から教わった須賀敦子氏は、古典を読んでいて、ふとこの言葉を思い出す。
長いこと付き合っている人でも、なにかの拍子に、あっと思うことがあって衝撃をうけるように、古典には、目に見えない無数の襞が隠されていて、読み返すたびに、それまで見えなかった襞がふいに見えてくることがある。しかも、一トンの塩とおなじで、その襞は、相手を理解したいと思い続ける人間にだけ、ほんの少しずつ、開かれる。
その真摯な読書姿勢を再読し、十数年経っても何も変わらず食い散らかし状態の自分の読書を恥じ入るばかり・・・。
でも、食い散らかし読書が能力を発揮させているというのは、浅田次郎氏。
純然たる娯楽として手当たり次第に食い散らかしてきた読書は、体内に相当量の脂肪として蓄積されているから、脂肪消費に小説という噓話を書くこと=小説家になる他なかったよなぁ・・・としみじみつぶやくのです。
名作家が小説を嘘話と言い切るのは、その価値を貶めるわけではなく、寧ろその有益性を重んじているからこそ。
他の動物には無い、人の持つ「想像力」という卓越した能力こそ「希望」を見出す力。つまりは「想像力」の多寡が人の幸不幸に直結する、と。
徹底的に無責任な、夢物語であればあるほど有益だと思える。つまり、想像力の開拓である。言葉という不可視の媒体を依り代としていればこそ、読者は自由な想像をめぐらし、十人十色の異なった感動を獲得する。それが小説のもたらす福音である。
本は神(作家)からもたらされる祝福なんだから、正しくお布施(代金)を支払うのは当然であり、ちょっと拝んだ方がいいかもしれない・・・積読のために部屋の空きスペースを探るなんてもっての外だ!とまた反省。
とはいえ、本好きは身の回りに好きな本山がある=幸せ。
まして職業作家や研究者にとって、すぐ手の届くところに資料がある=理想的職場。
それが行き過ぎた生活=本山脈の間で生活をしているのが、
草森紳一氏「あとからゆったりと倒れる本の群れもあるのだ」ってもう、題名が・・・(笑)
部屋内を移動するべく、愛用の黒電話に長いコードを付けたのはいいけど、移動する度にこいつが本の山をひっかけて雪崩がどどっ!
電話を本の山に乗せてたばかりに、受話器を取ったらバランス崩して
電話ごと本雪崩!どどどっ!
電話だけでなく、玄関ベルも危険。頻繁に届く資料を持ってきた宅配業者が玄関ベルを鳴らした場合、玄関に行きつくまでの廊下を急げば、その後ろから
本雪崩の連鎖!どどどどどっ!
遭難しないことを願うばかりです。でも本で遭難って、ちょっとおもしろい・・・。
おもしろい・・・というか爆笑したのが、手元にある見覚えのない本に首をかしげる最相葉月氏。
「人間伝来の古書」/ストラスハブスキー著/マルサリス出版?
買った覚えがないし、ちょっと読んでみて内容がさっぱりわからない・・・どころか日本語として意味が通じない。翻訳が悪いんじゃないか?と翻訳者を確認すると・・・んん!?
「んなアホな!」ご主人の切れのいいツッコミが炸裂します。
このご主人が高校時代、友人4人と夏休みの宿題のために読んだ本は、「夜霧の隅で」/バヂッター著。4人ともが絶賛し、規定枚数を超える力作感想文を書きあげたが、実は・・・?
絶対に不可能ですが、この2冊の本をぜひ読んでみたいものです(笑)
その他、
☆ 本にサインを求められた際、好きな言葉を添えてくれと言われて「増刷したい」と書いた長嶋有氏
☆ 出がけに寄った古本屋で、ずらり並んだ「サンリオSF文庫」800円均一を30冊以上つい買っちゃって、コインロッカーに入れて出かける羽目になった穂村弘氏
☆ 手元にある傷だらけの本に今は亡き猫たちを思い出し、現在書斎のソファに集合している猫たちに微笑む有栖川有栖氏
・・・などなど。
気になる本と、素敵な作家さんが大集合!
あなたの好きな作家さんはどんな本語りをしているか、是非本書でお確かめください。
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スマホを初めて買いました!その日に飛蚊症になりました(*´Д`)ついでにUSBメモリーが壊れて書きかけレビューが10個消えました・・・(T_T)
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- 出版社:キノブックス
- ページ数:0
- ISBN:9784908059117
- 発売日:2015年07月17日
- 価格:1760円
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