すずはら なずなさん
レビュアー:
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他の作品を読まずにいきなり手にしてしまったけれど。
51歳で尼僧の「寂聴さん」となった瀬戸内さん。一昨年の11月に99歳で亡くなった時にはニュースや特番でそのお顔やお話する姿を幾度も目にした。
おだやかな笑顔と相手に寄り添う言葉は聞いていて心が解れ、温かい気持ちになれたことを思い出す。
作品を読んだことがなかったが、若い頃の結婚や不倫、離婚して一人娘を捨てたこと、そして再びの道ならぬ恋のことなど、よく知らないながら何となく知った気になっていた。
この随筆は寂庵が少しずつ形になっていく様、多くの人がここに惹かれて立ち寄ったり、一緒に時間を過ごすようになる様子が 季節ごとの花や樹々の様子と共に語られている。
うちは京都ではないのでまた様子も違うとは思うけれど、最近家の周りを散歩してみると、昭和、平成、令和と時代の変遷と共に庭の造り方が変わって、生垣や庭木がだんだん減っていることが解る。狭いとはいえ父母の好んだ昭和の庭のある我が家では少しでもほおっておくと樹々は茂り、雑草は伸び放題になる。父がしていた後を継いで、業者に頼まず自分で庭木を剪定して切った枝を細かくして袋に入れて燃えるゴミの日に出す。時間と労力が案外かかる。
庭木や生垣が流行らなくなってきた理由も解る気もする。
ここに沢山生えたら駄目だよ、ちょっと抜かしてもらうよ、なんて心で謝りながら草抜きをするのだが、小さな「雑草」の花や葉っぱたちがどんな顔をしているのかを見るのもまた楽しい。
今やっている朝ドラも私は大好きだ。
話が逸れてしまったけれど、寂聴さんの庭作り、季節の移ろいを語る言葉がとても心地よくて、ふとした縁で知り合った人たちが、寂聴さんの庭に木を植えに来たり出来た作物を分けに来てくれたりする様子も、よもぎを摘んでお団子を作ったり、敷地にたまたま植わっていたお茶の木を見つけて、若い人たちと一緒にその葉っぱから飲めるお茶まで作ってしまう過程もまた、面白く興味深い。
岡本かの子について書いている部分では、瀬戸内晴美時代の作品「かの子繚乱」を読んでみたいと思い、また岡本かの子に興味が湧いた。
寂庵を訪ねて、一度でも寂聴さんのお話を聞いてみたかったなぁと思う。
おだやかな笑顔と相手に寄り添う言葉は聞いていて心が解れ、温かい気持ちになれたことを思い出す。
作品を読んだことがなかったが、若い頃の結婚や不倫、離婚して一人娘を捨てたこと、そして再びの道ならぬ恋のことなど、よく知らないながら何となく知った気になっていた。
この随筆は寂庵が少しずつ形になっていく様、多くの人がここに惹かれて立ち寄ったり、一緒に時間を過ごすようになる様子が 季節ごとの花や樹々の様子と共に語られている。
うちは京都ではないのでまた様子も違うとは思うけれど、最近家の周りを散歩してみると、昭和、平成、令和と時代の変遷と共に庭の造り方が変わって、生垣や庭木がだんだん減っていることが解る。狭いとはいえ父母の好んだ昭和の庭のある我が家では少しでもほおっておくと樹々は茂り、雑草は伸び放題になる。父がしていた後を継いで、業者に頼まず自分で庭木を剪定して切った枝を細かくして袋に入れて燃えるゴミの日に出す。時間と労力が案外かかる。
庭木や生垣が流行らなくなってきた理由も解る気もする。
ここに沢山生えたら駄目だよ、ちょっと抜かしてもらうよ、なんて心で謝りながら草抜きをするのだが、小さな「雑草」の花や葉っぱたちがどんな顔をしているのかを見るのもまた楽しい。
今やっている朝ドラも私は大好きだ。
話が逸れてしまったけれど、寂聴さんの庭作り、季節の移ろいを語る言葉がとても心地よくて、ふとした縁で知り合った人たちが、寂聴さんの庭に木を植えに来たり出来た作物を分けに来てくれたりする様子も、よもぎを摘んでお団子を作ったり、敷地にたまたま植わっていたお茶の木を見つけて、若い人たちと一緒にその葉っぱから飲めるお茶まで作ってしまう過程もまた、面白く興味深い。
岡本かの子について書いている部分では、瀬戸内晴美時代の作品「かの子繚乱」を読んでみたいと思い、また岡本かの子に興味が湧いた。
寂庵を訪ねて、一度でも寂聴さんのお話を聞いてみたかったなぁと思う。
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実家の本棚の整理を兼ねて家族の残した本や自分の買ったはずだけど覚えていない本などを読んでいきます。今のところ昭和の本が中心です。平成にたどり着くのはいつのことやら…。
この書評へのコメント

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- 出版社:集英社
- ページ数:0
- ISBN:9784087475197
- 発売日:2002年12月13日
- 価格:524円
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